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2021年8月31日 (火)

8/30 『告訴せず』(1975)

Amazonビデオにて。

堀川弘通監督、松本清張原作、青島幸男江波杏子渡辺文雄悠木千帆西村晃小沢栄太郎加藤嘉小松方正村井国夫出演。

総選挙の投票日を目前に控え、岡山選挙区でギリギリ当確ラインに居る渡辺文雄は、最後の手段として大臣の小沢栄太郎から現金3000万円を用意してもらった。それを食堂を経営している義理の弟の青島幸雄に東京まで受取に行ってもらったが、青島はその金をそのまま持ち逃げする。義兄も大臣も、後ろ暗い金なので告訴が出来ないと分かった。彼は身を隠していた温泉宿の女中江波杏子と懇ろになり、二人で先物取引への投資を始める。これがバカみたいに当り、大儲けをするが…。

本当に堀川弘道監督は、この手のサスペンスを上手く撮る監督だ。
飄々とそしてノラリクラリと生きていく青島幸雄の軽妙さと、儲けた金で中古モーテル取得と経営に異様な執念を燃やす江波杏子。そして先物取引の担当者である村井国男の胡散臭い好人物感と加藤嘉の怪しさ。青島たちをそして追ってくる西村晃のねちっこさ。
曲者しか出て来ない中、お見事なバランス感で、飄々としていたはずの青島がじりじりと追い詰められていく。
最後の最後、バン!と全てを断ち切るような結末。ウッヒー、たまりませんなぁ。

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2021年8月30日 (月)

8/29 『音楽』(2020)

Blu-Rayにて。

昨年映画館で3回観て、ソフトで観るのは2回目。

何度観ても幸せになる。
そして、何度観ても何がこんなに自分の琴線に触れまくるのかは言葉で説明できない。

https://youtu.be/eRzbslTm-Yc

音楽 : 作品情報 - 映画.com

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2021年8月29日 (日)

8/28 『無宿人別帖』(1963)

Amazonビデオにて。

井上和男監督、松本清張原作、佐田啓二岡田茉莉子田村高廣二本柳寛長門裕之三國連太郎津川雅彦宮口精二渥美清西村晃伴淳三郎左幸子出演。

 

佐渡金山では、宿無しで人別帳に未登録の浪人やゴロツキを強制労働させていた。新佐渡奉行に着任した田村高廣は、奉行所の腐敗をつき、改革を断行しようとするが、同伴してきた新支配頭の二本柳寛の思惑は私欲にあった。働かされている無宿者たちは、あまりの過酷な状況に島抜けを試みる…。

松本清張原作の時代劇で、推理物ではない。
当時の松竹オールスターと言っても過言ではない顔ぶれに、日活からフリーになったばかりの長門裕之&津川雅彦兄弟らも加えた豪華キャスティング…なのだが、全般的に暗めでジメっとして華がないのが難点。佐渡金山の島抜け話だから仕方がないか。
田村高廣と佐多啓二以外は、ほぼほぼロクデナシの悪党や小悪党で、中でも島抜けを仕切る三國連太郎のたちの悪い悪人ぶりの存在感が抜群。
生きるためにはなりふり構わず、たった今まで仲間だった奴も容赦なく絞め殺す。
クライマックスは、もう破れかぶれの肉弾戦になり、どんどんバンバン死んでいく無宿者たち。
でも最後にたったひとつだけ希望が残るのが良いところ。
地味な佳作で、嫌いではないですな。

無宿人別帳

田鶴園子 - gluons

 

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8/28 『キネマの神様』(2021)

新宿ピカデリーにて。

山田洋次監督、沢田研二菅田将暉永野芽郁野田洋次郎リリー・フランキー前田旺志郎志尊淳北川景子寺島しのぶ小林稔侍宮本信子出演。

松竹の周年記念映画は山田洋次が撮らないといけない決まりがあるらしく、これは松竹映画100周年記念作品。
昨年、志村けん主演でクランクイン予定だったものが、コロナで亡くなられたために一時中断し、代わりに沢田研二が主役を演じることになった作品。その経緯は知っていたけれど、実際に映画を観て違和感を感じる。
恐らく志村けん主演で書かれた脚本を、全く手直しせずに沢田研二で撮ったのだろう。随所で沢田研二の口調や演技が、志村けんを模倣したようなものになっている。挙句の果てに、沢田研二が「東村山音頭」を唄う場面もある。これは志村けんへのオマージュなの?自分にはそうは見えなかった。ただ単に、沢田研二が志村けんの物まねをした映画の様に見える。100周年の映画ではあるかもしれないが、コロナ禍と言う状況もあるのだし、ちゃんと沢田研二向けの脚本にした方が良かったと思う。
この主人公のゴウは、若い頃に松竹撮影所の助監督だったが、今はギャンブル漬けのクズ人間になっている。彼が熱心に実現を願って書いた脚本で、初監督を飾ろうとする。しかし、撮影初日にベテランカメラマンとアングルのことで対立して、その日のうちに辞表を出して映画から逃げるように田舎に帰る。やりたくてやりたくて、やっと実現した初監督作品を、たった一日であきらめる。本当に映画監督になりたかったの?その後、どんな遍歴があったのかは描かれないが、きっと碌な物じゃないのだろう。そして老いてギャンブル漬け。
この主人公は果たして映画愛に溢れた人間なのだろうか?先日観た『虹をつかむ男 南国奮闘篇』の時も感じたが、山田洋次の描く映画を愛すると設定されている人物は、およそ映画愛を感じさせないことがあるのはなぜだろう?この作品の登場人物で、一貫して映画愛を持っていたのは、映写技師のテラシンだけなんじゃないだろうか?
ついでに、ゴウと結婚した淑子も、永野芽郁演じた若い頃はハッキリとした物言いで、ゴウの尻を叩いて叱咤激励する女性だったのに、なぜ宮本信子演じる老年期には、夫に何も文句も言えない引っ込み思案の辛気臭い女性になってしまったのだろう?

観ていて疑問ばかりが積み重なっていく不可解な映画で、なんでこれが世間で評判が良いのか、全くもって分からない。

https://youtu.be/zDnrLKFtEY4

キネマの神様 - 作品 - Yahoo!映画

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2021年8月28日 (土)

8/27 『ロード・オブ・ウォー~史上最強の武器商人と呼ばれた男』(2005)

原題:Lord of War

Amazonビデオにて。

アンドリュー・ニコル監督、ニコラス・ケイジジャレッド・レトイーサン・ホークブリジット・モイナハンイアン・ホルム出演。

ウクライナからユダヤ人のふりをしてアメリカに移民してきた一家の長男ニコケイ。家族経営の食堂は儲からず暗澹たる気持ちのある日、彼はロシアンマフィアの銃撃戦に遭遇。閃くものがあり、彼は弟のジャレッド・レトを巻き込んで武器商人の道を歩み始める。

実在の武器商人をモデルにした物語。
最初にUZI一丁を手に入れて転売することから始めて、ハッタリと口八丁と度胸だけでのし上がっていくニコケイと、その兄貴の相棒だったがついて行けずに薬に走る弟のジャレッド・レト。

ニコケイ演じるユーリは、商売自体は禄でもないが、キチンとルールを決めている。
・自分の商品では撃たれないこと。
・常に支払いの確保をしておくこと。
・自ら銃を持って顧客に加勢しないこと。
・戦争をしないこと。特に、自分自身とは。
クスリをやったりもしない。ある種、非常に真面目にビジネスのことだけを考えているのが面白い。
最後の最後で逮捕された後の展開が、あ、そっちなんだ!と妙に納得する。それから、この映画の当初の邦題が『アメリカン・ビジネス』だったと知って納得した。

https://youtu.be/_blqZOmoaKo

Amazon.co.jp: ロード・オブ・ウォー (字幕版)を観る | Prime Video

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2021年8月27日 (金)

8/26 『震える舌』(1980)

Amazonプライムにて。

野村芳太郎監督、渡瀬恒彦十朱幸代若命真裕子中野良子越村公一宇野重吉北林谷栄出演。

郊外の団地に住む渡瀬恒彦と十朱幸代には、幼い娘・昌子がいた。ある日昌子は、湿地の泥の中を蝶を追っていて、泥の中に転んだ。彼女の手には小さな傷があった。数日後、母親が昌子が食事中に食物をポロポロこぼし、鵞鳥のような妙な歩き方をしていた。その晩、昌子は絶叫をあげて倒れた。白い歯の間に小さな赤い舌がはさまってもがいていた。娘に一体何が起こっているのか?

聖路加国際病院も協力をした、破傷風の危険性を啓蒙する真面目な映画。
…のはずなのだが、ともかく物凄い。並大抵のホラー映画では太刀打ちできないレベルのトラウマ映画として、かねてより評判の作品である。自分も高校時代にリアルタイムで予告篇や紹介映像等を観て、それだけでトラウマになって現在に至るも避けていた作品。
ここのところ野村芳太郎のサスペンスを立て続けに観ており、『影の車』そして『鬼畜』と精神的ダメージを食らう作品を観た勢いで、このまま一気に『震える舌』も観てしまおうと!(自虐)

いやー、予想して身構えていたにも関わらず、スゲーですね!
もう「恐い」とか「怖い」ってんじゃなくて、「地獄」のような映画(震)。
まず最初の衝撃は、子どもが口を血塗れにして、歯を食いしばりながら叫ぶ金切り声!これが繰り返し、2時間ごとに襲ってくる。破傷風の症状として大きな音や光によって発作が起きるんだそうで、窓は遮光カーテン掛けている。けれど入院しているのは小児病棟の個室なので、すぐそばに子どもたちが沢山入院している大部屋がある。子どもなので、走るし、騒ぐし、物を落とす!「ぎぇぇぇぇぇぇぇ…っ!」
「音を立てたら“超”即死っ!」ってのは、オツムの弱い人たちがクリーチャーに襲われるようなんじゃなくて、こーゆーのを言うんだよっ!
歯を食いしばり弓なりに反ってる血塗れの子どもを、大人の医師・看護婦が数名掛かりで押さえ込みながら、なんとか食いしばっている口をこじ開けようとするが、開けることが出来ない。「この子は乳歯ですか?!永久歯ですかっ?!」ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!そっうっです、そのまま麻酔もへったくれもなく、ヤットコみたいなので子どもの歯を抜くんです。観てるこっちも、歯ぁ食いしばっちゃいましたよ…。なんか『マラソンマン』の通称白衣の天使の拷問なみの痛さ。
そして、
たった数日の話なのに一気に壊れていく両親。どうしてあの子がこんな目に…あたしがあの子を産んだからいけないのよ…あなたと結婚したからいけないのよ。
こんな陰々鬱々とした治療が続く中、担当女医の中野良子は微笑みを浮かべながら「状態は悪化しております」とか淡々と告げる。なんじゃあそりゃあぁぁぁぁ!
遮光カーテンで光を遮られた薄暗い病室の中で、延々続く地獄。
幸い、この映画は病気が治って終わりになる。途中、致死率が高い病気であると説明があるので、このまま死んでしまうバッドエンドならどうしようかと思ったよ。

とりあえず、破傷風の恐ろしさは全ての観客に叩き込んだであろうから、この映画の目的はキッチリ果たされているんだろう。

https://youtu.be/zaqEN6JjFa4

震える舌 - 作品 - Yahoo!映画

 

 

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8/26 『ワイルド・スピード ジェットブレイク』(2021)

TOHOシネマズ新宿、IMAXレーザーにて。

ジャスティン・リン監督、ヴィン・ディーゼルジョン・シナミシェル・ロドリゲスタイリース・ギブソンクリス・"リュダクリス"・ブリッジスナタリー・エマニュエルジョーダナ・ブリュースターサン・カンシャーリーズ・セロン出演。

ドミニクには実は生き別れた弟が居て、それが敵として立ちはだかる!死んだ筈のハンが生きていた!
…いや、もうね、物語的には末期的な設定だと思うんですよ、こーゆーのって。そのバカバカしいお話を、勢いとカーアクションだけで見せ切ってしまおうってのがこのシリーズなので、グダグダ文句言っても仕方ないんでしょうけど。とっくの昔に荒唐無稽路線に舵を切っている訳ですが、全てのことをクルマに乗ったままでクリアしようと言う謎の意気込みは凄いですな。
今回はなんとクルマにロケットエンジン付けて、ついに宇宙まで行ってしまう。「空をブチ抜け。」って本当に宇宙なんだなぁ、ゴイスーだなぁ。それでどうやって帰って来るんだよ?とか、一瞬でも考えた観客がバカってもんだ。
次の10作目でシリーズ終了の話も聞こえるが、どうなんでしょうね?

今回、レティとミアが日本に来る場面があり、おそらくセットを組んで撮影をしている。まあまあ上手く日本の繁華街っぽく作っている。でも、2人が「自家製麺 養老の月」ってラーメン屋のテラス席でラーメンを食いつつ飲んでいるのがホッピー。それもボトルでラッパ飲み。それがどんな飲み物なのか、きっとわかってないと思うんだよな~。

https://youtu.be/RmSEsDaxF8U

ワイルド・スピード ジェットブレイク : 作品情報 - 映画.com

 

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2021年8月26日 (木)

8/25 『ゴーストライダー』(2007)

Amazonプライムにて。

マーク・スティーヴン・ジョンソン監督、ニコラス・ケイジエヴァ・メンデスピーター・フォンダウェス・ベントリーサム・エリオット出演。

劇場公開時以来の再見。
世間的にはあまり評価は高くないらしいが、個人的には好きな映画。
サム・エリオットが、いかにもサム・エリオットらしくカッコイイ。それだけで評価は甘くなるってもんじゃない?
アメコミ大好きニコラス・ケイジにやっと回って来たアメコミ・ヒーロー役なんだから、もっとシリーズ続けさせてあげるとか、『アベンジャーズ』に参戦させてあげれば良かったのにねぇ。
バイクの映画だからピーター・フォンダをキャスティングってのは、もうお約束だよね。

https://youtu.be/D4305PToTMI

ゴーストライダー : ポスター画像 - 映画.com

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8/25 『黑い画集 第二話 寒流』(1961)

Amazonビデオにて。

鈴木英夫監督、松本清張原作、池部良荒木道子新珠三千代平田昭彦中村伸郎宮口精二志村喬出演。

安井銀行に勤める池辺良は、学生時代からの友人で、かつ頭取の息子で常務取締役の平田昭彦の大抜擢により、池袋支店長になった。彼は新任の挨拶廻りの時に料亭「比良野」の女将新珠三千代を知った。彼女からの1000万円の融資依頼を受けてから、二人の仲は急速に進んでいった。そんなる日、池袋支店にやってきた平田が新珠を見染め、巨額の融資で彼女に迫り始めた…。

『黑い画集』シリーズ第三弾。
『あるサラリーマン』が60年3月、『ある遭難』が61年6月、本作が61年11月の公開なのに、わざわざ“第二話”と付けている意味はよく分からない。

「そりゃあ、寒流より暖流だよ!」って台詞が冒頭にある。
何の話かと言えば、会社内での潮流の話。出世コースに乗って-----と言うよりも勝ち馬に乗ってのし上がっていくのが暖流で、そこに乗れずに外れていくのが寒流ってことだ。主人公の池辺良は、友人が取締役だったことで、暖流に乗ってグングンと出世していくと思いきや、その取締役に不倫相手を奪われたことで、どんどんコースを外れていく。病弱な奥さんをほっぽらかして、お色気女将と懇ろになっていったんだから自業自得ではあるんだが、元々からお偉いさんの息子ってことで出世コースに乗っている平田昭彦が、我々一般人からすると憎々しげに見えてくるので、なんとか一矢報いてやれ!と、心情的に池辺良に加担していく。だが、結局何一つ報われない。哀しいバッドエンドがやってきて、観ているこっちも虚脱してしまう。
女優としてあまり好みではない新珠三千代が、見事なファム・ファタールぶりで美しくも色っぽい。
シリーズ三作はどれも良く出来ている非常に面白い佳作。個人的にはサラリーマン>寒流>遭難の順番かな。

https://youtu.be/vabImef938w

梶芽衣子さんや芦名星さん等、美人ばかりが演じた松本清張氏の名作「寒流」の悪女の奈美だけど、実際の犯罪の影の女って、、、 : K-UNIT 情報局

黒い画集 第二話 寒流 (1961) | 日本映画, 画集, 映画

 

 

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2021年8月25日 (水)

8/24 『ザ・タイガー!!!』(2014)

原題:Sming

Amazonプライムにて。

パン・ウィシットサック監督、プータリット・プロムバンダルアティワット・ティーラニティットナントネランチャラ・ラートパーサート出演。

タイのジャングル奥地で、多国籍のハンターが集う農村に妖虎が現れ、ブーンの妻が殺害された。彼は間一髪で娘を救い出し、妖虎に復讐するためにジャングルに入っていった。度重なる被害を知り、黒魔術を操るクメール族、狂暴な愛犬とペアを組む白人、集団攻撃で敵を狙う中国の5兄弟などが、妖虎退治に集まって来たが…。

妖虎ってのが本当に妖虎。自分が喰い殺した人間の姿に変身することが出来る。だから、自分の家族や友人だと思って近付くと、実はもうその人は喰い殺されてて、自分が次の犠牲者になってしまう。誰が妖虎かは、襲い掛かられるまでは分からない。襲い掛かられる瞬間に変身を解くので、自分が死ぬ刹那になって知る。これはなかなかエグイ設定だ。さらに、前半では妖虎が化けた人間はほとんど口をきかないのだが、後半で何度か口をきいて人語を話す場面が出て来る。妖虎の話せる言葉は、自分が喰い殺した人間が最後に話した言葉だけなのだ。
ホラー物として考えた場合、かなり面白い設定なのに、今一つ活かし切れていない。
その他、突然出て来る半人半虎のクリーチャーもCGの出来はともかくとして、不気味な雰囲気を出しているが、これまた何のために出て来たのかすらよく分からなくて勿体ない。追うハンターたちも、黒魔術使いとか集団連携とか、ちゃんと個性を立たせているのに、これまた活かし切れずに終わってしまう。

事程左様に、面白くなりそうな要素や設定が散りばめられているのに、どれもこれも活かし切れずに全体として凡庸な映画になってしまっていて実に残念な作品。

https://youtu.be/4FMZL6r74_A

ザ・タイガー!!! - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

 

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8/24 『フリー・ガイ』(2021)

原題:Free Guy

TOHOシネマズ新宿にて。

ショーン・レヴィ監督、ライアン・レイノルズジョディ・カマージョー・キーリーリル・レル・ハウリータイカ・ワイティティ出演。

自分がゲームのNPCだったことに気付いたキャラクターが、ゲーム世界で自由に生き始める。

素直に面白い娯楽作。特にゲームをやる人なら、ゲームの“NPCあるある”が散りばめられていてとても楽しい。
そしてクライマックスにとあるネタが仕込まれていて、20世紀FOXがディズニー傘下になったことによって実現されたものであることが一目瞭然なのでなんだか感慨深かった。

ところで、私はここで敢えて「NPC」と書いている。ゲーム関係では、元々プレイヤーが操作しないゲーム中のキャラクター----例えばRPGとかで情報をくれたり、雰囲気台詞を繰り返し言ってるだけの登場人物たちを、「NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)」と呼んでいた。それが最近、何故か「モブ」とか「モブキャラ」と呼ばれるようになり、マンガやアニメ等でも、目立たない、空気のような存在の人を指しても「モブ」と呼ぶようになっている。個人的には、目立たないからと言って自立している人間は、いわゆる群衆、その他大勢の一人と言うことで「モブ」でも良いのだろうけれど、ゲームのNPCとは明確に違うと思っている。なので、本作では自分がゲーム中のNPCであると気付くまでは、自分を「モブ」と言う単語で読んでも構わないが、自分が誰でもない背景キャラだと認識してからは「NPC」と呼ぶべきだと思う。実際、映画でも「NPC」と言っているのだから。映画を観てる最中、どうもこの翻訳が引っ掛かって仕方がなかった。

映画自体は本当に良く出来ているのでオススメです。
『ザ・スーサイド・スクワッド』に続き、またもタイカ・ワイティティが出演。何を見ても割とエキセントリックな役柄ですな。

https://youtu.be/XnGF9SuegHI

フリー・ガイ : ポスター画像 - 映画.com

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2021年8月24日 (火)

8/23 『カンフー・トラベラー 北腿』(2017)

原題:功夫机器侠之北腿乱云飞/Kung Fu Traveler 2

Amazonプライムにて。

チャン・シエンフォン監督、タイガー・チェンワン・チーハン・ルイ出演。

前回のミッションは成功したけど、やっぱり拳だけで異星人と闘うのはツライので、足技も必要だよね~、と今度は蹴り技のマスターを探しにロボット2号がタイムスリップ!

まさかの続編は、足技篇!(笑)
もう次は投げ技篇でも頭突き篇でもやれば良いのではないかと…。
そして前作では、一応後を追ってタイムスリップしてきた異星人が居たのだが、今回は特に説明もなくなんかモヤモヤした煙状態になって追って来た。そして人間に憑依する。え?え?え?そんな敵なの?前回とは全く違う異星人ってことじゃないよね?なんて疑問を持ちながら観てても仕方がない。そんな物なのよ、と割り切って観るしかない。

今回のタイガー・チェンはほぼ全編おばさんパーマ風の髪型。それはカッコいいのか~っ!とツッコミを入れつつ、何か前作以上に氷川きよしテイストが強くなってきた風貌。本当に人気俳優なんでしょうか?
カンフー映画とSF映画が好きなら、宜しいんじゃないでしょうか?ガバガバSFですが。

https://youtu.be/4PDicFWLA3o

Amazon | カンフートラベラー 北腿 [DVD] | 映画

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2021年8月23日 (月)

8/22 『ジャスティス・リーグ :ザック・スナイダーカット』(2021)

原題:Zack Snyder's Justice League

Amazonビデオにて。

ザック・スナイダー監督、ベン・アフレックヘンリー・カヴィルガル・ガドットエズラ・ミラージェイソン・モモアレイ・フィッシャー出演。

2017年の『ジャスティス・リーグ』(120分)を、本来の監督であったザック・スナイダーの構想に基づいて、追加撮影&再編集したバージョンでなんと242分。驚きの倍以上の長尺。
正直なところ、世間のアメコミファンの間ではすこぶる評判の悪い、2017年のジョス・ウェドン版もそこまで悪いとは思っていなかった。ところが今回、このザック・スナイダー版を観たら、もうジョス・ウェドン版がどんな映画だったか思い出せない。むしろスッカリ吹き飛んでしまったので、敢えてジョス・ウェドン版をもう一回観たい気になって来たほどだ。

元々、ザック・スナイダー監督の作品はかなり好きで、『300』はザックの最高傑作だと思っている。そして5人くらいしか観客のいない劇場で観た、「考えるな。砂嚢で感じるんだ!」とか意味不明なフレーズがもう最高としか言いようのない、気のふれた梟スパルタン映画『ガフールの伝説』を周りの人に勧めて玉砕する程度にファンなのである。
そんな観客の一人として、このスナイダー・カットを観たら、もうこれは最高ですよ。2017年版でよくわからなかったサイボーグやフラッシュのキャラクター性、スーパーマンの怖ろしさ、ワンダーウーマンのチャーミングさ、『BvS』からの伏線回収、もちろんザック・スナイダーとしか言いようのない重厚感溢れるこだわりの映像。ともかく素晴らしい。そうだよ、本当に観たかったのはこーゆーのだったんだよ!

ザック・スナイダーのデビュー作『ドーン・オブ・ザ・デッド』で脚本を書いたジェームズ・ガンが、スナイダーのプロデュースにより今年DCコミックの『ザ・スーサイド・スクワッド』の傑作リブートを撮ったのも、奇しくもと言うよりは成るべきして成った出来事なのだろう。

ちなみにAmazonビデオでも本編の後に20分ほどの特典映像が付いており、ディスク版を購入しなくても観られたのはありがたい。でもブルーレイ買ってもいいかなと思い始めてはいる。

https://youtu.be/8xkOp66sfvQ

ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット

 

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2021年8月22日 (日)

8/21 『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(2006)

 

原題:DRAGON TIGER GATE/龍虎門

Amazonプライムにて。

ウィルソン・イップ監督、ドニー・イェンニコラス・ツェーショーン・ユードン・ジェ出演。

劇場で観て以来の再見。
カンフー・トラベラー 南拳』もつまらなくはなかったんだが、ドニー・イェンの超イカス闘いっぷりを観たくなって、ほぼアクションだけを飛ばし見。観直しても、料亭内のバトルが秀逸。川井憲次 のドンドコドンドコドンドコドンドコ!ってハイペースな音楽に乗って、飛ぶ、跳ぶ、飛ぶ!闘う戦う闘う闘う…。延々続くんじゃないかと思うほど闘いまくるアクションに痺れまくる。
やはりドニー・イェンこそが最高にして最強。

https://youtu.be/vRsao5FgEDE

かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート - 作品 - Yahoo!映画

 

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8/21 『カンフー・トラベラー 南拳』(2017)

原題:功夫機器俠之南拳/Kung Fu Traveler

Amazonプライムにて。

チャン・シエンフォン監督、タイガー・チェンワン・チー出演。

2147年、異星人の侵略によって人類は滅亡の危機に追い込まれた。異星人には人類の兵器が全く効かなかったが、カンフーによる肉弾戦で敵を倒すことが可能なことが分かった。そこで戦闘ロボットにカンフーをプログラミングして敵に立ち向かわせる作戦が発案される。そのために1体のロボットが、清朝時代の南拳のグランドマスターのもとへタイムマシンで送り込まれることになった……。

バカバカしいと言っては身も蓋もないが、発想は面白い。
このタイムマシンは過去への片道だけなので、行ったきり帰って来れない。だから、マスターを探し出してカンフーを覚えて、その習得した技をメモリー(USBメモリみたいなデザイン!)に入れて、万里の長城の石垣に隠す。それを未来で取り出して、全戦闘ロボットのA.I.にコピーする。ところがこの映画で不思議なのは、カンフーをマスターするのに、1週間のタイムリミットが設定されていること。2147年の危機的状況の中で、あと1週間しか持ちこたえられないから、過去に戻っても1週間でマスターしろとか言う謎の設定。極端な話、過去に戻ってから何十年掛かって覚えても、石垣に隠してれば未来はやって来るんだから、タイムリミットなんかないと思うんだがなぁ。
未来で、妻帯者のタイガー・チェンに恋してた技術者のワン・チーは、わざわざロボットの容姿をタイガー・チェンそっくりに作って、一緒に過去に行ってラブラブになろうとするとか、ムリヤリ突っ込んだロマンス設定も可笑しい。

https://youtu.be/612iBNZds5g

カンフー・トラベラー 南拳 : 作品情報 - 映画.com

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8/21 『黑い画集 ある遭難』(1961)

Amazonビデオにて。

杉江敏男監督、松本清張原作、伊藤久哉和田孝児玉清香川京子土屋嘉男松下砂稚子天津敏出演。

鹿島槍へアタックする、同じ銀行で働く同僚三人組。ベテランの伊藤久哉、全くの初心者の和田孝、そこそこ経験者の児玉清。そして児玉清一人が黒部渓谷の底へと消えていった。児玉の姉の香川京子は、初心者が助かって、経験者の弟が亡くなったことに不審の念を抱く。そして、弟の滑落現場に花を供えたいと、親戚で登山マニアの土屋嘉男と共に、伊藤久哉に再度登山をしてくれと頼んだが…。

今年、遭難映画を観るのは『北穂高絶唱』、『妻は告白する』に続いて三本目。普段は年に一本も観て無いような気がするが。
前半は、登山中の事故が起こるまでを回想するパート、後半は再度登山をして検証するパート。事故が起きるのは夏山登山で、検証するのは冬山登山。素人の自分から見ても冬山の方が危険度が増してそうなのに、そこに自分を疑っている人間と一緒に行くってのは若干ムリを感じる。
それにしてもクライマックスまで分からなかった殺人の動機がそんなことだったなんて…、やっぱり松本清張原作だわ~。

黒い画集〜ある遭難〜(日本・1961年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

 

 

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2021年8月21日 (土)

8/20 『トンビルオ! 密林覇王伝説』(2017)

原題:Tombiruo

Amazonプライムにて。

セス・ラー二ー監督、ゾル・アリフィンファリッド・カミルナビラ・フダファイザル・フセイン出演。

レイプされた娘から生まれ、あまりの顔の醜さに産婆によって川に流されたエジム。森に住んでいた元兵士によって拾われたものの、やっぱり醜過ぎて仮面を付けられて育てられた。そんな彼が成長し大自然の力を身に付け、森の守護者トンビルオとなって環境破壊から森を守るのだ!

『マライの虎』を観た勢いで、なんかマレーシア映画ないかなとアマプラとNetflixを検索したら引っかかった映画。
『マッハ!!!!!!!』とか『ザ・レイド』を観た時ほどではないまでも、それに近い衝撃を期待したのだが…。

マレーシア製のターザン風でもあり、カンフー映画でもあるのだが、なにせ森の守護者なので、植物が彼の意思で伸びたりするのが新機軸。森の中を走る車に、ツタが伸びて絡みついたりするのだ。でもあまり効果がないのが難点。もっと激しく操って、敵をバタバタ倒すくらいじゃないと、あまり能力に意味がない。また、ともかく顔が醜いって設定なので、作中ただの一度もマスクを取らない主人公ってのもこれまた珍しい。顔をカメラに向けてない時にマスクを取る場面はあるのだが、それを目撃した人たちは必ずドン引きのリアクションをする。どんだけ醜いのか、一回くらい見せて欲しいのが人情だ。

期待していた内容とは若干違ったけれど、まぁこれはこれでアリかなと。

https://youtu.be/3UoQv9XRDnw

Amazon | トンビルオ! 密林覇王伝説 [DVD] | 映画

 

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8/20 『マライの虎』(1943)

Amazonプライムにて。

古賀聖人監督、中田弘二南部彰三上田吉二郎小堀明男小林桂樹出演。

ハリマオとはマレー語で“虎”のことである!
…で御馴染みの『快傑ハリマオ』のモデルとなった日本人青年・谷豊を主人公とした国策映画。戦意高揚映画ではあるんだけれど、意外と一般的に言われている史実から大きく離れない。WEB歴史街道(https://shuchi.php.co.jp/rekishikaido/detail/4935)でも読んで頂くとその一般的な史実が分るが、より詳しくより史実に近い谷豊像は『マレーの虎 ハリマオ伝説』(文春文庫刊)に詳しい。
実は随分昔、TVドラマ『快傑ハリマオ』が結構好きで、そこからモデルになった谷豊に興味を持っていたのだ。

もちろん『快傑ハリマオ』は石ノ森章太郎の漫画であり、そこから作られたTVドラマなのでフィクションだ。だから、この『マライの虎』には山田長政の子孫だと自慢するドンゴロスの松も、タドン小僧も、陳周明も登場しない。それでも、なぜかハリマオに惹かれるのはなんでなんだろう?

本編の最後に、若干テイストの異なる別エンディングがオマケについている。

マライの虎がDVD化!! | ちゅーまー天国 - teacup.ブログ“AutoPage”



 

 

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2021年8月20日 (金)

8/19 『ボディガード・牙 必殺三角飛び』(1973)

Amazonビデオにて。

鷹森立一監督、千葉真一渡瀬恒彦水原麻記深江章喜大山倍達志穂美悦子郷えい治出演。

牙直人(千葉真一)は、他流派から反感を買い、師匠徹心会々長・大東徹源(こと大山倍達)の反対を押し切って挑戦を受け、必殺三角飛びで相手の息の根を止めたが、心配して駈けつけてきた妹のマキ(志穂美悦子)は相手の一味に失明させられてしまった。刑務所へ送られた牙は、自ら徹心会と訣別し、獄中で沖縄空手の名手、渡瀬恒彦と意気投合する。後日、出所した牙は横浜のクラブの用心棒となるが…。

J.J.ソニー千葉師匠追悼、2本立て。
前作と違って、空手のウェイトが大きめ。
本作では、渡瀬恒彦とその恋人が沖縄出身なのがポイント。1972年に日本に返還された翌年の作品なので、返還直前の深作欣二監督の『博徒外人部隊』(1971)と併せて、タイムリーな企画だったのだろう。
そして大好きな深江章喜が敵のボス役だったり、石橋雅史が やたらと目つぶしをする空手家なのも個人的にはツボ。

ボディガード牙・必殺三角飛び | メタボの気まぐれ - 楽天ブログ

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8/19 『ボディガード・牙』(1973)

Amazonビデオにて。

鷹森立一監督、千葉真一渥美マリ山本麟一郷鍈治大山倍達内田良平出演。

アメリカ各地で空手修業してきた牙直人(千葉真一)は、乗り合わせた飛行機のハイジャック犯を撃退。その記者会見で、ボディガード会社設立を宣言した。すぐさま謎の美女・渥美マリから最初の依頼を受ける。「今から72時間…君の命を保証する!」と引き受けた牙だったが、彼女は麻薬密売をするマフィアに狙われていたのだ…。

千葉真一師匠が亡くなってしまったので、これまで観ていなかった作品を観たいと思い追悼鑑賞。
梶原一騎の劇画原作なので、荒唐無稽かつバイオレントなアクション映画。
大東徹源(大山倍達がモデルで、演じてるのも本人!)が興した「徹心空手」(もちろん極真空手のこと)が“牛殺し”としか認識されていない現実を打破すべく、ボデーガード会社「ゴッドハンド」を設立する!何言ってるのかよく分からないが、“牛殺し”だけじゃないのだよ、牛殺しだけでは!
牙直人は、基本的にボデーガードをするだけであって、依頼人が非合法なことをしてようが犯罪をしてようが構わない。その仕事を直接手伝うこともない。あくまで依頼人を徹底的に守るだけと言うスタンス。…なのだけれど、最初に依頼人がホテルで襲われた時に、同室の隣の部屋に居たのに、複数の侵入者が入ってきて依頼人を熱湯風呂桶の上に宙吊りにされるても気付かないと言う、かなり情けない仕事っぷりを披露。いくら空手が凄くてもそれじゃあアカンだろうと。
全体的に空手アクションは凄いけど、それ以外の展開がヌケているのがこの手の東映空手アクションの常なので気にはならないけれど。
映画を観終えて一番思うのは、やっぱり郷鍈治はカッコいいなあ(そっちかい!) 。

https://youtu.be/zmKl_m1SLyo

ボディガード 牙 B2ポスター | まんだらけ Mandarake

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8/19 『風速七十五米』(1963)

角川シネマ有楽町「妖怪・特撮映画祭」にて。

田中重雄監督、宇津井健田宮二郎叶順子高松英郎菅原謙二出演。

新聞記者の宇津井健は伊勢湾台風を取材し、台風が東京を襲ったら都会のネオンサインが極めて危険であると気付き、紙面だけでなく取材先でも危険を説いて回っていた。折しもその頃、製薬会社の東洋一の大ネオン塔工事の入札を、名古屋の遠藤組と東京の丸高組が競い、丸高組が請負うことになった。遠藤組に雇われた田宮二郎は工事妨害を開始し、完成したネオンサインをダイナマイトで破壊した。急遽修復工事を始めることになったが、ちょうど最大風速75mの台風が東京に近づいていた…。

以前にDVDで観ているけれど、スクリーンで観てみたかったので特集上映に行ってきた。
前半は、大映のお家芸でもあった「黒シリーズ」と似た雰囲気の企業サスペンス。企業同士の争い、足の引っ張り合い、妨害工作を繰り広げるサラリーマンと産業スパイ。本家「黒シリーズ」と比べると、物語のスリルやサスペンスでは甘さが目立つ。田宮二郎の計画は杜撰で、すぐに犯人がバレるんじゃない?と思うけれど、この映画の主眼はそこにはないから別に構わない。
そう、台風である。
この映画の見せ場は、台風による風速75mもの強風によって引き起こされた高潮が、数寄屋橋を襲う特撮シーンである。これが本当に素晴らしく良く出来たミニチュア撮影で、国鉄ガードのむこうに見える日劇と朝日新聞東京本社ビルに大量の水が押し寄せる。セットのサイズが大きいこともあって、その迫力たるや東宝特撮に勝るとも劣らない。特撮担当、築地米三郎先生の最高傑作と言っても過言ではない。
観直したら、物語の粗は前以上に気になったけれど、この特撮をスクリーンで観ることが出来て幸せですなぁ。

https://youtu.be/2JT9CW2CNWw

にせ・のんびり。 | SSブログ

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2021年8月19日 (木)

8/18 『女吸血鬼』(1959)

Amazonプライムにて。

中川信夫監督、天知茂和田桂之助三原葉子池内淳子出演。

本邦初の本格吸血鬼映画!
…らしいのだが、なかなかにツッコミ処満載です。
大体、タイトルの“女吸血鬼”ってのが、まず劇中に存在しない(笑)。吸血鬼・天地茂に血を吸われた女は不老不死にはなるけれど、吸血鬼化はしない。その天地茂も洋風のいでたちはしているけれど、元々島原で天草四郎の家来だった男。それが天草四郎の遺児・勝姫(天草四郎に娘は居ないんじゃ??)に惚れて、ついウッカリして彼女を吸血しちゃったら、不老不死の吸血鬼になってしまった。それからの長い人生、延々と天草四郎の血を受け継ぐ女を狙い続けるストーカー人生。
吸血鬼なのに、月の光を浴びると野人風に変身して狂暴になる。吸血鬼なのに、殺した女たちに金の十字架のネックレスを付けて蝋で固めて保存しておく。血液を吸うんだから、吸血鬼っちゃあ吸血鬼なんだけれど、いわゆる吸血鬼のルールやイメージとは全く異なる。劇中にはないけれど、きっとニンニクも平気で食って精を付けてるんじゃないのか?

見所は色々とあるけれど、天地茂がバーで月光を浴びての大暴れする場面の、手下の小人との共同アクションの謎のスピード感が素敵!小人は手伝ってんだか妨害してんだか、何がなんだかわからねぇ。そのまま表に飛び出すと、通り魔の様にそこらを歩く通行人の女性に次々と襲い掛かる節操のなさ。なんすかね、この人は。
大前均的な大男、小人、ばばぁの3人-----なんと言うかエド・ウッドかと思うような顔ぶれの手下を従えて、住んでいるのは山の洞窟。洋館とかじゃないんですか?
ここでもムチで、サーベルで、燭台で、椅子をぶん投げて暴れ狂う天地茂!
78分しかないのにお腹一杯です。

https://youtu.be/3i6u5NUXyOA

女吸血鬼 | Le Pettit Vinyl Junkie

最低映画館〜女吸血鬼

 

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8/18 『黑い画集 あるサラリーマンの証言』(1960)

Amazonビデオにて。

堀川弘通監督、松本清張原作、橋本忍脚本、小林桂樹中北千枝子原知佐子織田政雄菅井きん江原達怡西村晃平田昭彦出演。

東和毛織の管財課長・小林桂樹は妻子と大森に住むサラリーマン。だが、同じ課の原知佐子を大久保のアパートに囲い、情事を楽しんでいた。ある日、彼女の部屋を出たところで、偶然にも自宅近所に住む織田政雄とすれ違って会釈をした。三日後、彼は刑事の訪問を受け、十六日の午後九時三十分頃、新大久保で織田政雄に会ったかどうかと質問された。織田はその晩の向島の若妻殺しの容疑者になっていたのだが、彼を見たと答えれば、自らの不倫がばれてしまう。彼は見ていないと言い張ることに決めるのだが…。

これは傑作!
今年の1~2月頃に、家にあったCS録画で集中して6本ばかり堀川弘通作品を観たのだが、やはりこの人は巧い。実に巧い。橋本忍の脚本も素晴らしいのだろうが、今回は小林桂樹がどんどん、どんどんと深みにハマって動けなくなっていく。当時のエアコンのない世界も相まって、この脂汗タラタラ出て来る感じの追い込み感半端ない。

西村晃の刑事に、小林桂樹が「その時は映画を観ていた」とアリバイを証言する。西村が「あなたいつも映画を観てますな~!」と言われる。もしも俺が同じ立場になって、本当に無実だったとしても刑事に言われるんだろうな。
「あんた、いつも映画観てたって言うね」

浮気相手の原知佐子がチャーミングなのも見どころ。
オススメです。

https://youtu.be/WRx0H6sHglw

Amazon.co.jp: 黒い画集 あるサラリーマンの証言を観る | Prime Video

 

 

 

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2021年8月18日 (水)

8/17 『刑務所(むしょ)破り』(1969)

DVDにて。

池広一夫監督、松方弘樹藤村志保田村高廣山本麟一小林昭二久保菜穂子内田朝雄出演。

父の仇の内田朝雄を斬った松方弘樹。しかし、それは天王寺組の山本麟一と刑事の小林昭二の仕掛けた罠だった。窮地に陥った松方を救ったのは大原組の田村高廣だった。二人は兄弟盃を交したが、田村は天王寺組に殺され、松方も刑務所行きになってしまった。さらに天王寺組は刑務所内に刺客を差し向けた…。

大好きな池広一夫の監督作。
以前に画質の悪い中古VHSを持っていたが、いつの間にかDVDが出ていたので買い直し。
雷蔵が病に倒れ、代打として松方弘樹が東映から大映に貸し出された時代の作品だからなのか、なぜかこの映画は好待遇でソフトがリリースされる不思議。悪くはないけど、ほかに冷遇されてる出して欲しい作品が有るんだがなぁ。

物語は、割と有り気な仁侠映画で意外性はあまりないが、大映映画の悪役を山本麟一が演じたり、それと当初手を組むのが小林昭二だったり、さらにはあの内田朝雄が物の分かった良い親分だったりと、普段とは違う雰囲気が楽しめるのがポイント。
タイトルの「刑務所」が後半まで登場しないので、脱獄物を期待するとそれは一部分でしかないことに肩透かしを食らう。その分、刑務所風呂場での戦いがちょっと面白いので許そう。
池広監督らしいシャープな映像で松方の迫力のある立ち回りを描いたのも見せ場ではあるが、独特の縦位置構図のこだわり構図があまりないのが残念なところ。

刑務所破り(1969年 大映映画)映画ポスター ☆監督:池広一夫 ☆キャスト:松方弘樹/藤村志保/田村高廣 - 映画ポスター / パンフ |  MUUSEO

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8/17 『忘れられた罪の島』(1943)

原題:MONSOON (Isle of Forgotten sins)

『エドガー・G・ウルマー DVDボックス』にて。

エドガー・G・ウルマー監督、ジョン・キャラダインゲイル・ソンダーガードシドニー・トーラーフランク・フェントン出演。

南海の孤島で酒場兼売春宿「忘れられた罪の島」を経営するマージ。彼女は、沈没船に眠る300万ドルを狙って島にやってきた2人組の潜水夫と手を組み、宝の手がかりを求めて船を出すが…。

久し振りにウルマー、これで12本目。
島を指す象徴的な形容詞のタイトルなのかと思ったら、具体的な酒場の名前だった。
ゴロツキばかりが集まる酒場と聞いて、おっかなびっくりやって来た客に、連れて来た男が「噂とは違っていい店でしょ?」と言ったとたんに殺人が起こる。殴り合いの喧嘩をしていた男たちが、あっという間に手を組んで沈没船を狙う。狙われた方はサルベージだけさせたところで横から奪い取る算段。出て来る連中みんな欲の皮が突っ張らかってて、とんとん拍子に進んで行くのがウルマーの良いところ。

海中の沈没船からお宝を引き上げる場面の特撮が、製作年を考えると素晴らしい出来である。海中で潜水具姿の人形が歩くのだが、このシーンを実際に水中でミニチュア撮影を行っている。こうした場面を手っ取り早く撮るには、ミニチュアセットとカメラの間に水槽を置くか、もっとお安くお手軽に水中風の波ガラスを照明前に立てて、ユラユラと水っぽい光を演出する場合が多いだろう。ところが本当に水中で歩かせているのだ。潜水服からは呼吸の気泡が上がっている。そうすると潜水服の中に空気を送り込んでいる訳で重りを人形の脚に仕込まなければならない。サンダーバード人形みたいな地に足のつかない動きでもないし、だいいち水中だと上方からの糸操りでは操作できないだろう。下からの棒操りにも見えない。一体どうやって歩かせているのだろう?
ネット上のこの映画の感想を読んだら「特撮がチャチ」とか書いたものがあって、この高度な撮影が伝わって無くて悲しい。

クライマックスはもう一つの原題『MONSOON』の通り、嵐がやってきて水に飲まれてしまうが、生き残った酒場の女将たちはシレっと新しい店を再開している。なんて逞しい(笑)。

意外と見どころの多い佳作だった。やっぱウルマー、堅実に上手いわ。

Monsoon (1943)

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2021年8月17日 (火)

8/16 『ナイト・ストーム』 (2019)

原題:Grand Isle

Amazonビデオにて。

ステファン・S・カンパネッリ監督、ニコラス・ケイジケルシー・グラマールーク・ベンワードズライ・エナオ出演。

巨大ハリケーンが近づくニューオーリンズで、妻と病気の子どもを抱える男が、退役軍人のニコケイから自宅の柵を今日中に修理して欲しいと依頼される。高額な報酬につられて作業に取り掛かったが、嵐の前に修理は終わらず、クルマも故障してニコケイ夫婦の家に泊まることになったが…。

原題はルイジアナ州の島を指していて、嵐のよく来る狭い島。それじゃ日本人にはよくわからんからの邦題なんだろうけれど、実は嵐が来るのはお膳立てでしかなくて、主人公が単に家に帰れなくなるための足枷に過ぎない。この映画のキモは、ニコケイとお色気奥さんの2人と一緒に一晩過ごさなければならなくなった男の難儀さなのだ。
病気の子を抱えてノイローゼ気味の自分の妻。無駄に挑発してくるニコケイの奥さん。それを見て嫉妬しているのかと思いきや妻殺害を依頼してくる狂ったニコケイ。そしてこの夫婦の家に隠された秘密。この夫婦の秘密がとんでもない割に、隠ぺい工作とか警察対応が杜撰過ぎて、頭が痛くなってくる。
途中何度か挟まれる発狂するニコケイ場面を楽しめれば、この映画も面白いです。

https://youtu.be/JAMoPceT7ZU

ナイト・ストーム - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

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8/16 『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021)

TOHOシネマズ新宿にて。

三池崇史監督、寺田心杉咲花北村一輝松嶋菜々子大森南朋大沢たかお大倉孝二神木隆之介安藤サクラ出演。

フォッサマグナで眠っていた古代の海洋生物の化石が結集して妖怪獣となり、東京湾を目指す。しかし東京には目覚めさせてはならない封印された魔が居り、なんとか回避しないと地球が滅んでしまう。そこで妖怪たちは妖怪退治のスペシャリスト・渡辺綱の子孫・渡辺兄(寺田心)と共に妖怪獣に立ち向かおうとするが…。

基本的に三池崇史ファンなので、一応ほとんどの三池作品は劇場で観ている。
だからもちろん、『妖怪大戦争』にどんな“地雷臭”がしたって観に行くのである。前作も劇場で観てるし(笑)。
いい歳して「アンチ寺田心」とかではないのだが、この小僧の芝居に終始イライラ。前作の神木隆之介の時も若干のイライラ感はあったがそれを遥かに上回る。天邪鬼の天邪鬼ゆえの受け答えが反対言葉なのだが、中途半端に反対言葉なのもイラっとするし、突然の友だち宣言も作劇上の展開としては分からんではないが、それまでの積み重ねが薄いので腑に落ちにくい。
そしてなんと言っても大魔神。KADOKAWAはこんな形で『大魔神』と言うキラーコンテンツを消化してしまって構わないの?登場させただけでなく、「ムンクの叫び」みたいな妙な困り顔の大魔神なんて見たくないし、そもそも大魔神ってのは生贄で蘇るのではなく、村の子供の無垢なる涙で怒り、悪を討つ存在だったんではないんかい?
劇中で「名前を呼んではいけないあの人」的な扱いではぐらかされてたのは、前作の魔人加藤な訳だから、だとするなら神木隆之介の姓を加藤にするんじゃなくて、神木隆之介には前作の少年が大人になって稲生タダシとして登場させた方が良かったんじゃないのかなぁ。
三池崇史の『大戦争』三部作(?)としては、『極道大戦争』よりはマシ、『妖怪大戦争』よりは下ってあたり。
少なくとも、前作にあった妙なエロ描写----カッパ女のペタペタした肌のフェティッシュ感とか、ろくろ首が無駄に足の間をくぐっていく描写とかがないだけでも大減点。

https://youtu.be/kMYdCNhlCgc

妖怪大戦争 ガーディアンズ - 映画・映像|東宝WEB SITE

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2021年8月16日 (月)

8/15 『虹をつかむ男』(1996)

Amazonビデオにて。

山田洋次監督、西田敏行吉岡秀隆田中裕子倍賞千恵子前田吟佐藤仁美笹野高史宮下順子田中邦衛柳沢慎吾出演。

都合により、先に続編の方を観てから1作目の本作を観てびっくり。まるで前作の続きの様に始まっていた続編だが、全然設定が違うんじゃん!
西田敏行の経営するオデオン座は九州じゃなくて徳島、西田敏行は関西っぽい方言の人だし、吉岡秀隆の両親は前田吟&倍賞千恵子の『男はつらいよ』夫婦(2作目は笹野高史が父親)。直接的な続きの物語ではないとは言え、どっちを先に観てたにしてもこれは戸惑うだろう。西田、吉岡以外に、田中邦衛、笹野高史、倍賞千恵子が共通の出演者だが、全員別な役柄。昔のプログラム・ピクチャーの時代ならいくらでもあったことだけど、90年代も半ばになってからは珍しいのではないかい?
西田敏行演じる白銀活男(続編では銀活男で、どちらも読み方はシロガネカツオ)のキャラクター性も若干異なり、こちらの1作目の方がよりピュアに映画を愛している人っぽい。
本作は、明らかに山田洋次版『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな映画を作りたいって企画だろう。実際に劇中でも『ニュー・シネマ・パラダイス』が流れるし、田中邦衛にフィリップ・ノワレのイメージを被せているふしもある。だが、これは渥美清追悼企画でもある。だからこその前田&倍賞夫妻と息子吉岡なのだろうし、色々な他作品が実映像や、会話の中での紹介もされる中、最後に長々とインサートされるのは『男はつらいよ』第一作であり、最後には車寅次郎の姿がCGで合成されてもいる。
山田洋次組による寅次郎ロスを補う作品なのだろう。2作目とは雲泥の差で、本作の方が良く出来ている。いや、良く出来ていると言うよりも、想いが詰まっている。この1作だけで、あんな続編作らなかった方がずっと良かった。

 

https://youtu.be/2OsqLMyf_9s

Amazon.co.jp: 虹をつかむ男を観る | Prime Video

 

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8/15 『スーパー!』(2010)

原題: Super

DVDにて。

ジェームズ・ガン監督、レイン・ウィルソンエレン・ペイジリヴ・タイラーケヴィン・ベーコンマイケル・ルーカーネイサン・フィリオン出演。

ダイナーのコックとして働くレイン・ウィルソンはリヴ・タイラーと結婚したが、彼女は夫に愛想をつかし、ドラッグディーラーのケヴィン・ベーコンの元へ走る。絶望したウィルソンは、テレビでヒーローに感化され、自前のコスチュームを作り「クリムゾンボルト」と名乗って、悪人をレンチでぶん殴る自警団になるが…。

劇場で観て以来の再見。
今日見た『スースク』が素晴らしかったので、勢いでジェームズ・ガンの旧作を観る。
観直してみても、サイテーでサイコー(笑)。
『キック・アス』の身も蓋もないバージョンみたいな映画。『キック・アス』は曲がりなりにもヒーロー然としたことをしようとしてたけど、クリムゾンボルトは肥満オヤジが悪人目指してドタドタと走って行って、単にレンチでドグァッとぶん殴って「シャラップ!クライム!!」と叫ぶだけ。言ってしまえば、ヒーロー気取りのただの危ない人。でもそれがイイ。明後日の方角に間違った正義と勇気さえあれば、例えば俺だって今日からクリムゾンボルトになれるし、女性ならもっとアブナイ相棒のボルティーにだってなれる。普通の人ならやらないことをやってのけるから、この映画はバカだけど気持ちイイ。ダメだけど素晴らしい。
コレ(と『スリザー』)があるから、今のジェームズ・ガンがあるのだ。

https://youtu.be/NC4Rp7OihkY

スーパー!(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

 

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8/15 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)

原題: The Suicide Squad

TOHOシネマズ新宿、IMAX2Dにて。

ジェームズ・ガン監督、マーゴット・ロビーイドリス・エルバジョン・シナジョエル・キナマンデヴィッド・ダストマルチャンダニエラ・メルシオールシルヴェスター・スタローンヴィオラ・デイヴィスジェイ・コートニーピーター・カパルディピート・デイヴィッドソン出演。

先日、デヴィッド・エアー版『スーサイド・スクワッド』(2016)を観直しておいたが、予想通り全くそんな必要はなかった。
もうね、ジェームズ・ガンはサイコーですよ。
マーベルの『ガーディアン~』も大変に素晴らしいですが、元々ジェームズ・ガンと言えば『スリザー』で『スーパー!』の監督。もっと言ってしまえば元トロマの脚本家。品行方正なんて人じゃないんですよ。やり過ぎ、やりっ放し当たり前。モラルとかよりも面白さ優先の人なんスから。それに『スーサシド・スクワッド』を「好きなようにやっちゃって構わんよ!」って渡したんだから、そりゃあこうなりまさぁね。

ネタバレ込みなので、続きはポスタービジュアルの下に↓
https://youtu.be/THMDBTYNjnA

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 特集: 評価・あらすじ・レビュー IMAXで観よう! まさかの大怪獣バトル、ポップにイカれた最高の祭典  (2) - 映画.com

いや、もうね、予告篇前半の星条旗の前に横一列で並んでるヴィランたちが、作戦始まって数分でほぼ全滅とか、普通有り得ないでしょ。
SNLのピート・デイヴィッドソン(=ブラックガード)がどんな活躍するのか楽しみにしてたのに、一瞬で顔面無くなるとか(笑)。
この場面で、「あ、もうジェームズ・ガン節全開で行くのね」と心積もりが出来たので、後はもう何が来てもウハハハハッハハハ!
キング・シャークとセバスチャンは可愛いし、ポルカドットマンの意味不明さはステキだし、そしてクライマックスのスターロ!
この歳になってから、こんなバカバカしくも楽しいネタを、ハリウッド最新VFXでIMAXで観られることがあるなんて、40年前の高校生の自分いタイムスリップして教えてやりたいほどだ。
「いいか、長生きしてれば50代後半で“パイラ星人VS大群獣ネズラ”なんてふざけた内容にもかかわらず、大傑作なハリウッド映画が観られるから、ツライことがあっても頑張って生きてけよ!」
本当に、この年までヲタクな映画好きやってきて、『レディ・プレイヤー1』とか、このジェームズ・ガンの『スースク』とか、『マッドマックス 地獄のデス・ロード』とか、長年のご褒美みたいな映画がやって来る僥倖。
生きてて良かったデスよ。

あ、もちろんマゴット・ロビーのハーレイ・クインも素晴らしかった。
去年の単独スピンオフ『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』が禄でもなかったのをキッチリ挽回してくれました。
さぁ、来年の『ガーディアン3』も楽しみだなぁ~!

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2021年8月15日 (日)

8/14 『プロフェッショナル』(1993)

原題:DEADFALL

Amazonビデオにて。

クリストファー・コッポラ監督、マイケル・ビーンチャーリー・シーンニコラス・ケイジサラ・トリガージェームズ・コバーンピーター・フォンダタリア・シャイア出演。

仕事の最中に誤って父を死なせてしまった詐欺師親子の息子・マイケル・ビーン。ショックが癒えない彼は、伯父のジェームズ・コバーン訪ねる。そこで、彼は伯父から200万ドルの大仕事を持ちかけられる。計画は実行されたが、仲間の間で裏切りが始まる。

ニコケイの実の兄貴----ってことは、コッポラの甥にあたるクリストファー・コッポラ監督作。なので、タリア・シャイアが出てたり、その他に結構メジャーなキャスティング。これでRottenTomatoで“0%フレッシュ”のスコアを叩き出している作品だってんだから弱ったものだ。
ただ、ニコケイファンなら、そんな冷たい評価はしないだろう。主役でもないのにポスターのど真ん中に位置する我らがニコケイの見せ場はふんだんに用意されている。
中でもレストランキッチンでのブチ切れシーン。これは唯一無二のブチ切れっぷり。何せ我らがニコケイは、この映画では二重にヅラを直用して、禿げヅラの上にふさふさヅラで、そのふさふさが外されて地肌が見える(本物の地肌ではない)乱闘シーンでブチ切れる。このシーンがやって来るのが、映画開始から丁度1時間くらい。そこであえなく退場になるのだけれど、ここまででもう満腹。後は惰性でストーリーを追うも良し、マイケル・ビーンかジェームズ・コバーンを見るも良し。
評価0%とか有り得ないですよ。

ちなみに以下のリンク↓は、「ニコラス・ケイジの発狂シーンTOP10」で、この『プロフェッショナル』は3位にランクイン(笑)。
https://youtu.be/q2tcfuQeu2U

プロフェッショナル - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

 

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2021年8月14日 (土)

8/13 『この子の七つのお祝いに』(1982)

Amazonプライムにて。

増村保造監督、岩下志麻岸田今日子根津甚八杉浦直樹辺見マリ村井国夫芦田伸介畑中葉子出演。

怖い怖い、ああ、これはヤバイ。
トラウマ映画だと知識として知ってはいたが、観ていなかった一本。
ホラー映画ではなく、殺人事件の謎を追うミステリーであり、人間ドラマ。増村保造の最後の映画(この後にTVドラマはまだ撮っている)。
何が怖いって、もちろん岸田今日子。ナチュラルに怖い。声を荒げたり、ことさら何か恐ろしげな表情をしたりすることはない。
貧乏臭い薄暗いアパートの一室。岸田今日子が幼い娘に父親の映るアルバムを見せながら、穏やかに語り掛ける。
「全部この人が悪いのよ。お父さんを探して復讐してね」
そして穏やかな表情のまま、いきなり手に持った針でアルバムの写真の顔部分を、プスプスプスプスッ!と電光石火の早業で刺しまくる。旦那の写真の顔部分は、何度も針で刺されてもはやどんな人相か判別がつかなくなっている。
その後も、岸田今日子が大根と豆腐に針を刺しまくってハリネズミ状態にする場面も登場する。コワイ、コワ過ぎる。ムーミンパパもノンノンも、みんなムーミンから裏で脅されていたのではないかと錯覚する恐怖感。
映画冒頭で畑中葉子が、後ろから前から殺されていたことが忘却の彼方に消えてしまうほどのインパクト。
そして物語後半戦では、この狂気の血塗れムーミンの英才ヤンデレ教育で育てられた人間凶器・岩下志麻が起動。『極妻』の姐さんなんぞよりもよほどの恐怖を振りまく。
知ってる人には何をいまさらって話だが、知らない人は身構えて鑑賞すべし。

https://youtu.be/YFfjgrLRK4w

この子の七つのお祝いに : ポスター画像 - 映画.com

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2021年8月13日 (金)

8/12 『日本暴力団 組長』(1969)

Amazonビデオにて。

深作欣二監督、鶴田浩二安藤昇菅原文太内田良平河津清三郎若山富三郎山本麟一曽根晴美内田朝雄水島道太郎加藤嘉出演。

 

刑期を終えて出所してみたら勢力図が変わっており、自分の組の縄張りに関西から進出してくる組もあって、足を洗おうと思ってたのに洗えなくなってしまう昔気質な鶴田浩二の話。

有りがちっちゃあ有りがちな物語だが、きっちり最後まで飽きさせない。
一番面白いのは若山富三郎。横浜のチンピラ以上ヤクザ未満の愚連隊で、関西からやって来た内田朝雄の手下になって鶴田と敵対する狂犬みたいな男なのだが、自分がぶん回したナイフで顔を斬りつけられても怯まない鶴田に惚れこんでいく。この若山の最後が個人的には一番の見せ場。
菅原文太が東映に移籍したばかりで、『現代やくざ』シリーズが始まった年の映画なので、ちょこっと良い役で出て来てあっという間に退場。

Amazon.co.jp: 日本暴力団 組長を観る | Prime Video

 

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8/12 『サマーフィルムにのって』(2021)

新宿武蔵野館にて。

松本壮史監督、伊藤万理華金子大地河合優実祷キララ小日向星一出演。

高3で映画部に所属するハダシは、時代劇オタクで勝新大好き。映画部では青春恋愛映画しか作らないことに不満。そんな時、ハダシのイメージする武士役そのままの凛太郎と出会い、友だちのビート板、ブルーハワイと一緒に、時代劇自主映画の制作を始める。しかし、実は凛太郎は未来からやって来たタイムトラベラーだった…。

往年のNHK「少年ドラマシリーズ」と、『映像研に手を出すな!』を合わせたような映画。
主人公のハダシが、SFでもファンタジーでもアニメでもなくて、時代劇オタクなのがミソ。勝新の座頭市の殺陣の凄さとか、雷蔵様の美しさとか、それ現代高校生が語る内容か?と思いつつも微笑みがこぼれる。
このハダシの女の子が、ちょっとミニラっつーか白木実チックなフリーキーさがあって、「実写版『映像研』の浅草氏は、なんとか坂の斎藤某よりも、アイドルじゃないこんな女の子の方が良かったんじゃないのか?!」と思ったのに、映画終わってからこの伊藤万理華も斎藤某と同じなんとか坂に居た女の子だと知ってショーゲキ!そーなの?!そーなんだ!
このハダシの子も悪くなかったけど、個人的にはビート板役の河合優美が良かった。主人公じゃなく、脇でサポートするヲタクな友だちってポジションにルックスを演技もドンピシャでハマリ役。

映画の内容としては、この自主映画を作る高校生の青臭さと、随所に滲む若い舞台演劇っぽさが受け入れられるかどうかってところ。
昔8mmフルムで自主映画作ってた身としては、今時の自主映画がスマホで作られていることを、アタマでは理解してても実際に映像で見せられるとやっぱり衝撃を受けつつ、でも機材が違ってもやってることに大した差はない安堵を感じる。
8mmフィルムじゃあ、経費の掛かり方も最小撮影時間も違うので、撮り方はもっとみみっちく、セコくなるのだけれど(苦笑)。

機材やメディアの違いは置いといて、自主映画をやってたことのある人ならなにがしかのエモーションがやって来る映画なので、とりわけオススメです。

https://youtu.be/d335TxPwOEY

サマーフィルムにのって - 作品 - Yahoo!映画

 

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2021年8月12日 (木)

8/11 『砂の器 デジタルリマスター版』(1974/2005)

Amazonプライムにて。

野村芳太郎監督、松本清張原作、橋本忍山田洋次脚本、丹波哲郎加藤剛島田陽子緒形拳森田健作山口果林加藤嘉笠智衆辰巳柳太郎出演。

いまさら語るべきことのない名作ミステリドラマと言うより人間ドラマ。
折角松竹漬けの松本清張漬けになってたことだし、『砂の器』を数十年ぶりに観直してみた。
大変に時間と労力のかかった作品で、今観ても素晴らしいと思う。

ただ現在の若い観客が観ても、この映画だけでは「ハンセン氏病の父親」の意味合いが伝わらないのではないだろうか。
『エレファントマン』や『マスク』のような特殊メイクをしていれば分かり易いのだが、それをやってしまうのも諸刃の剣ではあるので悩ましいところ。観ていないので分からないのだが、近年のTVドラマ版ではどう処理しているのだろう?

メルカリ - 映画『砂の器』ポスター 【印刷物】 (¥6,000) 中古や未使用のフリマ

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2021年8月11日 (水)

8/10 『スーサイド・スクワッド』(2016)

原題:Suicide Squad

Netflixにて。

デヴィッド・エアー監督、ウィル・スミスジャレッド・レトマーゴット・ロビーヨエル・キナマンヴィオラ・デイヴィスジェイ・コートニージェイ・ヘルナンデスアドウェール・アキノエ=アグバエ福原かれん出演。

別に観返す必要がないのは分かっているのけれど、ジェームズ・ガンの新生『スーサイド・スクワッド』を観る前のおさらい。
世間では、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインを除いて評判の宜しくない本作だが、個人的にはそんなに悪い映画とは思っていない。製作中の前評判と違ってジョーカーの出番が極端に少なかったのはガッカリだったが、ウィル・スミス演じるデッドショットも皆が嫌うほど悪くはない。もちろん。ハーレイ・クインがサイコーだったってのは大きなポイントだった訳だけれど。

Amazonオリジナルのシリーズ『ザ・ボーイズ』でキミコを演じる福原かれんにやられてしまったので、彼女の演じるカタナをもう一回観直したかったのもある。やっぱ良いわ、かれんさん。

https://youtu.be/ZlWbYIs9o0w

スーサイド・スクワッド : 作品情報 - 映画.com





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8/10 『サイコ・ゴアマン』(2021)

原題:PG:Psycho Goreman

シネマート新宿にて。

スティーヴン・コスタンスキ監督、ニタ=ジョゼ・ハンナオーウェン・マイヤーアダム・ブルックスアレクシス・ハンシー出演。

8歳の少女ミミと10歳の兄ルークは、庭に埋められていた悪魔「残虐宇宙人」を蘇らせてしまった。この宇宙人は銀河中から恐れられていたが、ミミが謎の光る宝石を手に入れてしまったため、残虐宇宙人は彼女に絶対服従しなければならなくなった。この残虐宇宙人「サイコ・ゴアマン」の復活を知った銀河系の他の宇宙人たちは、抹殺のため地球へと目指していた…。

カナダのヲタク監督が作ったSFスプラッター・コメディ。
東映特撮愛の溢れるぬいぐるみ系怪人が、80'sテイスト溢れるノリの中、トロマっぽいスプラッターを展開しつつ笑いを取る。
ヲタク観客を狙い過ぎているきらいも無きにしも非ずだが、それもまぁどうでもいい。ともかくもクダラナクて、チョー楽しいから。
東映特撮って言っても、ライダーとか戦隊物だけではなく、まさかのペットントン的なキャラも登場。ど~も、濃いね(笑)。
そして「サイコ・ゴアマン」なんて名前を付けられた宇宙人よりも、一番狂ってるサイコキャラは主人公の女の子ミミだったりするのが大したサイコっぷりだ。なぜか銀河からやって来る宇宙人の一人の声を、黒沢あすかが演じており、唐突に日本語で話し出すのもツボ。
スティーブ・コスタンスキ監督作は、以前に『マンボーグ』(2011)も観ているが、相当に進化している。とは言え、どっちも自主映画ではあるんだが。

https://youtu.be/kgyPGGLYnKs

サイコ・ゴアマン - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画



 

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2021年8月10日 (火)

8/9 『ザ・ラスト・マーセナリー』(2021)

原題:Le dernier mercenaire/The Last Mercenary

Netflixオリジナル。

ダヴィド・シャロン監督、ジャン=クロード・ヴァン・ダムアルバン・イヴァノフエリック・ジュドールパトリック・ティムシットミュウ=ミュウ出演。

「ザ・ミスト」と呼ばれる伝説の傭兵は、知人に預けている息子の保護期間が切れ、武器と麻薬の密売の濡れ衣を着せられたことを知り、身分を隠して息子を救いに戻るが…。

開巻、いきなりの全開脚で天井の梁にぶら下がっているヴァン・ダムならではのヴァンダミング・アクションで笑う。流石やで、ヴァン・ダム!その後も笑えるところもチョロチョロあるんだけど、全般的にベタベタな笑いが多い。昔のベルモントの映画とかから、『TAXI』シリーズもそうなんだが、結構フランス映画のコメディってベタで、なんか香港映画みたいな古臭い笑いが多くないですかね?ブリーフ一丁で電動キックボードで街中走って笑わせようとか、かなり古いでしょ。
同じヴァン・ダムのアクションコメディなら、Amazonオリジナルのセルフ・パロディもの『ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン』(2016)の方が圧倒的に面白いし、ヴァン・ダム好きだったらこっちの方がマストな作品ですよ。第一シーズンのみで打ち切られちゃったけど。

https://youtu.be/jY8DVzfON_I

ザ・ラスト・マーセナリー - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

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2021年8月 9日 (月)

8/8 『必殺4 恨みはらします』(1987)

アマプラ「プラス松竹」にて。

深作欣二監督、藤田まこと村上弘明かとうかずこひかる一平三田村邦彦真田広之倍賞美津子堤大二郎相楽ハル子岸田今日子千葉真一出演。

新しい町奉行に着任した真田広之が、陰で企む陰謀とは何か?おけら長屋で暴れたパンクな旗本に殺された父の恨みを晴らすため、貧乏な娘が仕掛人を雇おうとするが、六両の安い報酬に仕掛人たちが皆降りてしまう。しかし、流れ者の仕掛人・千葉真一と、藤田まことだけが仕事を請け負う。早い者勝ちで獲物を狙うことになるが…。

映画版『必殺』では初監督の深作欣二作品。撮影も京都太秦だし、真田広之、千葉真一、室田日出男、成田三樹夫、そしてJACが参加して、『必殺』でありながら、東映感が強い。この陣容、特にJACと真田広之の参加で、通常『必殺』の個々の仕掛人たちの技で獲物を倒していく感よりも、集団アクション時代劇の様相を帯びてくる。極めつけは、クライマックスの真田広之の薙刀による大立ち回り。真田広之初の悪役は、脂の乗り切った時代なので、実にお見事。
物語的には、当時のバブル時代の地上げ屋問題を取り入れているのが、いかにも世相を取り込むのが好きな『必殺』らしさ。上手いバランスで成り立った娯楽大作。

さて、アマゾンプライムのサービス料金期間で追加加入していた「プラス松竹」も今日で終わり。2ヶ月に渡っての“松竹漬け”は終了。「プラス松竹」チャンネルに入ってない松本清張、野村芳太郎、山田洋次、小津安二郎はこのあと若干残しているので継続フォロー予定。

https://youtu.be/xbJh875TVH0

必殺4 恨みはらします - 作品 - Yahoo!映画

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2021年8月 8日 (日)

8/7 『道頓堀川』(1982)

アマプラ「プラス松竹」にて。

深作欣二監督、松坂慶子真田広之山崎努佐藤浩市加賀まりこ出演。

道頓堀川に面した喫茶店の二階に住み込みで働く美大生・真田広之。喫茶店のマスター・山崎努は昔一流のハスラーだったが、今は玉突きを引退している。しかしその息子・佐藤浩市は真田の友人で、日本一のハスラーを目指すと言って父親とけんかしている。ある日真田は、近所の小料理屋のママ・松坂慶子と知り合い、恋に落ちていく…。

真田×松阪の恋愛、山崎×佐藤の親子、この2本の物語で進行して行く。
別にやくざ映画でもアクション映画でもないのに、深作欣二が撮ると松竹映画でもスピード感が違う。どんどん話が展開して行く。極めつけは、山崎努が息子の佐藤浩市に母の死を語る場面。彼女はクルマにはねられて亡くなるのだが、猛烈にシャープな短い3カット----「ガン!ザッ!ドン!」と、その殺伐とした刹那の死に様は圧巻。恋愛映画であり人生ドラマだと思って観ていたら、突如とんでもない物が入って来て鳥肌が立つ。
とんでもない物と言えば、古館ゆき の全裸ダンスとか、謎の凄みに溢れた着流しゲイの柄本明とか、なんだかもの凄ぇ映画だなと。で、クライマックスがまた意表を突いて、アッと驚く終わり方。
深作欣二は好きだが、なんとなく敬遠していた本作。いろんな意味で、やっぱり観ておいて良かった。

https://youtu.be/h0bcFbqY45E

道頓堀川 : ポスター画像 - 映画.com

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8/7 『陸軍』(1944)

アマプラ「プラス松竹」にて。

木下惠介監督、笠智衆信千代杉村春子田中絹代上原謙東野英治郎出演。

幕末から日清・日露の両戦争を経て満州事変・上海事変に至る、ある家族の三代60年に渡る姿を描く。
この映画が驚くべきは、戦中の国策映画であり、「陸軍省後援 情報局國民映画」と冒頭にクレジットが出る作品にも拘らず、観終わって反戦映画を観たと感じるところである。登場人物の設定も物語も、ハッキリと戦意高揚映画の形を取っている。途中までそのつもりでこちらは観ていた。なのに観終えると、監督である木下惠介の趣旨は全く異なることがわかるのだ。もちろん、大日本帝国の陸軍省も情報局もバカではないからそんなことは分かっている筈だが、表面上は国策映画としての体裁を踏み外していないから、彼らに出来たのは戦争中に木下惠介を“干す”ことしか出来なかったのだろう。
『クレヨンしんちゃん』で御馴染みの原恵一監督が木下惠介監督の大ファンで、初の実写映画として撮った『はじまりのみち』で、この映画のクライマックスが延々と使われている。『はじまりのみち』を観た時に、完全にバランスを欠いたインサートだと思ったが、この『陸軍』を観た後で、やっとあの長いインサートの意味が理解できた。
原恵一恐るべし、そして何よりも木下惠介恐るべしである。
アマゾンプライムのメニューに並んでいると、一見ただの戦時中プロパガンダ映画にしか見えないが、観て良かった。

観た観た、見たかった-印刷された映画、美術展: 【'40ポスター8】陸軍

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2021年8月 7日 (土)

8/6 『虹をつかむ男 南国奮闘篇』(1997)

アマプラ「プラス松竹」にて。

山田洋次監督、西田敏行吉岡秀隆松坂慶子小泉今日子哀川翔田中邦衛倍賞千恵子笹野高史出演。

都合があって続編を先に観るので繋がりは良く分からないが、きっと問題はなかろう。
多分前作で知り合ったんであろう西田敏行が、酒を飲んで暴れて警察に捕まり、吉岡秀隆に身元引受人になってくれと連絡が来る。一晩家に泊まった西田は、トラブルを巻き起こして去っていく。しばらく後、どの映画でも仕事が長続きしないキャラの吉岡秀隆はアキバのオノデンを辞め、親からも叱られて不貞腐れ、西田の経営する九州のオデオン座を訪れるが、彼は奄美に映画巡回上映に行っていると知る。さらに奄美に渡ったら、そこで偶然知り合ったシングルマザーの小泉今日子に一目惚れしつつ、巡回上映に加わることになるが…。

本当にいつでもダメダメな吉岡秀隆。山田洋次の中では、吉岡秀隆は持続力も根気もない人間ともう決まっちゃってるんだろう。山田洋次作品を観てると、いつも吉岡秀隆にイラっとくるのは俺だけ?
さて本作は、西田敏行演じる映画館主が島や村を回って、屋外や学校で巡回上映をする話。映画愛に溢れた…と言いたいところだが、本当に“映画館じゃないところで長編映画を上映すること”がどういうことなのかを、山田洋次が理解しているのかが良く分からない。
映写機のない場所で長編映画を上映する場合、映写機は2台必要になる。フィルムは1巻20分程度なので、2台で順番に上映しないとフィルムの架け替えで上映が中断してしまうからだ。映画1本上映する間に、5回くらいの中断を挟むのでは、入場料金は取れないだろう。そして、映写機は機会だし、フィルムはデリケートな物だから、風の強い日に砂浜で上映することのリスクも気にしてないし、極めつけは、学校の教室で上映するのに場所が取れないから映写機を屋外に設置して外から上映する。そこに土砂降りの雨で、映写をしていた吉岡があたふたしてビニールシートを手でかざして雨を避けながら上映を続行。責任者である西田は、会場内で好きな女にうつつを抜かして、大切な自分の映写機とフィルムを全く気にも掛けずに居る。映写機が故障して、観客からのブーイング。それを西田は故障の修理をほっぽらかして「バナナボート」を唄って誤魔化す。観客たちは大喜びで映画上映そっちのけで踊り出す。結局映画上映はなし。
何だこの映画?映画愛の映画なのかと思ったら全然違った。
少なくとも1作目の方は評判が良いようだから、今度そっちを観てみるが、この2作目はナイ。アリエナイ。

https://youtu.be/c949RuJJ6MI

Amazon.co.jp: 虹をつかむ男 南国奮斗篇を観る | Prime Video

 

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2021年8月 6日 (金)

8/5 『学校』(1993)

アマプラ「プラス松竹」にて。

山田洋次監督、西田敏行竹下景子田中邦衛中江有里裕木奈江萩原聖人大江千里出演。


夜間中学校に勤める西田敏行はある日校長に呼び出され、異動の話を持ち掛けられる。しかしその話を蹴って、この学校に居たいと告げる。彼のクラスには働きながら夜間に通う萩原聖人、中学で不登校になった中江有里、不良の裕木奈江、焼肉屋を経営するオモニ、日本社会に溶け込めない日経中国人、字も書けない競馬好きの田中邦衛らが居り、それぞれに様々な悩みを抱えていた…。

“ザ・山田洋次”な、非常に真面目な松竹創業百周年記念、日本テレビ放送網開局四十年記念、文部省特選作品。
様々な理由で学校を卒業できなかった、学校に行けなかった人たちの群像劇。こうした人々が居るのは分かっているし、その人たちが頑張って勉強するのも大変だけれども素晴らしいことだと素直に思う。
世間の評価は高いし、感動巨編なんだろうけれど、いかにも文部省特選で「母と子の良い映画を観る会」な映画だと感じてしまうのは捻くれて、心が煤けてるんですかね…。いや、良い映画だとは思うんですけど、苦手なタイプの作品です。
田中邦衛がオグリキャップを熱く語る場面は良かったです。

https://youtu.be/iED_aMjHOC0

学校 - 作品 - Yahoo!映画

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2021年8月 5日 (木)

8/4 『息子』(1991)

アマプラ「プラス松竹」にて。

山田洋次監督、三國連太郎永瀬正敏和久井映見田中隆三原田美枝子いかりや長介梅津栄田中邦衛出演。

新宿の居酒屋でアルバイトをする永瀬正敏に、ある日、父・三國連太郎から母親の一周忌に帰ってこいと電話があった。実家に帰り、サラリーマンの兄や親族に囲まれ、定職についてないことを心配され、父にも小言を言われる。東京に戻って鉄工場で働き始めるが、きつい肉体労働に音を上げようとした時に、仕事の取引先で働く和久井映見と出会う。彼女は聾唖者であったが、彼は心底惚れ込み結婚を決意する。そんな折、戦友会に出席するために父が上京してきた…。

永瀬正敏がいかりや長介ら工場の先輩たちに連れられて飲みに行く、赤提灯のホルモン焼き屋「大衆酒場 三和(みわ)」に行きたい!と思ってググったが出て来ない。きっともう閉店したんだろう。コロナの禁酒法下にあって飲みに行けないから、こんな店に無性に行きたい気になったんだなぁ…。

さて、映画は『息子』よりも『父親』にした方が良いような内容。
もちろん息子との関係や息子自身も描かれてはいるのだが、定職にも就かずにフラフラしている息子への不安と愛情、長男夫婦からの同居の申し出への躊躇、思い出と思い入れの詰まった実家で生を全うすること等、父親の思いに重点がある。
良い映画であるとは思うし、三國連太郎、永瀬正敏、そして忘れちゃならない和久井映見と田中邦衛の名演も素晴らしいのであるが、自分自身に照らして、ちょっと複雑な気持ちになる映画でもある。

https://youtu.be/gxOOjOcWjQc

息子 - 作品 - Yahoo!映画

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8/4 『竜とそばかすの姫』(2021)

TOHOシネマズ新宿にて。

細田守監督、中村佳穂成田凌染谷将太玉城ティナ佐藤健出演。

時をかける少女』と『サマーウォーズ』はとても好きな映画だったし、その後に後追いで観た『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』も面白かった。だが、それ以降、一作ごとに自分には合わなくなって、前回の『未来のミライ』は結構苦手だった。そして今作『竜とそばかすの姫』がどうかと言うと…やっぱり俺には向いてない。

映像的には素晴らしいクオリティだと思う。でも物語とか設定が釈然としない。
前半からあっちこっちで蹴躓いてしまったんだが、やっぱり最大の腑に落ちなさは、クライマックスの児童虐待現場に向かう描写。
なぜ忍はすずを一人でネット身バレさせるのか?なぜ高知から深夜バスで東京に向かうのか?なぜママさんコーラスの人々は彼女を一人で行かせるのか?なぜ父親はそれを容認しているのか?これらの危険極まりないミッションを女子高校生一人におっかぶせて、周囲の人間は大人も同級生も皆傍観者であるだけなのはなぜなのか?
数年前に評判の良かった『若おかみは小学生』の時に感じたのと近い「なぜ?」が頭の中で渦巻いて、結局のところいい話どころか「なんか薄気味悪い世界だな…」と思ってしまった。

https://youtu.be/KNynvdKvLc8

竜とそばかすの姫 - 作品 - Yahoo!映画

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2021年8月 4日 (水)

8/2~3 『君の名は 第1・2・3部』(1953~1954)

アマプラ「プラス松竹」にて。

大庭秀雄監督、岸惠子佐田啓二淡島千景月丘夢路川喜多雄二小林トシ子野添ひとみ淡路恵子笠智衆市川春代望月優子須賀不二男出演。

アニメじゃない方の『君の名は』については、
・元はラジオドラマで、その後映画化された。
・ラジオドラマも映画も爆発的に大ヒットした国民的ドラマ。
・銀座で待ち合わせるがすれ違い続ける男女のメロドラマ。
・ヒロインの名前が真知子で「真知子巻」と呼ばれるスカーフの巻き方が昔流行ったことがある。
…と、これくらいの予備知識しかないが、折角“松竹漬け”月間になっているところなのでチャレンジしようと!
二日がかりで、全三部作・合計6時間11分の『君の名は』マラソン。

第1部
昭和20年5月24日の東京大空襲の夜、数寄屋橋の上で互いに命を助け合った若い男女、後宮春樹と氏家真知子は、半年後の二十四日の夜、この橋の上で再会しようと約束した。春樹は別れ際「君の名は」と訊いたが、真知子は名を告げずに立去った。半年後、約束の晩に真知子は叔父に強制された縁談のため佐渡島に居た。その縁談相手浜口勝則は、真知子を気遣い一緒に春樹を探す。そんな勝則の姿に感銘を受けた真知子はつい結婚を決意する。勝則と佐渡の料亭の女中・綾の協力によって春樹を探し当てた真知子は、1年後の5月24日に再会を果たすが、その日は勝則との結婚前日であった。
結婚した真知子を待っていたのは、姑の嫁イビリと勝則から向けられる春樹との浮気への猜疑の眼差しであった。さらに勝則は偶然春樹の上司になったのを良いことに彼を失職させる。その夫のやり口を嫌悪した真知子は離婚を決意するが、既に勝則の子を妊娠していることが判明、世を儚んで佐渡で自殺を試みる。それを止めたのは春樹であった。

君の名は・第一部


第2部
真知子と再会したものの結ばれぬ運命だとわかった春樹は、北海道の友人の牧場を手伝いに旅立った。そこでアイヌ娘のユミに惚れられてしまうが、ユミにはサムロと言う許嫁があった。一方、家に帰った真知子には姑のイビリが炸裂し、結局流産してしまう。その後、北海道で再会を果たした2人だったが、その姿を見たユミは春樹の心の中に自分がいないことを知り、摩周湖に身を投げた。それを見たサムロは助けようと自分も湖に飛び込むが、結局2人とも死んでしまった。さらに真知子に裁判所からの出頭命令が届けられた。勝則が「同居請求手続き」を取ったため、彼女は勝則の元に帰らなければならなくなったのだ。

第7回】占領下日本に『長崎の鐘』鳴り響く! 古関裕而のレクイエム | 緑の指に、乞食の眼


第3部
裁判所命令に従い東京に戻った真知子は勝則との離婚調停を申込むが、勝則が春樹を告訴していることを知る。春樹と会わないことを条件に告訴を取り下げてもらった真知子は、九州雲仙のホテルで働くことになった。ある日春樹の勤める出版社に勝則が現れ、春樹と再婚しないことを条件にするなら、真知子と離婚してやると告げた。一方雲仙では、真知子は常連客の副島に求婚されていた。副島は春樹と勝則の件を知り、勝則との離婚のために上辺だけ自分と結婚するのはどうかと提案する。急な欧州出張の決まった春樹が勝則と会うと、真知子が副島と結婚すると知らされる。勝則は次官の娘美子との婚約が決まるが、美子は姑との同居をきっぱり否定する。これなら真知子の方が良かったと、雲仙まで迎えに行った姑は肺炎に罹り、真知子に看病されることに。真知子は突然病に倒れ入院、さらに東京に転院することになり、死を覚悟する。スイスでその知らせを聞いた春樹は大慌てで東京に向かう…。

岸恵子の映画 「君の名は 第3部」 ついに真知子と春樹が結ばれる! | 人生・嵐も晴れもあり!

と、ザックリこんな話。
これでも相当に端折っているので、もっと登場人物も多いし、細かいエピソードも大量に仕込まれている。何しろもとになったNHKのラジオドラマは30分98回も有るそうなので、その毎回になんらかの出来事があるだけでも大変な量になる。それを全6時間11分にぶち込んだのだから、真知子と春樹を会わせない、結ばせないための出来事だらけ。大枠の物語だけなら第2部の部分を飛ばしてもいいくらいだが、個人的に面白かったのがこの第2部。正直な話、真知子と春樹がどうなるか?なんてのは、まるっきり結ばれないバッドエンドなんてやって来ないだろうから、最後結ばれてハッピーエンドか、結ばれはしたけどその瞬間に腕の中でどっちかが死んじゃうアンハッピーエンドしかありえない。
この映画で一番面白かったのは、マザコン・サイコ野郎の勝則(川喜多雄二)とその母親徳枝(市川春代)である。最初っから真知子には春樹と言う理想の男性が居ることを知っていて結婚したのに、結婚後に繰り出す卑劣な手口の数々と妻虐め、春樹虐めの数々。それを陰に日向にサポートしつつ、息子支配を続けるイビリ姑。これが一番苛烈なのが第2部なのだ。それが最後の最後の第3部で、華麗に掌返し。「あんな美子みたいな女が嫁に来るくらいなら、真知子さんのがまだ良いわ!」(意訳)と本人に告げてしまう姑のバカ加減とか、突然「僕が悪かったよ」と離婚届を出す勝則とかテキトー過ぎてサイコー。
第2部は、突如意味なくぶっ込まれてくるアイヌ悲恋話とかなんだか意味が分からない要素が多くて、真知子&春樹の恋路を迷路に追い込んでいく仕掛けが楽しいのである。
最終的にはもちろん結ばれてエンドなんだけれど、当時なんでそこまで日本中が夢中になったのか?なんで真知子巻が流行ったのか?真知子(岸恵子)よりも綾(淡島千景)の方が良いじゃん!とか思うのは俺だけなのか?と疑問はありつつも、それなりに楽しい2日間でした。

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2021年8月 3日 (火)

8/2 『ブラック・ウィドウ』(2021)

原題:Black Widow

池袋グランドシネマサンシャインにて。

ケイト・ショートランド監督、スカーレット・ヨハンソンデヴィッド・ハーバーオルガ・キュリレンコウィリアム・ハートレイ・ウィンストンレイチェル・ワイズ出演。

マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第24作。
コロナで延期しまくり、Disney+での追加料金配信も始まっているが、やはりスクリーンで観たいタイプの映画。
ナターシャ・ロマノフが如何にしてブラック・ウィドウになったかの誕生篇であり、その後の『シビル・ウォー』以降、『インフィニティー・ウォー』以前の間の話(だと思う)。

そんなことはさておき、物語自体はかなりヘヴィな展開な筈なのに、随所にコミカルなムードが漂い楽しい雰囲気。それを醸し出すのは父ちゃんのレッド・ガーディアンのいい加減な雰囲気と、妹のエレーナによるところが大きい。このエレーナを演じるフローレンス・ピューが可愛い。これまでも彼女の映画はよく観てる方なのだが、多分一番可愛いのが本作だろう。これ以外では、ニック・フロストの娘役で女子プロレスラーを演じた『ファイティング・ファミリー』もかなりお勧めなので是非。

MCUの重要なパートを占めるキャラクターであり、これが最後の登場となるナターシャ・ロマノフお別れ篇として良く出来ていたと思う。
これでもうスカヨハの“片膝つき着地”が観られなくなると思うと、ちょっぴり残念。カッチョ良かったから(笑)。

https://youtu.be/_QjgEoDaCrQ

映画『ブラック・ウィドウ』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ これが最後!彼女の過去とは?! - ゴーヤのおすすめ映画ブログ

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2021年8月 2日 (月)

8/1 『ヒロミくん!4 全国総番長への道 ~母を探して放浪記~』(2015)

アマプラ「プラス松竹」にて。

宮坂武志監督、竹内力大賀太郎松山鷹志出演。

ヒロミくん第四弾。
今回は全国総番への道の途中、たまたま出会った少年と一緒に、行方不明の母親を探す話。とりあえず自宅へ連れて行くと…
「ア゛イ゛ゴ゛の゛役゛者゛が゛変゛わ゛っ゛て゛し゛も゛う゛た゛や゛な゛い゛け゛~ッ!」
そうです。妹のアイコが別な女の子に変わってしまってますが、ヒロミくんのキャラクターには微塵も関係ないので別に気にしません。
少年の母親は、逃げた旦那の借金の肩代わりをさせられヤクザに風俗で働かされています。ヒロミくん最終的にはヤクザ事務所で大暴れの巻と、なんだか普通のVシネっぽい展開。これが好きなお客もいるとは思いますが、このシリーズにはもっとバカバカしいことをやって欲しいところ。今回は全然タンとかツバも吐き散らかさないし(笑)。

映画の最後に、次回予告テロップ「エピソード5「横浜 涙の外人墓地」篇」と出ますが、既にこの第四弾から6年も経っているので、きっとここでシリーズ終了でしょう。残念ですが。

Amazon | ヒロミくん!4 全国総番長への道~母を探して放浪記~ [DVD] | 映画

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8/1 『九ちゃんのでっかい夢』(1967)

アマプラ「プラス松竹」にて。

山田洋次監督、坂本九倍賞千恵子竹脇無我ジェリー藤尾佐山俊二E・H・エリック大泉滉出演。

坂本九は癌を告知されて生きる希望を失った舞台芸人。自殺をする勇気はないので、殺し屋に自分殺害を依頼する。その頃、スイスの古城に住む大富豪が、自分のかつての恋人の孫である坂本九に莫大な遺産を譲ると、今際の際に言い残した。その代理人ジェリー藤尾は坂本九を探しに日本へ。大富豪の唯一の血縁・大泉滉は遺産を独り占めすべく、殺し屋E・H・エリックを日本に送り込む…。

坂本九主演のドタバタコメディであり、坂本九を楽しむ映画。
芸人役なので、舞台上で唄あり踊りあり、声帯模写ありパントマイムありと、色んな芸を披露する姿を見ることが出来る。
ハーフ、クォーター俳優のE・H・エリック、ジェリー藤尾、大泉滉の3人で、渾身の外国っぽさを演出、さらに『てんぷくトリオ』が3人そろって漫才をやる場面も見られたりするので、映画自体と言うよりも、こうした昭和の喜劇の雰囲気を楽しめる作品としていいかもしれない。

https://youtu.be/p4_ExCJfEDM

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2021年8月 1日 (日)

7/31 『ミッチェル家とマシンの反乱』(2021)

原題:The Mitchells vs. the Machines

Netflixオリジナル。

マイケル・リアンダ監督、アビ・ジェイコブソンダニー・マクブライドマーヤ・ルドルフエリック・アンドレオリヴィア・コールマン出演。

昔から友だちが居らず、変わり者の弟としか上手くコミュニケーション出来ないケイティ。念願の映画大学への入学が決まって寮に入ろうとするが、アウトドア派の父親は、家族全員で車で大学まで娘を送るロードトリップを計画する。そんな折、スマホに搭載されたAIアシスタントのPALが人類に反乱。PALが搭載されたすべての機器を操り、世界征服をしようとしていた…。

『ハン・ソロ』の監督からは降ろされてしまったが、それ以外のCGアニメ仕事では快進撃が続いているフィル・ロード&クリストファー・ミラーのプロデュース作品なので、実にクオリティが高い。監督デビュー作『くもりときどきミートボール』以来、監督作もプロデュース作もほぼすべての作品が、世間と上手く交われないキャラクター、あるいは付き合いにくいヲタクとかに設定されており、彼らが最終的に肯定され、居場所を見つける物語ばかり。恐らく、本人たちがヲタクで、コミュ障気味なんだろうが、それでいて一般のヲタクじゃない人にも受け入れられる物語に着地させられるのが、この2人の天才なところ。
本作も、友だちはおろか弟以外の家族とも上手くやっていけないケイティが、やっと見つけた落ち着けると思える場所、映画大学への入学にとんでもない試練が待ち受けるが、そんな彼女だってきっと上手くやっていけると言う福音の映画になっている。
細かい辻褄や流れにムチャもあるが、そんなことはさして気にならない。
是非ご覧あれ。

https://youtu.be/6v175IF5z2k

ミッチェル家とマシンの反乱 - 作品 - Yahoo!映画

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7/31 『ヒロミくん!3~恐ろし山の亡霊番長~』(2014)

アマプラ「プラス松竹」にて。

宮坂武志監督、竹内力栞菜出演。

シリーズ第三弾。
『カオルちゃん』もそうだったけれど、シリーズが進むと平気でムチャな展開をブっ込むシリーズなので、今回は全国総番への道も関東まで到達。湘南でナンパしていたサーファーを撃破したところで、神奈川県の通称・恐ろし山に「鬼番長」と呼ばれる亡霊が現れると聞き、鬼だろうが亡霊だろうが「番長」と付く奴は倒さにゃならんと山へ向かう。
力兄ィの変顔も唾液もタンもガウガウも汚い飯の喰い方も、全てがスルスルと入って来るレベルなので、特に驚きはない平穏な世界(笑)。
オープニングは、今回がファンタジーネタだからなのか、「空想番長シリーズ」と題して始まり、ヒロミくんらのシルエットが次々と現れ、最後に「亡霊番長 登場」とテロップが(笑)。まさに『ウルトラマン』のパロディになっていて、くだらなさに拍車を掛けております。

あ、前回気付いて衝撃を受けたことがあったんですが、人間て白目を剥こうとする時どうします?例えば『座頭市』シリーズで、稀に勝新の黒目が見えてしまうことがありますが、普通は黒目を上に移動させて、上まぶたの中に隠して白目になると思うんですよ。
竹内力も『カオルちゃん』&『ヒロミくん』で年がら年中白目を剥くんですが、なんとそれが黒目を下に移動して、下まぶたの中に隠すんですよ。出来ます?そんなこと?!白目を剥く瞬間に、一瞬貞子の眼のような位置に黒目があってびっくりしましたよ。俺には絶対出来ない。

https://youtu.be/Z0ZZ1AzSFUg

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