2005.08.13

8/13 『待ち伏せ』

石川ひとみの…じゃなくて、米版DVDで『待ち伏せ』を観る。

天保年間。三州峠で待てとだけ言われて雇われた用心棒の鎬刀三郎(三船敏郎)は、旅の途中で助けた女おくに(浅丘ルリ子)を連れて峠へと向かった。峠の茶屋には、徳兵衛(有島一郎)と娘お雪(北側美佳)、そして玄哲(勝新太郎)と名乗る医者くずれの居候が住んでいた。茶屋には渡世人の弥太郎(石原裕次郎)が立ち寄り、さらには盗人の辰とそれを追う役人の伊吹兵馬(中村錦之助)も転がり込んで来た。一体この峠で待つと何が起こるのだろうか…?!

信じられないほど豪華な配役による犯罪時代劇である。
ミフネ、裕次郎、勝新、浅丘ルリ子、錦之助と、東宝、日活、大映、東映の看板スタアが揃い踏みである。これも五社協定が消滅した70年の作品ならではである。

監督、俳優らの自由を束縛するものとして悪名高い“五社協定”ではあるが、一概に害悪ばかりとは言い切れない。それは各社が各社のスタアを育てたことである。現在のように、どこの会社の作品に誰でも参加出来るのは、確かに選択の自由があっていいことだが、逆に言えば、人気のある人ばかりが起用され、右を向いても左を向いても同じ人ばかり出ていることになってしまう。数多くのスタアが誕生しないのだ。五社協定の時代には、同じ位の格の人気役者さんが各社なりのカラーを持って存在していた。だからその規制がなくなった時に、百花繚乱、豪華絢爛な配役による本作のような映画が作れたのである。今の時代、これだけカラーの違うスタアの揃う映画なんて作れない。

さて、つい配役に目を奪われてしまうが、映画自体もなかなか面白い。
三郎同様、観客自身も三州峠で何が起こるのかが全く分からないまま、物語は進んで行く。果し合いか、合戦か、ご禁制の品の受け渡しか。一癖も二癖もある連中----いかにも胡散臭い玄哲が何かやらかすのか、それとも渡世人が鍵を握るのか、はたまた影のある女こそが黒幕なのか?ネタバレしちゃあいけないほどのサプライズではないが、観ている方もワクワクドキドキできる作品だ。

それにしても、刀を使わないミフネはサマにならない。劇中、裕次郎と殴り合いの喧嘩をする場面があるのだが、これがおよそ迫力がない。おまけに殴り合いの後は
「おぬし…、なかなかやるではないか」
「…そっちこそな!」
「アッハッハッハ~!」
と、あんまりにもベタな展開が待っている。いや、70年の映画だからいいっちゃあ、イイんスけどね。

“ソガくん”として有名な元多岐川由美のダンナ、阿知波信介と、ガス人間こと土屋嘉男が出ているのも、特撮くんとしては抑えておきたい映画である。

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2005.06.18

6/18 『Mr.インクレディブル』

DVDで『Mr.インクレディブル』を観る。

1回目は劇場で原語版を観たので、今日は日本語吹き替え版。
三浦友和、黒木瞳をはじめとして、日本版キャストも悪くはない。だけど、オリジナルのクレイグ・T・ネルソン&ホリー・ハンターが素晴らし過ぎたので、ちょっと分が悪い。ハンターのかすれてナマった声の可愛さには到底勝てない。監督のブラッド・バード自身が演じていたエドナも、普通に女性がキャスティングされたせいで、キャラの立ち方が弱くなってしまった。宮迫のシンドロームが一番良かったかな。

映画の中身は、前回観た時と印象が特に変わることもなく、素直に楽しい。
問題は特典映像である。
NG集は、これまでのピクサー作品のNG集みたいなヤツを想像してたんだが、これが大違い。制作中の仮置きポリゴンモデルでの調整画像とか、髪の毛生成ソフト「FIZT」の不具合とか、CG制作上のNGショットとかテストショットに音声を乗っけたもの。これって笑える?
CG関係の仕事をしてる人なら何が起こってる映像なのか意味は分かるし、勉強になる部分もあるんだけど、普通の人にはただのブキミな映像でしかないんじゃないのかな?
こんなんだったら、ムリしてNG集を作んなくっても良かったのに。
未公開シーンもアニマティクスのみ。「へぇ、そんな展開の予定だったんだ」とは思ったが、完成間近の映像を期待してたのでちょっと肩透かし。
その他メイキングはどれも興味深いし面白かったけれど、それ以上に出てくるスタッフ----特にアニメーターの皆さんが、なんだか個性的な顔つきな人ばかりで、それに驚いてしまった。だってまるでCGキャラみたいな顔した人ばっかりなんだもん…。

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2005.05.11

5/11 『真夜中の弥次さん喜多さん』

ユナイテッドシネマとしまえん9で『真夜中の弥次さん喜多さん』を観る。

ヤク中の喜多さんにぞっこんの弥次さん。そんな彼らの元にお伊勢参りのDMが届いた。弥次さんは喜多さんのヤク中を治すために、2人でお伊勢へと旅立つが…。

観ながら『発狂する唇』を思い出した。
作風が似てるとかってことではない。人気脚本家が制約とか状況とかを一切考えずに、やりたい放題やった映画な雰囲気。メチャメチャ面白い場面もあるけれど、全体的には観客のことなんか眼中になく作ったメチャメチャな映画。そんな印象だ。

話にも繋がりにも整合性なんてないが、そんなことは一切気にしていない。プロローグから竹内力までは快調なんだが、そこから後は急に失速。ツボに入る人は大絶賛するのかもしれないが、どうしてもこのカタルシスのなさが好きになれない。後半の重さもね、なんだか前半とチグハグな印象だしねぇ。

キャスティングが『下妻物語』と被ってるところも、オレとしてはマイナスだ。あっちがメチャメチャなようでいて、きちんと映画的な盛り上がりを追求してたのに、本作にはそれがないのがイタイ。宮藤官九郎って天才なんでしょ?そんだったら折角の監督デビュー作なんだからちゃんとやろうよ。

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2005.04.17

4/17 『マスク2』

新宿オデオン座で『マスク2』を観る。【ちょっとネタバレ】

アニメーターになることを夢見ているが、なかなかチャンスが掴めないティム(ジェイミー・ケネディ)。ある日、ティムの愛犬オーティスが、かつてスタンリーが投げ捨てた仮面を拾って来た。会社の仮装パーティでその仮面を着けたティムは、強烈な個性の“マスク”に変身し、社長までをも魅了し、アニメーターとして大抜擢。その晩、そのまま奥さん(トレイラー・ハワード)とHしたせいで、マスクのパワーを宿した2世も誕生してしまった。その頃、仮面を作った災いの神ロキ(アラン・カミング)は、父であるオーディン(ボブ・ホスキンス)の言いつけで、無くしてしまった仮面を探していた…。

ジム・キャリーが出ない『マスク』ってどうなんだろう?それに、原題は「Son of Mask」?
そう思いながら観に行ったのだが、元々あの仮面を着ければ誰でも“マスク”に変身しちゃう訳だし、まあこんな映画もアリではあるな。タイトルは、クラシックSFへのオマージュと言うか、パロディなタイトルとしては全く問題ないんだが、“マスク”は仮面を着けて変身した人のことで、仮面自体が息子を持てる訳じゃなし……とか不思議に思っていたら、なるほどねぇ。仮面を着けた状態でHして出来た子供に、マスクの力が宿るんだ。作ってる側もそれだけじゃ説得力が弱いと思ったのか、なんと精子の描写を挿入!泳いで行る精子の群れの中に、顔の付いた3匹の精子が混じってて、それが争いながら卵子を目指す!スイマセンがこの描写があるせいで、この映画のターゲット年齢が『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の復讐』並みによく分からなくなりました。

マスク役がジム・キャリーじゃなくても、映画としては成立しているんだが、パワーダウンは否めない。ジェイミー・ケネディでは、明らかに見劣りしてしまう。その分を補ってるのが、アラン・カミング。次から次へと衣装やメイクが変わり、八面六臂の大活躍。と言うよりも、もしもアラン・カミングが出てなかったら、この映画死ぬほど退屈だぞ。

犬もまた、前作のマイロと同じ犬種のオーティスに代変わりしている。実際の犬も可愛いけれど、CGでマスク犬に変身した姿が不気味にいい味を出している。肝心のマスク・ベイビーよりも犬の方が全然魅力的だ。何を隠そう、赤ん坊はILMがCG担当で、犬はティペット・スタジオが担当。人間と動物なら人間の方が難しいのはもちろんだけど、センスの部分でもティペットスタジオが圧勝。CG赤ん坊は気持ち悪いばっかりで、なんだかイヤンな存在なのであった。

監督は『キャッツ&ドッグス』のローレンス・ガターマン。どうりでガチャガチャと騒々しいファミリー映画(なのか?)だと思った。

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2005.01.23

1/23 『燃えよドラゴン』

DVDで『燃えよドラゴン ディレクターズ・カット』を観る。

面倒くさいので物語は割愛。

同年代のボンクラ映画ファンほど、オレはブルース・リーに思い入れがない。
『燃えよドラゴン』も初公開当時、『ノストラダムスの大予言』『ルパン三世念力珍作戦』の方が興味があったし、何よりも『宇宙戦艦ヤマト』の本放送に夢中だったから、奇声を発する香港人にはあんまりそそられなかった。香港映画特有の黄ばんだ画面が好きじゃなかったせいかも知れない。だからこの映画を観るのも、多分今回で3回目くらいだ。ディレクターズ・カット版とか言われても、劇場公開版とどう違うのかなんてサッパリ分からない。
それでも久し振りに観たドラゴンは、やっぱりカッコイイんだな。敵を倒す切れのイイ、シャープな技斗は、最近のワイヤー系アクションとは一線を画している。義手を付け換えて闘うハンのバカバカしいかっこ良さと、そのハンと鏡の間でで戦うクライマックスは絶品だ。

…とか言いつつも、『ケンタッキー・フライド・ムービー』の「Enter the Yen」の方がツボだったりするんだけどね(笑)。

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2005.01.03

1/3 『マイ・ボディガード』

新宿ピカデリーで『マイ・ボディガード』を観る。【ネタバレ】もちろん、マット・ディロンとアダム・ボールドウィンの映画だ(大嘘)。

誘拐事件発生世界第3位のメキシコ・シティ。米テロ対策部隊をに16年所属していたジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)は、その仕事ゆえに人間性を失い、ボディガード会社を経営するレイバーン(クリストファー・ウォーケン)の元へやって来た。日々、酒に溺れていたクリーシーは、レイバーンの勧めで、とある実業家の娘ピタ(ダコタ・ファニング)のガードを請け負った。最初は心を閉ざし、ビジネスに徹していたクリーシーだが、ピタと過ごす内に、徐々に人間味を取り戻していく。だがある日、ピタが何者かに誘拐されてしまった…。

前半1時間は、無骨な男と少女の触れ合い、ほのぼのハートウォーミング映画。でも1時間過ぎた辺りで一転してバイオレンス復讐映画へと早変わり。拷問、銃殺、指切り落とし等々、元々のテロ対策部隊時代の経験を活かした、“殺しのアーティスト”ぶりを遺憾なく発揮。ヌルそうな邦題(もちろん原題はこんなヌルいもんじゃない)と、感動巨編みたいな宣伝で観に来た女子のド肝を抜いてやろうって魂胆なのか?このあんまり例を見ないほど急激な転調ぶりは、ちょっと面白いかも。
元々優等生な役ばっかだったデンゼルも、『トレーニング・デイ』以降、すっかりダーティな男に急激に転向したみたいだしね。それに今回は、クリストファー・ウォーケンが善い人(とは言い切れないが)っぽい。とりあえず画面上では“悪”には見えない。もっとも、デンゼルたちと一緒に食事をしているシーンは、いつものごとく気が触れたみたいで恐いけどな。ダコタ・ファニングは天才子役と言われるだけあって、天才っぷりを披露する。このコマッシャクレ感(クソナマイキ感とも言うが)を嫌いな人も多いらしいが、今回はそれほど鼻に付かないんじゃないのかな。ハーレー・ジョエル・オスメントとかよりは、全然マシだと思うんだけど、どうなんでしょう?

さて本作の特徴のひとつに、とてつもなく凝った映像がある。コマ抜き、スローは当たり前。一体全体、何カメをパラで回してるんだか知らないが、同一カット内であっても微妙に違う画角&画質の画が何重にも焼きこまれていたり、フィルターや着色、ノイズ加工なども随所で加えられている。トニー・スコットと言えばMTV&CM系監督だし、元々映像には凝るタイプの人だったが、昔は迫力のあるカッコイイ映像で、細かくカットを割っていくタイプだった。そんな彼が、さらに本作では最近の流行りっぽいテクニックを取り入れている。個人的には『トップガン』とか『デイズ・オブ・サンダー』みたいな、無意味にカッコイイ画作りは嫌いじゃないので、あんまりソダーバーグっぽいやり方に行かないで欲しいところなんだがなぁ。

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2004.12.24

12/24 『モンスターズ・インク』

DVDで『モンスターズ・インク』を観る。

モンスターの世界のエネルギー源は、実は子供の悲鳴だった。モンスター・インクのサリーは、子供から悲鳴を搾り取るプロ。作業員のマイクとのコンビで、今日も子供たちの寝込みを襲っていた。だがある日のこと、モンスター・インクに人間の女の子が迷い込んでしまった…。

クリスマスだしハートウォーミングな映画でも…と思ったら、SFとかホラーとかアクションばっかりで、なかなかそんな映画を持っていない俺(笑)。じゃあってんで、久々にこの映画を観る。
これで3回目だが、何度観てもやっぱりピクサーの映画はよく出来ている。特に本作では、脇に居るどーでもいいようなキャラクターのデザインが素晴らしい。CDAのエージェントが一人ずつデザインが違ったり、社内見学をしている子供モンスターがやたらと可愛かったり、神経が行き届いている。日本だと(予算が少ないせいもあるんだが)同じデザインで誤魔化してしまうだろうな。
廉価版を買ってしまったので、短編『Mike’s New Car』を見ることができないのが悔やまれる。これ売り飛ばして、旧盤をオクで落とそうかな…。

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2004.12.18

12/18 『MUSA -武士-』

DVDで『MUSA -武士-』を観る。

14世紀、高麗から明朝へ友好使節団が南京へやって来たが、彼らはスパイ容疑で逮捕され、砂漠へと流刑されてしまう。だが、鎖に繋がれて流刑地に向かう使節団を、蒙古軍が襲撃し、明の兵士を皆殺しにしてしまった。生き残った使節団のチェ将軍は、故郷・高麗へと向かうことを決める。食料も水もなく、次々と帰らぬ人となる使節団。彼らは水を求めて立ち寄った村で、蒙古のランブルファ将軍と、将軍たちに捕らわれた明のブヨン姫に出会う。このブヨン姫が居れば、明との交渉を再開できると考えたチェ将軍たちは、彼女を奪還するが…。

公開時の宣伝を見て、もっと熱く燃えるような映画を想像していたのだが、意外と淡々としている。
明と蒙古の間で、自分たちの思うように動けない高麗軍の兵士たち。確かに、「生きて祖国に帰りたい」って想いはずっとあるし、自分たちの決断で動いているようではあるのだけれど、結果としては常に状況に流されてしまう人々の物語になっているせいだろう。
そんな中、一本芯が通っているのは、奴隷であったが故に“国”と言う価値観に縛られない主人公のヨソル。槍を構えた姿に迫力があり、殺陣もかっこいい。だが、ここで問題になるのはテクノロジーである。この映画、どうやらデジタル・カメラで撮影しているらしく、槍や刀の軌跡がストロボ撮影の残像のように残り、目がチカチカしてくる。通常の場面での風景の色合いは美しいし、撮影部が頑張っているのにも拘らず、派手で動きの速い合戦シーンが非常に観づらいものになってしまっている。そんな画なのに、クローズアップ・カットが多いから余計にツライ。最近はデジタル・ムービー・カメラが急速に進歩して、色んな映画で使われるようになってきているが、どんな画作りをするのかをよーく検討した上で、カメラを採用して欲しいもんだ。

チャン・ツイィーが出てることもあって、『HERO』みたいなものを期待していたから、肩透かしを食ったってのが正直な感想かな。

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2004.11.27

11/27 『Mr.インクレディブル』

新宿ピカデリー1で『Mr.インクレディブル』先行オールナイトを観る。【ちょっとだけネタバレ】

人々の幸せと世界平和のために戦うスーパーヒーローたち。だが、彼らの行動が裏目に出て、その活動を禁止されてしまう。そして15年が経った。昔は大活躍していたMr.インクレディブル(クレイグ・T・ネルソン)と、その妻イラスティガール(ホリー・ハンター)も、今では素顔のボブとヘレンとして、保険会社のサラリーマンと普通の主婦になって、3人の子供と地味な生活を送っていた。だが、ボブは友人のフロゾン(サミュエル・ジャクソン)と一緒に、かつての栄光を懐かしみながら、いつかスーパーヒーローに戻れる日を夢見て、悶々とストレスを溜めていた。そんなボブの元に、ある日ヒーローとしての仕事が舞い込むが…。

えええええぇぇぇぇっ……。
も~やんなっちゃうよなぁ、こんなの作られちゃうと。土俵が違うとは言え、デジタル系でなんか作ってる人間としては、ホントーにウンザリですよ。なんでこんなに素晴らし過ぎるもの作っちゃうのかね、まったく!ピクサー×ブラッド・バードで面白くならん筈がないとは思っていたが、期待を全く裏切らない驚くべき完成度。

『アイアン・ジャイアント』みたいな“男泣き映画”なのかと思ってたら、大活劇もあり、ヒーローの悲哀、そしてサラリーマン父ちゃんの悲哀もあれば、家族の絆もあり、もちろんお笑いもテンコ盛りで、予想外にストレートな映画なのだ。
(ついでに、最初にストーリーを知った時にフィリップ・モラの『キャプテン・ザ・ヒーロー/悪人は許さない』みたいな映画かとも思ったが、似てるところはあるけれど、これも違った。唄って踊るクリストファー・リーのシーンは好きなんだけどね)
キャラクターはドイツもコイツも魅力的で、中でも予告の時からグッっとキてたMrs.インクレディブルことイラスティ・ガールが大活躍。お母ちゃんサイコーだよ。“母は強し”みたいなことじゃなくって、女性キャラとしてもサイコーに魅力的で、もう惚れちゃうね。勢いで、帰りにぬいぐるみ買おうかと思ったら、何故か女性キャラはなし。残念…。娘のヴァイオレットも、観る前は「なんかイマイチ…」とか思っていたが、あのネクラと言うか引っ込み思案なのが実にイイ感じ。そして弟のダッシュ。別に感動させるような場面でもないのに、水の上を走るシーンに何故か目頭が熱くなる。各キャラが、全て能力と性格付けがリンクしているのも巧い。

そんでもってこの映画、色んな映画へのオマージュになってたりするのだが、中でも最大級のオマージュが捧げられているのが『007』シリーズ。ジョン・バリーのメイン・テーマそっくりの音楽がかかるのも笑ったけれど、それ以上にのけぞったのが、悪の秘密基地。これのデザインやディテールが、『ムーンレイカー』『私を愛したスパイ』を足したような秘密基地-----もっと言ってしまえばデレク・メディングスのSFXに出てきそうなデザインとかギミックばかりなのだ。いやあ、まいったよ、ホント。

映画として面白いのはもちろん、毎度のことながら技術的にも唸らされる。
街並みの作り、空気や水の存在感など、リアルとアンリアルのビミョウな境界線で作られていて、この見事なセンスには脱帽するほかない。そして今回のポイントは髪の毛の表現。フワフワだったり艶々だったりするのも凄いが、水に濡れた髪の毛の表現は、『モンスターズ・インク』からさらに一歩進んで、これまで見たことのない新たな領域まで行ってしまっている。この髪の毛表現のために、またもや新しいソフト「FIZT(フィズティー)」ってのも作っってるらしい。恐ろしい会社だ…。

スペシャルサンクスに『ドラゴンスレイヤー』のマシュー・ロビンスの名前が!何でだろうと思ったら、ブラッド・バードって同監督の『ニューヨーク東八番街の奇跡』の脚本書いてたのか。

映画自体じゃなく劇場で驚いたのが、この先行がガラスキだったってこと。『トイ・ストーリー2』以降のピクサー作品は、どれも日本でも当たってたのに、今回はヤバイのか?オヤジが主人公のヒーローものってことで、若い娘さんが敬遠してるのかもしれないが、これは劇場に行かなきゃダメでしょ!…っつーか、行け!

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2004.10.31

10/31 『ミーン・マシーン』

借り物DVDで『ミーン・マシーン』を観る。

飲酒運転と警官への暴行で、懲役3年となったダニー・ミーン(ヴィニー・ジョーンズ)。彼は収監された刑務所の所長から、看守のサッカー・チームのコーチを頼まれる。彼はかつて、サッカー・イングランド・チームの英雄だったが、八百長がばれてサッカー界から追放されていたのだ。ダニーは、看守チームのコーチではなく、看守チーム対囚人チームの親善試合を提案し…。

『ロンゲスト・ヤード』そっくりだな…とか思ったら、リメイクだったのね。そうと分かってしまうと、オリジナルが傑作なだけにイマイチに思えちゃう。最近贔屓のヴィニー・ジョーンズ(この映画の製作にも噛んでいるガイ・リッチー組だ)が、凶悪だけどオツムの弱い殺し屋とかじゃなくって、珍しく普通の人の役。そして同じくリッチー組出身のジェイソン・ステイサムの素手で23人殺した凶暴なキーパーも可笑しい。地味めなキャスティングではあるが、俳優はみないい味を出している。
だけど、構成力が弱いのか、なんだか盛り上がりに欠けるのだ。
たとえ『ロンゲスト・ヤード』と比較しなくっても、クライマックスのサッカー試合はもっともっと盛り上がると期待していたのに、いくつかの面白い場面を除くき、最後まで淡々と描写されてしまう。こーゆー映画だったら、観客が握り拳作って一緒に「ミーン・マシーン!ミーン・マシーン!」と叫びたくなるような作りじゃあないとね。
全体の出来が悪くはないだけに、なんか凄く残念。わざわざ傑作をリメイクしなくても良かったのにね。

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2004.09.04

9/4 『マーダー・ライド・ショー』

シアター・イメージフォーラムで『マーダー・ライド・ショー』を観る。

1977年のハロウィン・イブ。全米を旅しながら、変わった場所を取材している4人の若者は、とある田舎町でキャプテン・スポールディングなるピエロの格好をしたオヤジが経営するガソリンスタンドに立ち寄った。このガソリンスタンドには、有名殺人鬼の犯行を再現した「マーダー・ライド・ショー」なるオバケ屋敷(?)が併設されていた。4人は、スポールディングから、この地に伝わる殺人鬼Dr.サタンの伝説を聞き、教えられた場所へ向かうが…。

PVをジョージ・A・ロメロに依頼してしまうような、映画ヲタクのホラー・ヲタクとして知られるヘビメタ・ロッカー、ロブ・ゾンビの初監督作。
ロメロ崇拝者らしいので、てっきりゾンビものっぽい映画かと思いきや、目指しているのは70年代ホラー。排他的な田舎町、オバケ屋敷、ヒッチハイカー、アタマのおかしい殺人鬼一家、怪しい町の住人、死体バラバラの皮剥ぎの皮被り…て、それはロメロじゃなくって、まるっきりトビー・フーパーじゃん。作風自体は似ていない(マネしてるトコはあるけれど)が、どこまでが冗談でどこからが本気なのかよくわからんのもフーパー・チックであるおまけに出演者が『悪魔のいけにえ2』のビル・モーズリィだったり、あのカレン・ブラックだったりすれば、もう…ねぇ。

今どきとしては珍しいタイプのゴア描写や、見てくれはイイけど不快感も満点なアッパラパー美女殺人鬼(ベティ・ブープのシーンはナイスです)、心優しき狂った巨人(どっかで見たと思ったら、『ビッグ・フィッシュ』の巨人だ)、謎の地下道の存在(ここは『壁の中に誰かが居る』っぽいな)や、人力式「マーダー・ライド・アトラクション」など、面白いところも色々あるし、ホラー愛や映画愛は感じるんだけど、全体の出来はいま一歩。
ひとつには、随所で挿入される古い映像やネガポジ反転が、あまり効果を上げていないことだ。これらがなんだか“逃げ”のようにも見えてしまう。
『テキサス・チェーンソー』(リメイク版)とどっちが上かと言われると、ちょっとビミョーな感じだ。

ところで、なんで“キャプテン・スポールディング”なんだろう。
ロブ・ゾンビってマルクス兄弟も好きなの?
(分からない人は『けだもの組合』か、ウディ・アレンの『世界中がアイ・ラブ・ユー』でも観て下さい)

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2004.08.11

8/11 『マッハ!!!!!!!!』

新宿東急で『マッハ!!!!!!!!』(この“!”の連発はホントにタイトルの一部なのか?)を観る。

タイのド田舎にある、貧しいけれど平和なノンプラドゥ村。ある日、村人たちが信仰する大切な仏像“オンバク”の首が村出身のチンピラ、ドンに盗まれてしまった。悲嘆に暮れた村人たちは、村の孤児の青年ティン(トニー・ジャー)に、“オンバク”の首の奪還を頼んだ。村人たちは、ティンになけなしの小銭を軍資金として渡した。彼は初めての都会に戸惑い、バンコクで唯一の頼みの綱である同郷のジョージを訪ねるが…。

物語はシンプル…とか言う以前に、ヒネリもなにもない勧善懲悪のステレオタイプ、直球ド真ん中。ジョージ(“タイのビートたけし”とか紹介されているが、どちらかというとタイの山崎邦正と言うか、南伸坊ぢゃないのか?)のスベる笑いはイライラする。そして、映画としての粗さも目立つ。

でも、そんなことは全部許すっ!


なんてったって、トニー・ジャーの技が凄過ぎるから!

ともかく、速い!激しい!イタイ!と、三拍子揃ったムエタイ+テコンドー&カンフーのミックス技が、恐るべき勢いで炸裂する。最近のハリウッド製カンフー・テイストとは技の質が違う(もちろん予算もだ)のはもちろんのこと、香港のジャッキー・チェンやリー・リンチェイ、ドニー・イェンとも全く違う、粗暴で粗野で、それでいてシャープで美しいムエタイ技の数々は、新鮮な驚きを覚えさせる。
主演のトニー・ジャーがジャッキー・チェンのファンらしく、手近な物を使ったバトルを繰り広げたり、バンコクの街中を猛スピードで駆け抜けるシーンも実にお見事。大開脚して四駆の下に滑り込むカットなんて、まさに人間技を超えている。何をどうすればこんなことが出来るんだろう?

あまりの技の凄さ----そして本気で当てているガチンコ殺陣をアハハハと笑ったり、思わず息を飲んだりしながら、何度も呟いてしまう。


おまえら


命が要らねえヤツらだな!

昔、香港映画を観て同じことを思ったが、こんな感覚を味わったのは久し振りである。

感動するような物語ではない。演出だって特に上手い訳ではない。
こだけど、こんなことが出来る人間が居るって、そのことに感動を覚える。

「ワイヤー、CG、早回しは使ってません」ってコピーのうち、早回しはトゥクトゥク・チェイスのシーンで使っているから、ちょいとウソをついてはいるけれど、でもそんなの些細なことだ。
トニー・ジャーが、次に何を魅せてくれるのか、心底楽しみだ。
(いきなり演技派に転向なんてのはナシだぜ!)

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2004.08.01

8/1 『ミトン』

DVDで『ミトン』を観る。
このDVDには、ロマン・カチャーノフ監督の短編(約10分)が3話収録されている。

『ミトン』
仔犬を飼いたい女の子が、ある日犬をもらってくる。だが母親は、犬は飼えないと女の子を叱る。女の子が寂しく雪の中で遊んでいると、彼女の持っていたミトンが仔犬に変身する…。

動きも実に仔犬らしく活き活きとしていて、ロマン・カチャーノフの技術とセンスの高さが伺える佳作。ともかく仔犬が可愛い。女の子も可愛い。なんだかとても可愛い1本。


『ママ』
子供を家に残して、買い物に行くママ。でもソ連の街でのお買い物は、客は長蛇の列だし、店員はノロクサしてて、そんな簡単に終わらない。その間、家では息子が大変なことに巻き込まれていた…。

ママの顔色がとっても青くて、おまけに立ちポーズのバランスが微妙で、ちょとコワイ。
ソ連ってのは、恐ろしい町だねぇ。


『レター』
海軍で働くお父さんからの手紙を待つ母と息子。でも手紙はなかなか来ない。そのうち家庭はとっても暗くなってしまったが…。

ああ、なんだかどんどん暗い話になっていく。
お母さんが、旦那さんが恋しいあまりに、息子のことを忘れてアッチの世界に行っちゃいそうで怖い。


3作に共通するのは、なぜか父親が不在であること。

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2004.05.23

5/22 『マン・オン・ザ・ムーン』

レンタルDVDで『マン・オン・ザ・ムーン』を観る。

35歳で他界した伝説のエキセントリック・コメディアン、アンディ・カウフマンの伝記映画。

5/16にABC(アメリカン・バカコメディ)振興会で、「20年前に死んだ伝説のコメディアンが今日、蘇ります。」って記事があったんで、見逃していたこともあってレンタルしてきた。
昔のSNL系お笑いはそれなりに好きなんだが、なにせ観られる機会が少ないので、この映画で描かれているアンディ・カウフマンのことは、名前は知っていてもあまり知らなかった。こんなに凄い…でも笑えないコメディアンだったんだねぇ。このネタじゃ、怒る人は怒るって。ある意味では、客のことなんて全く考えていない、自分が面白ければそれでいいって芸人だ。ツボに入ればムチャクチャ面白いんだろうけれど、不愉快な人には耐えられない芸風だ。日本だったら、まず受け入れられないだろうな。ついでに、アンディを演じるジム・キャリーも大変な熱演だけど、これまた受け付けない人も結構居るコメディアンだからなぁ…。

映画自体は、『アマデウス』『ラリー・フリント』のミロシュ・フォアマン監督作なので、この手の伝記ものはお手のもの。クライマックスは綺麗にまとめ過ぎな気もするが、きっちり2時間楽しめたからいいかな。

それにしても、アンディ・カウフマンが本当に、5/16に「ハウス・オブ・ブルース」に現われていたら、まさに身体を張ったジョークで凄かったんだけどなぁ…。残念

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2004.05.14

5/14 『MAY -メイ-』

シアター・イメージフォーラムで楽日の『MAY -メイ-』を観る。

幼い頃から斜視のメイは、人と接することが苦手。彼女の唯一の話し相手は、母にプレゼントされた人形のスージーだけだった。大人になり動物病院で働くようになっても、メイ(アンジェラ・ベティス)はやはり上手くコミュニケーションが出来ない。そんなある日、彼女は美しい手を持つ青年アダム(ジェレミー・シスト)と知り合い、恋に落ちる。また同僚でレズビアンのポリー(アンナ・ファリス)が彼女にモーションを掛けて来る。だが、彼女の行き過ぎた愛情に、段々とアダムは嫌気がさしてくる。また、ポリーは別な女と浮気を始める。またも孤独になったメイは“友だちなんか自分で造ればいい”と思い始める…。

イタタタタタ…。こりゃまた、なんつーイタイ映画なの。人を好きになったことがない、好かれたことがない女の子の、初めてのボーイフレンドってネタフリからして、なんともイタ過ぎ。
“負の『アメリ』 『トランス 愛の晩餐』風味”とでも言えば、分かってもらえるだろうか(別に『トランス』みたいに人を喰う映画じゃないんだけど、なんかトーンがね)。
この映画の勝因は、なんと言ってもアンジェラ・ベティスの好演…と言うか怪演。オドオド、ギクシャクした仕草がイチイチリアルで、不気味なんだけど時々キュート。「ああ、こんなコワレタ女の子居そうだよなぁ」と思わせる。
メイの惚れるアダムも、「これから『トラウマ』って映画観に行くんだよ」とか言って、部屋中にポスター貼ってるダリオ・アルジェント・マニアって設定がまたイタイ。おまけに最初のデートが、アダムの働いてる自動車修理工場の廃車の中ってのが、可笑しいやら哀しいやら。

色々と荒いところも多いんだけど、このイタさが意外と面白かった。

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2004.02.29

2/29 『マスター・アンド・コマンダー』

新宿プラザで『マスター・アンド・コマンダー』を観る。

1805年、ナポレオン戦争下にあって、英国は劣勢に立たされていた。そんな中、“ラッキー・ジャック”の異名を持つ名艦長、ジャック・オーブリーは、仏軍フリゲート艦アケロンを拿捕せよと命令を受ける。しかし逆に、神出鬼没なアケロンの攻撃を受け、艦は損傷を受けてしまう。ジャックは、軍医のマチュリンや十代の若き士官候補生たちと共に追撃に転じるが…。

骨太な海洋歴史アクション。なんてったって女が一人も出ない(厳密にはちょっとだけ出るけど)んだから、今時の映画には珍しい。こりゃ、なんとか女性客を呼ぶために、むさいラッセル・クロウの男臭いドラマで売らずに、鬼艦長にシゴキ上げられる美少年の成長物語みたいに、ブエナ・ビスタが宣伝をする訳だ。
実生活が“ならず者”との評判の絶えないラッセル・クロウも、こーゆー役は実にハマる。『ビューティフル・マインド』とかは「?」だったけれど、芯の強い無骨な男を演じさせると実にいい。…と言うか、史劇が向いてるのかね、この人は。ポール・ベタニー演じるマチュリンとの友情や、(問題の)12歳の少年仕官候補生(このマックス・パーキスは、この後人気俳優になりそうな雰囲気大だな)との関係も、日々の航海生活描写が丹念に描かれているので、素直に入っていける。もちろん、ILMのSFXはクオリティが高く、海戦シーンの迫力も見所だ。だが、正直言ってちょいと長くてダレる。もう20分ぐらい削ってもいい内容だ。

話は逸れるが、「本作の宣伝が間違ってる!」ってなヒステリックな論調は、一体何なんだろう?映画なんて、大抵の作品は一面からのみ語れるものじゃなし、宣伝が恣意的に内容を婉曲して伝えるのなんて、これまでにも幾らでも前例のある“あったり前のこと”なのにね。昔っから、東宝東和やヘラルドとかのメチャメチャな宣伝ぶりに笑い、さらに映画を観てから「ちっくしょー、また東和にしてやられたぜぇ~!(笑)」と、そのウソつきっぷりを笑い話のネタにしたくらいなのになぁ。それに比べたら、ブエナがメインに据えた少年の成長話は、一応ある程度は映画の中にある訳だし、昔は本篇には全く存在しない場面のある予告編とかまであったんだぜ。今回のなんてぬるい、ぬるい。みんなもっと心を広く持とうよ!

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2004.02.14

2/14 『壬生義士伝』

レンタルDVDで『壬生義士伝』を観る。

幕末の京都。ある日、新撰組に南部出身の一人の下級武士、吉村貫一郎(中井貴一)が入隊した。彼はみすぼらしい身なりにも関わらず、凄腕の剣士であった。また、何かにつけてお金に執着する男でもあった。斎藤一(佐藤浩市)は、この田舎侍の生き方に嫌悪を催すが…。

冒頭、屋根上から中庭、そして佐藤浩一のアップへと繋がるクレーンショットは、けれん味たっぷりでこれから始まる物語の期待感を煽る。だが見終えてみると、正直かなり物足りない。役者、撮影、編集(これは名編集マン冨田功氏の遺作である)、美術等、特に粗い部分はなく、きちんと丁寧な仕事なのだが、物語の構成がちと辛い。
物語は、斉藤一と大野千秋(村田雄浩)の両方の視点から、交互に語られるのだが、まとまりを欠いている。これは同時代の吉村貫一郎を異なる角度から重層的に見ているのではなく、別な時代の吉村貫一郎を見ているからかも知れない。一人の人物を、様々な人間の視点から描く手法は、成功したときには非常に厚みが出るが、失敗すると散漫な印象になってしまう。残念だが、この作品は後者である。
また、クライマックスの吉村の独白がちょっと長過ぎで、感動的になるはずのシーンが冗漫になってしまっている。その後のエピローグ前半(普通はエピローグに前半も後半もないが)は、流石は泣かせの滝田洋二郎、畳み掛けるような泣かせ演出が続くのだが、これまた必要以上に畳み掛けすぎで、熱くなりかけた目頭が冷めてしまう。

主演の中井貴一は熱演しているのだが、熱演が過ぎて、役を作り過ぎに見えてしまっている。むしろ脇役の三宅裕司や、普段は絶叫調の芝居が多い山田辰夫の渋く抑えた演技が素晴らしい。

佐藤浩一ほか数名のの老けメイクは、ハッキリと失敗。
バラエティの志村けんの老けメイクを、ちょっと作り込んだくらいにしか見えないのでは、役者が熱演しても空しくなってしまう。ディック・スミスやリック・ベイカーの手になる超絶老けメイクを散々見た後で、これでは悲しい。照明&撮影のサポートが足りない気もするが、メイキャッパー原口智生自体の腕がキビシイのではなかろうか?

水準作ではあるがいまひとつ突き抜けないのが、冨田さんの遺作なだけに残念。

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2004.02.11

2/11 『まぼろしの市街戦』はやっぱり好きさっ!

DVDで『まぼろしの市街戦』を観る。

第一次大戦下のフランス。とある小さな村にドイツ軍が爆弾を仕掛けた。通信兵のプランピック(アラン・ベイツ)は、爆弾の撤去を命令されるが、そこには精神病院から逃げ出した患者が溢れていた…。

高校生の頃にテレ東の「お昼のロードショー」で初めて観て以来、多分5回目の鑑賞。
フィリップ・ド・ブロカ、渾身の傑作だと言わせてもらおう。何度観たって面白い!
ジュヌビエーヌ・ビジョルドはどの映画よりも可愛いし、…と、そんなことがポイントではない。戦うことの愚かさを描いている作品なのに、このそらっとぼけた作風はどうだ。
最初の出会いがTVだったせいもあって、今回は日本語吹替え版で観たが、富山敬、広川太一郎、大平透、冨田耕生って吹替えの豪華さは、今観直すとハンパじゃない。さらにDVD版ならではの見方で、字幕を出していたからlこれまでは気付かなかった細かなニュアンスもより理解できた。
LDも買っていた(業務連絡:木幡さん、出来ればLDを返して頂きたいのですが…)けれど、DVDも買って良かった。

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2004.02.10

2/10 『皆月』

レンタルビデオで『皆月』を観る。

「みんな月でした。がまんの限界です。さようなら」
突然意味不明の書置きを残して妻(荻野目慶子)に出て行かれた夫(奥田瑛二)。おまけに勤める会社は倒産して、茫然自失の日々。妻の弟(北村一輝)は、自分の居るヤクザの組の、コンピュータ操作の仕事を振ったり、ソープに連れて行ったりと世話を焼く。そしてソープで出会った女(吉本多香美)と同棲することになるが…。

評価されているのは知っていたが、これまで全く観たことがなかった望月六朗監督作。
吉本多香美は、JRのCM(古いね)と『ウルトラマンティガ』の彼女くらいしか知らなかったので、こんな役もやる女優さんだとは知らなかった。驚くほどの脱ぎまくりでヤリまくりのソープ嬢役である。これはなかなかの好演。贔屓筋の北村一輝も毎度のことながら、サイテーなのにヘンに情のあるチンピラ役が絶妙である。奥田瑛二は、…まぁいいや。
物語のテイストは三池崇史とも通じるところのある、アウトローだったり落伍者だったりの切ない生き様のドラマである。だが、なんだかシックリこない。話が分からない訳でも、心情が見えない訳でもない。役者も好演しているし、不満も特にはない。
どうやら作品のリズムやテンポが、オレの生理に合わないらしい。きっと同じホンを三池が撮ってたら、もっとノレたんじゃないかと思う。

とりあえず『鬼火』も観てみるつもりだが、望月六朗はオレには向かない監督なのかもしれないなぁ。

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