2006.03.22

3/19 『ハーヴィー・クランペット』

レンタルDVDで『ハーヴィー・クランペット』を観る。

ハーヴィー・クランペットは、きこりの父と炭鉱で働く母の間に生まれた。脳に障害があり、人の鼻を触れずにはおられず、瞼が痙攣してしまうハーヴィーは、学校でもいじめられっ子。家は火事で全焼、両親は凍死し、オーストラリアに逃げ出した。事故で頭に鉄板を入れたハーヴィーは落雷に会い、人間磁石になり、睾丸も一つ取ったが、病院で出会った看護婦さんと結婚することに…。

2003年のアカデミー賞で、ピクサーの『バウンディン』を退けて短編アニメ部門受賞を果たした、オーストラリア製の23分のクレイアニメ。まさかこんなのの日本版DVDが出ているとは思わなんだ。観たかった作品なので、TSUTAYAでDVDを見つけた時は大喜び!

いかにも“クレイメーション”なキャラクターに惑わされて、技術力が評価された作品かと思いきや…凄い物語だ。
ともかく色んな病気や障害、ヤバげな状態のオンパレード。鉱毒でおかしくなってる母親とか、洟垂らしっぱのお脳の弱い友達。素っ裸で凍死してる両親、アタマに入れた鉄板、その手術痕が「まるでロボトミー手術のようだった」(字幕)とか、サリドマイド児の幼女、ポックリ死ぬ奥さん、ヌーディスト、etc、etc…。『生徒諸君!』のナッキーとは別な方向(笑)で、不幸のつるべ打ちだ。
こんだけ悲惨なのに、それをアッケラカンと笑いにして描いているのが驚きだ。日本でこんな作品が作られ、「日本アカデミー賞」を取るなんてこと、絶対にありえないだろう。

特典映像に、アダム・エリオット監督の初期短編、「uncle」、「cousin」、「brother」(3作合わせても18分の短編)が入ってるが、まるっきり同じ作風。どれも悲惨な生涯を生きた親類の話。してみると、『ハーヴィー・クランペット』はこれらの“悲惨親類人生”シリーズの集大成だった訳か。

最近のアカデミー・短編アニメ部門は、ピクサーとかアードマンの牙城だったけれど、それを打ち破ったのは大したものだ。だけどこの作風じゃ、長編アニメの依頼は来ないだろうなぁ。

ちなみにナレーションはジェフリー・ラッシュが担当。なんでだ?

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2006.02.03

2/2 『悲愁物語』

香港版DVDで『悲愁物語』を観る。

服飾業界の広告合戦が激化する中、日栄レーヨンの広告を担当する田所(岡田真澄)は、美人プロゴルファー・桜庭れい子(白木葉子)に目を付けた。まずはれい子を女子プロゴルフ・チャンピオンにするために、ゴルフ雑誌編集長でれい子の恋人でもある三宅(原田芳雄)に特訓を頼んだ。日夜続く特訓の甲斐あって、れい子は全日本女子プロゴルフ選手権で優勝を勝ち取った。れい子は一躍売れっ子にになり、テレビの司会までもこなすようになった。だが、そんな彼女を快くは思っていない人々もいた…。

初めて観たけど、狂った映画だねぇ~!
前半はあんまり清順らしさもなく、ちょっと変わった“スポ根もの”程度に見えるんだけど、途中からどんどん話がヘンな方向に。コレってなんの映画なんだろう?清順らしからぬスポーツ映画の雇われ仕事かと思いきや、ゴルフしてる場面なんて中盤以降は全くない。きっと詳しく書かない方がいいんだろうな。ある種『幻の湖』的なトンデモ映画でもあるから、観るまで絶対に物語は知らない方が面白いだろう。

で、そのトンデモ方面に流れ始めた辺りから、話もスゴイが描写も凄いことになって行く。清順演出が徐々に、だが確実に炸裂し始める。クルマではねられる人間とクルマから飛び出そうとする女の有り得ない描写、ピントを合わせ切らないピン送り、TVサイズにトリミングされたら登場人物が全く映らない画角、変化するマニキュアの色、不思議な構造の家、奇妙なライティング、etc、etc…。

『殺しの烙印』で干されて、10年ぶりに撮った本篇でこんなのを作っちゃうんだから、清順さんは本当に驚くべき人だ。会社にも大衆にもまったくおもねる所がない。やりたいようにやってるだけ。マジで驚いた。

それにしても江波杏子の恐ろしいことと言ったら…。

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2005.11.04

10/11 『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』

ヴァージン六本木4で『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』を観る。(その[超能力ユニット]ってのはどーにかならんか?)

物理学者のリードと宇宙飛行士のベンは宇宙嵐の実験をするため、学友であり事業で大成功しているビクター(ジュリアン・マクマホン)の宇宙ステーションにやって来た。そこには以前リードの恋人であったスー(ジェシカ・アルバ)とその弟(クリス・エヴァンス)の姿もあった。だが、計算上では9時間後にやって来ることになっていた宇宙嵐が突然ステーションを襲った。彼らは遺伝子に異常を来たし、伸縮自在の身体を持つミスター・ファンタスティック、力持ちの岩石人間ザ・シング、空気を操り不可視になれるインビジブル・ガール、炎を自由に操るヒューマントーチとなった。だが、ビクターもエネルギーを操れる金属人間Dr.ドゥームとなっていたのだ…。

ムッシュメラメラ~ッ!でお馴染みの『宇宙忍者ゴームズ』の実写版----とか言ってもジジイしか分からんが、マーベルの同名ヒーロー・クラシックがいよいよ映画化。
製作中から、有名俳優が出てないだの、コメディとして作ってるだの、果ては『Mr.インクレディブル』にゴム人間を先にやられてしまったからて、慌ててミスター・ファンタスティックの出番を増やしただの、情けない話題ばかりが伝えられていた本作。結果的には、無難なファミリー娯楽作としては、まぁ及第点の出来にはなったんじゃないかと。
ただ、あまりにも無難だし、“誕生編”に過ぎる物語は難である。宇宙空間で遺伝子に変化を来たして超能力を身に付ける。そこまではトントン拍子に進んで行くのに、そこから後がどうにもトロい。リードが遺伝子を元に戻そうと努力するのはいいが、その描写に掛ける時間が多過ぎるのだ。だから悪になったDr.ドゥームが全然描き切れない。Dr.ドゥームって、結果的には街で暴れたけれど、それは恋人のスーを取られた恋の鞘当てみたいなもんで、世界制服しようとかなんとか、そんなことは一言も言ってない。もしファンタスティック4が山にでも篭って研究をしてたら、一般人は誰一人迷惑を受けなかったんじゃないのか?
そんなみみっちいスケールになってしまったのが残念だ。
今回は“誕生編”として割り切るから、もし続編があるんならもっとデッカイスケールで、ガツンと活躍して欲しいもんだ。

俳優は予想通り知名度の低い人ばかりでパッとしない。全出演者の中で、恐らく最も有名なのはカメオ出演のスタン・リーだろう。ラテン系美人好きの上にヲタクな俺としては、ジェシカ・アルバは可愛いからいいんだけれども。
ヒューマントーチ役は、『セルラー』で好演していたクリス・エヴァンズ。これから伸びるかも。

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2005.07.03

7/3 『バットマン ビギンズ』

新宿ピカデリー1で『バットマン ビギンズ』を観る。

大富豪の一人息子ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、少年時代に両親を目の前で殺されてしまった。数十年経ってもそのトラウマは消えず、犯罪を犯したりしながら世界を放浪していた。ある日彼は、刑務所の中でデュカード(リーアム・ニーソン)と出会い、チベットでラーズ・アル・グール(渡辺謙)率いる“影の同盟”へと誘われることになるが…。

これは意外にいいじゃない。ティム・バートン版----特に『バットマン・リターンズ』には及ばないが、ジョエル・シューマカー版なんぞより1000倍は面白い。

バートン版では、過去とも未来ともつかないようなゴシック調のダークな世界に狂った人たちを配した、内省的でマッドな雰囲気のダーク・ファンタジーであった。だが今回は、現実の先にありそうな暗い世界を舞台に、思い詰め易いけれど狂ってはいない人たちを配した近未来SFになっている。どちらもフランク・ミラーの『ダーク・ナイト・リターン』をベースにしながら、方向性がまったく違うのが面白い。
先日のE3でバットモービルの現物展示を見て、「意外とカッコイイじゃん!バットモービルだと思わずに、別なSF映画のビークルだと思えば」と思ったのもあながち間違いではなく、これは『バットマン』と名前は付いているものの、これまで映像化されたものとは世界を異にする別なSF映画なのである。

そんな新しい世界で、新シリーズを始めるために、驚くような豪華キャストが配されている。主役のクリスチャン・ベイルはそれほどビッグだとは思わんが、脇の固め方が凄い。 アルフレッドにマイケル・ケイン、戦いの師匠デュカードにリーアム・ニーソン、武器製造担当がモーガン・フリーマン、お馴染みゴードン警部にゲイリー・オールドマン、ウェイン社社長にルトガー・ハウアーと、なんだかよくわからんが豪勢なことになっている。中でも出色はマイケル・ケインのアルフレッド。ヨロヨロのジイ様が飄々とバットマンを助けるのではなく、はなっからスマートなマイケル・ケインがバットマンを助けるのは意外性があって良かった。
え?話題の渡辺謙はどうしたのかって?いやぁ、ラーズ・アル・グールは出番少ないし、結局は“○○者”だったってことでしょ? 別に大した役じゃないんでガッカリ。この役ってケリー・ヒロユキ・タガワが演った方が向いてると思うなぁ。

とまぁ、全体としては面白かったんだけど、最大の不満は格闘アクション・シーンである。元から暗い映像なところに持ってきて、被写体に寄り過ぎで、かつカット割が細かいので、一体全体何をやっているのか分からないシーンが多過ぎる。「誰かが誰かを殴ったな」とか思ってると、いつの間にか決着が着いてしまう。この辺りはきちんとアクション演出できる人がサポートしないと、クリストファー・ノーランだけではしんどかったんでないの?

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2005.06.19

6/19 『フォーガットン』

新宿文化シネマ1で『フォーガットン』を観る。

再愛の息子サムを飛行機事故で亡くしてから14ヶ月、テリー(ジュリアン・ムーア)は失意から立ち直れずに日々を送っていた。そんなある日、家の写真の中から息子の姿が消えた。半狂乱になるテリーに、精神分析医の(ゲイリー・シニーズ)も夫のジム()も最初から息子なんて居なかったと言う…。

ネタバレしちゃあいけない映画だろうからあんまり書けないが、これってどうなの?

…っつーか、これによく似たいい加減なオチの自主映画を、大学時代に作ったことあるよ(笑)。それは「特殊メイクでウデがちょん切れて、また生えてきちゃう映画を作りたい!」って思いだけが先行した、実にテキトーなシナリオの自主映画だ。そんなのと似てるってのは、商業映画としてはヤバイのでは…。
ジュリアン・ムーアは相変わらずシミが凄いなぁとか、ゲイリー・シニーズが良い人の訳ないじゃん、とか、心の中でツッコンじゃいながらも、真面目に観てると「えええええ?!」と驚く映画である。
このトンデモっぷりは、ある意味シャマランの“宇宙人に尻バット映画”に近いかもしれない。

劇中、4回ある“とある描写”は凄くインパクトがあるし、その2回目の唐突さ加減には素直に「ヒエェェッ!」と驚いたけど、そんだけの映画かな。
VFXはソニー・ピクチャーズ・イメージ・ワークスが担当。ケン・ローストンのクレジットもあった。

ああ、劇場で観ておいて良かった(イヤ、マジで)。

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2005.05.28

5/28 『ブレイド3』

ポール・アンダーソン・ファンのS藤君と一緒に、新宿オスカーで終わりかけの『ブレイド3』を観る。

あいも変わらずヴァンパイア・ハントを続けているブレイド(ウェズリー・スナイプス)。だがある日、ヴァンパイアだと思って殺した相手が実は人間で、そのために警察から殺人犯として追われることになってしまう。そしてアジトは警察の強襲を受け、相棒のウィスラー(クリス・クリストファーソン)も死んでしまった。警察に捕まったブレイドを救出したのは、ウィスラーの娘アビゲイル(ジェシカ・ビール)とハンニバル・キング(ライアン・レイノルズ)らのヴァンパイア・ハンターたち“ナイトウォーカー”であった。彼らはブレイドに、ヴァンパイアの始祖ドレイクが4000年の眠りから目覚めたことを告げる。ドレイクこそ、かの有名なドラキュラなのだ…。

『ブレイド』シリーズ完結編は、『キックボクサー2』『バーチャゾーン』、2本のアルバート・ピュン映画で脚本を手がけているデビッド・ゴイヤーの初監督作。

流石はピュン先生の愛弟子(?)。観ながら心に浮かんだ言葉は、「B級臭ぇ」って呟いてしまった。
前2作も決して超大作だった訳ではないが、B級臭さを今風のカメラワークや編集、技術でカバーしていた。でも今回はびっくりするくらい古っぽくて、なんだか80年代のB級アクション映画を観ているみたいだ。なんなんでしょうか、この安心して観てられる古臭さは?!

『ブレイド』らしさと言えば、なんと言ってもウェズ公の“見得切り”と“ナル”なキメポーズにある訳だが、今回はそれもない。ヴァンパイアの前に立ったら、必ず自分の一番カッチョイイ角度で刀を構え、斬ったら必ずキメポーズで〆る。それがウェズ=ブレイドだったのに、何か今回はクンフーに寄り過ぎで、アクションが全体に流れ気味。
でも、それを補うのが『バイオハザード2』ミラ・ジョボジョボにクリソツのジェシカ・ビールだったりする。初登場した直後の弓を撃つ場面で、何かよく分からないファスナーを開けるクローズ・アップがあるのだが、これがただ単に袖を開けて二の腕を出しただけってのが笑えた。いやあ、全く意味がないです。ナイフを靴の先に仕込んでるのは、まるで『マジック・クエスト』か『サイボーグ』だし、きっとゴイヤーは自分の中の“ピュン魂(ぴゅんだま)”を、ジェシカ・ビールに封入しようとしたんだ。そうに違いない!

デジタルFXの値段が下がっているのか、予算が増えてるのか知らないが、ヴァンパイアの炭化率はメチャメチャ上がってるし、派手なドンパチもあるのに、どうしても前2作よりも安っぽい印象になっている。ゴイヤーはこの後も『バットマン・ビギンズ』『ゴーストライダー』『ザ・フラッシュ』とアメコミ映画の製作・脚本が目白押しらしいけど、ホントに大丈夫か?
オレ的には“ピュン魂”入りアメコミ映画の極北として、ゴイヤー版『キャプテン・アメリカ』が観てぇ!

ピュンってのがなんだか分からない人は、「RADIOACTIVE HEAVEN」までどうぞ(笑)

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2005.05.24

5/24 『ブレイド2』

『ブレイド3』を観る前の復習として、DVDで『ブレイド2』を観る。

ヴァンパイア・フロストとの戦いから一年が経った。ブレイド(ウェズリー・スナイプス)は新たにスカッド(ノーマン・リーダス)を相棒にヴァンパイアを狩り続けていた。そんなある日、ブレイドのアジトへヴァンパイアのリーダー・ダマスキノスの娘ニッサ(レオノア・ヴァレラ)が現れ、休戦を持ちかけてきた。実はヴァンパイアの変種“リーパーズ”によって、ヴァンパイアたちが獲物にされていると言うのだ…。

劇場で観て以来だが、やっぱり1作目には勝てないな。ヴァンパイアのリーパーズ・ハンターとして、ロン・パールマンとドニー・イェンが出ているのに、今ひとつ活躍しきれない。ドニーVSウェズのバトルが観たかったのにねぇ。ドニーさんは殺陣も担当してるから、きっと忙しかったんでしょう。仕方がないか。
どう動いているのかよく分からないカメラワークとか、ヘンに短いカット割のせいで、状況が把握し切れない印象は2度目でも変わらない。
リーパーズの裂ける口はデジタルで作られているが、すごくよく出来た特殊メイクみたいに見える。デザインがスタン・ウィンストンぽいのは何故だろう?

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2005.05.22

5/22 『炎のメモリアル』

新宿文化シネマ2で、“ほのメモ”こと(誰も言ってないって)『炎のメモリアル』を観る。

ボルティモア消防署のジャック・モリソン(ホアキン・フェニックス)は、ある日、穀物倉庫の火災現場で一人の男性を救出。だがその直後、爆発に巻き込まれたジャックは火災現場の真っ只中に転落してしまう。ジャックを救出するため、署長のマイク・ケネディ(ジョン・トラボルタ)らが必死の作業を開始する。一人取り残されたジャックの脳裏に、これまでの人生が走馬灯のようによぎって行く…。

なんの捻りもない、直球ど真ん中の剛速球みたいな映画。
『タワーリング・インフェルノ』みたいなパニックものでもなければ、『バックドラフト』みたいなサスペンスでもない。普通の消防士の普通の日常を描いただけの熱い映画である。
この映画の勝因は、ことさら大事件を扱っていないことにあるんだろう。ごく普通の家庭のお父さんが消防士だってことだけで、とても特殊な状態になってしまう。大事件や大事故じゃなくたって、消防士はいつでも危険と隣り合わせに生きている。だからこそ、仲間が家族のようになり、家族ぐるみの付き合いが生まれてくるんだろう。この映画の個々のエピソードもそんな家族や仲間の話が多く、どれもが実に地味なんだけど、それを積み重ねていくのが上手い。そしてアメリカ映画らしからぬラストまで、グイグイと引っ張って行く。
9.11以降ならではの消防士賛美な感じは否めないが、素直にいい映画であった。
オレは個人的に消防士の知り合いが居るんだけど、本物の消防士の目にはこの映画はどんな風に映るんだろう?ウソ臭いのか、猛烈ににリアルなのか?今度会った時に是非聞いてみよう。

主演はホアキン・フェニックスだが、なんだか太ったメル・ギブソンみたい。『サイン』で兄弟役をやったのも当たり前だってくらいによく似て来ている。
意外性で良かったのが、T-10000ことロバート・パトリック。彼の役柄としては、今迄で一番人間臭い役なんじゃなかろうか?これまではT-10000後遺症というか、どうもロボ臭い役柄ばっかりだったからねぇ

ところで、一部宣伝で「CGは全く使用してない」とか言ってるのはウソ。でも、ホントにちょっとしか使ってないからこそ、こんだけの迫力や熱気があるのは事実だけどね。

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2005.05.05

5/5 『バトルスター ギャラクティカ/サイロンの攻撃』

DVDで『バトルスター ギャラクティカ/サイロンの攻撃』を観る。

人類の作った機械人間サイロンたちが、その創造主に反旗を翻して繰り広げられた戦争が終結して40年。人類は、戦後一度もサイロンたちの姿を見ることはなく、12のコロニーに住みながら、繁栄を謳歌していた。サイロンとの戦争にも参加した老朽艦、宇宙空母ギャラクティカは博物館船に改装されることになり、艦長のアダマの退任式典が行われていた。だが時を同じくして、突如サイロンが人類の前に帰って来た。彼らはコロニーに次々と核を落とし、宇宙艦隊を壊滅させてしまった。旧型艦であったがために生き残ったギャラクティカは、サイロンに反撃を開始するが…。

ホントかよ!?『ギャラクティカ』のくせにカッコイイぞ!
一部で話題だったリメイク版『ギャラクティカ』は、話題になるのも肯ける出来だ。

ストーリーの大枠は、78年に劇場公開されたTVムービー『宇宙空母ギャラクティカ』と大して変わらない。12のコロニーが破壊され、ギャラクティカを旗艦とするスペース・コンボイが、伝説の故郷「地球」へ向けて旅立つまでを描く、シリーズの序章である。
ギャラクティカ自体や艦載機バイパーなどのデザインは、旧作を今風に上手くリファインされ、さらに主要な登場人物たちの設定も微妙にアレンジしつつ同名で登場(役者は当然総入れ替え。なんとスターバックは女性になり、黒人のブーマーは韓国系女性になっている!このブーマー役のグレース・パークがなかなか可愛いんだな)させている。だが名前は同じでも、ディテールの作り込みが全く違うのだ。
旧作では、直線的で面白味の無かった登場人物たちが、それぞれに悩みを抱えていたり、微妙な立場にあったりと、濃い目の人間ドラマを作りだす。

限りなく似ているのに、別なものに分解再構築した換骨奪胎の仕方がまさに絶妙で、旧作へ払う敬意、愛の深さが素晴らしい。
例えばBGM。旧作のスチュ・フィリップスのメインテーマが掛かる場面があるのだが、その曲が掛かっていることに気付いた時、震えちゃったよ。オレ。
バイパーは機体ピッタリの幅の滑走路(?)から飛び立たなきゃウソだよね、とか、“ターボ・ボタン”を使わなきゃバイパーじゃないや、とか、そんな思い入れのあるディテールを、心憎いくらいお見事なタイミングで見せつけてくれる。
…とか言うと、オヤヂなファン向けに作られた、一見さんお断り作品みたいに聞こえちゃうが、そんなことは全然ない。あくまで今のリズム、現代のセンスになっているので、初めて観た人だって十分に面白いだろう。いやはや、参りました。

SFXに関しては、旧作もジョン・ダイクストラがILMから勝手に持ちだしたダイクストラ・フレックスを使って、当時としては非常に質の高いものになっていた。だが、それもデジタルで生まれ変わり、TVシリーズとしては恐ろしくハイクオリティなものになっている。そしてCGにも関わらず、まるで手持ちカメラで撮っているかのように、急ズームから被写体へのフォロー、手ぶれ、ピン送りなどが使われている。こうした演出をCGに用いると、ともすればウソ臭さが強調されてしまうものだが、その使い方も実に巧みである。
特典映像のインタビューの中で、『2001年宇宙の旅』『ブラックホーク・ダウン』を参考にしたと言っていたが、それだけではなく、スタッフに相当な日本アニメ好きが居るようで、ガンダム、イデオン、マクロスなどで観たような戦闘演出が、あちらこちらに散りばめられている。

ま、この作品をパイロットにして、現在第1シーズンがアメリカで放送中。第2シーズンも決定したらしいので、早く全話観られると嬉しいなぁ。頼みますよ、ユニバーサルさん!

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5/5 『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』

新宿アカデミーで『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』を観る。

ある日、心理学者のデビッド(デ・ニーロ)の妻アリソン(エイミー・アーヴィング)が、浴室で手首を切って自殺をした。9歳の一人娘エミリー(ダコタ・ファニング)は、これがトラウマになって、心を閉ざしてしまう。デビッドは事件を忘れるために、娘とともに郊外へ引っ越すことにした。だがエミリーの心の傷はなかなか癒えず、彼女にしか見えない友達チャーリーと遊びはじめるが…。

これはかなりダメっぽい。
デ・ニーロとダコ・ファニは上手い役者だと思うし、芝居的には問題はないんだが、あんまりにも脚本が…。この手のドンデン返しって、ここ数年で何本観たかな?ええっと、アレとアレと…ああ、アレもそうだった。大抵の人が前半で、「もしかしたら○○が××だったって話かな?いや、そんなベタなんじゃないだろう」と考えてた通りの展開になり、ある意味観客の予想を裏切るドンデン返しではある。
その上、宣伝で謳ってた「『シックスセンス』を超える“超感動スリラー”」ってのがまた頂けない。『シックスセンス』を微塵も超えてないってのは、あくまで宣伝文句だから100歩譲ってOKだが、どこの場面で感動するのかが全く分からない。これで感動するヤツが居たとしたら、ソイツは壊れてるだろう。

ところで、デ・ニーロの奥さんがエイミー・アーヴィングで、その子供がダコ・ファニで、デ・ニーロがちょいと惹かれる女がエリザベス・シューってのは、年齢的にメチャメチャじゃないのか?

あ、エリザベス・シューはやつれてるけど、それでも可愛いっス。

そう言やあ、今日は自殺ネタな映画を2本ハシゴした訳だな。妙なシンクロニシティ…。

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2005.04.27

4/27 『ぼくんち』

レンタルDVDで『ぼくんち』を観る。

関西のどこかにある、うら寂れた水平島に住む一太と二太の兄弟。そこへ半年前から行方不明の母・今日子(鳳蘭)が、見たこともない姉・かの子(観月ありさ)を連れて帰って来た。今日子はまたすぐに行方をくらまし、元ピンサロ嬢のかの子と3人の生活が始まるが…。

西原理恵子の持つ“強烈な毒”と“ホノボノ感”の両方が、阪本順治テイストでほどよくまとめられた、なかなか良い映画である。ネットに上がってる感想文を幾つか読む限り、結構ボロカス言ってるものが多いが、この映画をコメディだと思うからダメなんじゃない?これ、コメディのつもりで作ってないと思うぞ。

阪本順治は『どついたるねん』とか『王手』とか『顔』とか、ローカル色の強い人々の描写が上手い監督だ。本人の志向なのかどうかは知らないが、『トカレフ』みたいなサスペンスだの、『新・仁義なき戦い』(これは未見)みたいなバイオレンスよりも、この『ぼくんち』みたいな“じんわり路線”の方がずっと合っているように思う。

意外だったのは観月ありさの好演。彼女(と真木蔵人ら)のウソ臭い関西弁は戴けないが、一見ミスキャストとも思えるかの子役を実にのびのびと演じている。「こんなもん、いくらでもウチのマンコで稼いで弁償したる!」って啖呵も清清しい。

撮影は、石井聰亙、松岡錠司、そして阪本順治の映画と言えばこの人、笠松則通。笠松さんらしく、時々ハッとするほど美しい情景カットがある。中でも海の絡んだショットはお見事と言うほかない。

かの子の孔雀のダンス、雨の海岸を歩く二太、ねこ婆の葬式など、いかにもアート系な描写が評価の分かれるところ(オレはあんまり好きじゃない)けれど、それでも十分に楽しめる映画である。

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2005.04.03

4/3 『バッド・ボーイズ』

借り物DVDで『バッド・ボーイズ』を観る。

マイアミ市警の内部に保管してあった1億ドル相当の押収ヘロインが盗まれた。この事件が明るみに出る前に、なんとかヘロインを奪還し、犯人を逮捕しなければならない。この命を受けたマーカス(マーティン・ローレンス)とマイク(ウィル・スミス)に残された時間は72時間しかないが…。

お馴染みジェリー・ブラッカイマー&マイケル・ベイのアクション映画。もちろんこの2人の組み合せだから、中身なんてありゃあしない。クルマが映ればクラッシュし、悪人が居れば銃を撃ち、爆発物があれば爆発する。ひたすら迫力とテンポだけで押し切って行く。言ってしまえばそれだけだ。
警察署から奪われた押収ヘロインを取り戻す。その大筋の話を不必要にこねくり回して見せるが、そんなことに大した意味はない。一見カッコ良さげな、それでいて効果のないスローモーションを多用しながらドンパチを繰り返し、マーティン・ローレンスとウィル・スミスが下品な話をまくしたてて、2時間終ればスカっと爽快!「あなたの心に何が残りましたか?」(By木村奈保子)と問われれば、「いいえ、なにも」と即答出来る。それがこの映画の立ち位置である。もちろん、それが悪いなんて言う気はない。製作者の意図はまさにそこにあるのだから。

ちなみに、敵の親玉役はチェッキー・カリョ。やっぱり好きになれません、この人は。

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2005.02.27

2/27 『パルプ・フィクション』

DVDで『パルプ・フィクション』を観る。

強盗を計画中のバカップル、若造売人からトランクを取り戻そうとする2人のギャング。自分のボスの奥さんの世話を頼まれたギャング。八百長試合を強要され、八百長せずに金をもってずらかろうとするボクサー。銃の暴発で脳漿と頭蓋骨まみれになった車を清掃するギャング…。色んな話が時制を飛び越えて絡み合う“ヨタ話・クライム・アクション”。

そうか、この映画の公開から、もう10年以上経ってんのか。時の経つのは早いもんだ。
『レザボア・ドッグス』が、色んな意味でオレのタランティーノ・ベスト・ムービーであることは変わらないが、それでも久々に観たこの映画もやっぱり面白い。
好きなシーン、好きなキャラ、色々あるんだけれど、意外と好きなのがタランティーノ本人演じるジミー。ともかくイライラさせるキャラなんだが、なんか憎めない。

クライム・アクション映画にも関わらず、薀蓄とヨタ話がテンコ盛りで、常に誰かがしゃべり続けている映画だ。この映画がカンヌ・パルムドールを受賞し、大ヒットしたおかげで、良くも悪くもこの後の犯罪映画は全て、この映画の影響から逃れることが出来なくなってしまったのかもしれない。『ブレードランナー』の提示した世界観を、その後のSF映画がちょっとやそっとでは乗り越えられないように、今後もこの映画を越える犯罪映画はなかなか出て来ないんだろうなと、改めて思う。

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2005.02.19

2/19 『ボーン・スプレマシー』

新宿プラザで『ボーン・スプレマシー』を観る。【ちょっとネタバレ】

CIA内部の横領事件を捜査中、捜査官が何者かに殺され、証拠となる資料も奪われてしまった。その現場にはジェイソンン・ボーン(マット・デイモン)の指紋が残されていた。だがボーンはその頃、2年前の事件で出会ったマリーと、人目を避けインドで暮らしていた。そして、ボーンをつけ狙う男がインドに現れた。そしてCIAもボーンを追い始めた。彼はまたも巨大な陰謀に巻き込まれていくが…。

『ボーン・アイデンティティ』に続くジェイソン・ボーン・シリーズ第2弾。もちろん主演はマット・デイモン。
前作がそこそこ面白かったが、まあ大絶賛するほどのものでもない。今回もその程度だろうと思って行ったんだが、ちょこっとグレードアップした感じ。
記憶喪失の主人公----なんか、最近記憶喪失の主人公と聞くと、「TVゲームみたい」と思ってしまう自分がイヤだ。そんだけ、主人公が記憶喪失のゲームが多いってことなんだが…----が、自分のアイデンティティを突き止めていくのが前作。で、今回はスッカリ記憶が戻ってる状態で始まる…と思ったら、大間違い。なんか記憶が戻りきってません。観てるコッチも、記憶が薄れてるので、主人公が記憶喪失なんだか、自分が記憶喪失なんだかよく分からない状態になってしまった。ボーンのアタマの中で、ネスキーって人のことがフラッシュするんだが、この人が前作に出てたかどうかが、映画を観てる間中思い出せない。結局、本作からの登場だったんだけど、オレが忘れてるだけかと思ったよ。前作から引っ張ってきた彼女のマリーはアッと言う間に“処理”して、復讐に向かうボーン君。アメコミ映画の主人公がやたら苦悩してるのに比べて、最近は普通のアクション映画の主人公はあまり悩まない。こんなに悩んでるのを観るのは久し振りで新鮮だなぁ。

ご都合主義なところも多々あるけれど、CG&ワイヤーではなく、普通のアクションを見せてくれるだけでも、このシリーズには意義があるのかもしれない。でも、SFX担当はILM----気付かないだけで、きっとバリバリCG使ってんだろうな。

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2005.01.22

1/22 『ハウルの動く城』

日比谷スカラ1でDLP上映の『ハウルの動く城』を観る。

父親の残した帽子屋を営むソフィーは、ある日街で兵士にからまれる。それを救ったのは、追っ手から逃げている美青年であった。彼は悪名高い魔法使いハウル。だが、ハウルと関わったことで、荒地の魔女の不興を買い、ソフィーは90歳の老婆にされてしまった。呪いを掛けられたことを言うことも出来ずソフィーは家を出、ハウルが暮らしている大きな動く城で掃除婦として働き始める。一方ハウルは戦争に巻き込まれ、日々戦いに行かなければならなくなるが…。

『もののけ姫』よりはマシだけど、『千と千尋の神隠し』よりはずっと下。
…っつーか、話が見えないっつーか、登場人物が何をしようとしてるのか分からないっつーか…。これ、みんな分かったの?あまりにも説明不足だし、破綻してない?人物設定も世界観設定も、人間関係も行動原理も、あまつさえストーリー展開さえも分かんないことが多い。
一体どことどこが何のために戦っているのか、それを結局サリマンの一存だけで終結できてしまうのも謎だ。そしてオレにとっての最大の謎は、ソフィがなんであの場面で、カルシファーをカマドから抜いたのかってことだな。彼女、何しようとしてたの?誰か教えちゃくれまいか。
ついでに言えば、ソフィーの年齢が状況によってめまぐるしく変化する。ただ単に作画が乱れているのか、実際に若返っているのか、なんだかよく分からなかったりするのも戴けない。
結局のところ、宮崎駿はこの映画で何がやりたいのかな。宣伝では「ばあさんが元気」だの「ばあさんと美男子の年齢を超えた愛」だの言ってるけど、ばあさんの中身は18歳の女の子な訳だし、あの宣伝はあざと過ぎるんじゃないか。
もしかしたら、ロリコン趣味を隠すためだけに、ばあさんを主役にして、ついでにギガントを飛ばせたかっただけなんじゃないのか?なんてうがった見方さえしてしまう。

これが今年の興収No.1になるのは確実だろうけれど、オレにはそんなにいいものには思えないなぁ。

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2004.12.19

12/19 『ポーラー・エクスプレス』

新宿東急で『ポーラー・エクスプレス』を観る。

サンタの存在を疑い始めた少年が、クリスマスイブの夜にまんじりともせずベッドに入る。そして真夜中の11時55分。家の外から地鳴りのような振動と轟音が轟いて来る。驚いた少年が家を飛び出すと、そこには巨大な蒸気機関車が止まっていた。降り立った車掌は、この列車が北極行き急行“ポーラー・エクスプレス”であると告げる。驚き、戸惑いながらも、少年は機関車に飛び乗った…。

トム・ハンクス主演・製作総指揮、ロバート・ゼメキス製作・監督によるフルCG映画。
アメリカじゃ大ヒットらしいけど、こりゃ日本じゃあムリだって。こんな気持ちの悪いキャラクターは、日本人にゃ受け入れられないもの。『グリンチ』よりも、(観てないからよく知らないけど)『ハッとしてキャット』よりも気持ち悪いんじゃないの?
おまけにCGキャラクターの作り込みが明らかに違う。主人公と車掌はトム・ハンクスからキャプチャーしたフェイシャル・アニメーション(パフォーマンス・キャプチャーとか言うらしい)をしているから、不気味によく動くんだけれど、友達の知ったかぶり小僧(声はなんとエディー・ディーゼン!)あたりから怪しい感じになり、車内で給仕をしているボーイや、肝心のサンタクロースなんて、全く無表情。まばたきの回数も異様に少ない。何なんでしょうね。
物語はほとんどないし、テーマは説教臭いし、日本人の大人が観るのはツライねぇ。

見所は、数箇所あるゼメキスらしい演出。
主人公が辞書を開いた時、カメラがそのまんま下に下がって、紙越しに少年を撮るカットや、足元の床の下から床を通して見上げているカット、そして最大の見せ場でもある風に舞うチケットのカット。このチケットの描写は、『フォレスト・ガンプ』の羽が舞うシーンを、より複雑なカメラワークで再現したもので、とてつもない長さの1カットになっている。CGだから出来ることとは言え、CGでだって作るのが大変な作業だ。

でも、なんでこんなゼメキスは作ったんだい?
ちなみに日本では12/31で終了。久々の年を越せない正月映画になってしまった。

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2004.11.02

11/2 『フライトナイト』

DVDで『フライトナイト』を観る。

ホラー映画好きの高校生チャーリー(ウィリアム・ラグズデール)は、念願かなってやっと彼女のエイミー(アマンダ・ビアース)とベッドインするところだった。だがその時、夜だというのに空き家のはずの隣家に棺桶が運び込まれるのを目撃する。その日から近隣では、夜毎謎の殺人事件が起きる様になった。チャーリーは隣家に越してきたジェリー(クリス・サランドン)がバンパイアなのではないかと思い始めるが、誰も彼の言うことを信じない。そして怪奇番組のホスト、ピーター・ビンセント(ロディ・マクドウォール)に助けを求めるが…。

『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』を観て、ジャック・スケリントンの声がクリス・サランドンだったのを思い出し、それで急に『フライトナイト』を観たくなる。
約20年前に観て以来だが、こんなにユルい映画だったっけ?テンポも遅いし、展開もユルユル。80年代なファッション、音楽が、イイ感じにダサ懐かしい。特にエイミーの着てる素頓狂な服の数々がなんとも言えん。
今初めて観たのなら、「ダセェ!」と思うかもしれんが、オレはこの映画好きなんだよね。ロディ・マクドォールとクリス・サランドンの怪演が実に楽しいし。
リチャード・エドランドによるSFXの出来は、今観ても素晴らしい。でも、エイミーが振り向いて口裂け女になる場面って、あんなもんだったっけ?普通の口がくわぁぁぁっ!と裂けるように開いていったような気がしてたんだけど、振り向いたらもう裂けてた。それでもメイク自体の出来はいいんだけどね。
トム・ホランドは、この作品と『危険な天使』『チャイルド・プレイ』は大好きなんだが、それ以降はどうでもいい人になってしまった…。

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2004.10.11

10/11 『ヘルボーイ』

日比谷映画で『ヘルボーイ』を観る。

第二次大戦時、ナチスは怪僧ラスプーチン(カレル・ローデン)の力を借り、冥界から邪神を召喚しようとしていた。これを知ったアメリカ軍は、超自然現象の専門家ブルーム博士(ジョン・ハート)と共にこの計画を阻止し、ラスプーチンは冥界に吸い込まれた。だがその時、冥界から異様に巨大な右手を持った真っ赤な生き物の子供がやって来た。彼は“ヘルボーイ”と名付けられ、超常現象学者ブルーム教授が育てることになった。
月日は流れ、学校を出たばかりの捜査官ジョン・マイヤーズ(ルパート・エヴァンス)は、ブルーム博士が魔物たちを退治するため組織した超常現象調査防衛局へ赴任した。そして、そこにはヘルボーイ(ロン・パールマン)やエイブ・サピエンの姿があった。
一方その頃、ラスプーチンは再び世界を支配しようと冥界より蘇っていた…。

ここ数年、多くのアメコミ映画が作られているが、その大半はスタン・リー御大率いるマーベル・グループのキャラクターたちである。そんな中にあって、本作はアダルト志向の強いダークホース・コミックスを出自とする映画である。おまけに監督がギレルモ・デル・トロで、製作は原作者のマイク・ミニョーラ自身。『ヘルボーイ』ファンではないけれど、それなりの期待値で観たのだが、…結果的にはなんか突き抜けない映画になっちまった。

ヘルボーイをはじめとするキャラクター造形は決して悪くない。
セルマ・ブレア演じる“ファイア・スターター”は、美人じゃないし陰気なのに何故か魅力的だし、どこかC-3POを連想させる半魚人エイブ・サピエンもいい。そして我等がロン・パールマン演じるヘルボーイ自身は素晴らしい。ガッシリした図体でブツブツぼやく様は、これまでのヒーロー像とは一味違う。デル・トロがロン・パーにこだわっただけあって、顔が似てるってだけではなく、彼しか出来ない存在感がある。それにリック・ベイカーがスーパーバイザーをしているから、メイクのクオリティもおっそろしく高い。
敵役のアナクロさ満点なデザインのクロエネンもオレは好きだし、謎の冥界クリーチャー、サマエルもティペット・スタジオが動かしてるだけあって、実に躍動感がある。
(ちなみに、SFXにはジーン・ウォーレンJr.&ジーン・ウォーレン三世のFANTASY IIも参加している!)

個々のシーンでは抜群にいいところもある。
ネコを助けながらのバトルとか、ヘルボーイと伝書鳩小僧が、屋上の上からリズとマイヤーズのデートを盗み見るシーンなんて、本当に可笑しくってチャーミング。
…と、褒めてきたようでありながら、なんかイマひとつ面白さに欠けるんだわさ。

それはカタルシスの薄さだ。
物語の進行と共に、バトルがハデになり、主人公が苦戦するようになっていくと、カタルシスが大きくなっていく。狙いとして、最後の最後に肩透かしを食らわせるってやり方もあるだろうけれど、この映画では徐々にパワーダウンしてしまう。最初のサマエルとのバトルでは、戦い自体に迫力があるばかりでなく、地下鉄などの道具の使い方もいいし、テンポも気持ちがいい。だが、次の戦い、その次の戦いと、幾つかの戦いを繰り返すうちに、どんどん凡庸なものになってしまう。トンファー風の刀を使うクロエネンとの戦いなんて、いっくらでも面白くなりそうなのに、やけにアッサリ終わってしまう。そしてクライマックスは、ただ単にでかいだけのテンタクル戦だ。
アクションやバトルが、物語の進行と共にドンドンつまらなくなる、“三段逆スライド方式”みたいな構成だから、盛り上がらないこと夥しい。なんでこんな風な作りにしちゃったんだろう?
続編も決まっているようだから、是非この辺りを反省して欲しいなぁ。

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2004.10.09

10/9 『フランケンシュタインの花嫁』

DVDで『フランケンシュタインの花嫁』を観る。

燃え落ちる風車と共に死んだと思われたモンスター(ボリス・カーロフ)が生きていた。彼は森の奥に住む盲目の老人と知り合い、言葉を教えられ、人として生きることを知る。一方その頃、フランケンシュタイン博士(コリン・クライブ)は、プレトリアス博士(アーネスト・セシガー)から、第二のモンスター----モンスターの花嫁を造ろうと持ちかけられる。彼は、忌まわしい研究は二度としないと断るが…。

言わずと知れた1935年製作の続編。もちろん監督はジェームズ・ホエール。
一部では前作よりも評価・人気共に高いけれど、やっぱりオレは正編の方が好きだな。ボリス・カーロフ演じるモンスターが、前作よりも人間味があり過ぎちゃうのが、オレとしてはあまり好きではない。また、プレトリアス博士自身の創造物であるミニチュア人間が、「モンスターを造るよりスゲエんじゃないのか?って気にさせるせいもあるだろう。
この続編の人気の高さは、作品の出来よりも(もちろん出来も悪くないのだが)、エルザ・ランチェスター演じる“花嫁”故だろう。高く頭上に伸びたアタマに、波打つハイライトのようなアクセントになっている白髪(?)のライン。そして濃い目の化粧で鋭い眼光。でもこの花嫁、『宇宙水爆戦』のメタルーナ・ミュータントみたいなもんで、作品中での登場シーンはほんのごく僅かだし、出てきてもモンスターを見て悲鳴を上げるだけにもかかわらず、何か物凄いインパクトがある。この花嫁あったればこそ、『ロッキー・ホラー・ショー』のマジェンタも生まれた訳で、そーゆー意味でもエポックだし、個人的な思い入れはあるんだけれどもね。

この映画、冒頭に前作とはちょっと違った趣向が凝らされている。前作は冒頭でショッキングな内容に関する注意が入るが、本作は詩人のバイロン、メアリー・シェリーらが嵐の晩に語り合う場面から始まる。「あの物語には続きがあるのだ…」と。ここでメアリー・シェリーを演じるのが、これまたエルザ・ランチェスター。とても同一人物とは見えないところが面白い。

特典映像は約40分のメイキング。
これまた正編と同じく、映画史家や関係者の遺族が、生前の監督にインタビューした事柄を述べる内容で、構成も出てくる人もほぼ一緒。だけど唯一違うのは、ジョー・ダンテがホストになっているところだ。まぁ、最初と最後に出てきて一言語るだけなんで、わざわざ“ホスト”とか言うほどのものではないんだが。

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10/9 『フランケンシュタイン』

DVDで『フランケンシュタイン』を観る。

フランケンシュタイン博士(コリン・クライブ)は、墓地や処刑場から死体を集め、新しい生命の創造を試みる。博士の実験は成功し、モンスター(ボリス・カーロフ)が誕生する。だが、モンスターのアタマに入っていたのは、犯罪者の脳みそであった…。

言わずと知れた1931年製作のジェームズ・ホエール監督作品。
数多のオマージュやパロディ作品が作られ続けているのは、メアリー・シェリーの原作が優れていたからではない。この映画が素晴らしかったからにほかならない。全編通してちゃんと観たのは遠い昔のこと。先日『ヴァン・ヘルシング』を観たから観直そうと思ったのだが、この歳になるとこの映画の良さが再認識できる。
なんと言ってもボリス・カーロフの演技が絶品である。あの朴訥で哀しげな表情は、カーロフ以外の役者では出すことが出来ない。多くの人が魅了される、湖のほとりでの少女マリアとのやり取りは、やはりこの映画の白眉と言っていいだろう。『ヴァン・ヘルシング』のシュラー・ヘンズリー演じるモンスターなんて、ちゃんちゃらおかしいやってなもんである。
そして美術の素晴らしさにも唸らされる。あのどこか遠近法の狂ったような独特なセットの異様さ、重厚さは、今観ても全く色褪せない。

特典映像は45分のメイキング。…と言っても、実際のメイキングが残っている訳ではないので、映画史家や関係者の遺族が、生前の監督にインタビューした事柄や、父から聞いた話を語るのがメイン。メイクのジャック・ピアースが如何に天才だったかを語るリック・ベイカーや、『ゴッドandモンスター』のビル・コンドン監督、影響を受けたクライブ・バーカーのインタビューなども含まれた力作。
本作と『ノスフェラトゥ』の映像を適当に編集したコメディ『BOO!』は、呆れ返るくらいつまらなくってガックシ…。

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2004.09.24

9/24 『ハイウェイマン』

新宿トーアで『ハイウェイマン』を観る。

モリー(ローナ・ミトラ)はある日、交通事故に巻き込まれ、その現場で'72年型キャデラック・エルドラドに轢き殺されそうになった。間一髪のところで、パトカーのサイレンが近付き、犯人は彼女の写真を撮って、去って行った。恐怖に震えグループ・セラピーを受ける彼女の前に、1人の男が現われた。5年前、彼は同じ'72年型キャデラック・エルドラドに妻を轢き殺されて以来、犯人を追っているレニー(ジム・カヴィーゼル)であった。轢き逃げ犯は殺人を楽しんでおり、次のターゲットがモリーであると確信するレニー。やがて2人は協力して、'68年型プリマス・バラクーダに乗って犯人を追い始めるが…。

“心臓急停止。青春の最終章”のコピーでお馴染みの『ヒッチャー』のロバート・ハーモン監督が、久々に古巣に帰って来た。たとえどんなに話題になっていなくったって、観客がオレを含めて8人(!)しか居なくたって、これは観ずには居れまい!
映画の冒頭、レニーの奥さんが轢き殺される場面の異様な迫力と編集の上手さに、「ををっ!!流石はロバート・ハーモン!」と思わされる。だけど、あっという間に失速していくんだよなぁ。
『ヒッチャー』では、犯人ジョン・ライダーを演じるルトガー・ハウアーの怪演ぶりが際立っていた。だけどそれだけでなく、映画全体を支配するなんとも言えないイヤな雰囲気、恐怖感に満ちていた。ところが本作にはそれがない。それは、異様なまでの執念深さで追っているのが、犯人側ではなく、被害者側だってことであり、また犯人造形がちょっとやり過ぎで笑いと紙一重なところにある点だろう。かなり早いタイミングで犯人の姿が明かされてしまうので、あえてネタバレとか気にせずに書いてしまえば、全身ギブス&義手&義足で電動車椅子に乗った男が犯人なのだ。えええっ?その状態で人を轢きまくってんのぉ?そりゃいくらなんでもムリだべぇ。
コピーが“全米ドライバー心臓停止”(笑)で、音楽だって『ヒッチャー』と同じマーク・アイシャム。でもね、最大の違いは、脚本がエリック・レッドじゃないことなんだな。改めて彼の巧さを実感した次第である。
ヒロインのローナ・ミトラは、キャスリン・ゼタ・ジョーンズからゴージャスさと高飛車さを抜いたみたいな女優で、主演のジム・カヴィーゼルは、いつものごとく辛気臭いぞ。

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2004.09.12

9/12 『ブルークラッシュ』

DVDで『ブルークラッシュ』を観る。

かつて天才少女サーファーと呼ばれたアン・マリー(ケイト・ボスワース)。彼女は数週間後に迫った“パイプライン・マスターズ”での優勝を目指すが、数年前の事故がトラウマとなり、実力を発揮できなくなってしまっていた。アン・マリーと一緒にホテルのメイドをしている親友のエデン(ミシェル・ロドリゲス)やレナ(サノー・レイク)は彼女を応援をするが、どうしても踏み切れない。そんな時、バイト先でNFL選手のマット(マシュー・デイヴィス)に知り合うが…。

飛行機内で観て気に入った『ブルークラッシュ』が、低価格DVDになったので購入。
印象は変わらず、やはり撮影が素晴らし過ぎる。見たこともないようなアングルから切り取られた、美しくも迫力のある水中撮影の数々は必見。人物の合成、カラー調整等にデジタル技術は使っているものの、波自体は全てライブ撮影である。一体どうやって撮っているのか、以前に観た時にも悩んだのだが、今回は特典映像でその片鱗を見ることが出来る。最近の映画における技術の進歩と言うと、どうしてもデジタル関係の話になりがちだが、この特典映像を観ると、カメラ自体、そして撮影技法自体も着実に進歩していることもちょっとだけ分かる(昔ながらのテクニックもあるけれど)。また、ドン・キングによる水中撮影だけでなく、デヴィッド・ヘニングスによる通常撮影も素晴らしい。夕景の色合い、波の前に立つ3人の女の子など、本当に気持ちの良いショットが沢山ある。

主演のケイト・ボスワースが、田舎の美人高校生みたいな雰囲気で可愛い。『ルールズ・オブ・アトラクション』『モンタナの風に抱かれて』などに出てるそうだが、生憎とどれも観ていない。『Win a Date with Tad Hamilton!』がバカ・コメディっぽくて観たいのだが、公開かビデオ発売の予定はないのだろうか?

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2004.08.22

8/22 『プレデター2』

劇場で『AVP』の予告が始まり、急に『プレデター2』が観たくなったのでDVDで。

またも地球にやって来たプレデター。今度は密林ではなく、ロサンゼルスでハンティングをスタート。タフガイのマイク・ハリガン刑事(ダニー・グローバー)に目をつけ、執拗に彼を付回すが…。

世間では、カリフォルニア州知事主演の1作目の方が評価されているようだが、オレはこっちの続編の方が全然好き。いかにもB級SFっぽい小技やガジェットが多く、ただ単に重量級アクションだった前作よりトンチが効いている。ダニー・グローバーの役柄が、『リーサル・ウェポン』のマータフと全く一緒で、まるでマーティン・リッグス抜きの『リーサル 外伝』みたいなのも、オレとしては別にマイナスではない。ついでに『リーサル』の一作目で敵のジョシュアを演じたデッパおやぢ、ゲイリー・ビジーも出てるしな。

この映画、妙にゴアなシーンが多いんだけど、ヘンなところでヌケているのも可笑しい。特にあのクライマックス。『ロボコップ3』とこの映画は、最後の最後で素っ頓狂な終わり方をするから憎めない(笑)。

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2004.08.20

8/20 『バイオハザード2:アポカリプス』

ヤマハホールで『バイオハザード2:アポカリプス』の試写を観させて頂く。

病院で目覚めたアリス(ミラ・ジョヴォビッチ)は、信じられない光景を眼にする。ラクーン・シティにはハイヴから流出したT-ウィルスが蔓延し、死者たちがカッポする街と化していたのだ。そしてアンブレラ社は、生者も死者も全てを街に封じ込めてしまったのだ。それは、ウィルスを外に出さない為だけでなく、街全体を巨大な実験場とする恐るべき計略であった。街には元S.T.A.R.S隊員のジルやカルロス、ニュースキャスターのテリ、アシュフォード博士の娘アンジェラらも残されていた。そして今、忌まわしい実験の産物であるネメシスも街に送り込まれた。アリスたちはこの街から生還できるのか…?

まだ公開前の映画だし、まぁ色々あって詳しいことは書かないけれど、ある意味驚くべき映画である。
前作の説明で始まるオープニングが開けると、そこから先は畳み掛けるようなアクション、アクション、アクション。このひたすらなまでのアクションの連続は何なのだろう?上映時間は約90分。本当に恐ろしいほどの勢いでアクションが詰め込まれている。
これが監督デビューとなるアレクサンダー・ウィットのこれまでの経歴は、リドリー・スコット作品や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの第2班監督である。第2班監督と言えば、大抵の場合はドラマ部分ではなく、アクション部分の担当である。だからこそ、ここまでアクションに特化した映画になったんだろう。
物語的にはゲームの『3』にあたる部分だが、アクション性の強さと、前作から引き続き----いや前作以上にパワーアップしたアリスの登場によって、ゲームの物語とは、かなり印象が異なるものになっている。

評価はかなり分かれそうな映画であるが、とりあえず、観に行く前に前作をおさらいしておく事をオススメしたい。

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2004.08.14

8/14 『初体験 リッジモント・ハイ』

DVDで『初体験 リッジモント・ハイ』を観る。

L.A.のリッジモント高校に通うステーシー (ジェニファー・ジェイソン・リー)とリンダ(フィービー・ケイツ)。バージンのステーシーはセックスに興味津々で、すでに男性経験のあるリンダは、そんな彼女に色々と知恵を付ける。そしてある日、彼女はついに初体験をするが…。

こんな映画だったっけ?
ロストバージンの巡るドタバタ青春コメディなのは分かっていたけど、なんせ観たのは大昔のTV洋画劇場(それも休日の昼だったんじゃないか?)なんで、すっかり忘れてる。なんだか、もっと笑って観た様な記憶があったんだけど、気のせいか。

なんと言っても、フィービーとジェニファーがキラキラ輝いてて魅力的。特にジェニファーはねぇ…。この後どんどん、コワイ女優になっていくのを知っているだけに、「ああ、この頃のジェニファーのまんまだったらいいのに!」と、感慨もひとしお。ショーン・ペンは若いけど、特に今と印象が変わらない。

それにしても、こんなにくだらなかったっけかなぁ。

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8/14 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

新宿ピカデリーで『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を観る。

いつものごとく、叔父さん一家のイジメにあって、ホグワーツに戻ったハリー(ダニエル・ラドクリフ)。そのハリーの命を、“例のあの人”の一番の部下、シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が、アズカバンから脱獄して狙っていると言う。シリウスを追う吸魂鬼ディメンターが飛び交うホグワーツで、ハリーに何が起こるのか…?

シリーズ第3弾は、監督がクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンに交代。原作は、これまで出ているシリーズ中では、一番面白い作品なだけに、どうなるのかと不安になっていたが、クリ・コロの無難なだけで面白味のない演出から、もうちょっと“大人ムード”(主演の3人組が大人になってる所為もあるんだが)を醸し出す作品になっている。その一番の要因は、随所に滲むブラックな笑いと、これまで以上にダークで重厚感溢れる美術と撮影のおかげである。とりあえず、映画3作の中では一番面白い。

とは言え、いつものごとく物足りなさが残るのも事実。あんだけの分量の原作を2時間ちょっとでまとめるために、猛烈に駆け足になってしまうのはいたしかたがないことではあるけれど、面白いエピソードがサラっと終わっちゃったり、キャラクター描写が満足に出来ない(ルーピン先生の重要さが、最後になるまで全く分からないなんて!)とか、不満はあるけど仕方がないんだろう。やはりこの原作は、TVのミニシリーズかなんかにした方が正しいと思うなぁ。

ところで、「クリ・コロとは違うよね」とカミさんに言うと、「あんた、昔はクリ・コロ好きだったじゃない!」と指摘される。う~む…そうだった…。
『グレムリン』『ヤング・シャーロック』の脚本書いてた頃はとっても期待してたし、初監督作『ベビーシッター・アドベンチャー』(この映画のエリザベス・シューはサイコーだ!)は拍手喝采だったのに、多分『ホームアローン2』あたりから、なんだか毒っ気よりも、無難なファミリーテイストが勝ってしまって、オレの中の“どうでもいい監督リスト”に入ってしまったのだ。
クリ・コロは、今回も製作には噛んでいるが、直接監督をしなかったのが勝因か。

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2004.08.06

8/6 『ベースケットボール/裸の球を持つ男』

借り物DVDで『ベースケットボール/裸の球を持つ男』を観る。

クープ(トレイ・パーカー)とリーマー(マット・ストーン)のボンクラ2人組は、呼ばれてもいないのに高校時代の同級生のパーティに出席したが、ジョックス連中にバカにされ、バスケ勝負をすることになる。だが、そのままでは勝てないので、口からでまかせのスポーツ、野球とバスケを足したような「ベースケットボール」でやり込める。でまかせではあったが、このスポーツが面白くなった2人は、毎日家のガレージの前でプレイをしていると、日々ギャラリーが増え、遂には億万長者テッド・デンスロー(アーネスト・ボーグナイン)がプロ・リーグ設立を申し出るまでになったが…。

『サウスパーク』の2人組主演によるバカ映画で、監督はかのデヴィッド・ズッカー。
昔のZAZの頃のキレはないが、ジェリーの『ラット・レース』よりは上。これもひとえにトレイ・パーカー&マット・ストーンのおかげかな。とは言え、スベッてもウケても気にしない勢いで、大量の小ネタ・ギャグを入れるのがいかにもズッカー。ベースケットボールのチーム名(“ロズウェル・エイリアンズ”ってのがクダラナサ過ぎ)だの、ホモ・チームのチア・ボーイだの、どーでもいいようなネタはテンコ盛り。ZAZ好きの人は抑えといて損はない(得もないかもしれんが)映画だろう。

DVD特典映像のメイキングは結構楽しく、ロバート・ヴォーンの出演100本記念作品だったり、くだらないギャグを披露したりと、本当に楽しそうな現場だ。
でもさ、この映画の最大のウィーク・ポイントは、「ベースケットボール」ってスポーツ自体があんまり面白そうに思えないことだな…。

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2004.07.16

7/16 『ハイランダー 最終戦士』

レンタルDVDで『ハイランダー 最終戦士』

不死の民ハイランダーのコナー・マクラウド(クリストファー・ランバート)とダンカン(エイドリアン・ポール)。彼らはすでに400年もの時を生きていた。彼らの前に現われたのケル(ブルース・ペイン)は、世界征服を夢見て、ハイランダーの掟「生き残るのはただ一人」に則って、次々とハイランダーたちの首をはねていた。彼はまた、コナーの母を殺した男でもあった…

えーと…、これってシリーズのどこにはさまる話なの?
ダンカンってヤツがTVシリーズ版の主役らしいので、TV版から繋がってて劇場版とは関係ないってこと?
例えて言うなら、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の後にTV『宇宙戦艦ヤマト2』を作って、それから『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のことは無視してTVシリーズの続編として『新たなる旅立ち』とか『ヤマトよ永遠に』を作っちゃうようなものか?
少なくとも、コナー・マクラウドが、自分が惑星ザイストからやって来た宇宙人だと思い出すよりも昔の話なのは確かだ。
今回はハワイ人ハイランダー、中国人ハイランダー、黒人ハイランダーなど、どっこもスコットランド高地人にかすってないハイランダーが続々登場。もうハイランダーでもなんでもなくって、ただ単に死なない人ってだけなのではなかろうか?大体、ラテン系ハイランダーのダンカンが、ひとつもカッコよくないんだよな。

アクション・シーンは、ドニー・イェンがアクション監督をやっていることもあって悪くはないけれど、話があんまりにもスットコドッコイなんでガッカリ。同じスットコドッコイでも、ラッセル・マルケイの撮った「2」みたいな楽しさがないからアカンのだよ。ついでに換気扇も回ってないし、ツマンナイの。

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2004.07.09

7/9 『バイオハザード』

レンタルDVDで『バイオハザード』を、2の公開とか色々事情もあって観直す。

劇場で観た時と印象はあまり変わらず、ゲームの映画化としては結構イイ線行ってるんじゃなかろうか。比べる相手が『ストリート・ファイター』とか『スーパー・マリオ』だったりするからだけれども。
いかにもゲームっぽい雰囲気やシチュエーションを入れつつ、普通にゾンビ物ホラーとしてもそこそこ面白い作品に仕上がっている。
金太郎の前掛けみたいなのはちょっとどうかとは思うけれど、それでもミラ・ジョボジョボがイイ女だよな。どんな危機に陥ろうとも、いつもメイクがバッチリされてるのが凄い(笑)。少なくとも『ドーン・オブ・ザ・デッド』のサラ・ポーリーよりも、ジョボジョボの方が好きなんでね。
続編はよりゲームの物語に近くなるらしいけど、どうなんだろう?

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2004.06.27

6/27 『HEAT ヒート』

DVDで『HEAT ヒート』を観る。

警察学校時代からの親友である警官のペン(李羅)と刑事のダン(ドニー・イェン) は、荒っぽい捜査ではあったが次々と事件を解決していた。だが、ある日ルー警視に行き過ぎを咎められたダンは、その場で警察を辞めてしまう。
そんな時、2人の少年(陳子強と左孝虎)と富豪の少女とその幼い弟が、マフィアのフォン(コリン・ チョウ)に誘拐される。実は少年と少女は、幼い頃に生き別れになった兄妹だった。そして3人が持っていた翡翠の欠片は、合体させると“聖堂の壁”と呼ばれる宝のありかを示す力を秘めていたのだ…。

『ヒート』と言っても、アル・パチーノとダニー・トレホ(笑)の映画ではない。中古で安かったドニー・イェン主演作…のつもりだったのに、ドニー主演じゃないじゃん!ちょっとショック…。
それにしてもこのビデオはヒドイ。パッケージに書いてある出演者はドニー・イェンとビリー・チョウ。でも、2人とも主演ではない。主演はパッケージには一言も書いていないが、3人兄妹と警官のペン(ネットで調べても殆ど名前が出てないよ。トホホ…)の方だ。女の子はまぁあんまり活躍の場がないんだが、男の子たちは猛烈にガンバッている。ともかくこの男の子たちが全篇に渡って戦いまくる。冒頭のライブハウスでのエレキギターを使った大乱闘や、BMXに乗ったままの格闘シーンなど、大バカだけど気合の入りまくったアクションを見せてくれて好感度大。

でも、そうは言っても、最終的にアクションシーン(美味しいところ?)をさらって行くのは、中盤とクライマックスのドニーVSビリー・チョウ戦とドニーVSコリン・チョウ戦なんだけどね。本作は意外とワイヤー使用が控えめで、肉体勝負のアクションになっているんだが、その代わりに妙にコマ落としを多用している。いや、多過ぎなくらいだ。要所に絞ってれば効果的だったんだろうに、やたらと使うからヘンにコミカルになっっちまっているのが残念。折角、本格的に身体の動く人たちなのに勿体ないよなぁ。

それにしても、このベタな物語はどーにかならんのかね。本人たちも知らなかった生き別れの兄弟が、それぞれ持ってた謎の石片に宝の秘密が…ってアンタ、こんな話、今時いい加減なRPGでもなかなか見ないよ。
映画全体の2/3くらいは戦ってるシーンばかりなので、きっとストーリーはどーでもいいんだろう。ラストも、あんまりにも素っ頓狂な幕切れであっけにとられるしね。

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2004.06.20

6/20 『フューリー』

DVDで『フューリー』を観る。

元特殊工作員の親父が、自分の属していた組織に超能力者の息子をさらわれ、奪還するために別な超能力少女と手を組む話。(みんな知ってるだろうから、ストーリーはテキトー)

今更だが、先日原作を読んだので、改めてデ・パルマ版を観直した。すると、これが前とは別な面白さが色々とある。もちろん、以前に観た時にはよく分かってなかったってことでもあるんだが。
例えば、ウィリアム・フィンレイ扮するレイモンド・ダンウッディ。彼は、映画版だとおよそ何者なのか分からないけれど、原作ではピーターが息子を探すための手がかりとして後を追う霊能力者なのだ。
ギリアンは映画冒頭からパラゴン研究所に居るが、原作ではかなり物語が進まないとパラゴン研究所は出てこないし、チャールズ・ダーニング扮する所長が良心のある人間として描かれているのも、原作と葉大きく違う(…と言うか、別のキャラなのか?)。
これ以外にも、原作と映画では全く違う場面に、同じやり取りが当てはめられていたりもする。原作者が脚本を書いているから、きっと映画的に削らなければならなくなった枝葉の中で、自分がどうしても入れたかった展開を別シチュエーションに入れ込んだのだだろう。

映画では無残かつあっけなく殺されてしまうスーザンとロビンの関係や、スーザンとチャルダーマス(映画ではチルドレス)の関係、チャルダーマスの壮大なプランなど、映画でオミットされてしまっていた部分を知りたい人は原作を古本屋で探そう。

でもやっぱり映画の方がオレは好き。デ・パルマ得意の360度回転カメラも“人体爆破”も原作にはないっスからねぇ。

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2004.06.07

6/7 『フューリー』読了

『フューリー』(ジョン・ファリス著/三笠書房刊)読了。

言わずと知れたデ・パルマ監督作の原作本。とうの昔に絶版になっている筈だが、フラリと入った古本屋に置いてあったので、即ゲット。おまけに「大正海上本店文化部」の蔵書印が押してあったから¥100でイイってことでラッキー!

初めて読んだ原作は、大まかな筋立ては映画とそう離れていないのに、ディテールや細かなエピソードの違いで、印象がかなり異なるものになっている。もちろん超能力話であるのは変わらないけれど、より怪しい雰囲気が強いのだ。ギリアンとロビンが“サイキック・ツイン”であったり、相手の周囲に生霊を飛ばして訪霊(ビジット)を繰り返す。ギリアンは年がら年中(ってほどでもないが)周囲の人間から出血させまくり、ロビンは“力”に物言わてセックスに明け暮れる。ロビンの父、ピーターは、映画以上に優秀な元工作員ぶりを発揮する。登場人物は、誰も彼も感情移入しにくい、感じが悪かったり極端な人ばかり。

アラブ人満載の観覧車(?)破壊シーンや、リバース・シューティングしたギリアンの走る場面も、クライマックスの人体破壊など、映画で印象的だった場面はどれも原作にはない。
この原作も面白いとは思うけれど、映像的な“ケレン”に満ちていた映画の方がオレは好きだな。

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2004.05.20

5/20 『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』

レンタルビデオで『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』を観る。

不良と問題児ばかりを集めた鹿之砦中学。この学校に通うキタノシオリ(前田愛)は、前回のバトル・ロワイアルで殺された教師キタノの娘だった。彼女は、父が最後に描いた絵の少女が自分でないことを知り、ショックを受けてBRの登録を決意する。そしてある日、彼女のクラスが次のBRに選ばれた。だが、BR法は改正になり、新しいルールは、反BR法のテロ集団“ワイルド・セブン”を組織して首都を爆破したテロリスト、七原秋也(藤原竜也)を抹殺することであった…。

ダメだ、ダメだと聞いていたので、観始めたときは「思ったよりはマシか?」とも思ったのだが、中盤からは目も充てられない映画になっていく。
この映画って誰が主役なの?七原、シオリ?観終えて印象に残ってるキャラは、竹内力(まさかこの映画でも“カオルちゃん芝居”が観られるとは、予想だにしてなかったけれど)だけだったりするところが、もうアカンな。
9.11とイラク戦争を経て、色々言いたくなっちゃったんだろう。“反米”とか言いたいんなら、それは自由だし、タイムリーなテーマではあろうけれど、アメリカと言えずに“あの国”なんて呼ぶ及び腰なら、そんなことテーマにするだけカッチョワリイ。それに、竹内力が板書までしてする説明が、どうしてBRIIに繋がっているのか意味が分からない。

でも、一番意味が分からないのは、七原秋也だ。彼は、なんで新宿副都心を破壊するテロリストになったのだろう。BR法の犠牲者として、ただ単に死んだ仲間の報復をする復讐譚ならまだわかる。それを大層なことを言いだしちゃうから、話が支離滅裂になっていく。おまけに七原は、新しいBR法で彼を殺しにやって来た子供たちに、なんのためらいもなく攻撃を仕掛けていく。なんで?同じシステムの犠牲者なんじゃないの?とりあえず説得を試みて、無理だったから殺すってぇんなら話も分かるが、そんなムチャしておいて、七原の側につく生徒が居る訳がない…と思ってたら、それが居ちゃう辺りがまた不思議。

前作は色々と難もあったけれど嫌いじゃない。でもこれは…ダメでしょう。
本当に深作オヤヂは、この脚本でOKだったのかねぇ。

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2004.05.16

5/16 『ビッグ・フィッシュ』

新宿文化シネマ2で『ビッグ・フィッシュ』を観る。

ウィル・ブルーム(ビリー・クラダップ)は、子供の頃は父の話を聞くのが好きだった。父、エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー/ユアン・マクレガー)は、自分の体験を常に面白可笑しくファンタジーにして話し、聞く人を魅了する名人だった。だが、大人になってその作り話を楽しめなくなり、3年前の自分の結婚式では喧嘩してしまった。そんなある日、母(ジェシカ・ラング)から父が病に倒れたことを知らされ、身重の妻を伴い実家へと帰った。しかし、父は病に倒れながらも相変わらずホラ話を繰り返していた…。

「ティム・バートンがひと皮剥けた」と書かれた記事をいくつか目にしていたが、まさにその通り。他者に理解されない人々を描いていたバートンが、異端者同士での連帯の物語(『エド・ウッド』)を作るようになり、変わり者とそれを理解しようとする普通の人を描くようになった。オレはハチャメチャで狂ってて切ないティム・バートンが好きだったけれど……これは不覚にも、泣きました。

父の語る美しくも荒唐無稽なホラ話は、これまでのバートン節が健在で、随所にフリーキッシュなテイストが散りばめられている。そのホラ話と現実の境界線の曖昧な描き方が絶妙で、なんとも言えずにいい雰囲気を醸し出す。
以前の作品にあったようなメチャメチャ感とかガチャガチャ感、そして哀しさ、淋しさがなくなって、大人っぽくなったのはちょっぴり残念ではあるけれど、こんなにいい映画なんだからあえてそこに文句を言うのはやめよう。

全ての俳優がまた、素晴らしく生き生きと、いい存在感を出しているが、相変わらずブシェミが美味し過ぎ。銀行のシークエンスが可笑しくって可笑しくって!

とりあえず、今年観た映画の中では1番だな。

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2004.05.13

5/13 『秘剣破り』

中古ビデオで『秘剣破り』を観る。

元禄時代。高田馬場の決闘で中山安兵衛(本郷功次郎) の人気はうなぎ上り。いくつもの武家から仕官や婿入りの話が引きも切らない。一方、決闘の場に居合せながら助勢しなかった知心流の使い手、丹下典膳(松方弘樹)は同門から非難を浴びる。安兵衛は仕官を推めに来た上杉家家臣長尾龍之進の妹千春(岩井友見)に心惹かれたが、彼女は典膳の許嫁だと知り浅野家へ仕官することになった…。

69年の池広一夫監督作で、実は59年の雷蔵&森一生の『薄桜記』のリメイク。この当時って、どうして10年くらいしか経ってないのにリメイクするんだろう?オリジナルを観てないので、比較は出来ないが、ちょっと不思議な構成の映画になっている。
開巻、江戸の街を砂塵を巻き上げ猛烈な勢いで走る男のドリーショット。カットは突然変わって、雪の中を吉良邸に向かう赤穂浪士たち。その中の1人にカメラが寄ると、それが江戸の街を走っていた男である。「丹下殿に初めて会ったのは、あの時だった…」
ここでまた走る男に場面が戻る。
実はこの映画、タイトルにもパッケージ裏にも全く触れられていないが、忠臣蔵の裏エピソード的な物語であり、堀部安兵衛が討入りに行く道すがら思いだす回想なのである。

2人の男が吉良と浅野側に付き、一本気でまっすぐな人間ゆえに、それぞれが辿る数奇な運命。見せ場はなんと言ってもクライマックス10分にも及ぶ、丹下天膳の死闘である。右腕がなく、左脚を種子島で撃ち抜かれて立つこともままならない天膳が、戸板に乗せられたまま表に運び出され、その状態のまま戦いに挑む。寝転んだまま片手で戦う姿は、決してカッコよくはない。だが、妻を陵辱した仇を討たんと、必死の形相でバッタバッタと斬る様は、鬼気迫る名シーン。オリジナルの雷蔵版ではどうなっていたのかが気になるところだ。

主演は、前半部および狂言回し的に本郷功次郎。男が惚れる男と言う役柄にふさわしい、非常に気持ちの良い芝居をしているのだが、ダブル主役な作りで、実質的な主役は東映から招かれた松方弘樹である。最近の、涙を流しながらヒーヒー笑ってる松方しか知らない人は、驚くほどスッキリとした面立ちで濃い目の二枚目ぶりに驚くだろう。
でも一番印象に残るのは、脇役の加藤嘉だったりする(笑)。

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2004.05.08

5/8 『ブルース・ブラザース』

Xオヤヂが、ハズブロのYウイングをお土産に持って遊びに来る。

酒飲みながら、『アニマルハウス』のDVD特典映像(これはちょっとスゴイ。ランディス演出で、当時のキャラ(俳優としてではなく、あくまで映画の中のキャラ)が今どうなったかを追ったウソ・ドキュメンタリーになっている)なんぞを観てたら、急に『ブルース・ブラザース』が観たくなった。

このDVDは、劇場公開版とは違う15分も長いディレクターズカット版。「あれ?、このシーンあったかな?」とか思いながらも、どこがどう長くなってるのか、ハッキリ言えないのが情けない。
今見直すと、当時よりもテンポが遅くは感じるけれど、やっぱりこの映画はサイコーだ。BBのライブシーンはもちろんイカスが、キャブ・キャロウェイの「ミニー・ザ・ムーチャー」が好き。
ランディスはもう復活しないのか!?無理は承知だけど、頼むから昔のアナタに戻ってくれぇっ!

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2004.05.04

5/4 『棒たおし!』

レンタルDVDで『棒たおし!』を観る。

DVDの特典映像には、昔と変わらない笑顔で、ちょっとだけ老けた哲さんがいた。でもきっと今でも、現場ではモーレツな怒気を吹き上げたりもしてるんだろうな。

今日は映画自体の感想じゃなくって、この映画の前田哲監督の思い出話。

昔、映画会社で働いていた頃、松岡組で助監をしていた前田哲さんにお会いしている。最初に現場でお会いした時は、怒気を発していてちょっと近寄りがたい人だった。いや、“ちょっと”なんてものではない。若いスタッフなのに、松岡監督よりも、チーフ助監の大原さんよりも、あまつさえ照明部の水野さんよりも近寄り難かった。その後、最初にお会いした際に怒気オーラが出ていたのは、オレみたいな配給会社の担当が現場に居るのが気に食わなかったのだろうと気付いた。いわゆる現場スタッフ以外の人が現場にいる場合、その人たちの業務上仕方がないことなのだが、スケジュールや段取りに影響が出ることがままある。だから歓迎される訳はないのだが、それにしたってここまで気持ちが猛然と伝わってくるのも珍しい。
しかし、オレがやたらと足茂く現場に通っていたので、アップが近付く頃には冗談の一つも言って貰えるようになった。それでもオレには最初の印象があったので、話をする時はちょっと緊張していた。
その映画の公開から数ヵ月後、今はなき新宿の「いずみ屋」で哲さんとバッタリと出会った。元々松岡監督に教えてもらったお店だから、バッタリではなく当り前の事だ。哲さんは、ぶっきらぼうに、でも満面の笑みを浮かべて、オレに声を掛けた。もちろん怒りのオーラなんて出ていない。ちょっと人見知りするだけで、現場を大切にする助監督さんなのだとつくづく思った。

そして時が流れ、哲さんが監督になったと知った。
すでに『sWinGmaN 』『GLOW 僕らはここに…。』『パコダテ人』『ガキンチョ★ROCK』『棒たおし!』と劇場長編を5本も撮っていると言うのに、いつも知るのが公開終了後だったり、忙しい時期で時間が取れなかったりで、一度も劇場に行くことが出来ていない。哲さんがオレのことを覚えているとも思わないけれど、なんだかとても申し訳ない。
6月公開予定の『パローレ』は必ず劇場に行こうと思った。

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2004.05.02

5/2 『ホーンテッド・マンション』

新宿プラザで『ホーンテッド・マンション』を観る。

夫婦で不動産業をしていいるジム(エディ・マーフィ)とサラ(マーシャ・トマソン)のエヴァース夫妻。
仕事に振り回され、家族サービスもままならないジムは、週末に湖まで家族旅行に行こうと決意する。しかしその前日に、南北戦争以前に建てられた豪邸売却の依頼が舞い込む。仕方がなく旅行の途中でその屋敷に立ち寄ることにしたエヴァース一家だったが、屋敷に着いた途端嵐に見舞われてしまう。彼らは、執事のラムジー(テレンス・スタンプ)に招き入れられ、不気味な屋敷で一晩を過ごすことになるが…。

毒にも薬にもならない無難なファミリー映画。
エディ・マーフィーには以前ほどのパワーも輝きもなく、テレンス・スタンプはいかにも雇われ仕事臭い雰囲気を濃厚に醸し出す。“黒い田中律子”マーシャ・トムソンは役柄的には凄い美人ってことなんだろうけれど、それほど魅力がない。
…と、悪いことばかり言っているが、お子様と一緒にご覧になるには良いんじゃないでしょうか?怖いシーンなんて皆無だし、ディズニーランドのアトラクションのつもりで、ボンヤリ見てれば何にも問題はないでしょ。

で、なんでこの映画を観に行ったのかと言えば、それはひとえにリック・ベイカー師匠のメイクを見るため。
リック・ベイカーは、最近のインタビューで度々「デジタルの映画制作にウンザリした。今はスタジオを閉めている」と答えている。この後、ピーター・ジャクソンの『キングコング』もあるはずだから、まさかこれが最後になるとは思わないが、やっぱり劇場で観ておかなくっちゃ!
本作では、棺桶から蘇った死体たちと、鏡に映りこんだエディ・マーフィーの腐った姿がベイカーの仕事。ネタがネタだけに、斬新さはないけれど、実に素晴らしい仕事っぷり。宣伝でも強力に(エディ・マーフィ以上に)押していた割には、登場場面が少ないのが残念だけどな。とりあえず、あと20年くらいは現役で居て欲しいもんだ。

ちなみに、宣伝文句の「映画を超えたヴァーチャル・イリュージョン」ってのが、何を指しているのかは全く分かりません(笑)。

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2004.03.21

3/20 『ペイチェック 消された記憶』

日比谷スカラ1で『ペイチェック 消された記憶』を観る。【ネタバレしてます】

優秀なエンジニア、マイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、オールコープ社の極秘プロジェクトに参加することになった。そのプロジェクトとは、あるマシンのリバース・エンジニアリングである。しかし、そのプロジェクトへの参加は巨額の報酬と引き換えに、参加期間である3年間の記憶を抹消すると言うものであった。報酬に目がくらみ契約を交わすマイケル。そして3年の月日が経った。
報酬を受け取ろうとしたマイケルの前に置かれたのは、19個のガラクタであった。そして、プロジェクト期間中に交わされた「報酬の代わりに、この私物を受け取る」と書かれた契約書には、自筆のサインがあった。記憶を消されていた間、彼に一体何があったのか…?!

意外と楽しめた。いや、別にこれが良い映画なんて言う気はないが、ダメだ、ダメだと、あっちこっちから聞かされていたので、相当ヒドイの(例えば『シックス・デイ』級のヤツ)を想像してたからってことなんだけどね。それにしても、なんでみんながあんなにダメ映画のレッテルを貼るのだろう?それは偏に、P・K・ディックらしさ(皮肉っぽさ、暗さがないんだよな)もジョン・ウーらしさ(鳩が飛んで、銃を突き付け合えばジョン・ウーってもんでもなかろう)もホンのちょっぴりしかないってこと、そして何よりもベン・アフレックが好きじゃないってことに尽きるんじゃなかろうか(笑)。

この映画の最大の敗因は、原作では7個しかなかったアイテムを、19個まで増やしたことにある。2時間近い時間を保たせるためってことなんだろうが、これは多過ぎた。7個だったら、観客もどんなアイテムがあって、それがどんな風に使われるのかと想像したり、使われた時にも「なるほど!」と思ったり出来る。だが、19個もあったらどんなアイテムがあったのかも覚えてられないし、なんだか行き当たりばったりにアイテムを使ってるようにしか見えない。大体、1つアイテムを使ったら、その度に未来が少しずつ変わって行く訳で、その変わった未来でさらに別のアイテムを使っていたら、誤差どころではないズレがどんどん広がって、予想のつかない未来になってしまう。その差を埋め合わせるほどの知能を、ベン・アフレックが感じさせてくれないのがまたキツイ。

原作である『報酬』『ディック傑作集1 パーキー・パットの日々』(ハヤカワ文庫刊))のオチがどんなだったか忘れていたので、読み返してみたが、やっぱりオチは全然違っていた。…て言うか、分かりきっていたことだけど、原作の方が全然知的でスリリングだよな。原作のままだと、ヴィジュアル的に地味なのは分かるけれど、もうちょっとヒネリがあっても良かぁありませんかね。
映画のコピーも「あなたはこの謎(パズル)を解くことができるか…?」と、“パズル”って言葉を使っているが、この映画に欠けているのはそのパズル的な面白さなんだよなぁ。

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2004.03.17

3/17 『プルガサリ 伝説の大怪獣』

甘栗男から借りっ放しのLDで『プルガサリ 伝説の大怪獣』を観る。

高麗朝末期、圧政に苦しむ農民たち。彼らは一揆を企てるが朝廷はそれに気付き、民衆から農具や生活用具までも取り上げ、武器を作ろうとする。見かねた鍛冶屋のタクセは、農具を農民たちに返したために投獄され、獄死してしまう。タクセの娘アミは、父が獄中で作った怪獣の人形を形見として受け取ったが...。

一部で有名な北朝鮮製の怪獣映画。こりゃ、公開できない訳だ。
話の骨格は、まるで『大魔神』と一緒。だけど、農民たちの悲惨ぶりは、『大魔神』よりも数枚上手だ。流石に本当に苦しんでいる人たちのエネルギーとパワーは、日本なんぞの比ではない。大体、圧政に苦しむ民衆と、それに蜂起する農民たちって題材だけで、北朝鮮じゃ公開できないでしょ。よくもまぁ、金日成の金を使ってこんなのを作ったと、スタッフの根性には敬意を表したい。
プルガサリの着ぐるみに入っているのは、日本のゴジラ役者・薩摩剣八郎で、特撮が『連合艦隊』『幻の湖』などでお馴染みの中野昭慶センセ。なんかセンセイの手掛けた東宝特撮よりも、ミニチュアワークが優れて見えるのは、朝鮮人民たちのパワーに影響されたためだろうか?南大門の破壊シーンのスケール感は、なかなかいい感じに仕上がっている。
難点は、話と画作りが古臭い(85年の映画だと考えてもってことね)ってことだが、ま、そんな文句を言うのもヤボだろう。

怪獣映画好きなら押さえておきたい一本だろう。
(もう、みんな抑えてるだろうとは思うけどな)

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2004.03.10

3/10 『風雲 ストームライダーズ』

レンタルビデオで『風雲 ストームライダーズ』を観る。

中国武術界の最大勢力にならんとする天下会の総帥・雄覇(千葉真一)は、占い師・泥菩薩から“風(イーキン・チェン)”と“雲(アーロン・クォック)”を味方にすれば、無敵になると告げられる。そこでその名を持つ2人の子供を、父を殺害し、直弟子とした。10年の歳月が過ぎ、2人は武術の達人に成長した。そしてある日、雄覇は一人娘(クリスティ・ヤン)を風と結婚させると告げる…。

なんだ、観てなかったのか、とバカにされそうだが、観逃していた1本である。
98年製作ってぇと、たかだか6年しか経ってない。ついこの前の映画みたいなもんだが、この手のジャンルの映画にとっては大変な年月である。なにしろこの映画の翌年に『マトリックス』があったもんだから、CGとワイヤーとカンフーのミックスってのは、ハリウッド&香港はもとより、世界中でガンガン作られて長足の進歩を遂げている。だから、当時観てれば「ををっ!スゲェぜっ!」と面白がれたんだろうけれど、今観るとごくごく当り前なアクションに見えちゃうのが残念。とは言え、ワイヤーワークはもちろんのこと、千手観音の如くデジタルで何十個も多重合成した掌底なんてのは、まるっきり『マトリックス』の元ネタっぽい。

役者は、なかなか濃くてクドイ面々がそれなりに頑張っている。アーロン・クォックとイーキン・チェンは人気の高さがうなずける美形で、悪の総元締めみたいなチバちゃん(中国語吹き替えされてて、なんか顔に合ってない)はヘンな存在感を誇示し、田舎娘としか見えないスー・チーもそれなりに可愛い。

色々と見所もあるんだけど、惜しむらくはちょいとダルい。この内容なら128分は要らないっしょ。95分くらいだったらキビキビしてもっと面白かったのにね。

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2004.02.09

2/9 『ブレード/刀』

レンタルDVDで『ブレード/刀』を観る。

刀鍛冶の修行をするテンゴンとチュタオ。師匠の娘リンは、彼らを自分のために争わせて、勝った方といい仲になろうと考えていた。そんな折、テンゴンは自分が赤ん坊の頃に、父が全身刺青の男に惨殺されたことを知る。一方、街にはならず者の猟師たちが現れ、リンがさらわれてしまった。救出に向かったテンゴンは片腕を斬り落とされ、行方不明になってしまう。放心するリンを伴って、チュタオはテンゴンを探す旅に出るが…。

ツイ・ハークがハリウッド進出直前に撮った剣劇アクション。
え~っと…なんなんでしょうか、この映画は?
なんでこんなにまだるっこしくて、分かりにくい映画になってるのか見当も付きません。
ストーリーは単純明快。父の仇討ちをしようとする青年が、挫折を味わい、修行して必殺技を会得し、復讐を果たす。そんだけ。なのに、不愉快なほど自分勝手な女のモノローグで話を語ろうとするから、話がどんどん見えなくなっていく。
この女、2人の男にカマ掛けて、自分を賭けて争わせようとするオープニングからしてろくでもないが、その後も一切改心することなく、最後まで自分勝手を貫き通す。おまけに年がら年中ヒステリックに叫ぶわ、「男は汚い!けだものよーっ!」とか叫んで襲い掛かるわ、こんな既知外女の気持ちなんてわかんネェよ。
また、猟師だの野党だのの乱暴狼藉ぶりも意味なく凄まじく、やられるテンゴンの悲惨っぷりってのも、これでもか!ってくらいの惨いやられ方で、観ている方が気が滅入ってくるほど。

で、映画としてはかなりダメっぽいんだけれども、アクションはともかく凄い!タイトルが『刀』だけあって、いわゆるカンフーではなく、刀と刀のぶつかり合いは迫力満点。ただ、アクションは凄いんだけど、アクション・シーンとしてはカメラが動き過ぎで、何が映ってるのか分かんなかったり、酔いそうになったりと色々難ありだ。
それでも、クライマックスのテンゴンVSルンの闘いの壮絶さは一見の価値がある。ともかく猛烈な勢いで繰り出される2人の技の応酬は、リー・リンチェイVSドニー・イェンのハイスピード・バトルとはまた一味違った面白さだ。

好感も持てないし、面白くもない映画だけれど、肉体派アクションが好きな人にはオススメ……かなぁ?

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2004.02.07

2/7 『プルート・ナッシュ』

レンタルDVDで『プルート・ナッシュ』を観る。

2087年、月のリトル・アメリカ。密輸で名を成したプルート・ナッシュ(エディ・マーフィ)は、今では月で一番人気の「クラブ・プルート」のオーナーとなっていた。ある日、月の影の実力者レックスから、クラブ買収の申し入れがあるが、プルートはこれを拒否。そのためクラブは爆破され、殺し屋に命を狙われる羽目に…。

昨年のラジー賞で、作品、監督、脚本、主演、カップルの5部門ノミネート(受賞はなし)された映画である。だが、『トレマーズ』『愛が微笑むとき』のお気に入り監督、ロン・アンダーウッド作品なので、そうは言っても個人的には好きなんじゃなかろうか、と淡い期待を抱いていたのだが……キビシイですなぁ、コレは。
小ネタで可笑しいところは幾つかあるんだけれど、全体的にはスベリっぱなし。エディ・マーフィに、かつての勢いを求めるのはムリだってことは理解しているつもりだが、たまに『ビッグ・ムーヴィ』みたいにちょろっと輝きを取り戻すことがあるから、今回はもしやと思っていただけに落胆度も大きい。

面白いコメディ映画の監督ってのは、往々にして意地の悪そうな(性格に難がありそうな)人が多いように思う。そんな中でロン・アンダーウッドは、監督自身の人柄がそのまんま出たような朴訥なお人好しっぽい作風と、独特のマヌケ感で面白い映画を撮っていたような気がするが、本作ではその人の良さが全て裏目に出ちゃったんじゃなかろうか?

もう一つ本作の失敗は、何もかもがとことん安っぽく見えるってことだ。セットの大きさや美術の作り込み、SFXの質・量(CINESITEやR!OTなどが担当)など、よく見れば物凄い制作費が掛かってそうなのに、漫然と見ているとなんだかTVシリーズ並にしか見えない。困ったものだ。

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2/7 『ハリウッド的殺人事件』にイライラ

シネマミラノで『ハリウッド的殺人事件』を観る。【ネタバレあり】

ハリウッドのライブハウスで、人気ラップ・グループが射殺された。ロサンゼルス市警殺人課のギャヴィラン(ハリソン・フォード)とコールデン(ジョッシュ・ハートネット)はこの事件の担当になったが、彼らはそれぞれ、不動産屋とヨガ・インストラクターの副業を持っていた。事件の捜査を進めながらも、彼らに副業のトラブルが次々に舞い込む…。

全然ダメ。
他に丁度観るものがなかったので行ったくらいのもんで、期待は限りなく“0”だったにも関わらず、それを下回る出来だ。
コメディにしては滑りっぱなしで笑えるところなんてほとんどないし、刑事アクション(もちろんそんなつもりはないだろうけれど)としては、アクション自体もそのシチュエーションも凡庸。

特に問題なのは、異様なまでに狭い世界で起こっている事件だってことだ。登場人物がほとんど全部繋がってて、ご都合主義と偶然に支えられているのがキツイ。これが『フォード・フェアレーン』みたいに突き抜けたバカ映画で、狙いとしてご都合主義にしているんならOKだが、コメディにもアクションにも成り切れない中途半端な映画で、こんな脚本はアカンだろう。
このご都合主義は物語だけでなく、クライマックスの見せ場である追跡劇にまで及ぶ。完全に見失っている相手にあっという間に追いついたり、地下鉄に乗り換えた犯人を地上のクルマで追っかけて、ピンポイントで駅で待ち受けられるなんて、“映画のウソ”とか言えるレベルではない。
また、副業を持っている刑事ってのが、米国でどの程度リアリティがあるのか知らないが、ともかく副業の電話が鳴り過ぎでイライラさせられる。そこで笑いを取ろうと思うのなら、どこか重要なポイントに絞って使わないとどうにもならん。

俳優もなんだかねぇ。
ジョッシュ・ハートネットはまぁこんなものだろうけれど、ハリソン・フォードはいつものごとく曖昧な表情をしてるだけで、なんで彼を起用したのかよく分からない。大体、ハリソン・フォードとレナ・オリンのラブシーンなんて見たいかい?オレは見たかねぇなぁ。
脇役やカメオが地味ながらゴージャス。マーティン・ランドー、ルー・ダイアモンド・フィリップス(なんと女装だ!)、エリック・アイドル(1カットのみ)、スモーキー・ロビンソン、ロバート・ワグナーと、
こんなヒドイ映画によく出たねって感じの配役だ。

これが低予算のB級映画ならそんなに腹も立てないが、なまじ金が掛かっているだけに始末に負えない。

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2004.02.05

2/5 『花の兄弟』若き日の橋幸夫は意外とカッコイイ

レンタルビデオで『花の兄弟』を観る。

10年もの間、父の仇討ちのため諸国放浪する市之進(雷蔵)は、探し求める仇の相坂伊織が、近くで賭場を開くヤクザの用心棒をやっているのではないかと聞かされる。尋ねたヤクザ・勘右衛門の身内に、10年前に離れ離れになった弟の新次郎(橋幸夫)が居ることを知った。しかし弟は、ヤクザ渡世の義理を重んじ、仇を探す兄に協力しようとはしなかった。そして市之進は情報を探るため、名前を偽り勘右衛門一家に入ったが、実の弟の弟分にさせられてしまう…。

池広一夫監督の仇討ち物…とは言っても、これまた軽妙なタッチの時代喜劇である。
『影を斬る』『かげろう侍』同様、雷蔵の軽妙な演技が楽しい映画になっている。

観る前は、雷蔵と橋幸夫が兄弟役ってのはどうかとも思ったが、実際には2人とも細面なので違和感がなく、いい感じである。方や堅物の武家で、方やいなせなヤクザってコントラストも面白い。
それにしても橋幸夫である。当時まだ18~19才の橋幸夫が、その年齢の役のまま出演しているのだが、これがなかなかにスッキリした面立ちの二枚目なのだ。ハッキリ言って橋幸夫がカッコイイなんて思ったことはないし、なんで人気があったのかも分かってなかったが、これを観てやっと分かった。確かに今見ると古いタイプの二枚目ではあるが、大変な“アイドル面”をしているのだな。さして演技力が有る訳でもない若造だが、何か“スタア”の華やかさを持っている。だからと言って、ファンになったりするほどではないが、ちょいと見直しちまったな。

見所は、時代劇らしからぬ演出の数々。
雷蔵が、実の弟の弟分になり、三下ヤクザの若い衆とマジメにヤクザ修行----仁義の切り方(いわゆる「おひけぇなすって!」ってヤツだ)を号令に合わせて体操のように練習したり、早回しで廊下を拭き掃除したり、出入りのための扮装をいち早くする競争だったり-----をする場面。そして、市之進とお玉の偽装祝言でウェディング・マーチがかかるのも、莫迦莫迦しくも楽しい演出である。
また、抜けるような青空をバックに、田舎道で新次が兄貴の凄さを認めてそぞろ歩くシーンは、無骨な兄貴の思いやりと、世慣れた弟の気持ちが交差し、可笑しくも気持ちのいい名場面になっている。
映像的には、シネスコ画面をフルに活かした構図や、エピローグで踊る兄弟を真俯瞰で捉えたショットなどに池広らしさが溢れているが、それ以外にはさほど変わった事はせず、そつなくまとめている。

なお、これは61年の作品だが、65年にも雷蔵主演、三隅研次監督の『花の兄弟』って、全く別内容の映画があるらしい。紛らわしいことこの上ないよな。

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2004.02.01

2/1 『薔薇大名』は斎藤寅次郎調だな

レンタルビデオで『薔薇大名』を観る。

棚倉藩では、跡目を狙う家老大倉伝左衛門のために城主が毒薬を盛られ、瀕死の状態になっていた。そんなある日、浅草の奇術一座の月太郎(小林勝彦)は数名の武士に捕われた。月太郎は棚倉藩の行方不明の若君、左馬之介に瓜二つだったのだ。伝左衛門の陰謀を暴くため、国家老石田帯刀の子、小十郎は、月太郎を左馬之介だと偽り、棚倉藩に戻る。一方、当の左馬之介本人は月太郎と間違われ、奇術一座と共に棚倉へ興行に向かうが…。

池広一夫のデビュー作は、斎藤寅次郎調の喜劇。
物語は一見して分かるように、『王子と乞食』風な入れ替わり物である。だがそれだけの単純な話にはしなかったところがミソ。月太郎の許婚のお小夜と、月太郎に窮地を救われたことから彼に惚れてしまう女スリのお京の女同士の争い。そして月太郎とお小夜が奇術師であると言う設定を加えたことで、物語展開が面白くなっている。
また、小林勝彦が演じる2役をはじめとして、ステロタイプでありながらもキャラクターが面白く、月太郎に化けている左馬之介とお小夜の掛け合い、左馬之介に化けている月太郎と小十郎のやり取りなど非常に楽しい。

喜劇でありながら、池広演出はデビュー作からスタイリッシュである。街を走るお小夜を追う長いトラックショットは、この後の池広作品でよく使われるトラックショットの原型であり、俯瞰ショットこそないけれど、シネスコ画面をフルに使いきったパノラミックな殺陣のシーンなどに、後年完成されていく画面使いの萌芽を見ることができる。また、女同士の視線のぶつかり合いに火花を合成してみたり、怒鳴る男の顔を一瞬だけ横長に変形してみたりと言った、遊び心溢れる数々のシーンも楽しい。
なおタイトルは、左馬之介の左腕にある薔薇の形のアザを指している。(最初タイトルを見た時は「なんだ?」と思ったが、“薔薇族な大名”だったりする訳ではない)

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2/1 『Final Examination』は予想通りのスカ…

ピュン先生がプロデュースをしていると言うので買ったDVD、『Final Examination』を観る。
HPをちゃんと更新したのは久し振りだが、これがまた酷くって(苦笑)。

プロジェクターがちょっと不調になってきた。起動に妙に時間がかかるのだ。もしかしたらランプ切れが近いのかもしれない。結構酷使してるからなぁ。

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2004.01.25

1/25 防弾坊主『バレットモンク』

ニュー東宝シネマで『バレットモンク』を観る。

チベットの奥地に、世界を天国にも地獄にも変えることが出来る巻物を守る僧侶たちが居た。折りしもその守護者の引継ぎが行われている矢先、巻物の存在を知ったナチが村を強襲。僧たちは皆殺しにされ、巻物を引き継いだばかりの僧も撃たれ、巻物もろとも谷底に落ちてしまった。
それから60年経ったある日、谷底に消えたはずの僧侶がアメリカに現れた。彼は次の60年間、巻物を守る守護者を探していたのだが…。

宣伝にやられちゃったぜ!
2丁拳銃を構えたチョウ・ユンファのヴィジュアルで、『防弾坊主』なんてタイトルだから、てっきり僧侶なのに銃を撃ちまくるユンファが観られるのかと思ったら、銃を撃つシーンなんて1つしかないでやんの。その代わり、もっぱらワイヤーアクションのカンフーで戦うのだけれど、やっぱりユンファでカンフーは厳しい。そりゃあ、流石にアクション系で鍛えた東洋人俳優、『グリーン・デスティニー』でもカンフー経験はあるから、欧米の同年代の俳優に比べたら全然身体も動くし、センスも良いんだけれど、昨晩『HERO/英雄』のDVDを観ちゃったこともあって、これくらいではちとツライ。それでも、話が面白ければアクションが弱くても良かったのだけれど…。
映画自体の雰囲気とか、東洋人の師匠がいやがる西欧人に無理やり東洋の思想と武術を教え込もうとするって展開は、あの傑作『レモ/第1の挑戦』によく似ている。が、新人監督ポール・ハンターに、あのセンスと洒落っ気を求めるのはムリなこと。ユルユルに気の抜けた『レモ』の抜け殻みたいな映画になってしまっている。
僧侶が次の守護者として見出したスリのカー(ショーン・ウィリアム・スコット)が、ゴールデンハーベストのカンフー映画専門上映館(なんとマコが支配人なのだ)で観て、カンフーを覚えたってエピソードも、なんだかタランティーノもどきだしねぇ。
特殊メイク担当は、ご贔屓のグレッグ・キャノンが無難にこなしている。

それにつけても、『レモ/第2の挑戦』が観たいなぁ!(ないって、そんなの)

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2004.01.13

1/13 流石だね、ピクサー 『ファインディング・ニモ』

会社帰りに新宿東急で『ファインディング・ニモ』を観る。
いつもながら、ピクサーの丁寧な仕事振りには舌を巻く。
オープニングからスタッフロール(今回はNG集ではない)まで、実に神経の行き届いたファミリー映画になっている。
物語は毎度のごとく幼稚園児でも分かるくらい単純明快だが、それを大人には楽しめないものにはしないところが素晴らしい。観ているうちに、これがCGかどうかなんてことはどうでも良くなってしまう、物語運びとキャラクター造形の上手さがある。
不覚にもオレが目頭を熱くしたのは、クライマックスではない。
マーリンがニモを探していることを、海の生物たちが口伝えで次々と伝えていくシーンである。ことさら感動を強調するような場面ではない。しかし、その恐ろしいほどハイクオリティな映像と、巧みな演出が相まって、極上の映像を作り出している。

映画自体には文句はないのだが、パンフレットが頂けない。
なんで“さかなクン”なんて薄気味悪いオトコの写真が4枚も出てるんだよ!魚のことは詳しいかもしれないけれど、このオトコのことを好きじゃないヤツって多いんじゃないの?少なくともオレは嫌いだ。

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