2006.04.04

4/2 『SPIRIT』

新宿東急で『SPIRIT』を観る。

病弱な少年フォ・ユァンジアは、武術家の父に憧れていたが、父は彼に稽古を付けてくれない。彼は秘かに鍛錬を積み、やがて天津一の格闘家となった。ある日、大ケガをした弟子の仇をとろうとして、対立する流派の武術家を殺してしまった。だが、その報復として自らの愛する家族を失ってしまった…。

リー・リン・チェイは、ハリウッドよりもアジア映画の方が圧倒的に美しい。と言うか、カンフー・アクション・スターを西洋では使いきれていないのは誰もが認めるところ。そういう意味では、監督が西洋帰りとは言え、『白髪魔女伝』等のロニー・ユー(今は『フレディVSジェイソン』の人なんだろうけれど)だからOKである。

でも、なんか優等生過ぎて面白味に欠けるんだよな。
功夫映画に関して造詣があまり深くないので、この映画でリン・チェイの演じる霍元甲が、『ドラゴン 怒りの鉄拳』で殺される師匠であることも知らなかった。実在の人物の伝記映画な訳で、真面目に作らざるを得なかった面もあるんだろうけれど、それにしてもケレン味が薄い。勝つことが全てだった人物が、強さの真の意味を悟る物語。人間的に成長する霍元甲はいいんだけれど、常にストイックに過ぎる。もっと豪放磊落なキャラクターであっても良かったのかもしれない。

時代背景を考えれば、日本人は絶対的な悪になりそうなものなのに、中村獅堂はやたらに高潔な人物(美味しい役なのに、アクションが出来ないのがイタイ)だし、衣装はワダ・エミさんだし、音楽も梅林茂である。きっと日本市場への期待感が強かったんだろうなぁ。

ところで、パンフレットを読んでの疑問が2つ。
・タイのオリンピック金メダリスト、ソムラック・カムシンが出演しているように書かれているが、そんな人出演してないのでは?
・中村獅堂インタビューで、「北京語は、吹き替えじゃなくて自分で話している」と力説しているが、声も違えば口も合ってない。
どちらも日本上映の最終版でカットされたり、差し替えられたりしている可能性が強いと思う。スケジュールの都合とか、色々あるんだろうけど、パンフレットにそんなこと書くなよ…。

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2006.03.27

3/26 『サウンド・オブ・サンダー』

新宿ピカデリー2で『サウンド・オブ・サンダー』を観る。

2055年、タイム・サファリ社は、時間旅行技術を使い、客に6500万年の過去で恐竜ハントをさせていた。同社に雇われている生物学者のライヤー博士(エドワード・バーンズ)は、その行為の危険性は認識していたが、5分後に火山噴火によって死ぬ運命にある恐竜に限定して狩りをすることで、そのリスクを最小限に抑えていた。だが、ある日のハントでトラブルが起こった。彼らの銃が故障してしまったのだ。命からがら過去から戻って来た一行。だが、その翌日から街に異変が起こり始めた。彼らは過去の“何か”を変えてしまったのだ…。

レイ・ブラッドベリ原作、ピーター・ハイアムズ監督作品。
ハイアムズが終わっちゃってることなんて百も承知なんだけど、それでも観てしまうんだよね。もう二度と、『カプリコン1』『シカゴ・コネクション/夢みて走れ』みたいな映画なんて作れないことを知ってるのにね。

で、予想通りガッカリでした。実に凡庸。
ストーリーが破綻してるとか、ツッコミドコロ満載とか、そんなことでツマンナイっつってる訳ではない。昔のハイアムズ映画は、ストーリーが破綻していても、アクションシーンが冴えまくる監督本人による撮影が見せ場だったのに、最近の作品同様に本作でも撮影にキレがない。『密殺集団』の納屋での格闘、『プレシディオの男たち』のチャイナタウンを駆け抜けるシーン、『シカゴ・コネクション』の高架上でのチェイス等々、あんなに魅力的な撮影が出来たのはなんだったんだろう?年取ったから、もうムリなのかな?
今回だって、“ヒヒザウルス(勝手に命名。スタン・ウィンストンっぽいデザインがイケてない)”とのおっかけっこやバトルなんて、昔ならもっとカッコよく処理しただろうにねぇ。

それとこの映画で頂けないのはCG処理の拙さだ。エドワード・バーンズが歩くシーンで、背景に映っている未来都市のあからさまな合成なんて、最近のレベルではない。製作中に制作会社が倒産したり、色々とあったらしいけれど、これはちょっと…ねぇ?

未来世界のデザイン自体も、「なんだ、この『ブレードランナー』もどきの自動車の群れは?!」…とか思ってたら、シド・ミードの会社がデザインしてやんの。本人が噛んでんのに、すげぇパチモン臭ぇ…。

それにしてもベン・キングスレーだよ。ホント、作品選択眼がないんだか、運がないんだか、年々フィルモグラフィがシンドイ状態になっていくね。この次が『ブラッドレイン』だって?ダメだろうな、きっと。

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2005.08.05

8/5 『スタスキー&ハッチ』

借り物DVDで『スタスキー&ハッチ』を観る。

ベイ・シティのカタブツ刑事デビッド・スタスキー(ベン・スティラー)は、その性格ゆえにしばしばやり過ぎてしまう。そんな彼が新たにコンビを組まされたのは、いい加減なケン・ハッチンソン刑事(オーウェン・ウィルソン)。2人は殺人事件の捜査をするうち、巨大な麻薬取引の陰謀に突き当たるが…。

ベン・スティラーの『ズーランダー2』…ぢゃないんだけど、でもこりゃあ『スタハチ』ってよりも『ズーランダー』だよな。
世代的には『スタハチ』に思い入れの強い人も多いけど、オレはあんまり思い入れがない。当時のTVシリーズだったら、『爆発!デューク』(こっちのリメイクも日本公開はないんだろうなぁ)のくだらなさ加減の方がツボだったし、それ以上に『超人ハルク』とか『透明人間ダン』(これDVD出ないのかな?出ないよな…)とかのSF系の方が好みだ。
だからリメイクが決まった時、『スタハチ』好きのカミさんが「ベン・スティーラーがスタさんを演るなんてユルセン!」とか言ってても、別になんとも思わんかった。で、やっと観てみたら、最近のリメイクものの中では良いデキなんじゃない?下手に真面目に作って、熱狂的なファンから総スカン(『サンダーバード』のように!)を食うよりも、オマージュを捧げつつ、バカなパロディに仕立てたのは上手いやり方だ。これならファンも目くじら立てられないんじゃないの?だってこの映画を大真面目に批判したら、その人の方がバカに見えちゃうってぇもんだ。ベン・スティラーはアタマがいい。
ちなみにカミさんも、スティラーの“なりきりスタスキー”に大爆笑してたから、熱いファンもきっとOKな出来なんだよ。例えスタスキーが必殺技“マグナム!”を披露してもね(笑)。

特典映像の“やらせメイキング”----如何にヒドイ現場で、あいつらとは2度と仕事をしたくないか----は、最初の内は可笑しいんだけど、ちょっとクドイ。この辺りもスティラーの芸風に近いもんがあるな。

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2005.08.04

8/4 『新座頭市物語 笠間の血祭り』

米版DVDで『新座頭市物語 笠間の血祭り』を観る。

生れ故郷の笠間宿へ帰って来た市。育ててくれた乳母のオシゲ婆さんは既になく、市を覚えているのは陶工の作兵衛(志村喬)のみ。そこへ江戸で成功した米問屋の常陸屋新兵衛(岡田英次)も帰って来た。2人は幼なじみで一緒に西瓜を盗んだ仲だったが、新兵衛は見向きもしない。新兵衛は、凶作で年貢を納められない村人の代わりに、金で不足分を払ってくれるというので、名主の庄兵衛(土屋嘉男)らは大歓迎する。だが、新兵衛の本当の目的は、村の石切り場の利権だったのだ…。

とりあえずのシリーズ終了になる第25作は、大映時代から通算6本を手掛けている安田公義監督作。

前提として最終作だったのかどうかは知らないが、エピソードとしてはいかにも最後を飾るのに相応しく、市が故郷に帰って来る。だが、誰も市のことなど覚えてはいない。そんな中で市が心を通わせるのは、作兵衛と作兵衛の家事を手伝っているおみよ(十朱幸代)だけである。このおみよが、市と同じおしげ婆さんのお乳を飲んで育った最後の子供なのだ。情感としては非常に巧い設定なんだけれど、おしげ婆さんは乳母として、一体何年間、何人にお乳をやっていたんだろう、と素朴に疑問に思ってしまった。

本作は、後期シリーズには珍しい重いトーンに支配されている。幼馴染みが悪人になっていたことに由来するこの重さは、実兄や師匠等、斬ってはいけない人を斬らなければならなくなってしまう、シリーズ初期の重さに似ている。コメディ・リリーフとして設定されていたであろう岸部シローらのフーテンも斬られ、最後の戦いはなんとも悲愴なものになる。だが、この悲壮感があるからこそ、最後が盛り上がる。これまで1作で数回の立ち回りがあるのがこのシリーズの常だが、今回は途中での立ち回りが殆どなく、最後の戦いにのみ集約されていく。抑圧され、耐えに耐えた市の冴え渡る仕込みの鋭さがカタルシスを生み出す。
派手に飛び散る血飛沫は、リアリティはないけれど恐ろしいほどの迫力を持っている。特にクライマックスで代官の佐藤慶の喉笛を掻っ切る場面は絶品!思わず巻き戻して見直してしまった。
やはり安田公義は巧い。抜きん出た作家性のある監督ではないけれど、確実に面白いものを作る職人監督である。

本作をもって一旦“座頭市映画”は終了し、勝新はTVで座頭市を展開していくことになる。そして86年に本当に最後となる映画版を製作することになる。

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2005.07.23

7/23 『新座頭市物語 折れた杖』

米版DVDで『新座頭市物語 折れた杖』を観る。

事故で命を落とした老婆から形見の三味線を預かった市は、老婆の娘である錦木(太地喜和子)を訪ねて銚子の女郎屋“扇屋"へやって来た。市は錦木を身請けする金を稼ぐために賭場へ行くが、そこで貸元の鍵屋万五郎(小池朝雄)が漁師たちから金を巻き上げていることを知った…。

勝新太郎自らメガホンを取った1972年の第24作。
物語の印象はテンデンバラバラ。メインは市と錦木の話なんだが、要らぬ横道にばかり逸れていて、なんだか猛烈に散漫なのだ。吉沢京子と弟のエピソードとか、大滝秀治のエピソードなんて、別になくっても全然構わない展開なのに、不思議なほどウェイトが置かれている。だから本筋を見失いがちな映画なのに、なぜかつまらなくい映画ではない。

冒頭の婆さんが死ぬ場面の短いカットの積み重ねに、まるでホラー映画のショック・シーンのようなイヤなインパクトがある。勝新は意外と映像派の人だったのかな?
そして白眉はクライマックスの殺陣の緊張感である。流石に24本もやっているだけあって、勝新には自分の理想とする座頭市像があったのだろう。手を潰された市が雨の中で切り結ぶチャンバラの迫力は大したものだ。

太地喜和子の不思議な存在感と色気はいつもの如し。ところでこの人の死因って結局解明されたんだったっけ?

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2005.06.25

6/25 『スター・ウォーズ episodeIII シスの復讐』

新宿プラザで『スター・ウォーズ episodeIII シスの復讐』の先々行オールナイト。【ちょっとネタバレ】
オールナイトとか言っても、今回は第1回目が18:45からと早めなので、13時過ぎには劇場へ。
Ⅰ、Ⅱの時も同じくらいの5~6時間前に行ったのに、今回の方が空いているような気がする。Ⅰの時はプラザの屋上、Ⅱの時は階段の4階くらいで待ったけれど、地下通路----それも15:20には場内ロビーへ入れる場所だったのが意外。そして18:00には場内に入って、前の方の席に陣取った。

この映画、構成がなんか『マト・リロ』『マト・レボ』みたいじゃない?アクションのところはアクションばっかり、語りに入ると語りばっかりで、なんだかバランスが良くない。それにバランスが良くないと言えば、スペース・コンバットが冒頭だけで、後はライトセーバーバトルばっかりなのがなぁ…。旧3部作は、もうちょっと配分が巧かったのに、どうしてライトセーバー偏重主義が進んで行ってしまったんだろう。IIIからIVへ物語を繋ぐために、語らなければならないことが多過ぎて、コックピットの中では語ることが出来なかった----その物理的な事情は分かるんだけど、やっぱり“スター”で“ウォーズ”なんだからさぁ…。

物語展開で一番ガッカリだったのは、アナキンの宗旨替えがあんまりにもアッサリしてること。パドメを助けたいって苦悩はあったけれど、パルパティンの前では、まるで大学のサークル勧誘に引っかかった新入生みたいなお気軽さで、ダークサイドに転んでしまう。あんたが宗旨替えしたから、その後のⅣ~Ⅵの展開があるのに、そいつぁあんまり簡単過ぎる。

…とか書き始めたら、ドンドン不満ばっかりになってしまいそうなので、良かったことを書いておこう。
I~IIでメイン・デザイナーだったダグ・チャンが抜けたことで、メカ関係のデザインが随分とマシになったこと。ジョー・ジョンストンがやってくれればなお良かったのだが、ないものねだりをしても仕方がない。ヒョットコ・トルーパーも今回はバリエーションが多く(オモチャを売るためか?)、どれもデザインは嫌いではない。
クライマックスでさらりとモフ・ターキンが立っていたのも良かった。オーウェン叔父さんがわざとらしくIVのルークそっくりに立ってるのは嫌だけど、モフ・ターキンはことさら主張してなかったのがいいね。全編この奥ゆかしさが欲しかったなぁ…。
おっと、また不満に流れそうだ(笑)。
また日本語吹替え版を見た後にでもさらに色々思うだろうから、今日のところはこの辺にしておこう。
この後、3D化されたⅣ~Ⅵだの、TVシリーズだの、アニメの『クローン大戦』の続きだの、ペプシのボトルキャップだの(苦笑)、まだまだ完全終了ではないけれど、気持ち的にはこれで終了だ。

中学3年の夏休みに池袋で初めて『スター・ウォーズ』を観て以来----いや、その前の年に「POPEYE」やら「ロードショー」やらの雑誌の写真を見て、期待に胸を膨らませて以来28年、これで僕らの『スター・ウォーズ』が終わった。
Ⅰ~Ⅲは正直なところそんなに面白かったとは思わない。けれど、『ジェダイの復讐』(あまり“帰還”とは呼びたくない)で終わりだと思っていたシリーズが15年振りに再開されて、さらに6年に渡って一体どうなるのかとワクワク出来ただけでも幸せだ。
文句も不満もテンコ盛りだが、とりあえず、ありがとうジョージ・ルーカス。

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2005.06.24

6/24 『スター・ウォーズ/クローン大戦 Vol.1』

DVDで『スター・ウォーズ/クローン大戦 Vol.1』を観る。

EPIIとEPIIIの間の物語だってんで慌てて観たんだが、そんなに慌てるほどのこともなかった。

確かに時間軸的にはその間のことだし、IIIに繋がる部分ではあるけれど、これを観てなきゃ分からないってほどのこともない。なんつっても物語が皆無に等しいからね。
20話分で合計70分----1話3分半で一体どれだけ物語を語れるかって、そりゃあ語れないわな。畢竟、アクションとバトルばっかりの展開になってしまうのもやむなし。ひたすらクローン・トルーパーVSドロイド兵、ジェダイVSシスの戦いが繰り広げられる。

それにしても強いよな、ジェダイ。メイス・ウィンドゥが1人居れば、帝国なんか倒せるんじゃねぇのか?ドロイド軍の巨大スタンパー・マシンの登場にも驚いたけれど、アレをピョンピョン飛び跳ねながら倒せるウィンドゥの強さはハンパじゃねぇ。
で、さらにそんなに強いジェダイ4人(パダワン含む)を向こうに回して、鬼のような強さを見せるグリーバス将軍。まるで『ドラゴンボール』状態の“戦いのインフレーション”だよ。
平然と3POを囮に使うパドメの性格の悪さは、別な意味で最強だが。

クセの強いキャラクターは、好き嫌いが分かれるところだけれど、監督が『サムライジャック』のゲンディ・タルタコフスキーだからね。あんなテイストになるのはしょうがないでしょう。
ちなみにメカ描写は3DCGなので、クセがありません(笑)。

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2005.06.19

6/19 『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』

新宿東急で『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』を観る。

特殊機関NUMA(国立海中海洋機関)のエージェント、ダーク・ピット(マシュー・マコノヒー)は、1枚の金貨を手に入れた。それは南北戦争時に行方が分からなくなった装甲艦テキサスに積まれていたものだった。彼は金貨の発見されたマリへと向かう。一方その頃、ナイジェリアで発生した謎の奇病の調査をしていたWHOの女医エヴァ(ペネロペ・クルス)は、原因が隣国のマリにあることを突き止めた。エヴァはピットらのボートに同乗させてもらい、原因を究明しようとするが…。

クライブ・カッスラーの「ダーク・ピット・シリーズ」としては『レイズ・ザ・タイタニック』以来の映画化。

原作シリーズは半分くらいしか読んでいないけれど、マシュー・マコノヒーがダーク・ピットを演じる(おまけに製作総指揮も担当)と聞いて驚いた。ダーク・ピットって、もうちょっとスマートで知的じゃなかったか?マコノヒーじゃあワイルド過ぎるんじゃなかろうか、と。で、実際に映画を観たら、やっぱり予想した通り。やたらとワイルドで、男臭ムンムンなのだ。おまけにヘンに軽い。シリーズの熱狂的ファンなら怒っちゃうでしょ。実際、またもやカッスラー先生の怒りを買っちゃったらしい。
でもキャラクター的には、これはこれでアリなのかもな。
それよりも問題は、あんまりにも雑なお話の進行だ。全てが行き当たりばったりの成り行きまかせなのに、都合のいい偶然によって進んでいく。確かにインディ・ジョーンズだってご都合で進んでいく物語ではあるけれど、もうちょっとそれを意識させない作りになっている。
凡庸なアクション・アドベンチャーって印象は否めないな。

見所は、装甲艦テキサスによる南北戦争時の夜間戦闘を描いたプロローグ。この場面はカッコイイが、話が現代になってからは、映像的にも今一歩。
ペネロペ・クルスが可愛いのと、珍しくキリっとしたウィリアム・H・メイシー。ご贔屓のデルロイ・リンドーは活躍がほとんどなくて残念でした。

監督のブレック・アイズナーは、あのディズニーのマイケル・アイズナーの息子なんだって。親の七光りか…。

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2005.06.04

6/4 『座頭市御用旅』

米版DVDで『座頭市御用旅』を観る。

年の瀬も迫ったある日、臨月の女が追い剥ぎに金を奪われた。たまたま通りがかった市はその女の赤ん坊を取り上げる羽目に陥るが、女は子供の父親の名前を言って事切れてしまった。仕方なく子供を送り届けるために、島原の宿に赴いたが、そこに父親は居らず、その父親の妹(大谷直子)に子供を預ける。この宿場では老いた目明かし籐兵衛(森繁久彌)が睨みを効かせているため、地回りのやくざがいない平和な町だった。だが、そこへ鉄五郎(三國連太郎)が現れ、町を荒し始めた…。

座頭市シリーズ第23作は、3回目の登板になる森一生監督作。

いつものごとく巻き込まれ型の市だけれど、今回は何もそこまでってくらいの巻き込まれ振り。赤ん坊を取り上げてやったのに、その女を殺して金を奪ったと思われ、借金を肩代わりしてやって、さらには目明しを殺したとまで勘違いされる。有り得ないくらいの勘違い続きなんだけど、森一生の職人技は大した破綻もなく綺麗にまとめ上げる。

難を言えば、高橋悦史演じる用心棒が全く無用の長物になってしまっていることだ。このシリーズでは、毎回凄腕のライバルが座頭市の前に立ちはだかる。そのルーティンを崩したくなかったのだろう。だが全く活きていない。この浪人者は「俺は強い奴とやりたい」と言うばかりで、物語にはほとんど絡まないから、エピローグで市が斬った瞬間に「完」になることにも意味がない。『続・座頭市物語』の素晴らしいラストをもう一度やりたかったんであろうことは想像に難くないのだが、『続』の時は、斬る相手がきちんとストーリー上で意味がある役だったから、刹那な空気が出て良かったのだ。本作の高橋悦史もストーリー上でもっと市に絡んでいれば良かったのに。いらないよね、この焼き直しのエピローグ。

ちょっと驚いたのが森繁である。この映画が1972年の作品だから、森繁は当時59歳。ええ~、もっと爺に見えるよ。それは森繁の存在感の為せる技なのか、それとも単に年寄り臭いだけなのか。

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2005.05.27

5/27 『侍』

米版DVDで『侍』を観る。

万延元年の桜田門。水戸浪士星野監物(伊藤雄之助)ら同志たちは、登城する井伊大老(松本幸四郎)を狙っていたが、井伊は登城せず、暗殺計画は失敗してしまった。同志の中に密通者がいるらしい。調査の結果、尾州浪人新納鶴千代(三船敏郎)と上州浪人栗原栄之助(小林桂樹)が怪しいと睨んだ星野であったが…。

いわゆる「桜田門外の変」を題材にした1965年の岡本喜八監督作。
血筋は良いらしいのだが、妾腹の子供のために父親が誰かを知らずに、捻くれてしまっている豪胆な浪人、鶴千代。謹厳実直で勉強家の道場師範、栄之助。三船&小林は、ダブル主役として両極端の浪人を好演している。いかにも正反対そうなタイプキャストが、実に奏功している。
そしてこの主役だけでも凄いのだが、脇を固めるのが、伊藤雄之助、松本幸四郎(一代前の方ね)、新珠三千代、八千草薫、杉村春子、東野英治郎、平田昭彦、天本英世、藤田進、志村喬、黒沢年男、二瓶正也、沢村いき雄、etc、etc…と、今観るとある意味とてつもなく豪華なキャスティング(後半に挙げた人は特撮俳優が多いが(笑)。中でも伊藤雄之助の悪そうな星野監物が素晴らしい。こんなに胡散臭くて凄みのある存在感を出せる役者さんは、最近ではとんと見かけないんじゃなかろうか。

映画としては、ダラダラとカッタルイ部分も多いんだけれど、クライマックスでの集団殺陣がやたらとダイナミックでかっこいい。だが単にかっこいいだけではなく、本人が知らぬまま結局は父殺しをしてしまう重さがなんとも言えない。もちろん、史実に基づいている映画ではないので、こんなことは本当はなかったんだろうけれどね。

ちなみにこの映画は国内ではDVD化されていない。なんで日本のビデオ業界は、自分たちの昔の資産を大切にしないんだろう。アメリカじゃあ出てるのに、日本で出てない邦画DVDが多過ぎるよ。

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2005.05.21

5/21 『Spanglish』

機内映画で『Spanglish』(日本未公開/吹替え版)を観る。

夫に家出をされたフローラ(パズ・ベガ)は、娘のクリスティーナを連れてメキシコからロサンゼルスにやって来た。そこでやっと見つけた仕事は、クラスキー家のメイドの仕事だった。主のジョン(アダム・サンドラー)とデボラ(ティア・レオーニ)は、良かれと思って色々とフローラたちの世話を焼くが、言葉が通じないためになかなか意思の疎通が出来ず…。

全く予備知識なく、アダム・サンドラー主演ってことでくだらないコメディを期待したのだが、タイトルロールで既にガックリ。だって、ジェームズ・L・ブルックス監督作なんだもの。くだらないコメディじゃなくって“ペーソス系人間ドラマ”なんでしょ?
…観たらやっぱり思った通りでした。
タイトルから予想できるように、スペイン語と英語のコミュニケーション・ギャップとか、メキシコ人とアメリカ人、金持ちと貧乏人の意識の違いとか、ついでに親子間&夫婦間のコミュニケーションまで、色んなギャップを取り混ぜてぶち込んで、それを埋めるのが人の善いアダム・サンドラー。ベタな展開やね。
ティア・レオーニは、猛烈に自己中心的な女が結構ハマッテいる。嫌いじゃない俳優ではあるんだが、こんな女が実際に居たらイヤだなぁ。

とりあえず、2時間の時間潰しにはなったから良しとしておこう。

ところで、JALの機内映画の吹替え版って、全部同じ声優さん使ってるのかな?なんか印象が全部同じなんだが。

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2005.05.20

5/19 『Episode 3 Revenge of the Sith』公開

全米で『スター・ウォーズ Episode 3』が公開された。
折角公開初日にアメリカに居るってのに、それが観られない悲しさよ…。

昨日からこっち、TVでFOXチャンネルを付けてると年がら年中『スター・ウォーズ』のテーマが掛かる。チャイニーズ・シアター前のテント組がシネラマドームに移動する風景とか、劇場前でライトセーバー振り回すヲタクとか、なんかそんな映像ばっか。意外とTVスポットとかはなく、街にも看板類はない。バーガーキングのタイアップ・キャンペーンCMはよく見るんだけど、正直言ってそんなに宣伝費を掛けてる気がしない。何にもしなくっても客が入るって計算なんだろう。

ニュース番組でE3のことを“Geek heaven”、『Episode 3』の公開を“Geek cerebration”って言っていた。それじゃオレはGeekかいっ!ま、"Nerd heaven"とか言われるよりはマシか…。

アレ、麻紀ねぇさんはこっちに来てるのかな?初日にアメリカで観るって言ってたけど。

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5/16 『Shall we dance?』

機内映画で『Shall we dance?』(日本語吹替版)を観る。

ある日、シカゴの弁護士ジョン・クラーク(リチャード・ギア)が通勤電車の中から外を眺めていると、窓辺に一人の女性(ジェニファー・ロペス)が佇んでいるダンス教室が目に入った。彼はその女性に心惹かれ、妻(スーザン・サランドン)や子供にも内緒で、ダンス教室に通い始める…。

言わずと知れた、周防監督の『Shall We ダンス?』の米国リメイク。故淀川先生も大絶賛した『ヒア・マイ・ソング』のピーター・チェルソム監督だけあって、上手くリメイクはされているんだけれど、それでもオリジナル版には勝てない。ひとつには、ジャニファー・ロペスと草刈民代の佇まいの違いが大きい。草刈民代の儚げで幸薄そうな雰囲気が良かったのに、JLOではあまりにも肉感的過ぎる。関係ないが、この映画の中で『ダンシング・ヒーロー』でお馴染みの「パソ・ド・ブレ」を踊る場面があるんだけど、これってオリジナル版でもあったっけか?JLOだからラテン風味として入れたのかもしれない。
また、リチャード・ギアとその家庭もちょっと裕福と言うか、上流過ぎるんじゃなかろうか。役所広司の中流感っつーか、くたびれ加減てのも、あの映画の上手いところだったのにな。まぁ舞台が違うんだから、色んなところにアレンジが入るだろうし、リメイクとしては十分及第点だろう。

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2005.04.20

4/20 『新座頭市 破れ!唐人剣』

米版DVDで『新座頭市 破れ!唐人剣』を観る。

南部藩の献上品行列の侍に無礼打ちにあった唐人が、市に小栄という子供を託した。子連れで旅する市は、小栄と顔見知りの唐人剣士、王(ジミー・ウォング)と出会い、彼が福龍寺の友人に会いに行くところであることを知る。案内役を買って出た市であったが、南部藩の息のかかった藤兵ヱ一家に追われる王を、与作の家に匿ってもらうことにするが…。

安田公義監督による第22作は、「片腕ドラゴン」ことジミー・ウォングが共演。
平手神酒、用心棒など、数々の剣客と闘って来たが、まさか片腕ドラゴンと闘うことになるとは、第1作の製作当時には誰も予想できなかっただろう。(1作目の頃には『片腕ドラゴン』なんて映画はまだ作られていないが)

この映画の面白さは、出会った時から最後まで、市と王は一度も意思の疎通が出来ないことにある。途中、小栄のカタコト日本語で通訳をしてもらう場面はあるけれど、2人は基本的に相手の言っている事がわからない。そのために、憎みあってもいないのに刀を交えることになってしまう。そしてクライマックスでは、2人ともが「言葉さえ通じていれば、悪いヤツではなかったのに…」と呟く。カンフー(と言うか中国剣技)と居合い抜きの戦いは、ともすればただのギャグになってしまいそうなシチュエーションだが、このコミュニケーション・ギャップが時にユーモラスに、そして最終的には切ない雰囲気になり、非常に面白い映画にしているのだ。

どうしても対ジミー・ウォング戦が目立ってしまうのだが、それ以外の立ち回りも面白い。中でも酒屋での市の立ち回りは、テーブルを使った殺陣が立体的でダイナミックな見せ場になっている。

また、市に惚れる夜鷹役の浜木綿子の色っぽさが絶品。別に好きな女優さんではないのだが、この映画の浜木綿子は本当にいい女だ。

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2005.04.08

4/8 『スパイダーマン2』

DVDで『スパイダーマン2』を観る。

劇場で観た時よりも、若干テンポが遅く感じるが、それでもこの映画自体に感じる印象は変わらない。
3作目の悪役は、グリーン・ゴブリン&ヴェノム&Dr.リザルドになると言われているが、本当だろうか?ミステリオのバカバカしさも嫌いじゃないんだがな。
次回まではサム・ライミが監督する筈だから大丈夫だとは思うんだけど、悪役が3人にも増えて、『バットマン』シリーズの二の舞にならなければ良いのだが…。

特典映像の中から、短めのメイキングを数本ピックアップして観る。
一番面白かったのは「ウェブカム」と呼ばれる特殊キャメラのメイキングだ。セットではなく、実際の街中にワイヤーが縦横に張り巡らされ、そこに吊り下げられたキャメラが、猛烈なスピードで移動していく。これがスパイダーマンをCG合成するための背景プレートになる。前作の時は、移動が大きいショットの大半はCG背景を使い、実景の場合はそれほどカメラが動かなかった。唯一、スパイダーマンが摩天楼をスウィングして行くエピローグだけが、このウェブカムを使っていた筈である。
「『スパイダーマン2』ではウェブカムを使ったんだ」なんて聞くと、古くからのサム・ライミファンはワクワクしちゃうじゃん。なんてったって、『死霊のはらわた』ではキャメラを板に乗っけて野山を走るだけの「シェイキーカム」で、あんだけの迫力映像を作った男だからね。

メイキングにはジョン・ダイクストラも随所で登場。『スター・ウォーズ』でモーションコントロール・カメラ「ダイクストラ・フレックス」を作った人だから、今回の「ウェブカム」にはぴったりの人材だったのかもしれない。ヒゲを剃った上にかなり痩せてしまっているので、一瞬誰だか分からない。『スター・ウォーズ』から30年近い時間が経っているんだから、まぁ当然っちゃあ当然だよな。

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2005.03.12

3/12 『座頭市あばれ火祭り』

米版DVDで『座頭市あばれ火祭り』を観る。

妾市で売られていた元旗本の妻(吉行和子)を助け、納屋に匿った市。だが女は翌朝、浪人者(仲代達矢)に斬られてしまった。一方その頃、関八州を配下に治める“闇公方”が市を狙っていた。市は知らぬ間に闇公方の不興を買っていたのだ…。

70年の三隅研次監督作はシリーズ21本目。

妾を競りに掛ける“妾市”なんてのがあったのか、江戸時代は。どうも驚いたね。で、ここに掛けられているのが吉行和子なんだが、そんなに美人かね?なべおさみが台詞で「美人だ、美人だ」と言うのだが、どうもオレにはピンと来ない。
そんなことよりも大原麗子である!
歳とってからも美人だが、この若い頃の大原麗子は本当にカワイイ。ちょっとハスキーな声がまたググっとくる。
ググっとキタところでググったら、こんなに熱いファンサイトが!そりゃ、ファンサイトぐらいあるわな。
今回は、この大原麗子と吉行和子、そしてピーター(!)の3人がキレイどころ。
ヤクザにあこがれる三下のピーターはもちろん女役じゃないんだが、市の背中に擦り寄って「抱いて…」とか囁くシーンは、吉行和子よりも全然アヤシイ雰囲気である。

さて、本筋としての見所は、もちろん仲代達矢と市の一騎打ち。シャープでありながら、ガツンとしたぶつかり合いの迫力は流石の仲代。一瞬、どっちが勝ったのか分からない演出も上手い。

最後の最後に、馬引き役でちょろっと登場の田中邦衛。なんでこれっぱかりの役で出てきたの?

冒頭で、“闇公方”に関する説明テロップが出るのだが、このシリーズでこんな演出があるのは珍しいな。

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3/12 『シャーク・テイル』

新宿ミラノで『シャークテイル』を観る。

クジラの身体を洗う「ホエール・ウォッシュ」で働くオスカー(ウィル・スミス)は、BIGになることを夢見て、日々をいい加減に生きている。そんな彼を影から見守るアンジー(レニー・ゼルウィガー)。ある日オスカーは、ホオジロザメのマフィア、ドン・リノ(ロバート・デ・ニーロ)の息子で獰猛なフランキー(マイケル・インペリオリ)を殺したと勘違いされてしまう。そしてフランキーの弟でベジタリアンのレニー(ジャック・ブラック)と知り合ったオスカーは一計を画すことになり…。

技術的にはともかくとして、ピクサーの映画が内容的には10年後に観ても古くならないような、普遍的な作りを目指しているのに対して、ドリームワークスは『シュレック』といい、本作といい、数年後に観た時に陳腐化しているかどうかなんて一切考えていない。海の底の魚たちの世界のはずなのに、風俗も流行も、全ては今現在の人間の世界と変わらず、いまこの瞬間に、アメリカのガキンチョにウケることだけを追求しているんだろう。そしてギャグも、ゲップにゲロにオナラと、実に低レベル。だけど、ここまで割り切って作られちゃうと、ある意味潔いかもしれない。
こうした子供に迎合するような作風も、ムダに豪華なキャスティングも、なりふり構わずディズニーに勝ちに行こうとしているカッツェンバーグが姿勢の表れなのかもしれない。

1回観るだけなら十分楽しめるとは思うけれど、2度、3度観る気にはならねぇなぁ。

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2005.02.26

2/26 『セルラー』

新宿で『セルラー』を観る。

夫と一人息子の3人で平凡な生活を送っている高校の生物教師ジェシカ(キム・ベイシンガー)。だがある日、謎の男イーサン(ジェイソン・ステイサム)たちが突如家に侵入し、拉致監禁されてしまった。彼女の閉じ込められた屋根裏部屋からは逃げ出すことも出来なかったが、そこにはイーサンがハンマーで叩き壊した電話の残骸があった。男たちの目的も分からないまま、ジェシカは電話のコードを接触させ、どこの誰かも分からない外部へと連絡を試みる。何度も試みるうち、ライアン(クリス・エヴァンス)という青年の携帯電話に繋がったが…。

ツッコミどころ満載なれど、これは思わぬ拾い物!面白いよ。
95分と言う短めな尺に収めたこともあって、実にタイトで緊張感溢れるサスペンスの佳作になっている。

携帯の電波ってそんなに切れずに繋がりっぱで居られないんじゃ、とか、女生物教師が木っ端微塵に壊れた電話を結線して通話出来る状態に出来る訳なんかあるかい!ってあたりが問題ではある。だけど、あらゆる局面が携帯電話を中心に展開していくところが素晴らしい。タイトルは“セルラー”でも、これが凡百の映画ならきっかけだけで終わってしまいそうなのに、ピンチもチャンスも、最初っから最後まで全てを携帯電話に集約したところが素晴らしい。

役者の顔ぶれも全然華がないけれど、地味に良いところを集めている。主演のキム・ベイシンガー(老けたねぇ)は適度なヒステリックさが上手いし、悪役のジェイソン・ステイサムもいつもながらの微妙な存在感。そして何よりもウィリアム・H・メイシー。警察を退職して、奥さんとデイ・スパを始めようとしている、実直だけが取柄の警官って役柄が絶妙。ヒーロー然とした役者にしなかったところが巧い。ついでに、こんなにカッコイイ場面のあるこの人って観た事ないよ。

監督のデヴィッド・R・エリスは、『マトリックス・リローデッド』の第2班監督…と言うと思い出す人も居るかも知れないが、『デッドコースター』の監督なのだ。『デッドコースター』は、正直なところ1作目の『ファイナル・デスティネーション』には遠く及ばない凡作だったが、今回は『ファイナル・デスティネーション』に比肩しうるくらいのお値打ち感に仕上がっている。

どーでもいいようなトリビア。
ジャック・ターナー刑事役のノア・エメリッヒ。エメリッヒなんて名前で、ディーン・デブリンの映画に出てるから、てっきるローランドの血縁かと思ったが、この人はニューラインのプロデューサーで本作の製作総指揮のトビー・エメリッヒの弟なんだそうだ。で、このトビーが準備中なのが『ファイナル・デスティネーション3-D』で、監督はデヴィッド・エリスからジェームズ・ウォンにバトンを戻すらしい。

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2005.02.21

2/21 『スラップ・ショット』

何十年振りにDVDで『スラップ・ショット』を観る。

マイナー・リーグのチャールズタウン・チーフスは、現在最下位のホッケー・チーム。選手兼コーチのレジ(ポール・ニューマン)は、妻のフランシーヌとも上手く行っておらず、おまけにスポンサーの鉄工場は閉鎖され、チームの運命は風前の灯。新しく入って来た新人ハンソン3兄弟もバカで使いものになりそうもない。だがある日の試合で大乱闘になり、観客たちは大喜び。この日を境に、チーフスは流血と暴力で快進撃を始めるが…。

初めて観た時ほどは笑えないけれど、それでもやっぱりこの映画は面白い。と言うか、子供の頃に観た時は、ハンソン兄弟のキレっぷりがひたすら面白かったんだが、この歳になって観返すと、レジのいい加減なのに熱血な生き方がカッコ良かったり、共感できたりするんだな。また、それを演じるポール・ニューマンが、丁度油の乗ったところでいい感じである。今のニューマンなら、この映画のストラザー・マーティン演じるマネージャーのジョー役を演りそうで、なんだか2人が会話している場面が非常に興味深い。

スポーツバカ映画ではあるが、スポ根じゃないところがいいんだよなぁ。
70年代の空気感を濃厚に醸し出した、ジョージ・ロイ・ヒルの快作だ。

ちなみに特典映像は、なんと現在のハンソン兄弟のインタビュー。知らなかったけど、この人たちってホントのホッケー選手だったんだ。この3人が出演している『スラップ・ショット2』ってVシネもあるらしいが、ポール・ニューマンの代わりがスティーブン・ボールドウィンじゃそそられないな。

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2005.02.05

2/5 『さすらい』

DVDで『さすらい』を観る。【ネタバレ】

江崎サーカスの花形ブランコ乗りの佐竹正二(小林旭)は、体調が悪いと言う相棒の塚田信吾とむりやり本番に臨んだ。だが、満員の観客が固唾を飲んで見守る中、塚田は手を滑らせて落下。その亡骸に取りすがって泣く塚田の恋人、若原美也子(松原智恵子)が叫んだ「信吾さんを殺したのはアナタよ!」
数年後、コートの中のポケットモンキーを相棒に、とある波止場に降り立った正二。そんな彼を用心棒にと口説いたのは、キャバレー・パロマの笠松(二本柳寛)であった。しばらくの間、笠松に世話になることに決めた正二だったが、折りしも街に黒木サーカスがやって来ているのを知る。そのサーカスでは、あの美也子が働いていたのだ…。

随分久し振りに観たが、これはアキラ主演のスッ頓狂な怪作だ。この作品がDVDになったのは非常に嬉しいんだけれど、アキラファンの皆さんは、マジでこれを名作だと思ってるんでしょうか?
作り手も演じ手も、ついでに言えば当時の観客も、み~んな大真面目なのは疑わないけど、少なくとも今の感覚で観たらとてつもねぇ映画だよ。
モッコリしたアキラのタイツ姿に始まり、意味なく(一応、南の島で拾ったとか言うけど)ポケットモンキーを連れてる風来坊、ナイフを持ったままの空中ブランコ・アクション。子供の頃からヘリコプターでの空中ブランコが見たかったと抜かすイカレた外人プロモーター、それを真に受けて実際にやってしまう人々。そして、彼じゃなくっちゃ出来ない芸当なのに、海外公演が決まったらこっそりサーカスを抜けてしまうアキラ。
オレはこの映画大好きだけど、それはやっぱりとってもビミョーな意味で好きなんであって、普通に考えたらヘンだよ。
名曲「さすらい」が掛かるから、この映画は“名作”と呼ばれているのかしらん?
でもま、何度も観たくなるって意味では名作なのかも知れんがなぁ。

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2005.02.01

2/1 『座頭市と用心棒』

DVDで『座頭市と用心棒』を観る。

三年前ぶりに訪れた蓮華沢の里。だが、かつて市が来た頃とはすっかり様変わりし、小仏の政五郎(米倉斉加年)に牛耳られていた。政五郎は、用心棒の佐々大作(三船敏郎)に市殺しを依頼するが、大作は飲んで寝ているばかりでなかなか仕事をせず、美人女将梅乃(若尾文子)が営む居酒屋に入り浸るばかり。そんなある日、凶状持ちの市は牢に入れられてしまった。市を牢から救ったのは、生糸問屋の烏帽子屋弥助(滝沢修)だった。政五郎の実の父である屋弥助には、実は思惑があったのだ…。

この映画の三船敏郎は、果たして三十郎なのかと言うと相当に微妙である。風体はそっくりだし、演技も同じ(それは三船敏郎の演技の幅が…とか突っ込まないように)だけれど、どうもキャラクターが違いすぎる。なんか悪人っぽ過ぎるんだよな。これはこれでいいんだけど、『用心棒』『椿三十郎』の続きかと言うと、やっぱりそうは見えない。勝プロ制作ってこともあって、座頭市寄りの展開だしね。
でも、そんなキャラクターの違いよりも、全体の作りとして『座頭市』でも『用心棒』でもないものになっている気がする。監督が岡本喜八だってこともあって、この強烈なはずの2人の主人公は控えめで、映画自体は群像劇のような雰囲気さえ醸し出す。弥助と政五郎親子、弥助と三右エ門(細川俊之)親子の愛憎。政五郎と三右衛門兄弟の確執。左々と梅乃と市の三角関係。左々と九頭竜(岸田森)のライバル関係。これらを核にしつつ描かれる、市に絡むその他の登場人物(神山繁、嵐寛寿郎、寺田農、草野大悟、常田富士男、砂塚秀夫と、地味めにいい役者を揃えている)たちの生き様に焦点があてられている。
中でも岸田森演じる九頭竜が、震えるほどカッコイイ。左々も市もかすむほどシャープな九頭竜は、マンネリ気味なこのシリーズに渇を入れる存在感だ。日本映画界は惜しい役者を亡くしたものだ。
おっと、忘れるところだった。米倉斉加年のヌメっとしたいやらしさも、この映画の魅力のひとつ。その米倉が「せんせいっ!」と呼びかけると、必ず三船が「しぇんしぇ~い」と真似してバカにする場面の繰り返しが妙に可笑しい。
あんまり評判は良くないみたいだが、オレは結構好きだよ。この映画。

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2005.01.03

1/3 『ゼブラーマン』

新宿ディスクユニオンで、『ゼブラーマン』のコレクターズボックスが中古で出ていたので購入。
1年ぶりに観直してみる。
2度目なので劇場で観た時ほどは笑えないけれど、それでもやっぱりイカスなあ。バイクに乗ったゼブラーマンが疾走ってくる場面、浅野さんの「飛んで!」の場面で、やっぱり目頭が熱くなる。このベタなカッコよさがいいよなぁ。

特典映像は、水木一郎インタビューとゼブラーマンTVシリーズ主人公インタビューを観る。ウソ番組のウソインタビューになっており、この映画が好きな人なら笑えるだろう。その他大量のメイキングはまた今度。

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2004.12.21

12/21 『さらば青春の光』

DVDで『さらば青春の光』を観る。布袋の唄のことじゃないよ。

1964年のイギリス。広告会社で郵便係をしている青年ジミー(フィル・ダニエルズ)は、大人も仕事も社会のルールも全てが鬱陶しかった。ドラッグ、パーティ、セックス、ロッカーズとの抗争…、彼はモッズの仲間たちと、細身の3つボタンスーツにパーカーを着て、スクーターを乗り回して居る時だけが、唯一生きていると感じられた。ある日、仲間たちとブライトンでの大集会に参加したジミーは、モッズのヒーロー、エース(スティング)に出会った。集会はロッカーズとの戦いの場と化し、警察が鎮圧に乗り出した…。

大学生の頃だったかに、深夜TVでボンヤリと観た。もうちょっと面白くて、カッコ良かったように思ったが、この歳になって観直すと…ちょっとねぇ。
当時もそうだったが、モッズよりも革ジャン&チョッパーのロッカーズの方が、オレとしてはカッコよく見える----つーか、モッズってカッコワリいよ。ろくでなしのダメ人間じゃねぇのか?それが時代の気分だったりするのは分かるけど、どうもあんまり気分の共有が出来ない。
クライマックスで、真面目に働いているエースに向かって絶叫するジミー。
「ベルボオォォォォーーーーーーーーーーーーーイッ!!」
いいじゃんかよ、ベルボーイやってたって。普段はベルボーイできちんと収入得て、休みにはモッズのカリスマに変身するエースの方が、全然生き方としてカッコイイじゃないの。オレがオッサンになったからなのか?

ザ・フーの音楽はいいけどね。
ちょこっとしか出ないけど、スティングはかっこいいですよ。同じフランク・ロッダム監督の『ザ・ブライド』とかより全然いい。『デューン』のパンツ一丁が一番インパクトもあって好きだが。
ところで、フランク・ロッダムってどこに消えたの?

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2004.12.18

12/18 『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』

日比谷スカラ2で『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』を観る。

1939年のニューヨーク。エンパイアステートビルに接舷するヒンデンブルグ号から、一人の科学者が消えた。そして忽然と現れた巨大ロボット軍団。新聞記者のポリー(グィネス・パルトロウ)は、特ダネを追ってロボットの真っ只中に飛び込む。彼女が間一髪ロボットに踏み潰されそうになった瞬間、空からカーチスP-40が颯爽と現れて、数対のロボットを倒した。なんだか説明がないが、どうやら彼は空軍のスカイキャプテンことジョー・サリバン(ジュード・ロウ)だった。2人は謎を追う内に、ドイツ人科学者トーテンコフが事件の裏に居ることを知るが…。

惜しい!惜し過ぎるっ!
このデザイン・テイストは、ラングの『メトロポリス』とか、フライシャーの『スーパーマン』、50年代パルプのフレデリック・ポールの画とかが大好きなオレには、モーレツにツボだ。本当にデザイン、ヴィジュアルのセンスはグンバツ(死語)だ。だけど映画としては全然弾けない。何よりも致命的なのは、緊張感とか緊迫感が恐ろしいほど皆無なことだ。冒頭の巨大ロボット軍団の足元で逃げ惑うグウィネス・パルトロウのトロトロさ加減から、勿体無くって涙出ちゃうよ。これが初監督のケリー・コンランに、この規模の映画は荷が重すぎた。オマージュだのパロディだのの描写の数々に、ヲタクゆえの愛はビシビシと伝わってくる。ルーム・ナンバーが「1138」だったり、「コマンド・コディ」を思わせるフランキーのジェットパック、『メトロポリス』的なオーバーラップの多用、ポールの画そっくりな触手付きロボ、水空両用戦闘機マンタ・チームと、まんま「クラウド・ベース」そっくりの飛行空母etc、etc…。ガジェットはどれを取ってもサイコーにイカス。それだけに、表層的にネタと雰囲気を追うのに終始してしまっているんじゃないのか。

プロデュースもしているせいかジュード・ロウはカッコ良く、予想を遥かに上回って出番が短いアンジェリーナ・ジョリーも(悪役ならもっと良かったが)キリリとステキだ。だけど、編集が、構成が、テンポが…どれもこれもがキリッと締まらない。
監督じゃなくって、ビジュアル・コンセプトとかで他の監督を手伝った方が良いんじゃないのか、ケリー・コンラン。次回作『火星のプリンセス』は、ホントに大丈夫なのか?

ちなみにこの映画のロボットを見て、宮崎駿っぽいとか言ってる人がいるようだが、それは大間違い。宮崎駿はフライシャー版『スーパーマン』のメカニカル・モンスターを原点にして、『さらば愛しきルパン』のラムダとか、『ナウシカ』の巨神兵とか、その他諸々を作ってるので、この映画と原典は同じだ。

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2004.12.05

12/5 『座頭市喧嘩太鼓』

米版DVDで『座頭市喧嘩太鼓』を観る。

座頭市は、わらじを脱いだ熊吉親分(清水彰)への一宿一飯の義理から、宇之吉と言う男を斬る。だが熊吉の本当の狙いは、宇之吉の姉お袖(三田佳子)を豪商猿屋宗助(西村晃)に引渡し、仕事の口利きをしてもらうことだったそれを知った市は、お袖を救い、陰に日向に彼女の道中を警護する。諦めずにお袖の後を追う熊吉たちは、道中知り合った旅の浪人柏崎(佐藤充)に市を斬ってくれと頼むが…。

シリーズ第19作は、三隅研次監督による1968年の作品。
真昼間の陽光の中、真っ暗な家の中に入っての一瞬の斬り合い、アっという間に指2本を斬り落とす市の早業、暗闇でカンテラに照らされながらの戦い、そしてクライマックスの緊張感溢れる死合と、凄味とキレのある数々の殺陣が見所なのは言うまでもない。どれも勝新の泥臭さと、速さ・シャープさのどちらをも最大限活かした見せ場になっている。特に、佐藤充との戦いで祭りの太鼓が鳴り始めると同時に、耳が利かなくなった市が窮地に陥る展開は、『座頭市の歌が聞こえる』と似たような趣向だとは言え、戦いの中の緩急としてお見事だ。
この映画では、こうした戦いの場面以外にも、もうひとつ見所がある。それは普段以上に“笑い”に振っているところである。
藤岡琢也の渡世人とメザシを取り合う場面、玉川良一&曽我町子がやっている祭りの「だるま落とし屋」で、盲でありながら百発百中でダルマを落とす市、イカサマ賭博がバレて簀巻きにされた市がヒョヒョコ歩く場面など、非常にユーモラスになっている。
これらの場面も、大半が凄味のある場面と表裏一体----ダルマ屋ではその市の百発百中ぶりを見て、三田佳子が自分の弟を斬った市の姿がダブったり、簀巻き状態から佐藤充との戦いに一瞬にしてスイッチしたり-----緩急自在に仕上がっている。流石は三隅演出だな。巧い!

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2004.12.04

12/4 『下妻物語』DVD特典映像

『下妻物語』のDVD特典映像を観る。

撮り下ろしサイドストーリー『一角獣の初恋』に猛烈に期待してたのだが、コレはイマイチ。阿部サダヲは絶叫しっぱなしだし、なんか小劇団の人たちが作った自主映画みたい。残念。

その他は、メイキング、スタッフ&キャスト・インタビュー、NG集、デリート・シーン、記者会見風景、宣材ギャラリーと、ごく一般的な特典映像。中ではメイキングが楽しい。非常に明るく楽しそうな現場で、この雰囲気の中からよくあんなに面白い映画が出来たなぁと感心しきり。面白い映画ほど、現場がキツそうなもんなのにね。

インタビューで可笑しかったのは4℃のアニメーター。インタビュー自体はそれほど面白くないんだが、最後に「中島監督とはまた仕事をしたいですか?」と問われて、「いやぁ…、ほかにもっと画のかける人がいくらでも居るから、なにもぼくじゃなくっても…」と言外に否定。アハハハ!キツかったんだぁ、アニメの現場は。

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2004.11.28

11/28 『下妻物語』再び

DVDで『下妻物語』を観る。

劇場公開時に観て惚れ込んで、まだ4ヶ月しか経ってないってのに、もうDVDが出た。もちろん2枚組スペシャル・エディションをゲットだゼ!
今日はとりあえず特典映像ではなく、本編のみ再見。

やっぱイイっすヨ、この映画。タマランです。
その上、DVDアタマの警告文から、メニューから、dts音声から、何から何まで気合が入っており、相変わらずビシっとキメてギャフンと言わせる映画だ。
特典映像は次回のお楽しみに取っておこう。

劇場で観れなかった人は、絶対のオススメだから観れ!惚れるぞ。

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2004.11.03

11/3 『シークレット・ウィンドウ』

新宿文化シネマ2で『シークレット・ウィンドウ』を観る。

作家モート・レイニー(ジョニー・デップ)はスランプだった。妻エイミー(マリア・ベロ)は間男(ティモシー・ハットン)に寝取られ、お気に入りだった自宅も妻に取られてしまった。彼は行き詰りながらも、湖畔の別荘で新作小説を創作中だったが、そこへジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)と名乗る男が現れた。彼はモートが以前に発表した小説『秘密の窓』は、自分の小説の盗作だと言うが…。

原作の『秘密の窓、秘密の庭』(スティーブン・キング著/文藝春秋刊/『ランゴリアーズ』収蔵)は読んでいるのだが、何故かきれいさっぱり忘れている。作家の盗作話で…なんだったっけ?スズメのヤツ?あれは『ダーク・ハーフ』か。じゃあコレはどんなんだった?うう~ん、思い出せない…。
映画観てやっと思いだしたよ。ああ、こんな話だった。ストーリーが面白いってよりも、キングらしいディテール描写と雰囲気で保たせていた原作だったような気がする。だから、映画もストーリーが面白いって訳でもない。
パンフレットには帯を掛けて封印してあり、“ネタバレ禁止”感を煽っている。その宣伝部の意向に沿って、ここでネタバラシはしないけれど、ちょっと勘の鋭い人なら、オチは予想が付くようなものである。
てなことで、見所は役者に集約される。キング原作の映画なのに、なんだか女性客が多いのは、もちろんジョン・タトゥーロ目当て…んは訳はなく、“パイレーツ効果”で最近は婦女子から大人気のジョニー・デップ。この“曲者演技”巧者な2人が出てることこそが、この映画の面白さ。
特にタトゥーロの不気味な南部オヤヂ演技は秀逸。こんなオヤヂが家に現れて、オマエはオレのものを盗んだ」なんて言ってきたら、本当にイヤだ。
さらに本作には、チャールズ・ダットンにマリア・ベロ、そしてティモシー・ハットン(!)と実に微妙な俳優たちも出演している。主演の2人も含めて、数年前ならどう考えてもミニシアター公開映画の雰囲気を醸し出す、とてもメジャー作品とは思えない顔ぶれだ。

監督・脚本のデヴィッド・コープは、『ミッション:インポッシブル』『スパイダーマン』など、超大作を多く手掛ける脚本家。でも、この人は監督にはあんまり向いてないかもね。

そう言えば、最近キングの新作が出ないな。そろそろなんか出してよ。文春or新潮さん。

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2004.10.21

10/21 『座頭市果し状』

米版DVDで『座頭市果し状』を観る。

旅の途中で市は、浪人者に斬られた百姓を医者に連れて行った。市は、酒好きの医師の順庵(志村喬)と親しくなり、家に世話になることになった。同じ頃、松五郎親分(土方弘)の家に、役人に追われている勘造(小松方正)、用心棒の弦八郎(待田京介)、その女・お秋(野川由美子)ら6人のならず者が転がり込んでいた…。

安田公義監督による第18作。
シリーズが進むほどに、どんどん強くなっていく市が、あんまりにも強くなり過ぎて、面白味が欠けていくって意見も分からんではないが、「少年ジャンプ」の“戦いのインフレ”と同じで、強くなっちゃったものはなかなか後戻りは出来ない。しょうがないから、その圧倒的なまでの無敵っぷりを楽しむべきだろう。

今回は6人(正確には冒頭に2人斬ってるので8人だが)のゴロツキどもとの戦いが見せ場。手裏剣(投げナイフみたいだが)使いと短銃使いと、2人の飛び道具系が居るのが新機軸。でも、市は撃たれて川に落ちた後、銃弾を自分の刀(仕込杖)で摘出した上で、大量出血しながらも、さらにバッタバッタと敵を斬り倒す。やり過ぎではあるのだが、勝新と待田京介の殺陣の見事さの前には、そんな言葉は飲み込んでおくしかない。
市に冒頭で斬られた男の弟が、恨みを晴らそうと執拗に市を狙う。この手裏剣使いに扮するのは、かの井上昭文である。誰、それ?って感じかもしれないが、『愛の戦士 レインボーマン』でインドの聖者ダイバ・ダッタを演じてた人である。正直なところ、ゴロツキが6人も居ても、きっちり存在感をアピール出来ているのは、この井上昭文と野川由美子、待田京介の3人だけで、あの小松方正すらも今ひとつ目立てていない。なんて勿体無いんだろう。
その分、ゲストの志村喬は、いつもながらの存在感を見せる。でも、元々演技の幅が広い人ではないので、“酒好きの医者”ってだけで、もうすでに『酔いどれ天使』と区別がつかない。それでこそ志村喬、それだから志村喬としか言いようがないんだけどね。

三隅、森、池広と凄ぇ監督ばかりの中では、どうしても地味になりがちな職人監督安田公義だが、それだけに観客楽しませようって意気込みが感じられるせいかもしれない。出来がいいとは言えないが、割と嫌いになれない作品である。

なお、毎度のことだが、劇中に「果し状」なんてものは登場しない。このシリーズ、なんでこんな適当なタイトルのものばかりなんだろう?

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2004.10.03

10/3 『座頭市血煙り街道』

米版DVDで『座頭市血煙り街道』を観る。

とある旅籠の相部屋で、市は今際の際のおみねから、息子の良太を父親である庄吉の居る前原まで連れて行ってやってくれと託される。旅の途中、旅芸人一座ともえ太夫(朝丘雪路)を助けたり、凄腕の素浪人・多十郎(近衛十四郎)知り合ったりしながら、やっとこさっとこ前原に到着した2人。庄吉が働いていたと言う窯焼きの太兵衛(松村達雄)を訪ねるが、そこには庄吉の姿はなかった。そして、庄吉は前原の権造親分(小池朝雄)の土取り場に居るとの噂を耳にするが…。

1976年製作の三隅研次監督によるシリーズ第17作。
色んなところで“傑作だ!”だと聞いていたし、ルトガー・ハウアーの『ブラインド・フューリー』の元ネタだってこともあって、相当な期待感で観始めた。だが、そんなに傑作とは感じず、「まぁ普通に“良く出来た座頭市シリーズの一本”って感じじゃないかな」と思いながら観ていた。ところが!クライマックスの多十郎と市の戦いが、信じられないほどカッコイイ。
このシリーズでは、勝新の“見せる居合い”の速さ、上手さもあって、大抵は一度に多くの相手を倒す見せ場が用意され、最後に残された大物と戦う。通常は一瞬で勝負が決してしまう場合が多い。だが今回は、近衛十四郎との対決が長く、かつ息詰まる緊張感に溢れたものになっている。流石は三隅演出。この場面があるから、みんなが“傑作!”と呼ぶのだと理解ができた。

ゲストは、一曲唄う中尾ミエ、メクラネタで市に絡む大工になべおさみ、そして脇を固めていい味を出しているのが、窯焼き太兵衛の松村達雄と、市に肩を揉まれる悪代官の小沢栄太郎である。
ところで、いつも思ってるんだけど、市の按摩ってすっごく気持ち良くなさそうだよね。揉むってよりもさすってるみたいだし、手を動かすのが速過ぎで、“気持ちいい”よりも“痛そう”に見える。

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2004.09.26

9/26 『スター・ウォーズ DVD-BOX特典映像』

『スター・ウォーズ DVD-BOX』の特典映像を観る。

2時間半の大作ドキュメンタリー「夢の帝国 スター・ウォーズ・トリロジーの歴史」、ビハインド・ザ・シーンとして「フォースと共に:スター・ウォーズが遺したもの」、「スター・ウォーズのキャラクターたち」、「ライトセーバー秘話」の3本、劇場予告編集、TVスポット集、『Episode III』のメイキング・プレビュー「ダース・ベイダーの誕生」、フォトギャラリー、ポスター集、『Episode III』の「ゲーム・メイキング」、ゲーム『SW/バトルフロント』の「予告編」と盛り沢山な内容の特典。
昔の『Making of STAR WARS』の焼き直し的なものが多いのかと思ったら、見たことのない映像がいっぱい詰まってて感動。新撮インタビューも多く、ピーター・ジャクソンだの、ジェームズ・キャメロンだのにまでインタビューを行っているのは、特典映像としてはお見事だ。もちろん、当時のスタッフ&キャストにもインタビューしているのだが、特に驚いたのは、ルーカスと袂を分かった(喧嘩別れした)筈のゲイリー・カーツやジョン・ダイクストラ(『宇宙空母ギャラクティカ』のことで訴訟まで起こしてなかったか?)まで登場することだ。みんな和解したのかな?
それにしても、みんな老けたよね。当時中学生だった自分が、もう既に40オヤヂになってるんだから、ジイサマになってるのは当たり前なんだけど、昔のツルモトルーム版『STARLOG』や、SFX系イベントで講演を見たりした人たちと同じ人物だとは思えない。街ですれ違っても(すれ違わないけど)絶対に分からないだろうなぁ…。

もひとつ驚いたのは、ゲーム『バトル・フロント』の予告。
なんとイウォークを狙撃する映像が入ってる!いいのか!そんなこと出来ちゃって?!

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2004.09.25

9/25 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』

DVDで『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』を観る。

何度観ても、やっぱり『帝国の逆襲』はいいなぁ。
ドラマ的な捻りや盛り上がりももちろんだし、なんと言ってもホスのAT-AT戦の素晴らしさ。巨大で重厚なAT-ATとシャープでスピーディなスノースピーダーの戦いのシャープなスリリングさは、全『スター・ウォーズ』中で最大の見せ場だと思う。ライトセーバーのバトルも、本作の“ダース・ベイダーVSルーク戦”がサイコーだと思う。映画全体のまとまりは1作目には及ばないが、それでもコイツが一番好きだ。

DVD版で新しく変更になったのは、銀河皇帝のホログラフにベイダーが謁見するシーン。皇帝が昔と変わって『ジェダイの復讐』の…と言うか、パルパティン顔になっている。だからこんなことしなくっていいんだってばよぅ。

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2004.09.23

9/23 『スター・ウォーズ 新しい希望』

「とうぎみ」を喰いに来たXオヤヂと一緒に『スター・ウォーズ 新たなる希望』のDVDを観る。

画面はおっそろしくクリア。
ミニチュアのディテールや風景の描写など、これまでのどの『スター・ウォーズ』ソフトよりもクッキリ鮮やかである。これはちょっと驚くほどで、感動的ですらある。まぁ、それはいいと思うよ。画面をデジタルで処理で修正するのは。でもさぁ、なんでまたもや作品自体に手を入れなきゃなんないのかね?
トラクター・ビームを切るオビワンのシーンの「POWER」って英語表記は、何か“宇宙文字(?)”に差し替えられた(それなのに数箇所あるアラビア数字は以前のままなのは何故?)。特別編で加えられたジャバとハンの会話シーンでは、ジャバのCGがさらに差し替えられた。SEが随所で追加され、様々なノイズや話し声が聴こえる。他にもきっと沢山あるんだろう。だけどなんで?
ルーカスは、より完成度を上げたいと思ってるんだろうけれど、これは77年の映画なんだよ。30年近く経ってるんだから、画面のレストアだけでイイじゃん。出来の悪いところもひっくるめて、ファンはこの映画を愛してるんだよ。
なんでいつまでもいじり続けちゃうのかねぇ…。

自分の子供のアタマが悪くったって、『アルジャーノンに花束を』とか『スペクトルマン』の「悲しき天才怪獣ノーマン」みたいに、子供を改造しようなんて思わないでしょ?

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2004.09.15

9/15 『修羅雪姫 怨み恋歌』

米版DVDで『修羅雪姫 怨み恋歌』を観る。

警察と刺客に追われる雪(梶芽衣子)は、兇悪殺人犯として遂に逮捕され、死刑判決を受ける。だが刑場に護送される途中で、謎の男たち(南原宏治)の襲撃を受け、特警の長官である菊井(岸田森)の元へ連れて行かれる。菊井は、雪の命と引き替えに、アナーキストの徳永乱水(伊丹十三)が持つ極秘文書と、彼の命を狙うことを命じるが…。

前作で恨みを晴らし、死んでいった(ように見えた)修羅雪。原作の内容、前作のクライマックスの展開、どこから見ても、とても続編の作られる物語ではない。だけど、恐らく前作がヒットしたから作られちゃったんだろうなぁ。
私利私欲のために“主義者”を一網打尽に惨殺した特警と黒幕、その彼らに復讐を誓う生き残った“主義者”との対立に雪が巻き込まれていく。主義主張は全面的に押し出されているけれど、前作のような、ひたすら怨みを晴らす殺戮マシーンとしての修羅雪の魅力はないし、第一、修羅雪の物語でなければならない必然性もない。
必然性のない物語が、映画を面白くすることはない。だから前作と比べてしまうと、ハッキリと見劣りしてしまう。しかし、役者が曲者揃いなので、その辺りは見応え十分だったりするのだな。
悪の権化とも言うべき岸田森は、和製ドラキュラ役者の面目躍如で、ゲッソリとした青白い顔も怪しくて存在感抜群。と、その下僕の南原宏治は口の訊けないスパイにして殺し屋。金魚にエサをやる場面がサイコーだ。南原宏治が、『ダイヤモンドアイ』の後半で一時的に出演しなかったのは、この映画とスケジュールが被ってたんじゃないのか?
思想家で運動家の伊丹十三と、野性味溢れる荒くれ医者の原田芳雄の兄弟も、タイプが全く違うにも関わらず、なにか違和感なく兄弟に見える。伊丹の妻役の吉行和子は鬼気迫る表情が恐ろしく、恐ろしいついでに裸身もさらす。
う~む、このクドい配役がたまりません。

雪に脅された菊井(岸田森)が、黒幕の大審院検事総長(安部徹)に言う。
「国家が、脅しや脅迫に屈服してはならない」
あれれ?この台詞って誰か偉い人が言ってなかった?
そうか、これは私利私欲に走った悪人の台詞だったのだな。

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2004.09.11

9/11 『修羅雪姫』

米版DVDで『修羅雪姫』を観る。

明治時代、塚本儀四郎(岡田英次)、北浜おこの(中原早苗)、竹村伴蔵(仲谷昇)、正景徳市(地井武男)の4人に、夫(大門正明)と息子を惨殺され、自らも三日三晩に渡って陵辱された鹿島小夜(赤座美代子)。彼女は正景徳市を殺害し、刑務所に入れられた。残る3人に復讐するために、獄中で看守に身を委ね、雪(梶芽衣子)を出産する。母の恨みを晴らすため、雪は修羅となる…。

最近では『キル・ビルVol.1』に、多大なる影響を与えた映画として有名な『修羅雪姫』。リメイク版(内容は全く異なるが)では釈由美子が頑張っていたが、映画としてはもちろん、女優的にもこちらのオリジナルの方が全然上だ。

本作は、実に悲惨な物語である。
主人公の雪は、復讐のためだけに産み落とされ、復讐のためだけに育てられた「殺戮マシーン」である。幼い頃から木刀で殴られ、樽に入れて転がされ、真剣で斬り付けられながら育てられる。雪にとって、人並みの幸せとか、普通の生活なんてどこにも存在しない。このストーリーラインは、基本的に上村一夫&小池一夫の“ダブル一夫”による原作のメイン・ストーリーに忠実である。4章に章立てされた構成のサブタイトルの付け方まで、ほとんど原作のトーンと変わらない。だが、過剰なまでの流血描写の数々が、この映画の特徴のひとつになっている。雪の戦った相手は、ともかく“ぴうぴう”と血を噴出す。首を斬りつけられ、腕が飛び、果ては胴体が真っ二つに斬られ、みなが盛大に真紅の血を流す。海はその血で真っ赤に染まり、雪も返り血を浴びて真っ赤に染まる。ここまでやると、ある種の様式美になると同時に、笑いすら洩れて来る。これが適度な----リアルな描写であったら、物語の悲惨さはとことん増していただろう。だが過剰な演出が、劇画的な効果を生み出し、悲惨さを逆に抑制している。
また、音の使い方が非常に巧い。4人組に輪姦される小夜のシーンをはじめ、まったくの無音になったり、音楽をカットして効果音のみで見せる場面がいくつかある。それが非常に効果的で、流石は敏八っつぁんだと唸らされる。

主演の梶芽衣子の妖艶なカッコよさはもちろんだが、意外と脇が豪華なのもこの映画の見所。仇の4人組はもちろんだが、一瞬で死んでしまう大門正明、雪を鬼のような教育で育てる和尚に西村晃、雪が心を寄せる新聞屋に黒沢年男、その他高木均や中田喜子、 ほんのチョイ役で売れてない頃の小野武彦(当時は堀田センパイ役の頃なので、まだ黒木進名義だ)、阿藤海などの出演している。

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2004.09.03

9/3 『座頭市牢破り』

米版DVDで『座頭市牢破り』を観る。【ネタバレ】

八州役人とつるむ腹黒い親分富蔵(またか!遠藤辰夫)の元で世話になった座頭市。富蔵は、朝五郎(三國連太郎)の縄張りを虎視眈々と狙っていた。朝五郎は、任侠道を大切にし、堅気の百姓を大事にする男だった。一方その頃、百姓に農耕技術や人としての生き方を説く男が居た、武士にもかかわらず刀を置いた大原秋穂(鈴木瑞穂)である。市は2人に惚れ込んだ。そして、富蔵の策略で百姓が殺され、市は怒りに燃えるが…。

座頭市シリーズ第16作は、勝新太郎の「勝プロダクション」第一回作品。おまけに、このシリーズ初参加となる山本薩夫が監督ってこともあって、これまでの作品とはかなり趣が違う。労働者階級と搾取する権力者の部分にウェイトがあるあたりは、流石は社会派の山本薩夫!…と言いたいところだが、これなら座頭市じゃなくっても良いんじゃないの?最終的に座頭市の居合いで決着が付くのはもちろんだけれども、裏の主役とでも言うべきは、刀を置いた武士の秋穂と、金と権力を手に入れたことによって搾取する側になってしまう朝五郎。この2人の対比をこそ描きたかったのだろう。その証拠に、すでにこれが6作目の登場となるお馴染みの悪役、遠藤辰夫がなんと中盤で市に斬られてしまう。

異色作と言えば聞こえはいいが、ルーチンであってもオレはいつもの座頭市の方が好きだなぁ。

ゲストは唄子&啓介と玉川良一。
若かりし頃の細川俊之がカッコイイ。今よりもずっと声が高いけど、相変わらず震えるような上ずったような発声で特徴的。

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2004.08.23

8/23 『座頭市鉄火旅』

米版DVDで『座頭市鉄火旅』を観る。

旅の途中、何者かに斬られた足利の親分庄太郎の最期を看取った座頭市。これも何かの縁と、足利にやってきた。足利宿は、庄太郎に代って岩五郎が幅を利かせ、町の人々を苦しめていた。そんな中、市は鍛冶屋の仙造(東野英治郎)と知り合う。仙造は市の刀が師匠の作であり、そして刀の寿命が尽きていることを告げた。市は仙造に刀を預け、堅気になる決意をするが…。

畦道の遠くから聴こえて来る歌声。
「♪ボロんはぁ~着ててんも~、こころんはぁにしきぃ~っ!」
もちろん水前寺清子の『いっぽんどっこの唄』である。無伴奏で唄っても、きっちりしているところは流石にチータ。今回のスペシャル・ゲストは、旅芸人一座の歌手役のチータと、馬かき役の藤田まことなのだ。あくまでゲスト扱いで本筋には絡まないが、それなりのゴージャス感がある。
今回はそんなゲストよりも、座頭市が愛用の仕込み杖を置くってことが最大のポイント。
「あと1人斬ったところで折れてしまう」と言われて市がどうするのか?そして仕込みはどうなってしまうのか?予想のつく展開ではあるが、ルーチンになっているシリーズなので、かなり目先の変わった印象を受ける。
また仙吉役の東野英治郎が、素晴らしくいい味を醸し出している。東野英治郎と言えば『水戸黄門』の印象が強いけれど、そんなのよりも頑固親父なこの役の方が全然イカしている。
悪役はお馴染みの遠藤辰雄。これまで観たこの座頭市シリーズだけでも、既に5度目の悪役だ。出てきた瞬間に、「またコイツか!」てなもんだ。

今回は、物語的な趣向の違いで、かなり面白く観ることが出来た。

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2004.08.22

8/22 『サンダーバード』

日劇PLEX3で『サンダーバード』を観る。【思いっきりネタバレ】

ぼんやりと空を見つめ、落書きをしている少年、アラン。実は彼は、世界中で救助活動を行う秘密組織、「国際救助隊 サンダーバード」を運営するトレーシー一家の末息子であった。彼にとって「国際救助隊」は自慢の種であったが、その反面、自分がまだ一員にしてもらえないことが不満であった。
ある日、国際救助隊に怨みを持つ悪漢フッドが、サンダーバード5号をミサイルで攻撃、ジェフたちが救助に向かった隙を突いて、トレーシー島を乗っ取ってしまった。折りしもその頃、シンガポールには未曾有の大型台風が迫っており、人々はサンダーバードの助けを呼んでいる。島に残っていたアランは、レディ・ペネロープ、ティンティン、ブレインズの息子の助けを借りて、宇宙に取り残された家族を助けようとするが…。

バリー・グレイのオリジナル楽曲をアレンジしたメインテーマに乗って、オープニングが始まる。
「ををっ!これはっ!」
驚くほどセンスの良いタイトルバックに、ほとんど持っていなかった期待感が急にアタマをもたげ始める。
…そして約1時間半後、映画が終った。

これは…期待はしていなかったとは言え、オリジナルの『サンダーバード』ファンとしては憤りを覚える映画である。
軽いノリのファミリー向けアクション映画としては、ギリギリ及第点かもしれない。だが、『サンダーバード』のリメイクとしては丸っきり落第だ。

本作のスタッフは、根本的に『サンダーバード』がどんなものなのかが理解できていない。“国際救助隊は救助こそが目的である”----これは口を酸っぱくしてジェフ=パパが言い続けた、彼らの大命題である。
本作の中で、フッドがTB2を使ってロンドン銀行を襲おうとする。大変な事件だが、この時点では救助の必要な事件など起こっていない。フッドの操縦するTB2が着陸したとき、ご丁寧にもTVレポーターが「救助の必要な事件は起こっていないのに、なぜサンダーバードはやってきたのでしょう?!」と言う。そう、救助が必要なはずなのは、“台風に襲われているシンガポール”のはずなのだ。だが、本作ではシンガポールがどうなったのかは、劇中では2度と言及されない。まるでそんな事件はなかったかのように。

ビル・パクストンではなく、僕らの馴染みの“パパ”であれば、フッドは後回しにして(あるいはペネロープに任せて)、まずシンガポールに1号を急行させた筈だ。そしてモノレールに事故が起きてから、ロンドンに向かい、ついでにフッドの件を処理させる。もしも本作のように、アランがフッドを追いかけて事件を解決したとしても、間違っても正式隊員になどしないだろう。逆にパパは、得意満面のアランの鼻を叩き折り、説教をしたはずだ。
「我々の任務は悪人を捕まえることではない。それは警察に任せれば良いことだ。我々の使命は人命救助なのだ」と。

これ以外にも、釈然としない、納得の行かない点は多々ある。

オリジナルでは、パパと5人の息子、ペネロープとパーカー、ブレインズには、それぞれ明快な役割分担があった。
基本的には、まずジョン(あるいは交代要員のアラン)が5号で救助信号を傍受し、パパに連絡する。パパはHQであるトレーシー島で戦略を練る。それに従って、スコットがまず1号で現場に急行、状況確認と戦術を立てる。その後バージルが2号で(必要に応じてゴードンやアランを連れて)現場に到着する。ブレインズのアドバイスを受け、救助を開始する。同時にペネロープとパーカーが支援行動----情報収集や、逃げるフッドを追う等----を行う。
メカにはそれぞれ役割があり、メンバーにも皆役割がある。
だが本作では、登場人物の役割分担はおろか、メカと登場人物の対応さえはっきりとはしない。それもそのはずである。アランを除く全員が、ジェフまで含めて、揃って3号に乗り込んで5号の救出に向かってしまうからだ。だから、家族の中で活躍するのはアラン一人。それも今回はおミソの筈のアランが、だ。これでは、役割分担どころか、誰がバージルで誰がスコットなのかも分からない。

また、やたらと小者然とした発言を繰り返すペネロープにもウンザリ。
元々ペネロープは大富豪の筈である。そんな彼女が、やれネイル・ケアは高いだの、これはブランドものの服だ、だの、そんな昨日今日金持ちになったエセ富豪、プチ成金みたいなことを言ってたまるか!

オレがいくら『サンダーバード』が好きだからと言って、このリメイクが全くの別物であるのなら、こんなに目くじらを立てる気はない。だが、オリジナルの設定を引きずりつつ、納得の行かない展開ばかりをするから腹が立つのだ。

そして一番イヤだったのが、敬愛の気持ちの感じられないオリジナルへの揶揄である。
超能力で操られて、ギクシャクと歩くブレインズをあざ笑ってフッドが言う。
「なんだその歩き方は。まるで人形みたいだな」
こんな台詞を、誰が喜ぶと思っているのだろう?

もうひとつ、ファンへの目配せのつもりなのか、妙な描写が1カットある。
ロンドンに向かうTB1の中でスロットル・レバーを握る人間の手の横で、糸の付いた人形の手が同じスロットルをそっと握る場面がある。どんな意図があるのか分からないが、前述のような台詞があった後では、それはファン・サービスになど、なりはしない。

本作の出来と興行的な失敗によって、御体ジェリー・アンダーソンが準備中のフルCG版『キャプテン・スカーレット』には、確実に暗雲が立ちこめることになるだろう。ワーキング・タイトルのティム・ビーヴァンは、数々の佳作を作ってきたが、SF向きのプロデューサーではない。だからこそジョナサン・フレイクスに白羽の矢を立てたのだろうが、こんなジーン・ロッデンベリーとジェリー・アンダーソンの区別も付かないような“スタトレ野郎”を起用したのは大間違い。
フレイクスは、インタビューで「ジェリーに会った時、素晴らしいシリーズを作ってくれてありがとう、と言った」と書かれていた。だが、あんたがジェリーに言うべきなのはお礼じゃない。謝罪だ。

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2004.08.15

8/15 『スチームボーイ STEAM BOY』

日比谷映画で『スチームボーイ STEAM BOY』を観る。【ネタバレあり】

ロンドン万国博覧会を目前に控えた19世紀のイギリス。アメリカのオハラ財団で研究を続けている父エディと祖父ロイドの帰りを待つレイに、ある日荷物が届いた。その中身は金属製のボール状の物体であった。時を同じくして、レイの前に現れるオハラ財団の使者と祖父ロイド。財団はボールを渡せと迫り、祖父はボールを渡すなと言う。そしてレイは、ボールを奪われ、自身も捕らわれてしまうのだが…。

スゴイ!スゴイよ、作画は…。
なんてぇんでしょうねぇ、なんとも言えない脱力感と言うか、無念と言うか。制作期間9年、製作費25億ですか…。お金はともかくとして、この期間こそが最大の敗因なんぢゃないのかな。

思い返せば9年前、パイロット版を観させて貰う機会があった。
「うぉっ!スゲッッ!コレ、マジで作るんスかっ!!」
あの時の興奮は忘れない。それが9年も掛かってこんなのになった。

この映画、対象とするターゲットは不明瞭で、大人の観客に向けたものなのか、ファミリーに向けたものなのかよく分からない。演出にもメリハリがなく、なんだか淡々と進んでいく物語は、正直退屈だ。別に明快に善悪に分かれる必要はないけれど、結局のところ考え方の違う2人の親子の喧嘩でしかない物語なんて、カタルシスを生まない。
これを観に行った親子連れの親はきっと困るんだろうな。子供に「なんでお祖父ちゃんとお父さんが戦ったの?悪いのは誰なの?」とか訊かれても、説明が出来ないだろうし。

大友克洋はこの映画で何をやりたかったんだろう。
声高に何度も叫ばれる「科学は誰のために、何のためにあるのか?」ってことなの?
まさか、そんな手垢にまみれたようなテーマがやりたかったんじゃないよねぇ?

作画の緻密さ、丁寧さは素晴らしいけど、それはこんだけの時間とお金掛けてるんだもの、当たり前なんじゃないの。『MEMORIES』が面白い映画だとは思わないけれど、「大砲の町」の映像表現には本気で驚いた。それに引き換え、本作には驚きがない。もっと言ってしまえば、何かどこかで観たような場面が多い。もうすぐ公開の『某動く城』を思わせるスチーム城をはじめ、宮崎駿的な描写は多いし、クライマックスの展開は『APPLESEED』にも近い。そして、ラストは『ゴジラ×メカゴジラ』の“アブソリュート・ゼロ”にも良く似ている。別にこれらが真似であるなんて言う気はない。
技術も表現も、恐ろしい勢いで陳腐化が進んでいくこの時代にあって、もしも本作が5年前に完成していたら、もっと驚けただろうし、楽しめたんじゃないだろうか?

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2004.08.10

8/10 『女囚701号 さそり』

座長が家に遊びに来たので、マグロを焼いて喰って、ベロベロ飲む。
彼の新しい芝居のシナリオ話や、この前見に行った双数姉妹の芝居の話とかしているうちに、いつの間にやら梶芽衣子の話になる(なんでだ?)。
で、米版DVDで『女囚701号 さそり』を観る。

松島ナミ(梶芽衣子)と木田由紀子(渡辺やよい)の2人の女囚が、Y県女子刑務所から脱走を企てた。しかし、所長郷田(渡辺文雄)らによって捕われ、懲罰房へ入れられてしまう。ナミの恋人の杉見(夏八木勲)が、ナミを麻薬捜査の囮として使い、さらにその麻薬組織に寝返った悪徳刑事であった。ナミは、愛していた杉見に捨てられ、麻薬組織に輪されてしまったのだ。そして彼女は“復讐"だけに燃えて生きているのであった…。

「久し振りに観たけど、こんなにエグかったっけ?」「凄いなぁ、今、こんな刑務所の描写は出来ないでしょ!」「いやいや、これは日本の刑務所じゃなくって、“東映刑務所”って特殊空間だから」「あ、渡辺文雄!」「亡くなったの何日前だっけ?」「目玉にガラスの破片ブッスリとイってますよ。渡辺文雄これでも死なないのに…」「それにつけても梶芽衣子はイイ女だねぇ。こんな眼で睨まれてみたい」「警視庁の前で裸で出刃包丁ってのは、どうもスゴイね」「次の芝居は女囚モノにしたら?」「劇団員に殺されちゃいますよ」など、どうでもいい話を延々。
分かっちゃいるけど、梶芽衣子の美しさ、色っぽさ、凄味、輝く肢体に、もうメロメロ(笑)。

本作が第一回監督作品になる伊藤俊也って、『さそり』以外何撮ってた人だったけと調べたら、『犬神の悪霊(たたり)』の人だったのね。そのほか、『白蛇抄』『誘拐報道』『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』なんてのもこの人だったのか。


『ほしのこえ』とか『The Bullet Fist』とか『GAMERA 1999』とか『アイアンキング/9話』(座長が岡崎由紀を見たがった)とか、『クロック・タワー3』のムービー(深作の遺作…)とか、なんだかダラダラダララと飲みながら時が過ぎていくのであった。

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2004.07.26

7/26 『シュレック2』

ヤボ用で今日は仕事を休む。
で、そのヤボ用帰りに、気が遠くなりそうなほどガラ空きの日比谷スカラ座1で『シュレック2』を観る。

めでたく結ばれたシュレック(マイク・マイヤーズ)とフィオナ姫(キャメロン・ディアス)に、“遠い遠い国”に住むフィオナ両親ハロルド国王とリリアン王妃から招待状が届けられた。
行きたがらないシュレックを口説き、ドンキー(エディ・マーフィー)と3人で国に帰るフィオナ。だが両親は2人の姿を見てビックリ仰天。祝福をするどころではなくなり…。

シュレック続編は、前作同様非常に完成度の高いエンターテインメント。
今回はちょっと年齢層が高くなっているのだが、それはストーリーのせいである。アクションやアドベンチャーの割合が減って、今回は『花嫁のパパ』だったり、『ミート・ザ・ペアレンツ』だったりする部分がメインだからだ。でも、それで面白くなくなったと言う事ではない。アントニオ・バンデラスが声を演じる長靴をはいた猫は、アクション、唄、踊りと三拍子揃って実に美味しいし、前回から続投のクッキーマンやピノキオが、こんなに活躍するとは!と、嬉しい驚き。ジョン・クリース演じるハロルド王は…顔も声も単体で見れば悪くないのに、どうも合っていない気がするのが残念。もうちょっとキャラデザインをどうにかすれば、もっと良いキャラになっただろうに。
音楽担当は前作同様ハリー・グレッグソン・ウィリアムスだけれど、挿入歌とエンディングにジム・スタインマンの大ヒット曲がアレンジされてしつこく掛かる。スタインマンの楽曲って、なんかチョコチョコとこんな使われ方されるよな。パロディとして使いやすいってだけでなく、なんだかんだ好きな人が多いんだろう。

と、オレは非常に面白かったんだけど、きっと日本じゃ当たらないだろう。
前作以上に緑色度が高い----フィオナ姫がほとんど“オーガー”のまんまだからね-----だし、キャラ的にやっぱり受け入れられないだろう。米国では『ファインディング・ニモ』を抜いて大ヒットらしいし、それだけの実力もあるのに、勿体無いねぇ。
次回作、『シャーク・テール』は、もう少しだけ日本人にも受け入れられそうなキャラだから、アスミック・エースも胸を撫で下ろしていることだろう。

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2004.07.09

7/9 『座頭市の歌が聞こえる』

DVDで『座頭市の歌が聞こえる』を観る。

浪人黒部玄八郎(天地茂)とすれ違った座頭市は、やくざに襲われた為吉を救う。だが為吉は市に財布を託すと言切れてしまった。
旅の途中で知り合った盲目の琵琶法師(浜村純…と言っても、すぐネタバラシするあの人ではない)から、一の宮で近々祭が行われると聞いた市は、一稼ぎしようと足を伸ばす。たまたま入った茶店が、あの為吉の母おかん(吉川満子)の家だと知り、為吉の息子太一に財布を渡した。そして、やくざ者の居ない平穏な町と聞いていた一の宮は、板鼻権造(佐藤慶)一家に牛耳られており、住人はみないやがらせを受けていた…。

田中徳三監督による座頭市第13作。
流石は宮川一夫撮影!と唸らせるような、おっそろしくカッコイイ画面があちらこちらに散りばめられているが、どちらかと言うと人情派(?)の田中演出とそぐわないところもある。座頭市シリーズでは、三隅研二か池広一夫の方が、宮川一夫とは相性が良い様に思うのだが、どうだろう?

で、田中徳三は、人間関係を丁寧に描いていく。父の居所を知っていると思い込んだ太一は、最初は市を慕い、それが居合いを見て尊敬と憧れに変わっていく。おかんは黒部玄八郎は金の為に人を斬るが、それは自分のせいで女郎になった妻、お蝶(小川真由美が、また色っぽいいい女なんだ)を身受けするためだし、お蝶は店の娘を無理やり手篭めにしようとするヒヒ爺から娘を救うため、ポンと有り金全部を払ってしまう。琵琶法師は市と触れ合い、市を「目明きにも盲にも仲間にされない化け物だ」と看破する。市が強くなり過ぎ、一見マンネリになり始めたこのシリーズを、こうした人間関係の描き方で佳作に仕上げている。

見せ場は、天知茂との対決と、太鼓を乱れ打ちされ、耳が利かない状態に追い込まれての殺陣である。どちらも緊迫感のある面白い戦いになっている。

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2004.07.04

7/4 『下妻物語』

テアトルダイヤで『下妻物語』を観る。【ネタバレあり】

茨城県下妻市に住む高校2年の桃子(深田恭子)。見渡す限り田んぼだらけで、住民は日用品からファッションまで、全ての買い物をジャスコで済ますこの町で、桃子は全身フリフリのロリータ・ファッションに身を包み、友達も作らず我が道を歩んでいた。ある日、彼女は服代を稼ぐため、ヤンキーな父親(宮迫博之)がかつて商売にしていた、ベル○ーチのバッタモンの個人販売を始める。するとその服を買いに、特攻服でロケットカウル原チャリをかっ飛ばすヤンキー娘・イチコ(土屋アンナ)がやってきた…。

やっぱ時代はジャスコですよ、ジャスコ!

オレも「ジャスコ 安いもの市」に行かねば!

ゲラゲラ笑って、熱く燃えて、じんわりと目頭を熱くする…なんか評判が良いらしいってのは聞いていたが、まさかこんなにも良いとはぁぁっ!
ある意味映画文法を破壊しまくってるし、いかにも最近のノリの演出の数々が受け付けない人も居るだろう。けれど、オレ的には絶賛の嵐ですよ。石井克人に似てるって意見もあるようだが、そんなの全然わかってないヤツの意見だ。全篇“ウンコネタ”で笑いを取ろうとする石井克人も同じような文法破壊をするけれど、決定的な違いはちゃんと面白いってことだ。(この映画でも1個だけ“ウンコネタ”はあるが)
ともかくハイテンポ、ハイテンションの演出が圧巻である。また、デジタルでいじくってるんだと思うけれど、独特の人工的な色調も、この映画の魅力のひとつだ。あのウソ臭い青空が気持ちいい~!

役者もみな美味し過ぎ。
まずは深田恭子がサイコーにハマリ役。演技力のあるなしなんてこの際関係ない。流石はマリー・アントワネットの生まれ変わり(自称)だけあるぜ。そして、ド鋭ぇガン飛ばしにメロメロになっちまった土屋アンナが猛烈にキュート!『セブンティーン』とか『装苑』なんてもちろん読んでないので、オレはこの子全然知らなかったんだけど、ヘンに存在感があって、魅力全開バリバリ仏血義理だぜ。いやぁ、もう“できちゃった婚”しちゃったんだって?惜しい、惜しいよ!もっと映画に出てくれよ。
脇役は、荒川良々、阿部サダヲ、生瀬勝久をはじめとして、数々のクセモノが笑いをさらっていくが、中でも一番パンチの効いているのが篠原涼子。登場シーンのジェット・ゲロ(『イーストウィックの魔女たち』か?)から始まり、その登場シーンの全てが美味しい。う~ん…、なんだかヘンな役者として活路を見出しちゃったのね。

いやはや、兎にも角にも大したもんだ。
中島哲也に、ビっとキメられてギャフンと言っちまったよ!


御意見無様だ、ともかく見れ!

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2004.07.03

7/3 『スパイダーマン2』

新宿プラザで『スパイダーマン2』先行を観る。【ネタバレあり】

グリーン・ゴブリンを倒してから2年、ピーターはスパイダーマンと勤労学生の二足のわらじ生活に、段々支障を来たし始めていた。人助けをしていてピザ屋をクビになり、授業には遅れ、MJの芝居は観に行けず、ジェムスンは写真を高く買ってくれず、おまけにメイ伯母さんの家は抵当として差し押さえられる。そして彼は、スパイダーマンとしての“大いなる責任”に疲れ、コスチュームを脱ぎ、平凡な幸せに生きようと決意する。だが、そんな彼の前にドク・オックが姿を現し、否応なく彼を戦いへと追い立てていく…。

バッチリだすっ!
前作を観てないと(あるいは原作を知らないと)分かりにくい部分もあるし、映画全体としては1作目の方がまとまりがあったとは思う。だが、そんなこと以上に、全方位に観客を楽しませようとするサービス精神に満ちた映画である。夏の“超大作イベント・ムービー”として、ファミリーもカップルも子供もジジババも、アクションに酔い、笑って、ついでに涙腺のゆるい人なら泣ける---そんな心おきなく楽しめる映画になっている。そして、それと同じくらい、サム・ライミ・ファンとコミックス・ファンに向けてのめくばせが利いているのが嬉しい限り。

『シンプル・プラン』以降、本人が“封印した”と語った自由自在に動き回るダイナミックなカメラ・ワークに始まり、『XYZマーダーズ』を髣髴とさせるようなブルース・キャンベルの下衆野郎っぷり、独特の間で繰り出される笑いなど、ライミの余裕すら感じさせる演出が心地よい。
Dr.リザルドことコナーズ教授や、マン・ウルフことジョン・ジェイムスンらの顔見世。そしてのもちろん、アルフレッド・モリーナ演じるドク・オックもバッチリだ。

【ネタバレ注意】

なんと言っても燃えるのは、暴走地下鉄のシーン。戦いがスピーディで面白いのももちろんだが、その後に続く市民たちがの場面が良過ぎる。オレ、ダメなんだよな、こーゆー浪花節って。『ロボコップ3』の自警団&警察署員を思わせるような熱い場面にシビレちゃうんだよ。”あなたの隣人”って言い続けた甲斐があったよな、ピーター。
そして、クライマックス。MJに崩れかかる壁を支えているピーターが、なんとか言葉を搾り出す。
「ハ、ハーイ…」
普通だったら、「ボクが支えている間に逃げてくれ!」とか言いそうなもんなのに、ピーターは絶対に「逃げろ!」とか言わない。それは、何が何でも自力でMJを助けるつもりでいるから。もう、目頭が熱くなっちゃうよ。

“笑い”に関しては、事前に知ってしまうと面白くないので書かないが、いくつか猛烈に可笑しいシーンがあるので、観てない人は乞うご期待。

CGキャラの質感がイマイチなところがあっちこっちにあったり、キルステン・ダンスト前作にも増してコワい顔になってたり(でも、ウェディングドレス姿のときだけは流石に可愛い)、色々と不満もあるんだが、そんなこと全部乗り越えて、オレはこの映画が好きだ。《『スパイダーマン1』のサントラを聴きながら》

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2004.07.02

7/2 『食神』

レンタルDVDで『食神』を観る。

“食神”と呼ばれる周(チャウ・シンチー)は、香港料理界の頂点で傲慢の限りを尽していた。だが、その傲慢ぶりがたたって側近から裏切られ、料理界から追放されてしまった。彼はとある女(カレン・モク)の屋台を助けるうちに、真の料理人として目覚め「糞尿肉丸」と名付けた団子を開発。さらに裏切った弟子トンに戦いを挑むため、修行の旅に出発する…。

香港映画らしくストーリーもギャグもベタ。寒かったり、古臭かったりもするんだけど、なんだかんだ面白いのが流石はチャウ・シンチー。謎の少林寺修行(少林十八銅人に爆笑)とか、CGまで使った大バカ調理シーン、カレン・モクの大立ち回りなど、なんだかツボに入る場面も色々ある。

『少林サッカー』のヴィッキー・チャオ同様、この映画でもカレン・モクがとんでもない醜女で登場するが、予想通りクライマックスで美人になる。シンチーはこの展開が好きなのかな?

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2004.06.24

6/24 『座頭市地獄旅』

DVDで『座頭市地獄旅』を観る。

旅の途中で、市(勝新太郎)は5人のやくざ者に襲われが、返り討ちにした。5人組は傷が癒えると、執念深く市の後を追った。一方その頃、市は江の島まで船旅と洒落こみ、そこで無頼の将棋好きの浪人十文字糺(成田三樹夫)と知り合った。江の島に着いた市は、船中で金を巻き上げたイカサマ博徒の親分に呼びつけられ、るが、これもあっという間に撃退。だが、この騒動で通りがかりの門付け芸人お種の連れていた娘ミキが負傷してしまった…。

座頭市シリーズ第12作。
三隅研次監督作ではあるが、凄味のある作風ではない。市に次第に心惹かれていくお種、市に懐いていくミキ坊との触れ合い、そして浪人十文字との張詰めた緊張感のある友情。どちらかといえば情緒的な部分にウェイトのある作品なのだ。
また、前作『座頭市逆手斬り』が散漫だったこともあり、今作はまとまった印象を受ける。

見所はなんと言っても成田三樹夫!
「オレは斬りたいものを斬る。強いヤツを斬る。例え将棋が強いヤツでも斬る!」
と言う、刹那な生き方の持ち主が、市と共闘していく姿が凛々しく、ともかく飄々としていてカッコイイ!

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2004.06.12

6/12 『スクール・オブ・ロック』

みゆき座で『スクール・オブ・ロック』を観る。

あまりにもムチャをするために、バンドをクビになったデューイ・フィン(ジャック・ブラック)。
家賃滞納で、ルームメイトのネッド(マイク・ホワイト)の彼女(サラ・シルヴァーマン)にも、アパートを追い出される寸前。そんな時、ネッドあてにかかって来た電話に出たデューイは、ネッドになりすまして臨時教師の職に就いてしまった。この管理教育の徹底した小学校で、デューイは校長(ジョーン・キューザック)らをだまし、生徒にロックを教え始めるが…

世間でえらく評判がいいのも肯ける、非常に楽しいロックコメディ。
話は出来過ぎだし、映画が始まって10分もすれば、映画の最後までストーリーラインのほぼ全体の予想が付くような、ある種予定調和的な物語である。だが、それだからツマラナイ訳ではない。例えば『ロッキー』でロッキーが勝つことなんて、誰が見たって予想できることだが、それでも熱く燃えてしまうのと同じこと。
ロックに造詣が深い訳ではない…むしろ浅い方だと思うけれど、そんなオレでも知ってるような名曲ばかりがチョイスされているのも、この映画の勝因だろう。

いつも暑苦しくて鬱陶しいジャック・ブラックは、今回もいつもと同じくらいうざったいダメ人間役である。だがそれにも関わらず、実に愛すべきキャラクターでもある。
恐らく、30~40代の多くのダメ人間たちが、このジャック・ブラック演じるデューイ・フィンに共感するだろう。いや、ダメ人間を卒業して、普通のサラリーマンになった人たちだって、共感せずにはいられないんじゃなかろうか?まさにハマリ役とはこーゆーのを言うのだろう。

ロック映画なのに、ヒワイな言葉も暴力もなく、ウェルメイドなコメディに仕上げたリチャード・リンクレイターと脚本のマイク・ホワイト、そしてブラックは大したものだ。

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2004.06.05

6/5 『世界のCMフェスティバル2002』#1

DVDで『世界のCMフェスティバル2002』の1巻目を観る。

ジャン=マリー・ブルシコってフランス人が、世界中から集めたCMコレクションを集めたDVDのシリーズ。
面白いのもカッコイイのもつまらないのも色々あって、CM映像が割と好きなオレとしてはそれなりに楽しんで見た。でも、この巻の特集である「Yves Saint Laurent」のCMは、金は掛かってんだろうけれど、全然面白くねぇ。

ところで、CMコレクターって、どうやってCMをコレクションするの?
自分でビデオ録ったり、人からビデオもらったりするのかな?それにしちゃあ画質が良すぎるし、不思議だ。

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2004.05.28

5/28 『ズーランダー』

借り物DVDで『ズーランダー』を観る。

年間最優秀モデル賞を3年連続で受賞している、売れっ子スーパーモデルのデレク・ズーランダー(ベン・スティラー)。しかし、今年は新人のハンセル(オーウェン・ウィルソン)に賞を獲られてしまった。失意のデレクは引退を決意し、故郷に帰る。一方その頃、ナンバー1デザイナー、ムガトゥ(ウィル・フェレル)が、デレクに白羽の矢を立てた。だがそれはモデルとしてではなく、マレーシア大統領暗殺の殺し屋としてだった…。

地球からみんなへ
この映画は本当にクダラナイよ(笑)。

…ってことで、ベン・スティラー製作・監督・脚本・主演によるバカ映画。
「こんな背が低いスーパー・モデルが居るかい!」ってなツッコミを入れたくなるところだが、はなっからバカ映画と分かっているので、それはヤボってもんだろう。
映画自体は、下品なシモネタを薄くした『オースティン・パワーズ』みたいなもんなので、ウェルメイドなコメディなんてのにはほど遠い。それでもなんだか面白く観られてしまうのは、ベン・スティラー演じるエリック・ズーランダーのなりきりっぷりが実にハマっているからだ。特にハンセルとのウォーキング・バトルのくだらなさ加減がツボに入りまくり。

ところで、男性モデルとファッション業界を徹底的におちょくった“スーパーモデルは、お脳が弱い”ってのがネタの基本になっている映画に、本物のスーパーモデルがカメオ出演するのは、マジでお脳が弱いのか、それとも洒落の通じるアタマの良い人たちなのか?
嵐のように登場する----言い換えればどこに誰が出てたのか分からないほどのカメオ出演者たちも、何考えてるんだか(笑)。

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2004.04.19

4/19 『シービスケット』

『シービスケット』を観る。

世界恐慌下のアメリカ。自動車ディーラーとして成功を収めていたハワード(ジェフ・ブリッジス)は、最愛の息子を交通事故で亡くし、妻にも去られてしまった。そんな彼が乗馬好きのマーセラと再婚し、競馬を始めようと決心する。そして出会ったのは、トム・スミス(クリス・クーパー)と言う競馬調教師であった。彼は“シービスケット”と呼ばれる小柄で気性の激しいサラブレッドに目を付けた。だが、この馬を乗りこなせる騎手が居ない。そんな彼の目に留まったのは、気が強くて喧嘩っ早く、レースでも全然勝てていないレッド・ポラーズ(トビー・マグワイア)だった…。

昨日の『オーシャン・オブ・ファイヤー』に続き、2日連続の馬映画。
先の展開が非常に読めてしまうのが残念だが、素直に良い映画だと思える感動作であった。
前半、三者三様の人生の紆余曲折を描いた部分が非常に散漫でカッタルイ印象を受けるが、話が進んで3人の話がまとまってくると段々面白くなってくる。落ちこぼれ→努力→勝利→挫折→努力→奇跡の復活と、出来過ぎに思える展開が繰り広げられるが、なんとコレ実話の映画化なんだそうだ。
監督は、『カラー・オブ・ハート』の監督や『ビッグ』の脚本のゲイリー・ロス。と来れば、ジンワリ系の感動作はお手の物。実に手堅い攻めをしている。
製作総指揮&主演のトニー・マグワイアをはじめ、メインの3人は非常に良い芝居をしているが、それ以上に美味しいのがラジオ・アナウンサー役のウィリアム・H・メイシー。これまでの情けない役とは一味違い、マイクの前で効果音を鳴らしながら、嵐のようにしゃべりまくる姿は思わず笑いがこぼれること必須の熱演だ。もちろん、シービスケット役の馬(何頭いるのか知らないが)も非常に好演している

製作がフランク・マーシャル&キャスリーン・ケネディってのも、映画のジャンル的にちょっと意外。

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2004.03.18

3/18 『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』

レンタルDVDで『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』を観る。

精神病院を退院したデニス(レイフ・ファインズ)は、同じ境遇の人を住まわせてくれるアパートに住むことになる。この街はデニスの故郷でもあった。アパートの管理をするウィルキンソン婦人(リン・レドグレーブ)は冷たく、厳しく、フレディをはじめとしたアパートの住人たちはみな病んでいる。デニスは1冊の小さなノートに、日々何かを書き続ける。それは幼い頃の記憶。配管工の父(ガブリエル・バーン)、希望を持てない母(ミランダ・リチャードソン)、父の浮気相手イヴォンヌ。彼は思考がまとまらないまま、憑かれたように記憶を辿り、ノートに文字を埋め続ける…。

デヴィッド・クローネンバーグ最新作。
精神を患っている主人公が、精神を患ってるゆえに思い出せない記憶を、必死に追い求めてどんどん深みに嵌って行くような物語。
この映画でクローネンバーグは、何を描こうとしたのか?自己のアイデンティティの探求であり、現代人の抱える喪失感云々…ってのが模範解答だろうが、そんなこたぁどーでもいい。問題は、この映画がすこぶる面白くないってことだ。レイフ・ファインズのダウナー系既知外芝居は恐ろしく真に迫っているし、結果的に3役もこなすミランダ・リチャードソンも大した演技力である。でも、観ている側は置いてきぼりのまんまだし、誰一人感情移入なんか出来ない。
ラストのドンデン返しだって、予想できると言えば出来るし、でもそれだって既知外の思い込みかもしれない。どうとでも取れるが、どうとも取りたくない。だってひたすら辛気臭くって、面白くないんだもの。

見所は…役者…くらいかなぁ。ピーター・シャシッキーの撮影も、無難になっちゃってるし…。

『ブルード』『スキャナーズ』『ヴィデオドローム』『デッドゾーン』『戦慄の絆』…。80年代前後の、ちょっと分かりにくいとこもあるけれど、恐ろしくって、面白くって、猛烈に寒いクローネンバーグが観たいと思っているファンが多いだろう。辛気臭いばっかりのクローネンバーグなんて嬉しくない!

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2004.03.14

3/14 『座頭市逆手斬り』

DVDで『座頭市逆手斬り』を観る。

もぐりの博打で捕らえられ、百叩き(?)の刑にあっている市(勝新太郎)。彼は牢で無実の罪であげられたという片瀬の島蔵という男に、自分の無実を晴らすため2人の親分を尋ねるように頼まれる。市は、無用な面倒に巻き込まれるのを嫌い、言われた宿場を避けて通るが、ある宿場で出会った百太郎(藤山寛美)という流れ者のせいで、いつの間にやら騒動に巻き込まれる羽目に…。

森一生監督による第11弾。
あんなに刹那的で殺伐とした凄味に溢れる第2作『続・座頭市物語』を撮った森一生とも思えないほど、散漫と言うか、焦点の定まらぬと言うか、集約し過ぎ(矛盾してるって?仕方がねぇぢゃねぇか)って言うかな座頭市。全体としてはどこに話を持って行きたいのかよく分からない位、個々のキャラクター描写が薄くって、その割に、次から次へと出てくる登場人物が、全て知り合いだったり血縁だったりと、異様なまでに狭い世界で展開する物語。でも、なんでかそれなりに面白い。
一つには、勝新の殺陣の凄味と速さに、一層の磨きが掛かってきたってことにあるだろう。今回は二刀流逆手斬りもイカすし、シルエット気味の屋内での殺陣が猛烈にシャープ。
松竹新喜劇から藤山寛美が客演し、ニセ座頭市に化ける展開も、寛美が達者だからこそ面白い。ここまで観てきたシリーズの中では低調な部類だが、それなりに楽しめました。

それにしても、このシリーズは予告編が面白い。毎度のことながら、予告編にあって本編にないカットなんてごくごく当たり前だし、本編中にあるカットでも、アングル違いや台詞違い、テイク違いなんて当たり前。最近のDVDの特典映像にある「未公開シーン」や「別テイク」に当たる映像が、予告編で観られるってのは凄いねぇ。

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2004.03.13

3/13 『さよならジュピター』

甘栗男が来ていたので、DVDで久し振りに『さよならジュピター』を観る。

西暦2125年、太陽系惑星開発のため、木星を第二の太陽とするJS計画は、謎のバカ集団・ジュピター教団らの妨害を受けつつもなんとか進行していた。しかし、その計画とは全く関係なく、太陽系にブラックホールが接近しつつあることが突如判明する。そこでJS計画を変更し、木星を爆破しブラックホールの軌道を変えることになるが…。

いやぁ、今改めて観ても、やっぱりどーしよーもない映画ですなぁ(笑)。
この「ツッコんでくれ!」と言わんばかりのスキだらけ加減はなんなんでしょうか?いや、分かりきったことなので、今更言っても詮無いことですが…。
無重力SEXや、タメゴローこと謎の教祖ピーター、発泡スチロール然としたサメとイルカのジュピター、「ジュピターゴーストが鳴いている!」とか、本当に人間を凍らせるコールド・スリープとか、観た人ならば誰でも脳裏に焼きつくシーンの数々は、「ああ、そう!コレコレっ!」みたいなもんだが、意外と忘れてるシーン(でも観ると思い出すんだよな…)が多かった。

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2004.03.08

3/8 『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』

レンタルDVDで『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』を観る。

ニュージャージーの田舎町。下品なジェイと無口なサイレント・ボブは毎日ダラダラと日々を過ごしていたが、ある日、彼らは自分たちをモデルにしたコミック『ブラントマン&クロニック』が、映画化されることを知る。最初は金が入りそうだと喜ぶが、ネットにこの映画とキャラの悪口が一杯書き込まれているのを知って、2人は怒り心頭。ミラマックスのスタジオに出向き、映画を中止させようと企てるが…。

【ちょっとネタバレ】
だめだぁ~っ!オレ、もうこーゆーの笑えなくなってる…。
『ビル&テッド』は結構笑えた。『ウェインズ・ワールド』も好きではないけど、まだ面白いと思えた。だけど、コレは全然笑えない。ジェイが年がら年中連発する“ゲイの下ネタ”なんて全然面白いと思えないし、楽屋オチの数々も「ふぅん、これって超豪華カメオの自主映画だね」なんて、非常に引いた視点で観ている自分に気付く。
別に良識ある大人とか、分別臭いジジイになっているつもりはないのだが、コレ面白いかい?コメディと言うにはプロットもシナリオも弱いし、ギャグと言うには笑えなさ過ぎ。
カメオ出演の人々は、確かに凄いけど、マーク・ハミルは老けちゃってて悲しい気持ちになる。キャリー・フィッシャーは老け方が悪くないので、そんなに悲しくないんだが。それに、ガス・ヴァン・サントとウェス・クレイヴンは、よくあの役で出たなぁとか、ミラマックスは意外に心が広いなぁ、とか思うけど、それだけじゃ映画は引っ張れない。
こうしたカメオの人たちを含め、きっと現場では大盛り上がりなんだろうって気はする。けどそれはスクリーンの裏側だけで、表側にはあまり伝わってこなかった。

ま、「ネットは悪意のメディア」みたいな部分は共感するけどね。
…はっ!ってことは、こんなことを書いてると、ジェイとボブがやって来て、オレもコテンパンにされるのか?!

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2004.03.04

3/4 『助太刀屋助六』

レンタルDVDで『助太刀屋助六』を観る。

旅の途中で巻き込まれた仇討ち騒動で助太刀をした助六は、お礼として報酬を受けたことから助太刀家業に生きるようになる。他人の仇討ちに首を突っ込むこと38回、やがて7年の歳月が流れ、故郷に戻った助六だったが、その小さな宿場町では今まさに仇討ちが行われようとしていた…。

『EAST MEETS WEST』(未見)以来6年ぶりの岡本喜八作品。
喜八っつぁんらしい軽妙な時代劇である。
ともかく助太刀しなければ気が済まない男(まぁ、それを生業にしてる訳ですからね)の、スーダラな生き様。いや、本人はいたって真面目だから、“すーだら”なんて言ってはいけないが。この設定は非常に面白い。重くなりそうな仇討ち話が助太刀にシフトしたことで、飄々とした雰囲気になっている。それを演じている真田広之は、性格にもうちょっとフマジメさがあった方がもっと良かったような気もするけれど、軽いノリをJAC育ちの身の軽さでもって体現している。
俳優陣はいい感じで、中でも仲代達也の枯れた侍が好印象。これまた飄々としているのに、刀を抜くと凄みが溢れ、“流石は仲代!”と思わせる。『白い犬とワルツを』のボケ老人なんてやってる場合じゃないぞ。やっぱり、時代劇をやらにゃあ!
そのほか、番太の村田雄浩とか、やり手ババァの岸田今日子、役人の岸辺一徳らが、いい味を出している。

ただ、ちょっと気になったのが、テンポと言うか構成の時間配分だ。助六が故郷に帰って、仲代が仇討ちされるまでは、恐ろしいほどテンポよく進む。もう、それこそ時計を見て、「え?!まだこれしか経ってないのに、こんなに話が進んじゃうの?じゃあ、あと何があるんだろ?」と思うほど。…で、思った通り、そこから先が急にスピードダウンするのだ。“緩急”なんて言葉では表せないほどの、ゆっくりした展開に、なんだか観ているこっちが戸惑ってしまう。
ここにどんな意図があるのか、なんとも分からない。

最近の老獪なジィサマ監督の映画の中では、無難な出来かなぁ。喜八っつぁんだってことで過剰な期待しなけりゃ、OKなんじゃないの~って感じの映画だ。


それにしても、最近ホントに時代劇ばっかり見てるな。別に邦画マニアでも時代劇マニアでもないんだけどな(苦笑)。

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2004.02.29

2/29 『座頭市二段斬り』

DVDで『座頭市二段斬り』を観る。

旅の途中、市はその昔按摩の手ほどきをうけた師匠・彦の市(嵐三右衛門)と、その娘お小夜(坪内ミキ子)を麻生の宿に訪ねる。だが、彦の市は殺され、お小夜は宿場の親分・辰五郎に借金のかたに、女郎をさせられていた。市はなんとかお小夜を救い出そうとするが…。

かなり情に流れた座頭市の10作目。
冒頭で、市の師匠が殺されたって話を聞いた時、「前に市が師匠を斬った話があったのに何故?」と思ったら、前の師匠は居合の師匠で、今回は按摩の方の師匠の話だった。当道の師匠が、“検校”の位を買いに京都に行く途中で殺されたのである。アレ?これってこの前観た『必殺仕置人』と同じ話じゃん。

見どころは、師匠が殺される前後の回想。ちょっと粒子を荒したモノクロの場面は、カメラを手持ちにしていることもあって、非常にドキュメンタリー・タッチの乾いた映像になっている。映画全体がウェットなトーンに流れがちな物語なので、これがメリハリになっている。
役者としては、三木ノリ平演じる流れ者のツボ振り、井戸尻軍十郎の喜劇芝居が程よくアクセントになっている。何だかんだ言って、この人は上手いや。また、幼き日の小林幸子が、子役(三木のり平の娘役)で出演。丸っきり今と変わらない面立ちなのに驚かされた。

ところで、“二段斬り”ってどの技のこと?

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2004.02.23

2/23 『スコーピオン』

レンタルDVDで『スコーピオン』を観る。

刑務所から出所したばかりのマイケル(カート・ラッセル)は、ネヴァダの田舎のモーテルで、マーフィ(ケヴィン・コスナー)ら4人と落ち合う。彼らはエルヴィスの扮装をして、ラスヴェガスで開催される“エルヴィス・コンベンション”に乗じて、カジノ強盗をはたらく計画なのだ。彼らは激しい銃撃戦の末に、$320万を手に入れることに成功したが……。

これはバカ映画ではなく、素敵な“アホウ映画”だ。
なんてったって脚本がメチャメチャ。登場人物も何考えて行動してんだか、どんなつもりでしゃべってんだか、てんで分からない。エルヴィス・コンベンションにエルヴィスの格好(含む黒人エルヴィス)で強盗に行くってだけでもド阿呆なのだが、その強盗計画はぞんざいだし、その後の行動も行き当たりばったり。だからツマンナイのかって言えば、そんなことではない。年がら年中、「ヲイヲイ!」とか「そりゃねぇだろ…」とか、ツッコミを入れながら観るのが正しい。なにしろ、CGサソリの壮絶(?)バトルとか、なりきって無意味にポーズをキメるカートとか、エルヴィスの隠し子のエピソードとか、宙を舞うアイスTとか、ツッコミどころは満載だ。それでいて、カートと道中相棒になってしまう小僧とのやり取りなんかは、ツッコミではなく素直に面白かったりする。
間違っても“良い映画”なんて言う気はないけれど、こんなのをわざわざ「ラジー賞」にノミネートしたってしょうがないでしょ。もっと本気で作ってて、駄目駄目な映画なんていっくらでもあるんだからさ。

なんにせよ、カート・ラッセルが久々にエルヴィスに扮して、腰を振り、腕を回して熱唱(唄はもちろん吹替えだが)する姿が見れただけでも幸せってヤツだなぁ。そーゆー意味では、一番の見所はエンド・クレジットだったりするのかもしれないが(笑)。


ちなみにこの映画、オレは劇場公開時に前売り買ってたのに、行く暇もなく打ち切られて悔しい思いをした映画でもある…。

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2004.02.21

2/21 熱いぜ!『ゼブラーマン』

新宿グランドオデオンにて『ゼブラーマン』を観る。【ネタバレてるよ】

妻は不倫、娘は援交、息子はイジメに遭っているのに、何も出来ない新市(哀川翔)は、勤務先の小学校でも生徒たちからバカにされる始末。彼の唯一の楽しみは、34年前に7話で打ち切りとなった特撮ヒーロー番組「ゼブラーマン」の手作りコスチュームを着て、夜な夜な悦に入ることだった。
一方その頃、新市の住む横浜八千代区では、様々な異変が起こり、犯罪件数はうなぎのぼりで急上昇していた。防衛庁は事態を調査すべく、及川(渡部篤郎)らを八千代区に派遣するが…。

いやぁ~マイッタ!期待を超える面白さだ。
前半は、ダメ教師でダメ親父の新市を、クドカンらしい細かいセリフのやり取りと、三池らしい“間”で見せて笑いを取る。で、ゲラゲラ、クスクス笑いながら、このまま特撮ヒーローを茶化したコメディとして終わるんだろうなぁと思ったら、いつの間にやら本気のヒーローものになっているので驚いた。オレ、目頭が熱くなっちゃったよ。
笑いのツボも燃えるツボも、どちらも“ヒーローもの”であるところ。
コスチュームの“恥ずかっこ良さ”や、謎の力を手に入れても、やっぱりアパートの2階からは歩いて下りちゃう小心さとか、謎のヒロイン“ゼブラーナース”で笑う。そして、迎えるクライマックス。あまりにもベタでお約束な展開が、モーレツに熱いぜ。バイクに乗って現われるゼブラーマンと、彼のために封鎖されたゲートを開く及川。そこからはもう畳み掛けるように、戦闘、敗北、変身、そして遂に飛行!と、分かっちゃいるけど燃えまくり!エピローグの大団円まで一気に持って行く。

CGが(低予算だから)しょぼかったり、新市の家庭は結局救われてなかったりと色々アラはあるけれど、ツボ入りまくりでした。万人向けの映画じゃないけれど、オレの中では“シロクロついたぜ!”


ちなみに、一昨日から3日連続の『○×マン』特集(『ケイブマン』『カンパニーマン』『ゼブラーマン』)は、これにて終了(笑)。

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2004.01.29

1/29 『座頭市関所破り』

DVDで『座頭市関所破り』を観る。

年の暮れ。妙義山のご来光を拝もうとやって来た観光客と、その客を当て込んだ商売人や芸人でごった返す笠間の宿。市は旅の途中で、この宿の女中・お仙に手紙を渡してくれと頼まれて(なんだか毎度よく頼まれるね、この人は)やって来たが、悪徳代官加島と貸元の島村が宿場を牛耳り、暴利を貪っていた。市は相部屋になったお咲と、女中のお仙、2人の窮状を見て、放っておくことが出来ず…。

第9作は安田公義監督作。
三隅のようなダイナミックさや、池広のようなスタイリッシュさはなく、殺陣をドン引きのままカットを割らずに見せる安田演出は、正直なところ迫力に欠ける。だがその分、勝新自身の殺陣の凄さをまざまざと見せつける。屋内で斬りかかる浪人(若き平幹二郎!)の刀を居合い一閃スラリとかわす勝新、階段でごろつきどもを追い返す勝新等、本当にいつ抜いたのか目で追えないほどの速さである。信じられない!子供が放り投げたコマを空中で斬り、しばらくコマが回った後に真っ二つ(真ん中の心棒まで!)なんて描写も楽しいシーンだ。
物語的には一部放りっ放しのエピソードがあるのが残念ではあるが、お仙の物語とお咲の物語、バラバラだった2つの物語が後半で交差してきて俄然面白くなってくる。また、酔いどれ老人・喜十を生き別れた父なのではと思う市(でも、ここでの市の回想は兄・与四郎の話と辻褄が全然合ってないけどね)、小生意気な角兵衛獅子兄弟との触れ合いなど、細かいエピソードも気が利いている。
傑作とは言わないけれど、地味に良く出来た佳作である。

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2004.01.26

1/26 イカスぜ!『サラマンダー』

レンタルDVDで『サラマンダー』を観る。

クインは、母が働く地下鉄工事現場に立ち寄った際、地下の洞窟から蘇ったドラゴンの姿を目撃する。
時は流れ2020年、驚くべき速さで増殖したドラゴンは、地球上の大半を焼き払っていた。人々は都市を捨て荒野に要塞を築き、息を潜めて暮らしていた。要塞を守りつつ仲間と共に飢えと恐怖に苦しむ日々を過ごしていたクイン(クリスチャン・ベール)のもとに、ヴァンザン(マシュー・マコナヘイ)率いるアメリカの義勇軍が現われるのだが…。

この映画、イマひとつ評判が宜しくないようだけれど、オレとしては全然OKです。
怪獣映画だと思うと、ちょっと肩透かしではあるけれど(とは言っても、トマト畑を焼き払うドラゴンは、まるで「東横のれん街」を焼き払うガメラのようだ)、モンスターVS男たちの映画だと思えば、全く問題なし。
麻紀姐さんがケチョンケチョンに言ってたので期待してなかったのだけれど、これはイカス映画だよ。
確かに、東宝東和の宣伝とは違う(なんだ、“人間=おかず”ってのはよぉ!)けど、メチャクチャイカスし、燃える映画じゃん!まさか『マッドマックス』の世界にドラゴンが迷い込んだような話だとは思いも寄らなかったけどね。
砦と弱き物たちを守ろうとするクインと、積極的に打って出ようとするヴァンザンの対立。また、ヴァンザンの率いるドラゴンスレイヤー部隊が、メッチャカッコイイ。一人々々のキャラクターはほとんど描かれていないのが残念だけれど、空挺部隊による対ドラゴン戦のシャープな戦いっぷりは握り拳作っちまうぜ、ダンナ。
また、お色気が全くないのも潔い。ヘリ操縦士のアレックスと誰かが恋に落ちたりすることは一切なく、ひたすらドラゴン殲滅に命を賭ける軍人と、砦を守ろうとする男の物語。汗臭くてむさ苦しくて、暗い話なんだが、やたらにカッコイイ。クライマックスは、マコナヘイもベールも漢な見せ場が用意され、これで燃えなきゃ男じゃないってもんよ。

可笑しかったのは、クインが子供たちに見せる芝居。
「I am your father!」にはのけぞって笑っちゃいました。

おまけに、CGドラゴンたちの動きがまた絶品。『ダンジョン&ドラゴンズ』の生命感のないドラゴンに比べたら1万倍良く出来てるし、『ドラゴンスレイヤー』のフィル・ティペットの仕事に肉薄した数少ないCGドラゴンだろう。
これだったらDVD買っても良かったなぁ。

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2004.01.23

1/23 『ソラリス』はやっぱりアカンな

レンタルDVDで『ソラリス』を観る。

惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションで不思議な現象が頻発し、地球との交信も途絶えてしまった。心理学者クリス・ケルヴィン(ジョージ・クルーニー)は、救助のためにソラリスに向かうが、ステーション内には2人の科学者スノーとゴードンしか生存していなかった。彼らに何が起こったのかを聞いても要領を得ない。
そしてクリスの前に死んだはずの妻が現れた…。

もっととてつもないものを予想していたので、思っていたよりはマトモだったけれど、やっぱりこれはアカンでしょ。タルコフスキー版に遠く及ばないよ。
画面的には、リズム&ヒューズの作ったソラリス表面の美しさとか、まぁ見るところもあるけれど、何と言っても深さが違う。オレはタルコフスキー信者じゃないし、『惑星ソラリス』も好きじゃない。もちろん、猛烈に眠かった(苦笑)。でも、それでも凄い映画だとは思ったんだよな。タルコフスキー版は20年も前に観たからウロだけれど、人生、宗教、存在、郷愁、想い…、色んなものが眠りかけてる脳に流れ込んで来た2時間40分だった気がする。
でも、今回の映画化じゃあ、まるで『イベント・ホライゾン』みたいだ。なんだかもっともらしく難解そうなことや深そうなことを言って、煙に巻いたつもりだが、その実、割と直球の映画なんだよな。
特典映像のメイキングを見たら、「これはラブストーリーなんだ」と語っていたが、それだけじゃあダメなんだよ。信者がモーレツに批判したらしいが、その気持ちも分からんではないな。
ソダーバーグってのは、どうしてこう独りよがりなんだろうね。

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2004.01.19

1/19 『忍びの者 続・霧隠才蔵』雷蔵ファンぢゃないけど…

レンタルビデオで『忍びの者 続・霧隠才蔵』を観る。

霧隠才蔵(市川雷蔵)は豊臣方が負けた後、真田幸村(城健三朗)を助けて島津家(沢村宗之助、五味龍太郎)へ落ちのびる。家康(小澤栄太郎)に一矢報いるため、種子島の新型鉄砲の秘密を探るべく才蔵は種子島に潜入するが、そこには既に服部半蔵(伊達三郎)の罠が待ち構えていた…。

雷蔵ファンでもなければ、このシリーズも観たことがない。しかし、最近“オレ的ブーム”の池広一夫作品なので借りてみた。
シリーズ5作目をいきなり借りたせいもあり、前半はかったるい映画である。オープニングでこれまでの粗筋を見せるのも、よく言えばテンポがいいが、前作までを観ていない者には何が起こっているのかよく分からない。正直、途中で止めようかと思うほどである。だが、才蔵が種子島に潜入した辺りから、物語は急展開してくる。
半蔵の包囲網、才蔵とは知らず、才蔵と親しくなってしまう半蔵配下のくの一の苦悩と葛藤(これはいかにも大映らしい暗さ)。島津藩と徳川の駆け引き等、一気に面白くなってくる。また才蔵の空蝉の術や忍術の数々が、非現実的にはなってないところがミソで、あくまで人間の能力になっているのでウソ臭くない。
中盤以降、池広一夫的な場面も色々とあり、特に半蔵ナメの屋根裏からの俯瞰ショットなど、俯瞰を多用した画面構成はいかにも池広らしくてイカス。前半は前話までの話を費引っ張ってるせいもあって、どうも乗れなかったが、後半が面白くなって来るのは、池広一夫の本領発揮なんだと思いたい。
ラスト、家康を殺害した才蔵が満面の笑みを浮かべながら江戸を走る。そこに非情に被るスーパー。
「家康は死んだが政局は微動だにしなかった」と言う文字はあまりにも哀しい。

DVDで『ダイヤモンド・アイ』を観る。
第22話「ヒメコブラ大死闘」
雷甲の前に現れた蘭花そっくりの女、麗華。
子供にそこはかない愛情を見せる彼女に、雷甲はすっかり心を開くが…。
これまでの中でのベスト・エピソード。
ショートカット、ミニスカ姿の麗華(蘭花様)が可憐で良いってこともあるが(笑)、蘭華の葛藤に笑いながらもマジでグッとくる。ダメだぁぁ、こんな番組にグっと来てちゃ。

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2004.01.13

1/13 三池らしからぬ『SABU』

レンタルビデオで『SABU』を観る。

経師職人の栄二(藤原竜也)とさぶ(妻夫木聡)は幼馴染。栄二はある日、仕事で出入り先の金襴の布を盗んだと濡れ衣を着せられ、石川島の寄場へと送られてしまう。人足寄場でやり場のない怒りを噴出させつつ、自分に罪を着せたものに復讐を誓う栄二。栄二を兄のように慕うさぶや、許婚のおすえ(吹石一恵)が島を訪れるが、栄二の心はほぐれない。そして月日が経った…。

観たい観たいと思いながら、なかなか観る機会がない山本周五郎原作/小林旭主演の『無法無頼の徒 さぶ』(1964)のリメイク。
制作費も掛かっているし、山本英夫の撮影はTVとは思えぬほど頑張っているが、演出的にはそれほど特筆すべき場面はない。なんか三池らしからぬ映画だと思ったら、名古屋テレビ開局40周年のTVムービーに、追加シーンを加えた特別版らしい。なんだ、どうりで大人しいと思った。
あまり演技力のない藤原竜也(髷を乗せると、風見シンゴに似ている)は、それなりに頑張っているが、栄二の葛藤や、心の移り変わりが分かるほどではないのが残念。妻夫木聡はいつもと変わり映えせしない芝居で、正直面白味がない。それに比べれば、田畑智子が雨の中で吹石一恵に、あまりにも重要なことをさらっと言ってのける場面の方がよほど印象的である。
キャスティング的には、脇を固めるのがお馴染みの三池組なのが逆に新鮮である。沢田研二、遠藤憲一、大杉漣等々、時代劇な役者がほとんど出演せず、あまり髷姿を見たことのない役者が演じているのが面白い。
また、考証にうるさい人が見たら怒り出しそうだが、言葉遣いもあまり時代劇っぽくなく、平易で現代的な会話になっているから、時代劇が苦手な人も苦労しないだろう。

原作・旧作・本作ともそうだが、なぜこの物語の題名は“さぶ”なのだろう?主役はどう考えても栄二なのだが…。原作はきっと読まないだろうと思うけれど、旧作は機会があれば観るつもりなので、もしかしたらそっちを観ればその謎が分かるのだろうか?
あぁ、小林旭版が観てみたい。

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2004.01.12

1/12 惜しいぞ『スパイダー・パニック!』

レンタルDVDで『スパイダー・パニック!』を観る。

有毒廃液を運搬中のトラックから落ちたドラム缶が、たまたま池を汚染。その近所には、クモを養殖している迷惑オヤジが住んでいた…。

『ID4』『GODZILLA』でお馴染み、エメリッヒ&デブリンが製作した、驚くほどベタベタな巨大生物もの。開巻10数分で、「この街には廃坑があって、その坑道が復活されれば街にも活気が…」と聴いた瞬間に、大抵の人なら「ああ、その坑道を爆破してクモをやっつけるのがクライマックスか」と予想できるだろう。でもね、そんなこと関係ないの。そのベタさ加減が、キッチリ狙いであることが分かるので、なにも問題なし(笑)。
テレビに映る『放射能X』は、50年代SFへのオマージュであることを宣言しているようなものだし、一瞬話し声や笑い声を立ててるのかと思うようなクモたちは、まるっきり『グレムリン』(ジョー・ダンテも50年代SFが好きだからねぇ)風。ユルイ展開は、『トレマーズ』あたりを意識しているんだろう。随所でクスクス笑いを呼び起こすことにも成功している。一瞬、フィル・ティペットと見紛うような、クリーチャーの愛らしい動きもあるし、CGを含めたSFXのクオリティは非常に高い。
恐らく製作者たちの狙いは、80%くらい達成されたとは思う。だけど、やっぱり『トレマーズ』までには成れないんだよなぁ。本作のような、そこそこ良く出来たコメディタッチのモンスター映画を観ると、改めて『トレマーズ』の偉大さを痛感させられる。
惜しい。いいとこまで行ってただけに、本当に惜しいよ!
エメリッヒは監督とかせずに、これくらいのバジェットで新人を見つけて監督させてたほうが良いのでは?
『GODZILLA』よりも面白いことだけは断言できる映画になってるよ。

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2004.01.03

1/3 『座頭市血笑旅』なぞを

仕事と家族の入り混じった、ひどくイヤな夢を見て朝4時に目が覚める。
初夢とは言わないが、今年最初のマトモに見た夢がコレかよ…。で、出社して仕事だもんなぁ。

DVDで『座頭市血笑旅』を観る。
ひょんなことから、母親を殺された赤ん坊を親元まで届けることになる市。その間も刺客が迫る。市と子供とのやり取りや、道中の連れになる女などとのやり取りで笑わせつつも、基本は三隅座頭市。赤ん坊が市のカセにはなっているものの、『千両箱』の時のような、子供を抱えたままの立ち回りはほとんどなく、オシメを替えている最中に襲われるなどのシーンが多く、殺伐とした空気と妙にのほほんとした雰囲気の切り替えが絶妙。
8作目なんて言うと、かなりダレダレになってきそうなものだが、きちんと面白いですな。

DVDで『ダイヤモンドアイ』を観る。
第19話「キングコブラの大復活」。
最終話までの残りも少なくなって、アイにやられて寝たきりだったキングコブラが復帰(きっと南原宏治のスケジュールが空いたんだな)。やっぱり人間の姿の出番がないとね。
これからキルト、マリン、ランカと一緒に戦うかと思うとワクワク(ホントか?)。

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