2006.04.03

3/26 『乾いた花』

米版DVDで『乾いた花』を観る。

ヤクザの抗争から人を殺し、三年ぶりに娑婆へ出た村木(池辺良)。世間はすっかり様変わりし、対立していたはずの組同士も手打ちが済んでいた。そんなある日、賭場で一人の少女・冴子(加賀まり子)に出会う。裏社会の人間には見えない冴子に何故か心惹かれる村木。彼女は、もっと大きな勝負のある賭場へ行きたいと言う。村木と冴子の奇妙な関係が始まるが…。

64年の篠田正浩監督作。
題名の“乾いた花”は、花札賭博の花と、人々の渇いた心情、渇いた生き方を現したものだろう。
その題名通り、それまでのヤクザ映画、任侠映画とは違って、非常にドライに淡々とヤクザの日常を描いている。ヤクザの抗争も手打ちも、村木にとってもはや大した意味はない。義理人情を破壊する訳ではないが、それすらも只の事実として存在するに過ぎない。そんな村木が冴子に惹かれていく。彼女もまた、世間とは無関係に飄々と生きている。

クライマックスで、村木は「面白いものを見せてやる」と言い、自分が人を殺す瞬間を冴子に見せる。非常に殺伐としたバイオレンス描写なんだが、それすらも何か淡々としている。

エピローグで、刑務所に入っていた村木は、「冴子が殺された。実はあの女は…」と、冴子の正体を教えられそうになるが、それを聞かない。村木にとっては、冴子が存在することのみに意味があり、その正体なんてどうでも良いのだ。そして、村木ほど超然と生きることが出来ない観客たちは、最も知りたかった冴子の正体を結局何も教えてもらえないまま幕が閉じる。

なんとも不思議な空気の映画である。

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2005.07.13

7/13 『キャプテン・ウルフ』(The Pacifier)

成田を夕方に出発し、ロス経由でサンディエゴへ。
機内映画で『キャプテン・ウルフ(The Pacifier)』(日本未公開/吹替版)を観る。

海軍特殊部隊のシェーン・ウルフ大佐(ヴィン・ディーゼル)は、人質奪還作戦遂行中に人質である教授を殺され、自分も負傷してしまった。彼に次に与えられた作戦は、教授の妻が不在の間、その5人の子供たちを警護することだったが…。

アクション系俳優ってのは芸域を広げようとして、この手のコメディ映画に手を出しがちだけど、やめときゃいいのにね。シュワルツェネッガーの『キンダーガートン・コップ』を髣髴とさせるような、ゆる~いファミリー・アクション・コメディになってて、多分ヴィン・ディーゼルのフィルモグラフィの中でも消えてしまう一本だろう。
凄腕だがカタブツの軍人が、ルーズでヤンチャな子供たちと付き合って、それぞれが家庭の温かさと真面目な生活に目覚める。…つまんなさそうでしょ。実際つまんないんだよ、これが。この脚本じゃあ、ディーゼルはカタブツの軍人ってよりも常識のない筋肉馬鹿にしか見えないし、子供たちもヤンチャってよりもただのクソ餓鬼だ。赤ん坊のウンコまみれのオムツ替えやゲップで笑いを取ろうってのが、志の低さを物語る。大体、父親の救出に失敗した軍人に、その子供たちが懐くなんてストーリー自体にムリがある。
これまで、そこそこ作品選択眼があると思われていたディーゼルだけど、今回は大失敗っぽい。

ところで、教授の開発した「GHOST」って極秘プログラムがどれほどスゴイものだったのかもわからずじまい。なんだったんでしょうねぇ?

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2005.06.30

6/30 『50回目のファーストキス』

シネマミラノで『50回目のファーストキス』を観る。

ハワイのシーワールドで働くナンパ男のヘンリー(アダム・サンドラー)。彼は1人の女性と付きあう気など毛頭なく、日々観光客との行きずりの恋を満喫していた。ところが、ある日偶然入ったダイナーで地元の女の子ルーシー(ドリュー・バリモア)に一目惚れし、楽しく会話をして別れた。翌日、ヘンリーはまた彼女に会うために、同じダイナーへと赴いた。だが、ルーシーは怪訝な顔をしてヘンリーを変質者扱い。実は彼女は一番眠るとその日に起こった事を全て忘れてしまう短期記憶障害だったのだ…。

ドリュー&アダム共演作の『ウェディング・シンガー』が快作だったので、期待していた1本。全米で大ヒットしたのに、不思議なことに日本では1年間オクラってた。

で、期待に応える映画だったよ。いや、ホント。
端っから、笑わせた後で泣かせに持っていくロマンチック・コメディだと分かって観に行ってるのに、キッチリ涙腺を絞られる。笑いは若干スベリ気味ではあったけど、いやぁ上手いねぇ、泣かせるのが。ルーシーが美術教師だったって設定が、クライマックスで活かされる場面があるんだけど、そこで目から汗が出ちゃったよ。40オヤヂが映画館で1人で涙ぐんでるのもどうかと思うが、悔しいけれどこりゃあクルって。
毎度のドリュー映画らしく、80年代ヒットソングのカバーがミッチリとかかる。当然のことながら、いつもお馴染みの「TRUE」もかかる(笑)。

『LOTR』のサムことショーン・アスティンが兄貴役で出ているが、なんだかただのバカ兄ちゃんにしか見えない。「フロドさま~!」とか言ってた方が似合ってたなぁ。
それにしてもドリューは可愛いねぇ。人生二周り目とはとても思えん。

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2005.05.29

5/29 『キングダム・オブ・ヘブン』

新宿プラザで『キングダム・オブ・ヘブン』を観る。

12世紀のフランスの片田舎。子を失い、その悲しみから妻が自害してしまった鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)の前に、ある日騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が現われた。彼は、自分がバリアンの実の父であり、共に十字軍の騎士としてエルサレムへ赴くよう告げる。バリアンは苦悩を抱えたままエルサレムへ向かうが…。

ああっ!クワイ=ガン・ジンが「I am your father !」って言ってる!

…って言うようなクダラナイことは置いといて(でも、外せないポイントだよな(笑))。

リドリー・スコットの歴史超大作は、本当に映像が素晴らしい。夜間戦闘での尾を曳き飛ぶ巨石の美しさ、昼間戦闘の崩れる砦と倒れる櫓。『ロード・オブ・ザ・リング』とも一味違う、大量の兵士たちによって繰り広げられる戦い。どれも見応え満点で大迫力のスペクタクルになっている。だが、それ以上に感心するのは、静の画作りの巧さである。前半、山道を歩く十字軍のシルエットの美しさにハっと息を呑む。ウマイ!巧いよ。オレの中のリドリー映画ベストテンでは、『デュエリスト~決闘者』が常に上位にあるのは、こういった静かで美しく、かつ緊張感のある画作りが好きだからでもある。ましてや、昔だったらカラーフィルターで処理したであろう場面も、今ではデジタル加工で作れるから、カメラのムーブもあまり気にせず使うことが出来る。デジタル技術を一番そつなく使いこなしている監督の1人なんじゃないだろうか?

と、映像的にはベタ褒め気味ではあるけれど、正直お話はあまり面白くなかった。十字軍ってものに対する知識が薄くて、どうも気持ちがついて行かないんだよな。『グラディエーター』は、剣闘士のことなんてよく知らなくっても十分面白かったんだが、テーマ性が強いこともあって、バックボーンが分かってないと入って行きづらいのは難点である。

『ロード・オブ・ザ・リング』以降、どの映画に出ても弓矢を撃っている印象があるオーランド・ブルームはキリリとして、これまでで一番男前だった。仮面を着けっぱなしのエルサレム王が、まさかエドワード・ノートンだとは思いもよらなんだ。よく受けたね、この役。

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2005.05.05

5/5 『コンスタンティン』

新宿ピカデリー1で『コンスタンティン』を観る。【ネタバレかな?】

世界は、地獄と天国の狭間に存在している。そしてジョン・コンスタンティンは、異界から来た者を見分けることが出来、日々悪魔たちを地獄に送り返していた。彼はかつて自殺を試みたことがあり、そのせいで死んだら地獄に行くことが決定していたが、死後に天国に行くために戦っているのだ。そんなある日、LAPDの刑事アンジェラの妹、イザベルが自殺をした。アンジェラは妹の死を不審に思い捜査を続ける中で、コンスタンティンと出会うが…。

もったいない映画だねぇ。アクション、ホラー、SF、どこに振ってももっと面白くなりそうなのに、なんだかどれもこれもが中途半端になっちゃってて、今ひとつ弾けない。

プロローグの悪魔祓いのシーンでは「ををっ!」とか思わせるし、イザベラと地獄で出会うシーンとか、アンジェラがビルから引っこ抜かれるシーンとか、いわゆる映像的な見せ場の部分にはテンポとカッコよさがあるのに、それを繋ぐ部分が妙にユルユルしてて、緊張感に乏しいんだよねぇ。もっとゴリゴリ押してきゃいいのに。
そんでクライマックスはピーター・ストーメアでしょ。いや、ストーメアは好きな役者だし、この映画でも美味し過ぎるんだが、最後の最後の締めはジョン・コンスタンティン本人が、ガッツリとカッコよくキメて欲しかった。

本当に惜しかったし、勿体無いからこそ色々と文句を言いたくなるんだけど、まぁ新人監督だし、次回は頑張って欲しいもんだ。

撮影はなんとフィリップ・ルスロー。
最近はVFX映画の仕事もよくやってるけど、昔みたいな情景描写の美しい映画こそがルスローの本領発揮なので、たまにはそーゆーのやって欲しいな。個人的には、『戦場の小さな天使たち』とか『エメラルド・フォレスト』『スターダスト』の撮影が好きなんだがねぇ。

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2005.05.03

5/3 遂に公開『銀河ヒッチハイクガイド』

アメリカで『銀河ヒッチハイクガイド』が遂に公開されて、初登場第1位!やったぜ!でも予告編を観ると、妙にゴージャスでちょっと不安になる。原作を読む限りでは、スケールがデカいのに、貧乏臭い感じがいいんじゃないのかな。
とりあえず、秋に日本公開の予定らしいので、その日を楽しみに待とう。
ついでに新潮社は、絶版になってる原作3部作を復刊しておくように。わかったね!

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2005.03.24

3/24 『風に逆らう流れ者』

DVDで『風に逆らう流れ者』を観る。

豊橋の塩沢火薬に勤める親友の瀬沼(木浦佑三)に会いにきた、流れ者の野村浩次(小林旭)。だが、瀬沼は昨夜工事現場を爆破して、行方をくらましたと言う。それ以来、造船所を営む瀬沼の父(信欣三)は酒びたりになり、妹の杏子(浅丘ルリ子)はヤクザの嫌がらせを受けていた。そして親切めかして瀬沼家に金を貸してくれていた塩沢(山内明)も、実は造船所の乗っ取りを目論んでいたのだ…。

61年製作の「流れ者」シリーズ第5作(最終作)。
アキラの「渡り鳥」、「風来坊」、「流れ者」などのシリーズものは、本数を多く観ていると、どれも同じようで微妙に違う----違うようでほとんど同じ(笑)なので、だんだんとどれがどれやら分からなくなってくる。
そんな中で、本作は火薬工場と火薬の密輸、爆発(日活映画には珍しく、なんとミニチュア特撮!)など、少しでも経路の違いを出そうとした作品だ。
浩次と争うライバルとして登場する神山繁も、実は警察の潜入捜査官だったと言うオチもあり、なかなか楽しい1本。ところで、この頃の神山繁を見て思うのだが、若い頃のこの人って、手塚治虫の描く悪役“ハムエッグ”に似てない?まるで漫画から抜け出てきたような印象さえ受けるのはオレだけかな。
毎度お馴染み、怪しい中国人はもちろん藤村有弘。テキトー極まりないない中国なまりがグーだ。

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2005.03.17

3/17 『銀座旋風児 嵐が俺を待っている』

DVDで『二階堂卓也 銀座無頼帳/銀座旋風児 嵐が俺を待っている』を観る。

東都タイムズの荒木(青山恭二)は、東京税関の木田(石丘伸吾)から、東京税関の柴田課長(浜村純)の令嬢が誘拐されていることを聞かされたが、分かれた直後に木田は何者かに殺されてしまった。二階堂卓也(小林旭)は、木田が死ぬ直前荒木に渡した小型カメラの謎を追い、情報屋の政吉(近藤宏)、助手の明子(浅丘ルリ子)と共に調査を開始する…。

61年製作の野口博志監督作品。
ギンザマイトガイ・シリーズもこれが第4作目。アキラのイカシっぷりにますます拍車が掛かり、もう大変なキザ野郎になっている。こんだけキザでイヤミにならないのがスゴイなぁ。この二階堂卓也、「渡り鳥」の滝伸次や「風来坊」の野村浩次と違って、ほとんど拳銃を撃たない。手にしたステッキで、悪者をバシバシ倒していく。これがまた、伊達男ぶりに磨きをかけている。

共演は、ルリ子ちゃんはもちろんのこと、南風夕子演じるおでん屋のお春さん、荒木記者の青山恭二と殆どがいつもの面子。でも、情報屋の政吉は、本作では3代目の近藤宏。近藤宏は、家を騙し取られそうになるダメな若旦那だったり、悪役だったりと、色んな役をこなすバイプレイヤーだが、今回は完全にコメディリリーフだ。こんな3枚目の役こそ、真価を発揮できる役者さんなのかもしれないなぁ。
旋風児を付け狙う隻眼・隻耳(とは言わんか…)のボクサーくずれに、毎度お馴染み高品格。ほとんど“イゴール”みたいになってるのが可笑しい。
若かりし頃の松尾嘉代が、柴田家の娘を演じているが、これが驚くほどイモっぽい。なんだか田舎の地味な中学生みたいで、今の派手な松尾嘉代からは想像もできないような雰囲気である。

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2005.02.26

2/26 『二階堂卓也・銀座無頼帖 銀座旋風児』

DVDで『二階堂卓也・銀座無頼帖 銀座旋風児(ギンザマイトガイ)』を観る。

“銀座旋風児”の異名をとる二階堂卓也(小林旭)。職業は装飾デザイナーだが、銀座では粋な伊達男として誰一人知らぬ者のない人気者だ。ある日、卓也は情報屋の政(宍戸錠)から、中国人の王徳宝(芦田伸介)がダイヤを売りさばき、キャバレー“モナコ"の建築資金にしていることを知らされた。王を追って香港に渡った卓也は、王を狙う明子(浅丘るり子)と知り合った。彼女の父は戦時中、王たちによって無実の罪を着せられ、殺されたのだと言う。日本に帰った2人は、王たちの悪事を暴こうと身辺を探り始めるが…。

人呼んで“銀座旋風児”、またの名を“ギンザマイトガイ”、そして“銀座退屈男”にして“装飾業界の麒麟児”(笑)!
二階堂卓也は、カッチョイイんだかワルイんだか、凄いキャッチフレーズが多すぎて困っちゃうヒーローだ。確かに、それも頷けるカッチョ良さではあるんだが、なんでそんなに人気者で有名でモテモテなのかは、映画を観ているだけでは全く分からないところが、この男の魅力でもあったりする。ついでに、物語自体はヘンに煩雑だし、なんで二階堂卓也がそんなに頑張っちゃってるのかもいまひとつ分かりにくい。だが、それでもカッチョ良さだけで押し通してしまう。流石は最盛期のアキラだぜ。
それに、ルリ子ちゃんがやたらと可愛くて参る。香港(実は横浜で撮影してるが)で少年っぽいチャイナ服姿で初めて登場した場面と、クライマックスでバンドマンに扮装している時の可憐な姿は、マジで痺れちゃう可愛さである。惚れるぜ、ルリ子ちゃん。
その他、卓也の手足となって働く政の軽妙さ、いつも呑んだくれてる西村晃も絶品だ。

さて、この映画を観ていると、気になるフレーズが何度も出てくる。「日本人なら~」とか「同じ日本人として~」とか、妙に“日本人”を強調した台詞が多いのだ。それもその筈、この映画の原案・脚本は、かの川内康範大先生。ある種、国粋主義的に日本と亜細亜を憂いている人だからなぁ。『怪傑ハリマオ』から『レインボーマン』、『コンドールマン』へと、脈々と息づいて行くいかにもな“康範節”である。

監督は、『流れ者』シリーズや赤木“トニー”圭一郎の『拳銃無頼帖』シリーズの野口博志。知らなかったんだが、この人は後年、野口晴康と改名している。そう、幼い頃から何度となく観ている『大巨獣ガッパ』の監督と同じ人だったのだ。今回DVDの特典を見て、初めて気がついた。

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2005.01.10

1/10 『カンフーハッスル』

新宿ミラノで『カンフーハッスル』を観る。

チンピラのシンは(チャウ・シンチー)、街を牛耳るギャング団「斧頭会」に憧れていた。ある日、自分は斧頭会だと偽り、貧民街の豚小屋砦で因縁を付けたが、あっという間に返り討ちにされてしまう。この騒動に本物の斧頭会も巻き込まれ、凄腕の刺客を放つが、実は住人たちはカンフーの達人だったのだ…。

マジで面白い!
『少林サッカー』とどっちが好きかで意見が分かれるだろうけれど、オレはこっちの方が好きかな。ありがちな展開を、やり過ぎ感溢れる極端な表現で笑いに昇華する。それはシンチーの得意な手法。だが今回は、その手法を使いつつ、真っ向勝負に出たところがポイントだ。『食神』もそうだったけど、料理でカンフーとか、サッカーでカンフーとか、“カンフー映画”をやりたいけど、捻ったところに着地させていたのに、今回は直球ド真ん中のカンフー映画。原題も『功夫』と全く捻らず、その自信のほどがうかがえる。

物語とかそれぞれの描写について、ここでゴタゴタ言っても仕方がない。ただ観て、楽しめばいい映画だ。それだけに、一昨日観たばかりの『ゴジラ FINAL WARS』との出来の違いが大き過ぎて、正直なところ情けなくなってくる。
この映画でも随所に『マトリックス』を意識した場面が登場する。例えば、スミス百人組手よろしく、シンチーが黒服の斧頭会を次々と叩きのめす場面がある。この映画でそれを観ても、パクリなどとは思わない。それはシンチーとユエン・ウーピンによる、ハリウッドへの返答だからだ。「オレたちだったらここまでやる。ここまで面白く出来る!」そんな魂が感じられる。「『マトリックス』以降、タイムスライスはよく観るけれど、その状態で“腕ひしぎ”をやったヤツは居ない」なんて、レベルの低いことをうそぶくどっかの誰かさんとは大違いだ。

物語中盤で、シンチーが一時画面から退場してしまう構成は多少問題もあるけれど、それでもこんだけ面白いんだから文句はないな。

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2005.01.08

1/8 『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』

DVDで『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』を観る。
もちろん『ゴジラ FINAL WARS』にムカついたからだ。

太平洋戦争で死んだ英霊やアメリカ兵の魂が宿って、ゴジラが日本を目指す。それを迎え撃つのがバラゴン、モスラ、ギドラの大和護国三聖獣。
思想的には色々と問題があるが、金子修介は怪獣映画は何を見せるべきなのかがよく分かっている。姿を見せないところと、徹底的に見せる破壊のスペクタクル。怪獣自体のカッコよさと恐ろしさ。戦いのカタルシスとドラマとしてのカタルシス。どれもが『FINAL WARS』にはなかったものだ。直後だけに、余計に面白さが際立って感じられる。

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1/8 『ゴジラ FINAL WARS』

今日は土曜日だってのに、クダラナイ用事で出社。夕方から新宿コマ東宝で『ゴジラ FINAL WARS』を観る。毎年恒例のお正月行事で、観に行くのももちろん毎年同じ面子。

近未来、世界は恒常的に怪獣災害に見舞われていた。人類は怪獣に対抗するため、特殊能力のあるミュータントを集め、M機関と呼ばれる部隊が結成した。そんなある日、海底から謎の巨大怪獣の死骸が見つかり、研究のために音無美雪が国連から派遣され、M機関の尾崎真一が護衛にあたることになった。時を同じくして、世界各国で同時に怪獣たちが出現した。地球防衛軍は必死で対処するが、怪獣たちを止めることは出来ない。だが、突如現れた異性人の宇宙船が、全ての怪獣を消滅させてしまった。彼らはX星人と名乗り、地球との和平を望むが…。

昨年『サンダーバード』を観た時と同じ気持ちになった。それは一言、“憤り”だ。

何もかもがダサイ映画である。
怪獣自体、新・轟天号、X星人やミュータント兵、水野久美のメイク等々、デザイン全般がともかくダサくて意味が分からない。だが、デザインのダサさなんてのは、演出でカッコよく見せることも可能だろう。しかしこの映画は脚本も演出も、気が遠くなるほどダサイ。いやダサイと言うよりも、カッコ悪いのだ。それは脚本家自身、監督自身、ついでにこんなものを許してしまうプロデューサー自身の“勘違い”に由来してるんじゃないだろうか。
「ほら、オレってカッコイイだろ?」
そんなことを思ってるバカが作った映画のような気がする。それが本当にある種のスタイルまで昇華出来ていれば、それは本当にカッコイイものとなる。例えば、『ブレイド』のウェズ公は、あのバカとしか言いようのないスタイルとアクションを貫いたからイカスのだ。だが、この映画でやっている“カッコイイこと”は、無断借用してきた物でしかない。全てはどっかで観たもののパクリである。『MI:2』そっくりのバイクアクション、『マトリックス』そっくりのシチュエーションとバトル、近年のアクション映画で流行りのロングコートetc、etc…。観ていて、極限までの恥ずかしさを感じさせる。作り手は、これはパクリではない。引用だ、オマージュだ、リスペクトだ、と言うのかもしれないが、それは敬意を払ってこそのものである。この映画は無自覚にパクッているだけだ。
では、北村龍平らしい部分はないのかと言えば、それはグルグル振り回すカメラにある。やたらとカメラが回りながら被写体を捉える。だが、そこには特に意味が見出せない。状況や立ち位置を見せるためでも、何かの心情を現すのでもない。ただ雰囲気で回っているだけのようにしか見えない。
その上、作者たちがカッコイイあるいは面白いジョークだと思っている台詞や台詞回しも、ことごとくサムく、滑っている。
こんな映画に出演することになった水野久美、佐原健二、宝田明、そして北村一輝が可哀想でならない。

「これまでの平成『ゴジラ』のダメっぷりに比べれば、この映画の方が全然マシだ」とする論調もある。確かに、一部の例外を除き、ほとんどはダメ映画だった。だが、それでもこの映画と違って不愉快ではなかった。それは北村龍平が、怪獣映画など全く好きではないことが、映画のあらゆる場面から伝わってくるからだ。
『ゴジラ』シリーズは全て観ている。昭和シリーズの中には、ブラウン管でしか観ていないものもあるが、平成シリーズは全て劇場で金を払っている。『ガンヘッド』も『ヤマトタケル』も平成『ガメラ』も何もかも、この20年分くらいの日本製怪獣映画は劇場で観ている。『超少女REIKO』、『アンドロメディア』、『ジュビナイル』から、『8マン~すべての寂しい夜のために』まで、特撮映画も大抵は金払って観た。年がら年中、「こりゃあヒドイ」「こりゃダメだ」「何考えてこんなの作ってんだ」とか言ってた様な気はする。でも、ここまで愛のない映画は存在しなかった。あのとてつもなくダメな映画だった平成『モスラ』三部作ですら、眠くてカッタルかったけれど、不愉快ではなかった。
北村龍平許すまじ!

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2005.01.02

1/2 『ガンマー第3号 宇宙大作戦』

DVDで『ガンマー第3号 宇宙大作戦』を観る。

22世紀、10時間後に地球へ衝突することが判明した遊星フローラの爆破のため、ランキン中佐(ロバート・ホートン)が地球を飛び立った。隊員たちと共に決死の任務を成功させ、宇宙ステーション・ガンマー3号に戻ったが、宇宙服に付着した謎の緑色の物質から、怪物が生まれてしまう。エネルギーを吸収し、増殖を始める怪物。果たして彼らは怪物を撃退することができるのだろうか……。

映画が始まって25分も過ぎると、もう遊星フローラの爆破に成功している。地球的危機を『妖星ゴラス』よりも『アルマゲドン』よりもスピーディに処理してしまう、東映特撮チーム(実際には日本特撮株式会社ってとこがやってるけど)の素晴らしさよ。
もちろん、遊星フローラがぶつかることなんて、この映画にとってはきっかけでしかない。肝心なのは、その後の宇宙怪物との戦いだからだ。スライム状物質の付着から、ステーション内での増殖、次々と襲われる隊員たち。そして怪物を倒すために次々と作戦を立て、柔軟に変更していく姿がカッコイイ。とても35年も前の映画とは思えない速度で、畳み掛けるように展開していくのが気持ちいい。深作欣二を起用した最大のメリットはこのテンポだな。
俳優が全て外国人なことと相まって、米国製50~60年代SFを観ているかのような錯覚すら覚える。と言うか、同監督の『宇宙からのメッセージ』や、日本SF界が総力を結集した『さよならジュピター』よりもよっぽどSFマインドに溢れる映画になってるのは何故なんだろう?
記憶していた以上に面白い快作だ。観直して良かった!

東映がこの映画のDVDを発売するんだから、『緯度0大作戦』もなんとか権利をクリアして発売してよ、東宝さん。あれ、『ガンマー第3号』は昔ビデオ出てたんだっけか?

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2004.12.30

12/30 『黒い傷あとのブルース』

DVDで『黒い傷あとのブルース』を観る。

堤組の若頭渡三郎(小林旭)は、傾いた組を立て直す資金繰りのために、小牧(大坂志郎)の持ってきた拳銃密輸取引の罠にハメられてしまう。そして刑務所に入っている間に、組長は亡くなり組も解散。5年後、小牧への復讐だけを胸に出所した渡は、小牧が横浜に居ることを聞きつけた。弟分の丈二(郷えい治)と共に、小牧の行方を追う渡。今は小牧がスーパーマーケット経営で成功している突き止めるが、同時に偶然知り合ったバレリーナの洋子(吉永小百合)が小牧の娘がであることも知る…。

珍しくアキラと吉永小百合が共演した61年の野村孝監督作。
復讐譚としてはいまひとつパンチには欠けるけれど、無難な佳作である。

本作では神山繁演じる茂原が一番の悪役であり、妙にテラテラしたトッチャン坊やっぽさが、いかにも悪そうである。だが、より注目すべきは小牧を演じる大坂志郎だろう。大坂志郎と言えば、善良そうな小市民役が多いが、その気の弱そうな表情の奥に潜む“小者な邪悪感”がよく出ている映画だ。本作でも本人が悪な訳ではなく、巻き込まれて悪事に手を染めてしまう役柄ではあるが、オドオドと銃を構える姿や、自分たちの幸せのためには平気で人を踏み台にするイヤな雰囲気が絶妙だ。

アキラはいつものごとくだが、今回はちょいと陰りの強い役柄で、郷えい治は一本気な弟分を好演。
久々に見る若い頃の小百合ちゃんは凄く可愛い。だけど、やっぱりアキラにはルリ子ちゃんの方が似合うよな。
そう言えば、吉永小百合は上品に老けたけれど、浅丘ルリ子はいくつになっても強烈な付けまつげと化粧で、なんか下品に老けちゃったのが悲しい。笹森礼子は、今どうなってんだろ?美しく老けてて欲しいなぁ。

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2004.12.26

12/26 『原始怪獣ドラゴドン』

DVDで『原始怪獣ドラゴドン』を観る。

メキシコの片田舎で、牧場を拓いたジミー(ガイ・マディソン)。フェリペ(カルロス・リーバス)の協力で、牛は順調に育ち、買い手も付いた。そんなある日、牛が沼にはまって死んでいるのが見つかる。美人のサリータ(パトリシア・メディーナ)の婚約者で、地元の名士エンリケ(エデュアルド・ノリエガ)の嫌がらせと思われたが…。

高校時代に、東京12チャンネルの「お昼の奥様ロードショー」で観て以来だな。あの番組は90分の放送枠で、映画は正味60分にカットして放送していた。だからこの映画のトロい展開も気にならなかったんだろう。なんてったって、80分の映画なのに、初めて怪獣らしきものが現れるのが50分後、ちゃんと姿を現すのは60分以上経ってからだ。
映画の原案は、かのウィリス・H・オブライエンだけれど、特撮担当は監督でもあるエドワード・ナッソー。人形アニメの技術的にもショボいことこの上なし。怪獣よりも、怪獣に驚いた牛たちのスタンピート(もちろん実写)の方が、迫力もある見せ場になっているのが悲しい。やたらと舌をビロビロと出す姿は、見ようによっちゃあ可愛いと言えなくもないが…。
西部劇と怪獣映画の融合って試みは悪くないんだけどねぇ。

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2004.12.25

12/25 『完全な遊戯』

DVDで『完全な遊戯』を観る。

壮二(小林旭)は、仲間の戸田(梅野泰靖)、秋谷(柳瀬志郎)、沖津(武藤章生)と暇を持て余して麻雀をしながら、どうにかして遊ぶ金が手に入らないかと相談をしていた。そんなある日、戸田が競輪のノミ屋から金をふんだくる計画を思い立つ。川崎の競輪場から吉祥寺のノミ屋に結果が伝わるまでの数分間に、先に情報を入手して儲けようって魂胆である。色男の富田(岡田真澄)も仲間に引き入れて、周到な準備をして計画は成功したかに見えた。だが、ノミ屋の鉄太郎(葉山良二)に、その掛金を支払う金がなかったことから、計画は意外な方向に進み始める…。

石原慎太郎原作、舛田利雄監督による58年のモノクロ映画。
公衆電話の台数も限られていた時代だからこそ成立する犯罪計画で、今ではどうやったって出来ない犯罪。数少ない電話をいかに上手く活用して、相手より先に情報を入手できるか。最近だと、時間内ハッキングとかになるんだろうけれど、電子犯罪よりも物理的な犯罪の方が全然スリリングだよな。もちろん、それを描く演出力があってこそなんだけど、舛田利雄はその辺りをシャープに演出している。冒頭、皆が麻雀をしながらムダ話をしている場面で、カメラが彼らの周りをゆっくりと回り込む。その描写が、あまりにもタランティーノっぽくて驚いちゃったよ。
で、犯罪計画を描いた前半部分が非常に面白かったのが、後半クズ人間たちのクズっぷりに変わってきて、かなり暗い気持ちになる。とは言え、これでも相当ヌルいらしく、原作の嫌っぽさはこの映画の比ではないと言う。
原作は、たまたま知的障害のある女を拾った学生たちが、みんなで彼女を輪姦しまくり、最後は殺してしまうだけなのだそうで、ノミ屋詐欺とかはないんだそうな。全く違う話じゃねぇか!青少年非行防止のためにエロ本を規制しようなんて言い出す都知事が、昔はそんな鬼畜小説を書いてたんだね。…って言うか、そんなの書いてた人間が、エラそうに規制なんかすんなよ。

特典映像の舛田利雄インタビューも面白かった。
元々はみんなで輪姦謀議をする場面があり、賛成するもの、反対するもの、それぞれの思惑や苦悩があり、そここそがこの映画のテーマだったのだが、映倫が丸ごとカットしてしまったんだそうだ。輪姦場面がカットになったんなら話も分かるが、その謀議の場面がだ。それはあった方が良かったんじゃないのかな。どっちにしろ直接的な描写はないけど、完成した映画の内容だと、単に岡田真澄が劣情を催して、芦川いずみを犯しただけにしか見えないもんな。

昭和30年代半ばの吉祥寺の風景が、今とあまりにも違うのも興味深い。親戚が住んでいたので、40年代半ばには幼いオレも吉祥寺に行くこともあったけど、その時とも既に風景が違うような気がする。なんだか凄く田舎で、今の吉祥寺からは想像もできないような場所である。

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2004.12.15

12/15 『高原児』

DVDで『高原児』を観る。

山の工事現場で働く、現場監督の健次(小林旭)。医務室の看護婦伸子(浅丘ルリ子)は彼に恋していたが、姉が経営する別府の牧場のピンチを知り、急遽国に帰ってしまった。丁度そんな時、一人の男(近藤宏)が工事現場の医務室に運びこまれて来た。男は伸子の実家スズラン牧場を知っているらしい。健次は伸子を窮地から救うため、一路別府へと向かった。そして健次は、スズラン牧場が高山(二本柳寛)と花田(金子信雄)に狙われていることを知り、伸子の兄・五郎のフリをはじめるが…。

今回は別府ウェスタンである。ピンチのルリ子ちゃんを救うため、会社をほったらかしてまで、別府に向かうアキラが男らしい。だけどそのやり方がね。敵を欺くにはまず味方から。それはそうなんだろうが、ルリ子ちゃんにも何も教えないまま、兄のフリをして義理の姉の夫になりすますってのは、かなりムリがある。ムリを承知でゴリ押しするのが日活アクションでもあるが…。

本作で美味しいのは、宍戸錠の実弟でもある郷えい治演じる“クレイジーのゲン”。カウボーイハットで凄腕の拳銃使い。一体どこの世界からやってきたんだオマイは!と突っ込まずには居られないが、それでも独特の存在感が素晴らしい。早死にしちゃったのが惜しい役者だ。

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2004.11.20

11/20 『コラテラル』

新宿プラザで『コラテラル』を観る。【ネタバレ】

いつかリムジン会社を作ることを夢見ながら、ロスでタクシー運転手をするマックス(ジェイミ・フォックス)。ある日彼は、1人の女性客----検事のアニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)と知り合いになった。彼女を降ろした後、すぐに乗って来た男(トム・クルーズ)はヴィンセントと名乗り、多額の謝礼を払う代わりに一晩の専属ドライバーとして、朝までに5箇所の顧客を回るようマックスに依頼する。だがヴィンセントのビジネスとは、プロの殺し屋だったのだ…。

昔は大好きだったのに、ここんところ『インサイダー』『ALI』も見逃しちゃってるマイケル・マン監督最新作。ツメが甘いとか色々言われているようだが、マイケル・マンが好きな人にとっては、一箇所を除いて問題のない1本でしょう。
冒頭から最後まで続くのは、ひたすら夜のロサンゼルス。濃密な夜の中を走るクルマと人々をネオンが照らし、それをマイケル・マンらしい、クローズアップショットで丹念に積み上げていく。単純に“スタイリッシュ”と言う人も多いけど、そんな一言だけではない、この密度感を出せる監督はなかなかほかには居ない。
それだけに、“阪本順治的偶然”に頼った展開が非常に残念でならん。映画のウソと言ってしまえばそれまでだけど、「その偶然はないっショ!」と思わずツッコミを入れたくなる展開だ。
片っぽで、「こんだけ沢山人が死んでるんだから、1人くらい死んだって大したことじゃない」みたいなことを言いながら、偶然にもそのたった1人が、今日乗っけた客だったって、そりゃあ…。そこ以外はいいんだけどネェ。

予告を見て「ドリフの老けメイクみてぇ」と思ってバカにしてたトム・クルーズの銀髪も、しばらく観てると違和感はあんまりなくなるし、ジェイミ・フォックスもいい芝居をしている。ナイオビ…じゃなかったウィル・スミス夫人は、まぁどうでもいいんだけど。そういえばジェイソン・ステイサムが、ほんのちょびっとだけ出てたな。

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2004.11.03

11/3 『キャットウーマン』

新宿ミラノで『キャット・ウーマン』を観る。

画期的な老化防止化粧品「ビューリン」の発売を目前に控えたヘデア社で、広告デザイナーをしているペイシェンス・フィリップス(ハル・ベリー)。引込み思案な彼女は、その「ビューリン」の広告でも失敗して社長(ランベール・ウィルソン)を怒らせてしまうが、社長夫人で同社のモデルでもあるローレル(シャロン・ストーン)の口添えで、彼女はもう一度チャンスを与えられる。再プレゼンの日、彼女は「ビューリン」には恐ろしい副作用があることを知ったために、警備員によってよって殺されてしまった。だが、奇妙なことに彼女の遺体に無数の猫が寄って来た。そして彼女は、猫の能力を持った“キャットウーマン”として蘇った…。

ピトフは、ジュネ&キャロ組出身で『ヴィドック』の監督だけあって、ヴィジュアル的にはとても面白いことをしている。
ひとつは、多用される空撮映像。通常のヘリ撮影ではどう考えても不可能な軌道と画角で、都市を映し出す。ビルを真下に見る真俯瞰での移動から、パンナップしつつカメラが降り、ビルを回り込んで、アオリでぴたりと止まる。きっとCGなんだろうが、もしもこれがスカイカムか何かを使った実写だったら凄いことだ。
そしてもうひとつは、キャットウーマンの主観映像。彼女の驚異的な視力の表現として、急Z.Iしてヴィジョンが形作られるような、奇妙な映像が挿入される。これもデジタルならではのものだけれど、非常に不思議な画で面白い。
その他にも、ドゥカティに乗るハル・ベリーの、一瞬足りともマトモに映さないブラしまくった映像(もしかしたらヘルメットを被ってる姿を見せない為だったのか?)や、全てのオフィスの人が微速度撮影された中で、1人だけ通常速度で働くハル・ベリーなど、凝った映像が色々とある。
だが、『ヴィドック』と同じで、映像的には面白いのに、どうも話が盛り上がらない。ピトフは構成力が弱いんじゃなかろうか?

『フリントストーン モダン石器時代』以来、ハル・ベリーはオレの好みの女優さんだが、この映画はどうなんでしょう?
発表されるやいなや非難轟々だった、『ゴールドパピヨン』みたいなボンデージ衣裳でムチを振り回す猫女。カッコ良いですよ、そりゃハル・ベリーだもの。だけど、『バットマン・リターンズ』のミシェル・ファイファーと比べちゃうと、ちょっと分が悪い。哀しさとか狂気が伝わってこない。自信がなく、引っ込み思案で、臆病で、イケてない女が、キャットウーマンに変身した途端に、自信満々で、攻撃的かつ色気たっぷり子さんになる。そのギャップ、振れ幅が、ハル・ベリーでは小さすぎる。ミシャル・ファイファーが「ミャアオウゥ…」と言った時の物憂げな猫っぽさと比べてしまうと、ハル・ベリーの「ミャアオウゥ!」は、あまりにも攻撃的だ。それは猫ではなく、同じネコ科でも“豹”のそれなのである。
女優ではなく、ティム・バートンとピトフの資質の違いなのかもしれないが、期待してたものとは違うよな。
今回は、悪女を演じるシャロン・ストーンの方が魅力的。「どうせアタシはビッチですから」と言ったかどうかは知らないが、いかにもワルそうな美女を好演している。でも、特に超能力があるようなスーパー・ヴィランじゃないので、役者としては良かったが、キャットウーマンの相手としては役不足。
見終わってツマラナカッタんではないけれど、猛烈に物足りなさの残る映画であった。

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2004.10.20

10/20 『こねこ』

DVDで『こねこ』を観る。

モスクワのとある家。子供たちはお婆ちゃんに1匹の子猫を買ってもらった。“チグラーシャ”と名づけられた子猫は、日々イタズラをして家族を困らせてばかり。ある日のこと、チグラーシャは窓からトラックの荷台に落ち、家から遠く離れた場所に行ってしまう。家族総出でチグラーシャを探すが、その頃チグラーシャは、雑役夫のフェージンに拾われて……。

会社の女の子から「是非!」と貸されたDVD。机の上に置いといたら、別なネコ好き男がそれを見て言う
男 「あ、“チグラーシャ”の映画ですね」
俺 「へ?!なんでこんな映画知ってるの?」
男 「ネコ好きの間では凄く有名な作品なんですよ」
俺 「そんな有名なの?(オレは全く知らなかったけど…)」
男 「大抵のネコ好きは見てるんじゃないですかね」
そんなもんなんですか?
ちなみに、オレは動物は好きだけどネコアレルギーなので、猫に触ると目がショビショビしてしまう。

さてこの映画、単なる児童映画なのだが、ちょっと不思議な構成。
最初の方は、行方不明の仔猫とそれを探す子供たちの話なのが、途中から仔猫とそれを拾ったオヤヂの話になっていく。アレレ?てなもんだが、実はこのオヤヂこそが、本作のキーマンなのだ。このってオヤヂが、世にも珍しい猫調教師なんだそうで、猫たちの達者な演技を引きだしているのだそうな。綱渡りよろしく肩の上をシャナリシャナリと歩いたり、縄飛びをしたりと言った猫曲芸、そして主役のトラ猫チグラーシャの驚くべき演技も、すべてこのオヤヂあったればこそ。
映画としてどうだとか言うようなものではないが、猫たちの演技は一見の価値ありだ。

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2004.10.17

10/17 『危険な動物たち』

DVDで『危険な動物たち』を観る。

世界的大企業オクトパス社の社長ロッド・マッケイン(ケヴィン・クライン)は、英国の動物園を買収し、20%の増収を要求、新園長に就任したロロ(ジョン・クリース)は、目標をクリアするため、獰猛な猛獣たちだけの動物園を企画するが、飼育係たちは猛反対。彼らは大人しい動物たちを、危険に見せかけようと一苦労。そんな時、この動物園に興味を持ったキャリアウーマンのウィラ(ジェイミー・リー・カーティス)と、彼女に惚れている社長のバカ息子ヴィンス(ケヴィン・クライン二役)が本社から派遣されてきた…。

昔、機内映画で観て、『ワンダとダイヤと優しいやつら』には遠く及ばないと思って以来、そのまんま観直してなかった1本。今観直すと、思ってたよりも全然面白い。キャストも殆ど一緒だから、どうしても『ワンダ~』と比べてしまうが、比べないで単体として観れば、そんなに悪いもんでもない。皆唯一無二なキャスティングで、誰か他の人が演じていたら、きっともっとつまらないものになってただろう。ついでに、ピュンの『エイリアンfrom L.A.』でもお馴染みにキャリー・ローウェルも出てるしね。
また、ミーアキャットだのアリクイだのを、必死になって獰猛に見せかける展開はとても可笑しい。これって発想の元になってるのは、『ホーリー・グレイル』の殺人ウサギなんじゃないのかな?
監督は『アイスマン』のフレッド・スケピシ。最近名前を聞かなくなったけど、どうしたんだろう?オレは『愛しのロクサーヌ』とかも嫌いじゃないし、真面目な作風には割と好感を持ってたんだが…。

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2004.09.05

9/5 『GAMERA 1999』

ビデオで『GAMERA 1999』を観る。

先日、座長が遊びに来た時に途中まで観て、そのままだったので続きを最後まで。
以前にも1度観ているが、この『ガメラ3 邪神降臨』のメイキングは、抜群に臨場感があって面白い。最近のハリウッドVFX大作のメイキングは、コンピュータ上の画面ばっかりであんまり面白くない。中子真治のSFX解説を貪るように読んだ世代にはなんとも味気ないものばかり。でもこの映画では、まだまだアナログ手法が主流を占めている。作りこんだミニチュアや、スタッフが手でブン投げるバービー人形など、舞台裏の大変さと意外性の面白さがギュギュっと詰め込まれている。

ま、最初と最後にテロップが出るように、メイキングとしては20%くらいのフィクションや捏造があるんだろうが、面白いんだからいいよね。

それに、こんなイタいメイキングは他にはそうはないだろうし。

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2004.09.02

9/2 『恐怖の火星探険』

DVDで『恐怖の火星探険』を観る。

火星で消息を絶ったチャレンジャー号に生存者が居ることが判明。13人居たはずの乗組員は船長1人になり、救助船の乗組員は、船長が自分ひとりだけ助かるために、他の乗組員を殺害したのではないかと疑う。だが、地球への帰路に就いた宇宙船にも、火星の凶暴な生物が乗り込んでいた…。

『特撮秘宝DVD-BOX/エイリアン編』の2本目。
高校性位の頃になんかの上映会で、字幕なしのたぶん短縮版で観て以来の映画。そうか、こんな映画だったのか(笑)。
ダクトの中を徘徊し、犠牲者を引きずり込む怪物の描写は、まさに『エイリアン』。この映画は『エイリアン』の元ネタとしても有名な作品なのだ。
ちっこい宇宙船の中で、煙草を吸うだけでなく、手榴弾を連続爆発させたり、毒ガス弾を使ったり、果てはバズーカ砲まで撃つ始末。この宇宙船の乗組員たちの豪胆過ぎる行動はまさに漢。自分の命がいらない野郎ども(女子2名含む)だ。おまけにこんな状況下なのに、恋のさやあてから三角関係へ発展と、何を考えているのかさっぱりわからない。
あ、考証が云々とか言う映画ではないし、69分って短い尺な」こともあって、軽く楽しめる50年代SFの佳作だ。

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2004.08.28

8/28 『子連れ狼 死に風に向う乳母車』

米版DVDで『子連れ狼 死に風に向う乳母車』を観る。

大五郎(富川晶宏)を乳母車に乗せ、旅をする元公儀介錯人拝一刀(若山富三郎)。彼らは、街道脇で、三人の“渡り徒士"が旅の母と娘を犯し凌辱する現場に出くわす。だが“渡り徒士"の一人、孫村官兵衛(加藤剛)は、犯された母娘と “渡り徒士"の1人を斬り捨て、この一件を無きものとする。現場を目撃した一刀に官兵衛は立合を所望するが、それを断って去っていく。そんな一刀が宿泊した宿屋に、自分を買った女衒の舌を噛み切って殺してしまった女、お松が飛び込んでくる…。

若山・拝一刀による『子連れ狼』シリーズ第三作で、監督は三隅研次。
オレにとって『子連れ狼』と言えば、萬屋錦之助のTVシリーズである。だからこの映画版シリーズは、昔TV放送でチョロっと観ただけ。ちゃんと観るのは今回が初めてなのだ。

それにしても実に殺伐とした映画だ。いや、TVでさえもあんだけやるんだから、映画版がもっと凄いってのは分かっちゃいたことなんだが、犯すは、舌を噛み切るは、折檻するは、大五郎を囮にする(これはいつものことか)は、お殿様は既知外だは…と、昔の時代劇はホントに大らかですなぁ。

映画自体の面白さはさておき、今回の収穫はなんと言っても浜木綿子である。この人って、こんなにイイ女だったんだ!「忘八者(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の8つを忘れてしまったようなならず者ってことなんだそうだ)」の頭領として登場するのだが、キリっとした表情で「忘八者には忘八者の掟がござんす」と、淡々と語る木綿子姐さんがおっそろしくカッコイイ。ホームドラマでの印象ばかり強いので、なんかとっても新鮮。

この忘八者たちによる折檻が「ブリブリ(どんな字なのかは知らん)」と呼ばれている。どんな罰かと思ったら、荒縄で縛って逆さ吊りにした人間の周りを皆で囲み、竹刀だが木刀だかで叩き続ける。なんで“ブリブリ”って言うのかと思ったら、周りで叩く人たちが
「ぶ~りぶり!ぶ~りぶり!ぶ~りぶり~の~ぶ~りぶりっ!」
って掛け声を掛けるのだ。なんだソレ?
攻めを受けてる人はズタボロの酷い状態なのに、なにかマヌケ感が漂う折檻である。「カバディ」みたいなもんか?

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2004.08.20

8/20 『巨大アメーバの惑星』

『特撮秘宝』DVD-BOX「エイリアン編」の『巨大アメーバの惑星』を観る。

通信不能状態にあった探検船MR1号が、火星から帰って来た。だが中に居たのは、紅一点のアイリスと、謎の緑色の物体に侵された船長のみで、他の2名の乗組員は居なかった。火星で彼らに一体何が起こったのか?

イブ・メルキオール監督の60年のSF映画。オールド・ファンには、大伴昌司センセ命名の“コウモリグモ”こと“Rat-Vat-Spider-Clab”でお馴染みの映画である。今まで、『SF映画100年史』みたいなビデオ等でハイライト・シーンの一部は何度も観ているのだが、実は全編を通して観たのはこれが初めてなのだ。

映画の内容は、断片的に観ていたものから想像していた通り。
どチープで、セットはスカスカだし、科学考証なんて微塵もない、とんでもないB級である。だがそんなところも含めて、これは胡散臭い魅力に溢れた映画でもある。
何よりも印象的なのは火星の描写だ。ロケットの中では通常の映像なのだが、ロケットを一歩出ると、そこは強烈に真っ赤っ赤な世界。現像処理で着色とソラリゼーションを施された映像は、チープさに拍車を掛けつつも、特撮ののアラは誤魔化してしまう。宇宙服のヘルメットにシールドすらなく、むき出しの顔が出ていることも、よく観なければ気付かないほどに(笑)。
ツッコミどころも満載-----火星の風景を眺めながらアイリスが言う。「気持ち悪いわ…。草一本動かない」----それは火星の風景がただの書割で、絵だからだよ。それ以前に、火星にジャングルがあんのかよ!----いやいや、そんなことを言ってはいけない。これは愛すべき映画なのだから。

それにしても、こんなんまでDVDになるんだから凄いもんだ。嬉しい反面、金がいくらあっても足りないぞ。

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2004.08.19

8/19 『広域暴力 流血の縄張(しま)』

米版DVDで『広域暴力 流血の縄張(しま)』を観る。

警察の組織暴力団壊滅作戦のせいで、関東桜田会は解散することになったが、新宿を縄張りとする大野木一家だけは解散に首を縦に振らなかった。やがて、新宿ではチンピラによるシマ荒しが頻繁に起こる様になった。幹部の勇治(小林旭)が調べると、それは関西連合会会長の弟、陣野(名和宏)の仕業であった。関西連合会は、新宿を足掛かりに関東進出を企んでいたのだった…。

長谷部安春監督による69年の仁侠映画。
なんと言っても、加藤嘉が演じる大野木一家の親分にシビレル。今にもこめかみの血管が破裂して死にそうな雰囲気なのに、昔気質の親分肌で侠を通す姿に惚れ惚れする。その前にあっちゃあ、小林旭も名和宏も葉山良二も霞んでしまう。そんな中、いつも黒い子猫を抱いている大野木一家の客分役の藤竜也が美味しいところを持っていく。葉山良二の弟が殺されたにもかかわらず、手打ちになって腹の虫が収まらない組員の代わりに、警察の前で仇を刺し殺す。当然のようにすぐに警官に取り押さえられるのだけれど、すんなりドスを渡して手錠を掛けられる。このシーンが雨の効果もあって非常にかっこいい。
真っ赤な背景とか、長谷部安春らしいこだわりはあるけれど、映画としてはそれほど特筆すべき面白さはない。それを役者でフォローした佳作かな。

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2004.08.07

8/7 『恐喝こそわが人生』

米版DVDで『恐喝こそわが人生』を観る。

チンピラの村木(松方弘樹)は、自分の勤めるバーが、酒屋から密造酒を入れていることを立ち聞きし、そのせいでヤクザに袋叩きにされる。アタマに来た村木と、彼の仲間のお時(佐藤友美)、野口(城アキラ)、関(室田日出男)は酒屋をゆすり、十万円をせしめた。これに味をしめた彼らは恐喝屋になり、次々とターゲットを狙っていくが…

松方弘樹がアブラギッシュになり切っちゃう前の、まだそこそこスッキリ顔をした68年の映画。深作欣二監督作品だけあって、松竹なのに東映漢臭がプンプン匂うピカレスク・ロマンである。犯罪ものではあるけれど、派手なアクションとかは一切なく、その代わりと言ってはなんだが、回想シーンの粒子の荒れたモノクロ画面がいかにも深作っぽくてカッコイイ。
大体、殺し屋とか銀行強盗団とかってのではなく、“恐喝屋”の主人公たちってのが、実にアウトサイダー・テイスト溢れる設定でイカス。その仲間たちが皆そろってクセもんばかり。中でも、元ボクサーの野口がお気に入り。何かって言うとファイティング・ポーズを取るのが、ステレオタイプなようで、割と珍しいキャラだ。
クライマックスのアンハッピーエンドの刹那なトーンも渋くてイイ。ただ噴出す血があんまりにも朱色っぽすぎるのが難点ではあるけれど。

米国製DVDなのに、特典映像には深作欣二のインタビュー入り。インタビュー内容からすると、『BR I』『BR II』の間の時期に収録している。こんなこともやってたりするから、意外と米国版の日本映画DVDは侮れない。

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2004.07.17

7/17 『クール・ワールド』

DVDで『クール・ワールド』を観る。

第二次大戦直後のアメリカ。交通事故に遭ったフランク(ブラッド・ピット)は、その事故とは全く関係なく、カートゥーン世界“クール・ワールド”に迷い込んでしまった。そして時は流れて1992年、この世界唯一の生身の人間として、ハンスは刑事としてこの世界の秩序を守っていた。だがある日、この世界を作った----元のコミックスを書いたジャック(ガブリエル。バーン)が迷い込んだ。それを知ったホリー(キム・ベイシンガー)は、彼を誘惑し、生身の身体を持とうと画策するが…。

尻切れトンボな『指輪物語』『フリッツ・ザ・キャット』など、一貫して大人向けのアニメを作り続けるラルフ・バクシの92年の作品。
バクシには珍しく、『ロジャー・ラビット』風の実写俳優とアニメの合成もの。とは言え、相変わらず人間頭身のキャラは、ロト・スコーピングでヌルヌルと滑らかに描き、気持ちワル・イイのは、いかにもバクシ。もちろん、中身の悪趣味なセンスもバクシらしいので、好き嫌いがハッキリ分かれるだろう。
淫乱パツキンねぇちゃん、ホリー・ウッドのエロい感じのダンスが魅力的。声のキム・ベイシンガーに似せてるんだろうと思ってはいたけれど、まさか実写になって本人に変身するとは思いも寄らなかった。
アニメ・キャラではノータリン美女な感じが魅力だったが、実写になるとこのノータリンな雰囲気はちとキビシイ。バクシの野心的なトコは嫌いじゃないんで評価したいのだが…。

クレジットはベイシンガー、バーン、ピットの順番だけれど、実質の主役はブラピ。まだ今ほどの人気を確立していない頃だから、扱いが低いんだろう。

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7/17 『キング・アーサー』

新宿ミラノの先行で『インチキ・アーサー』…ぢゃなかった、『キング・アーサー』を観る。【思いっきりネタバレだが、構いやしねぇよ、こんな映画!】

ローマ帝国の支配下のブリテン。ローマとブリテンの血を引くアリテウス(=アーサー)は、ローマ軍の指揮官として、勇猛果敢な騎士たちとともにハドリアヌスの城壁を守っていた。彼らは15年の兵役期間を終え、いよいよ故郷へ帰れることになったが、教皇は最後の任務に付けと命ずる。それはサクソン人に包囲された北部の地からローマ人一家を救出すると言う、これまで以上に過酷な指令であった…。

これって、どこの国の「アーサー王伝説」なんだい?

アーサーの出生話(父・ウーサーが、コーンウォールをだまくらかしてイグレーヌを寝取る話)はなくて、アーサーは両親に育てられてて(だからマーリンとは大人になるまで会った事もない)、剣は抜くけど、それは父の墓標になってた剣ってだけで、エクスカリバーはただの父の形見の剣(だから湖の姫は出てこない)で、姉のモルガンは登場せず(だから、アーサーとの近親相姦で生まれて、父の命を奪うはずのモルドレットは出てくるはずもない)、マーリンは魔法使いじゃなくて蛮族の長老(だから、アーサーを魔法で助けたりはしない)で、グェネヴィアも蛮族の姫で、ランスロットとグウェネヴィアとアーサーは三角関係にならず、だからランスロットは裏切らないし、円卓は1シーン映るだけだし、「円卓の騎士」って呼称はただの1度も出てこないし、「キャメロット」って地名も一度も出てこないし、ウリエンスもパーシヴァルもケイもイゾルデも出てこないし、聖杯探求はしないし、アーサーは死なないし、だからアヴァロンに旅立ったりしないし、おまけに5世紀の話で、アーサーはウェールズじゃなくってサマラート出身のローマ&ブリテン混血と来たもんだ!(ハァハァハァ…)

普通の日本人にとっては「アーサー王伝説」なんて全然興味ないと思うけど、それにしたって、こんなメチャクチャな“ナイナイ尽くし”のアーサー王と円卓の騎士の話なんてねぇだろが!

高校生の時にブアマンの『エクスカリバー』を観て、「すっげぇ面白いし、カッチョイイ!」と思ったんだよね、オレ。で、映画とかゲームとかに、アーサー王の話って色々エッセンスが散りばめられてるじゃない?ちょっとは真面目に知っておきたいと思って、『図説 アーサー王物語』(アンドレア・ホプキンズ著/原書房刊)とか読んだりしてさ。
パンフを見ると、「最新の学説のひとつをベースに云々かんぬん…」とか書いてある。そりゃね、もしかしたらこれが正しいのかも知れないけど、多分(その学説を発表した学者を除いて)世界中で誰一人、こんなアーサー王の話を期待してないよ。
アニメの『魔法の剣 キャメロット』や、サム・ニール主演の『エクスカリバー 聖剣伝説』にもガッカリしたけど、この映画はそんなのの比ではない。アーサー王ものとしては、神谷明がアーサーを演った東映動画の『燃えろアーサー』の方が100倍マシだよ。

それでも、「アーサー王モノとしてはどうかと思うけれど、まぁ面白いからいいよね」とか言えてれば、まだしも救いがあったけれど、映画としても全く面白くない。
敢えて見所を探すと、氷上での合戦シーンと、風景を撮った撮影くらいかな。
感情移入は誰にも出来ないし、カタルシスはないし、大した話じゃないのにヘンに分かりにくい。

特に許せないのがグェネヴィアの扱いだ。
蛮族の姫?ガミラス人みたいに青白い顔して、乳バンド巻いて、歯をむき出して戦う弓の名手なんて、見たかねぇんだよっ!

ジェリ・ブラッカイマーと、アントワン・フークワには丸一日問い詰めたい気持ちで一杯だ。

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2004.06.12

6/12 『喧嘩屋一代 どでかい奴』

ビデオで『喧嘩屋一代 どでかい奴』を観る。

スラム街を仕切る喧嘩好きの男、青木吾郎(勝新太郎)は、ゴキブリと呼ばれながら、スラムの住人には慕われ、ヤクザからも一目置かれる存在だ。都市計画のためにスラムの取り壊しが決まったが、彼は身体を張って街を守ろうとする。だが、開発の陣頭指揮を執っていたのは、浮浪児時代の無二の親友、関口(山内明)だった…。


勝新主演、池広一夫監督作品。
この映画で勝新演じる吾郎は、現代の感覚で見るとちょっと不思議な役どころだ。
住所不定無職だが、羽振りはいいし気前もいい。スラム街を仕切るアニキ分で、喧嘩が強い荒くれ者だけど、ヤクザな訳ではなく、非合法なことも平気でやる。きっと昔はこんな男が本当に居たんだろうけれど、今じゃあんまり想像できないキャラクターだ。
で、そんな不器用な男を演じる、勝新の存在感が抜群である。クライマックス、自分の信じる通りに生き、それが人生の最大の失敗であることに気付く吾郎の姿。そして、そこにかぶる圭子(若かりし藤田弓子)の悲痛な叫びは、あまりにも哀しい。
これは無軌道で無鉄砲な男の生涯が、時代に飲み込まれていく様を描いた淋しい映画なのである。


オープニングの走るクルマを、ロングショットから真俯瞰まで捉えた1ショットに、池広一夫らしさがあるものの、それ以外は特に奇をてらわず、実に堅実な演習。にわかファンのオレとしてはちょっと物足りない感じもするが、やはりこの監督は現代劇よりも時代劇の方が似合うのだろう。

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2004.05.29

5/29 『CUTIE HONEY キューティーハニー』

新宿東急で『キューティーハニー』を観る。

ある日、科学者の宇津木博士が何者かに誘拐されてしまう。犯人は、博士の研究する“Iシステム”を狙う秘密結社パンサークローであった。海ほたるに籠城した犯人に、秋夏子警部(市川実日子)たち警察は、逆に手玉に取られてしまう。しかし、そこに謎の女戦士が現われた。キューティーハニー(佐藤江梨子)と名乗った彼女は、「ハニー・フラッシュ!」の掛け声とともに、次々と姿を変え、宇津木博士奪還するのだった。だが…。

観始めて、最初にアタマに浮かんだのは、手塚真の『星くず兄弟の伝説』だった。なんだかモーレツに自主映画臭いのだよ。それも、自主映画で評判の良かった監督が、初めて撮った商業映画っぽい匂い。色々凝ってやってみたことが、ほとんど裏目に出ちゃったみたいな、素人っぽい映画。
しばらく観ていると、今度は別なものがアタマに浮かんでくる。桂木文の『翔んだカップル』に代表される、大昔の『月曜ドラマランド』だ。演技の出来ない可愛いアイドルを主演に据え、演技が出来ない分をオチャラケたギャグで誤魔化した子供だましドラマ。当時、あのノリは嫌いじゃなかったけれど、今回の『キューティーハニー』が、あのドラマと同じでもいいのか?!そりゃダメだろう。あっちはTVでこっちは入場料を取る映画なんだぜ。

サトエリは元々顔がでかくて、アニメキャラ向きではないし、演技力だって全然ない。『修羅雪姫』の釈由美子ばりに頑張ってくれたらもっと良かったとは思うけれど、それでも一生懸命頑張った方だとは思う。篠井英介と片桐はいりは…はっきりとミスキャストだったけれど、及川ミッチーと手塚とおるは、いつものようにヘンに良い味を見せてくれた。
でも、それが映画としてまとまった時、猛烈に恥ずかしいものになってしまった。これがアニメだったら、こんなに恥ずかしくなかったんだと思う。生身の人間が演じる、アニメ的なストーリーとアニメ的な演出は、もう信じられないくらいこっ恥ずかしい。

ちなみに今回の“ハニメーション”って手法は、80年代の自主映画----特に河崎実の8mm映画等でよく使っていた手法で、全く目新しいものではない。(もちろんデジタルではないけれど)

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2004.05.23

5/23 『ゲット・ショーティ』

レンタルDVDで『ゲット・ショーティ』を観る。

マイアミの取立屋チリ・パーマー(トラヴォルタ)は、ボスが急死してしまったため、別の組織のレイ・ボーンズ(デニス・ファリナ)の傘下に入ることになった。彼は取立てに出向いたハリウッドで、B級映画プロデューサー、ハリー(ジーン・ハックマン)と知り合う。根っから映画好きのチリは、カネの取立てをしつつ、映画製作に興味を持ち…。

映画業界内幕ものと犯罪ものを合体させたコメディ。
「大の男が3人で子供を育てるような映画にゃ出たくない」って台詞に爆笑。
ひたすら映画マニアの取立屋って設定が面白く、随所に映画ネタが散りばめられた会話のセンスがいいし、あっちこっちでケラケラ笑いながら見てたんだが、映画自体のメリハリはいまひとつ。もっと楽しい映画になりそうなんだけどなぁ。バリー・ソネンフェルド監督作だから、この辺りが限界かもしれない。
難しい物語ではないのだが、意外と複雑…と言うか、二転三転するので、気軽に観られるコメディのようで、そこそこ真面目に観てないとアレレ?ってなる人も居るかもしれない。

でも、役者がみな、楽しそうに自分の役を演じているのがいいところ。主役のトラヴォルタはもちろんのこと、ご贔屓のデルロイ・リンド、お人よしの用心棒ジェームズ・ガンドルフィーニなど、誰もが良い雰囲気だ。中でも、アクが強くてアタマの悪い親分デニス・ファリナがナイスだ。もっと活躍させてやればいいのに。

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2004.05.14

5/14 『キル・チバ』と「ブラックデス」

先日『KILL BILL』のことを書いたが、今日はその周辺のヨタ話を2題。

killchiba.jpg

左の強烈なインパクトのパッケージのDVDは、米国で来週5/18発売予定の『KILL CHIBA』($19.95)だ。
これはなんと、クエンティン・タランティーノ・プレゼンツの一品。『キル・ビル』マニアな方のマスト・アイテムでしょう(笑)。中身は『激突!殺人拳』『直撃!地獄拳』『ゴルゴ13』の3本。特典一切なしの英語版、たぶん2chステレオ(それともモノラルか?)だ。タランティーノ・プレゼンツって銘打つんなら、せめて日本語音声英語字幕、5.1chにして欲しかった。
ちなみに、これまでも千葉真一のDVDは、米国で豪快な値段で沢山出ている。パッケージがどうしても欲しい、とか、タランティーノ・プレゼンツじゃなきゃイヤ!とか言うんじゃなければ、これまでに出てたものの方が断然お得!ソニー・チバ4本セットとか、カンフー映画4本セットとか、色んなタイトルでリリースされている。
中でも極めつけは、『10 Faces Of Sonny Chiba: 10 Movie Set』
『里見八犬伝』、『殺人拳2』、『ボディガード牙』、『激突! 殺人拳』、『忍者武芸帖 百地三太夫』、『女必殺拳』、『必殺女拳士』、『魔界転生』など、タイトル通り10作BOX。10本も入って$19.98!どれも画質はVHS並で、ステレオまたはモノラル英語音声のみのR-1DVDだけどな(笑)

2つめのお題は、「BLACK DEATH」(右写真)。
オレも家で飲んでいる酒なのだが、Vol.2でバドがずっと飲んでるのが、この「ブラックデス・ブランド」のシュナップス・ジン。
名前のインパクトとドクロ印のラベルが可愛いので、映画用小道具と思った人も多いかもしれないが、これは実在するお酒だ。シリーズは、写真のジン、ウォッカ、ゴールドラムだけでなく、これ以外にホワイトラム、テキーラがある。ラムはガイコツがラスタハットを、テキーラはガイコツがソンブレロを被ったデザインで、オシャレ度もアップ(笑)。
強烈な名前の割に、味はごく普通。探せば日本でも¥1300~2000くらいで買えるよん。
バドみたいなダメ人間になりたいあなたに是非。(あ、それはオレか…)

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2004.05.11

5/11 『キル・ビル Vol.2』

丸の内プラゼール(なんだよ、ピカ1ぢゃないのかよ!)で『キル・ビル Vol.2』を観る。

エルパソでの結婚式で殺されかけた“ザ・ブライド”は、The DiVASへの復讐を誓う。次なる標的はバド、エル、そしてビル。彼らを倒すために、アメリカに舞い戻るが…。

たいしたもんだね、クエンティン!
相変わらず、アンタのアタマの中がどーなっているのかわかんないよ。VOL.1と2は元々1本の映画として撮ってた筈なのに、このトーンの違いは一体ナニ?
前作のショウ・ブラザースロゴとは打って変わって、今回はモノクロのミラマックス・ロゴから静かに始まる。スーパーの書体も、リアプロジェクションの背景も音楽も、まるっきり往年のヒッチコック調のオープニングだ。
中身は、“タランティーノ流ウェスタン”とも言われているようだが、前作とはまた別なゴッタ煮映画になっている。

見せ場は沢山あるが、やっぱり一番インパクトがあるのは、映画史上“ベストバウト”の誉も高い「ブラック・マンバVSカリフォルニア・マウンテン・スネーク」のド迫力キャット・ファイト。でもオチが石井輝男風ってのがびっくりしつつも大笑い。
ルチオ・フルチだか『血まみれ姦婦の生き埋葬』だか知らないが、大胆かつ大笑いの「死の墓場大脱出」も衝撃だし、妊娠検査薬の件もサイコーだ。
リュー・チャーフィーによる「パイ・メイの猛修行」は面白いんだけれども、もうちょっと見せて欲しかったな。
…と、色々あって、開巻から100分くらいは、猛烈な勢いで話が進んで行く。体感時間は異様に短い。だがクライマックス(と言っても40分くらいあるが)で、ビルの元に辿り着いたザ・ブライドと観客は、信じられない光景を目にする。血みどろの大虐殺が始まるのかと思いきや、なんとそこには水鉄砲が待っていた。このサプライズは、デ・パルマの『愛のメモリー』の影響もあるんじゃないかと思うのだが、違うかなぁ?(Vol.1のときもそうだったけど、意外とデ・パルマからの引用を指摘する評がないのはなぜなんだろう?)
これまでずううううっとトップ・スピードで走ってきた映画を、ここでクエンティンは急激にブレーキを掛ける。ポンピング・ブレーキなんて悠長なことは言ってられない。観客も思わずつんのめる程の急停車だ。だけど、かったるくなる訳ではない。ここからがある意味真骨頂でもある。この期に及んで、延々とアメコミ論をぶつ悪役なんて、ほかの監督の映画じゃありえない!なんて面白いんだい、クエンティン!
アンタ、アタマがおかしいよ!

やりたい放題のバカ映画で、ある意味クエンティンの幼稚なパワー(ホメ言葉です)が全快だった左脳映画のVol.1と、やりたい放題のバカ映画なんだけど、ちょっと捻った、どちらかと言えば右脳映画になってるVol.2。世間では1と2で賛否が色々分かれてるようだけど、オレはどっちも甲乙付け難く好きだな。
パッと見の映像的には1本目の方が圧倒的にインパクトがあるし、日本が舞台なんで惹かれる人が多いのも分かる。それに、1作目の大スプラッター大会に辟易した人も、2作目を敬遠してるのかもしれない。だから今回は今ひとつ客の入りが悪いんだろう。でも、両方を観て脳内完結させないことには『キル・ビル』の本当の面白さは分からない。

四の五の言わずに観るべしっ!!

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2004.05.03

5/3 『ゴッド・ディーバ』

新宿ピカデリー3で『ゴッド・ディーバ』を観る。

2095年のニューヨーク。この人間とミュータント、エイリアンが暮らす街には、謎の空間“侵入口”があった。そして今、ハドソン川上空に突如出現した巨大ピラミッド。そのピラミッドの中には古代エジプトの神ホルス、アヌビス、バステトが居た。ホルスは死刑宣告を受け、白い肌と青い髪を持った謎の女ジルを探し始めるが…。

仏BD界の巨匠、エンキ・ビラル監督第3弾。
数日前に見たばかりの『CASSHERN』と、非常に似た映画である。もちろん、物語や作風が似ていると言うことではない。こちらも全篇に渡ってデジタル加工がなされた映画であり、また物語が非常に分かりにくい映画なのだ。だが、ベクトルはかなり違う。
最大の見所は、なんと言ってもビジュアルである。この映画、なんと生身の俳優が3人(ってパンフに書いて有るけどホントかな?もうちょっとくらいは居たような気もするんだが…)しか出ていない。そして、その3人以外はほぼ全てCG(シュモクザメ人間のダヤクは着ぐるみだと思うんだけど、アレもCGなの?)で作られている。ここで驚くべきなのは、CGキャラと生身の人間が同一画面内に共存していても、違和感がないってことなのだ。CGキャラクターはリアルではあるけれど、人間と見紛う程リアルな訳ではない。それにも関わらず、なぜか人間と馴染んでいる。逆に、人間の出演者----特にシャーロット・ランプリングとリンダ・アルディは、髪型などに特殊な幾何学感を出すことで、CGキャラに馴染むような工夫がなされている。そして全体を、ブルー/グリーン系のいかにもビラルっぽいくすんだ色調に統一したことで、CGと実写が見事に馴染んでいるのだ。
また、レトロ感溢れるエアカー(パンタグラフ付きがサイコーにイカス!)やゴシック的な重々しい建物と、いかにも近未来的なフォルムのヘリ(?)やシャープな建物が、全く問題なく同居させることに成功している。流石はビラル。お見事!

で、これで物語が面白ければ、さらに文句なしなのだけれど、どうにも分かりにくい。と言うか、分からせる気はあまりない。侵入口とは一体何なのか、なぜピラミッドが現われ、そこに古代エジプト神がいるのか。
だがある意味、そんなことはどうでもいいのだろう。この世界観に身を委ねて、それが心地よければそれだけで良いんだろうし、楽しくない人は全く相性が悪いので、とっとと寝た方がいい映画なんだろうから。

『ティコ・ムーン』は観てないのでなんとも言えないが、『バンカー・パレス・ホテル』よりは全然退屈しない(とまで言うと言い過ぎだが)映画になっているとは思う。近未来美術とかSFXに興味がある人なら必見。でもつまらなくても文句は言わないように(笑)。

ちなみにCGソフトはMAYAとLightwaveを使っているようだ。

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2004.04.30

4/30 『CASSHERN』

クール泉と一緒に、丸の内ピカデリー2で最終回の『CASSHERN』を観る。

大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合による50年続いた世界大戦。この戦いで世界は荒廃し、人々は疲弊しきっていた。東博士(寺尾聰)は病気の妻(樋口可南子)を助けるため、必要に応じて人体のパーツを自在に造り出す“新造細胞”理論を発表する。その研究を援助したのは、延命を望む軍幹部たちであった。そんなある日、研究所で事故が起こり、偶然にも“新造人間”が生み出された。折りしもその時、東博士の一人息子、鉄也(伊勢谷友介)が戦死し、遺体が戦場から帰ってきていた…。

兎にも角にも過剰な映画。
ほぼ全編に渡って、デジタル加工処理がされた画面。鳴りっぱなしのBGM。役者たちの大仰な芝居。声高に連呼されるテーマ。おまけに上映時間もたっぷり2時間22分(!)。何もかもが“too much”だ。なんでこんなにまでしなきゃならんかね?

例えば画面。手間も掛かってるし、スタッフの苦労は並大抵じゃないだろうけど、何の因果で、“モアレ”が出るほど加工せにゃあかんの?
輝度の高い部分が上下に縦伸びする、ハレーションみたいなフォギー・フィルターみたいな効果も、画面が見辛いだけで意味ないし、粒子を荒らしたモノクロ画面も統一感がなくって効果を上げていない。と言うか、ほぼ全てのカットに施された加工の嵐は、見てくれをいじっただけであって、物語を語る上での効果がないばかりか、機能すら持たされていない。

重要そうな場面で♪あーあーあーあーっ♪言ってる音楽も、うるさ過ぎでアタマ痛くなってくる。音楽もまた、大ボリューム一辺倒で垂れ流されるばかりで、徐々に場面を盛り上げるような効果をさせてもらえない。

唐沢寿明と及川ミッチーに代表される大層大仰な芝居は、新劇か?とか思うほどだ。

でも一番の問題は、テーマをなんであんなに連呼しなきゃならんのかだな。
「どうして私たちは戦わなきゃいけないの!」とかさぁ、そんな“マンマ”の台詞をキャラに喋らせるなよ。役者じゃなくって映画自体で語れよ。

一言で言えば
やり過ぎ

それでいて、重要な説明が抜け落ちているので、「?????」となる場面もまた大量にある。
オレのアタマが悪くて理解できないのかもしれんが、あの稲妻型のオブジェはなんだったの?
鉄也の遺体は、なんで研究所に運ばれて来たの?新造人間誕生の場面に居た鉄也は、多分霊魂だか魂で他の人からは見えてないんだろうに、なんかビミョウに他の役者の芝居と絡んぢゃってるけどOKなの?

キャシャーンの最初の戦闘、アンドロ軍団(って言うのか?)とのバトルシーンは、アニメ版の戦闘シーンを今の技術で作り直した感があって悪くない。(樋口真嗣コンテの場面だからなんだろうな)
CGで作られた街も、『修羅雪姫』の世界観の延長にしか見えないが、ビジュアル的には悪くない。(ただし、街には漢字とロシア語が溢れているのに、台詞にはそういった要素が殆どなく、カタカナ英語が混じるので世界観としては統一感がないこと夥しい)

映像的には見所もチビットはあるけれど、でもやっぱりコレは、ダメ映画だぜ!

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2004.04.22

4/21 『キル・ビル Vol.1 日本語吹替版』

DVDで『キル・ビル Vol.1』の日本語吹替版を観る。

観直してみてもやっぱりモーレツにくだらなくって面白い。
クエンティンは莫迦だねぇ(笑)。

さて、今回は初めての日本語版吹替え版。
でも、この映画の日本語吹替版ってのは、実に微妙だ。
ブライドの「斬りたいネジュミが居る」はどうなるのか?
オーレンの「ウソツケッ!」はどうなるのか?

結果から言ってしまうと、まぁどーにかこーにか処理したんじゃないのかってとこだけど、ヤッパリなんかヘン。
半蔵とブライドの会話では、日本人がカタコトの“日本語”を喋る。でも、一番注目の「斬りたいネジュミが居る」は、「斬らねばならないネズミが居る」とキチンと喋っている。何故ここはカタコトぢゃないの?
オーレン役は、ちょいとミスキャスト。小山茉美は声優さんとしてゃ嫌いじゃないが、声質がルーシー・リューとは離れ過ぎ。だから「ウソツケッ!」がどうか以前に、なんかイメージが違う。

でも!そんなことよりも最大の疑問は、なんで大葉健二を吹き替えてるのかってことだ!日本人の俳優が日本語話してるのに、なんで吹替えなきゃあかんのか!チバちゃんを新録音するよりも、大葉健二が別の人の声で喋ってることの方が問題だ。デンジブルー(いやぁオレはアンパンに目がなくってね。うぐぅ…)・ファンのオレとしては、ちょっと許せないっ!

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2004.04.12

4/12 『沓掛時次郎』

レンタルビデオで『沓掛時次郎』を観る。

渡世の義理から、六ツ田の三蔵に一太刀浴びせた信州沓掛生れの時次郎(雷蔵)。だがその義理は、三蔵の女房おきぬ(新珠三千代)へ溜田の助五郎の横恋慕だったと分かり、時次郎は逆に助五郎らに刃を向ける。今際の際の三蔵との約束を果たすため、おきぬと太郎吉を連れて熊谷宿まで逃げのびるが、おきぬはそこで病いに倒れた。堅気になって2人の世話をしようとする時次郎を、助五郎は執念深く追っていた…。

市川雷蔵主演、池廣一夫監督による61年製作の股旅物。
よく分かってなかったんだが、調べたらこれが7度目の映画化なんだそうだ。ふぅん。全然知らなかったけど、有名な原作(長谷川伸による新国劇なんだって)らしい。新橋演舞場とかで舟木一夫とかも演ってるらしい。
以下はその他の“沓掛時次郎映画”である。

29年 大河内伝次郎主演/辻吉郎監督作
32年 海江田譲二主演/辻吉朗監督作
34年 林長二郎主演/衣笠貞之助監督作
36年 浅香新八郎主演/西原孝監督作
53年 長谷川一夫主演/田坂勝彦監督作
54年 島田正吾主演/佐伯清監督作
66年 中村錦之助主演/加藤泰監督作

でも、こんなに作られた理由は分かる。池広監督作が原作に忠実なのかどうかは知らないけれど、自分が殺ってもいない相手の今際の際の願いを聞き届け、義理と人情を果たす渡世人なんて、いかにも日本人好みの物語だからね。

オレとしては池廣一夫(今回のクレジットはこの“廣”の字なんだな)監督作だってことで観たのだけれど、満足の行く作品でした。
タイトルバック、時次郎が夕陽を背負て佇むシルエットから、その後に続く土手を歩くロングショットがまずカッコイイ。流石は宮川一夫の撮影だ。フィルターなのか、自然の色合いなのか判断が付かないが、微妙な色合いの空がともかく美しい。そしてタイトルが終わった最初のカットが、走る男たちの足元を猛スピードでフォローした、池広得意の横アテのドリーショット。このスピード感は毎度ながら痺れる!その後も随所で挿入される、縦位置のロングショットの数々が、池広らしい静のダイナミズムを感じさせて、非常に気持ちが良い。
そして白眉はクライマックスから。
出入りに出立しようとする聖天の権一味の血気盛んな様子を、鏡開きとそれを我先に柄杓を突っ込んで飲む男たち、床に転がされる数多の刀、刀に酒を吹き掛ける男たちと様々なアングルから、まさに畳み掛けるように細かいカットを重ねていく。そしていざ出入りとなれば、ケレン味溢れるクレーンを使った俯瞰ショットの登場だ。
さらに出入りが終わった後も、時次郎VS助五郎一味との立ち回りが待っている。手前に屋根を引っ掛けた、奥行きのある静かに緊張感のある構図が、一転して身の回りにあるあらゆるものを駆使して戦う、時次郎の痛快な戦いぶりに変わる。

全体の物語は人情だし浪花節、おまけにハッピーとは言い難い展開なのに、雷蔵のキャラクターと池廣のシャープな映像演出で、全く重い映画にならないのがお見事!
あえて欲を言えば、ちゃらんぽらんな男を演じる雷蔵が好きなオレとしては、時次郎があんまりにも“良い男”過ぎるかな。東宝から客演している志村喬も良い親分過ぎるな。
それでも充分に楽しかったんだから文句はない。池広監督、どれ観ても面白いんだから、あんた凄いよ。

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2004.04.01

4/1 『ゴーストシップ』

レンタルDVDで『ゴーストシップ』を観る。

ある日、サルベージ船アークティック・ウォリアーのクルーは、ベーリング海を漂流する謎の船の曳航を依頼される。漂流船に遭遇した彼らは、その船が1962年に突然消息を絶った豪華客船、アントニア・グレーザー号であることを知った。そして、約40年も漂流していた無人の船内には、大量の金塊が残されていた。喜ぶクルーたちであったが、彼らに奇怪な事件が次々と起きる…。

ゼメキス&シルバーのダークキャッスル第3弾。予告やTVスポットがイイ感じだったので、公開時に見たかったのだが、見逃してしまった1本。
映画としては全然ヘンじゃないんだけど、なんかホラーとしてはとてもヘンな映画。
まず第一に恐くないし、恐がらせようって気持ちが希薄。
開巻すぐ、100人近い(?)くらいの人間が一気に惨殺されるシーンは、悪趣味かつインパクトがあって結構面白い。でも、ほとんどの人は「ををっ!スゲェ」とは思うだろうけど、恐がる人はあんまり多くないんじゃなかろうか?
で、ここ以外にはこれと言って驚かせるような場面も、恐がらせる場面もほとんどない。死体が出てきても、幽霊が出てきても、スーッと出てくるだけで、ありがちな音響脅かしもあまりないし、それでいて雰囲気で恐がらせる薄気味の悪さも希薄だ。
おまけにクライマックスは「え?癒し系なの?」ってくらいの拍子抜け。観ていて飽きはしないんだけど、なんか不思議なくらいホラーらしくないんだよ。エピローグも取ってつけたみたいだしねぇ。

同じダークキャッスルなら、この前観た『ゴシカ』の方が全然良いな。

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2004.03.23

3/23 『クレイジー・ワールド』

レンタルDVDで『クレイジー・ワールド』を観る。

突如、時代の兆児となったビリー・バーン。東京、ベルリン、ロンドンと駆け巡る彼の一挙手一投足に、世界が注目をする。しかし、そのセレブな日々も一夜にして終焉を迎えた。評論家も大衆も、今度は一斉に彼の“アート”をこきおろし始めたのだ。挫折と絶望感に打ちひしがれながらも、再起を狙うビリーだが…。

開巻、『フェリスはある朝突然に』ではないが、観客に向かって語るビリー・バーン。
「寿命を仮に90年として、人は何週間意味のある時間を生きているか?最初の4年と死ぬ直前の6年を抜いて、寝ている時間を抜いて…あとこれっぽっちしか残ってない!ところで、今週何をした?」
余計なお世話だ!!でも、その後の全く何が起こっているのか分からないまま進んでいくイントロも含め、掴みとしては悪くない。
ところが、映画が進めば進むほどに、みるみる失速していくのがツライ。特に、主人公の一人よがりで、芸術家気取りの鼻持ちならなさが、イタタタタ…。(ある意味、ぜひこの映画を見て欲しい人も居るなぁ…)

『デスマシーン』でデビューし、『ブレイド』で第一線に踊り出たスティーブン・ノリントンが、実写版『AKIRA』の挫折の後に撮った映画…と、状況を分かって観てしまうと、この映画のビリーは、まるっきりノリントン自身の心情を反映したものなのかもしれない(だがこれが本当にノリントンの分身なら、随分とヤなヤツだね)。そう考えたら、どんどん暗い気持ちになってきちゃったよ。
地下世界の奇妙な雰囲気だったり、コマ落としや照明を上手く使った映像など、ノリントンらしい面白い場面もある。パーシーが突然唄い始めるシーンも可笑しい。だけどそれだけじゃあ、このとてつもなく愚痴っぽくて、ツマラナイ話を引っ張って行くほどのパワーはないよ。
こんなのを撮ってウップンが晴れたんなら、ノリントンには心機一転小気味の良いアクションを撮って頂きたいもんだね。

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2004.03.22

3/22 『怪談』

米国版DVDで『怪談』を観る。

仕官した男が、本当に愛していたのは、京に捨ててきた妻であることに気付き、妻の元に帰る「黒髪」。
山で雪女に遭うが、命だけは助けてもらった男の「雪女」。
平家の亡霊に取り憑かれ、夜な夜な琵琶を聞かせる「耳なし芳一」。
茶碗に映る不思議な人影。それを飲み干した男が遭遇する奇妙な出来事を描く「茶碗の中」。
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの手になる怪奇譚を、小林正樹が監督した4話のオムニバス。

物語は、基本的には誰もが知っているようなものばかりなのだが、小泉八雲の原典を読んでいる訳ではないので、初めて知ることもあった。例えば、耳を取られた芳一が、その後大金持ちになったなんて全然知らなかった。

この映画、4話目以外はほぼスタジオセット(?)で撮影し、非常に様式的な美しさを追求した作品である。特に1~3話目までは、映画というよりもまるで舞台の如く展開していく。極彩色の書き割りや、シンメトリーな構図などが鮮烈である。恐らくその辺りが評価されて、65年のカンヌ審査員特別賞を受賞したのだろう。だが、それゆえに臨場感は乏しい。“怪談”と言っても、怖がらせることが目的ではなく、人間の情念を描くことがテーマだから、臨場感は不要なんだろうけれど。
逆に、他の3本とテイストが違うのでちょっと浮いた感じのする「茶碗の中」だけは、役者の演技と相まってなんだか迫力がある。特に鬼気迫る中村翫右衛門の高笑いの場面は印象的。また、佐藤慶、天本英世ら3人組の殺陣は、カメラ、照明、オプチカルのトリッキーな使い方が特徴的で、様式的ではない面白さがある。3人が並んだ画ヅラが、『ゴーストハンターズ』の“嵐3人組”みたいで、カッコよくもちょっと可笑しい。

最大の見所となるのはその美術であるが、今観ると猛烈に豪華な俳優陣にも驚嘆する。
三國連太郎、新珠三千代、渡辺美佐子、岸恵子、仲代達矢、菅井きん、千石規子、浜村純、中村賀津雄、志村喬、丹波哲郎、岸田今日子、林与一、田中邦衛、中村翫右衛門、杉村春子、中村鴈治郎、仲谷昇、佐藤慶、天本英世、田崎潤、奈良岡朋子、田崎潤、神山繁…ふぅ…疲れた。もちろん、多くの役者が今ほどのビッグネームではなかった時代ではあるけれど、ここまで豪華なキャスティングは珍しい。今こんだけの俳優を集めたら(故人も多いので集めようがないが)一体幾らかかるんだい?流石は制作費3億5千万円の超大作だねぇ。

なお、今回観たのは米国クライテリオン版の160分バージョン。国内DVDは、初公開時の原版が見つかったとかで、完全版の180分バージョンで20分も長いらしい。あと20分も何があるんだろ?

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2004.03.14

3/14 『原子怪獣と裸女』

『アーコフ・ライブラリー 怪奇モンスターセレクション DVD-BOX I』から、『原子怪獣と裸女』を観る。

核戦争で世界が滅亡に瀕した世界。鉛鉱に囲まれた盆地で、いつかこんな日が来るんじゃないかと備蓄していた親子とその彼氏の下に、ジゴロ(?)、元ストリッパー、放射能汚染された男、鉱夫のジイサンとロバが辿り着く。だが、彼らに忍び寄る謎の影があった…。

ロジャー・コーマン監督の50年代モンスターSF。
徹底してイヤなヤツとイイヤツに描かれる、ジゴロと彼氏のステロタイプな描き分けが、いかにも50年代らしい。極限状況に置かれた人々が、グループを作ったり、いがみ合ったりってのは、東宝特撮の『マタンゴ』とかにも通じる、普遍的テーマなんだろうなぁ。
年がら年中ガイガーカウンターで放射能を調べたりするほど危険な世界の割には、ごくごく近くにある滝は安全で、おネェ様方が水浴びを楽しむサービスカットがあったりするのが可笑しい。流石は、コーマン先生、エロチック描写(今観ると、全くなんでもないシーンなんだけどね)はキチンと入れてます。
モンスター造形&モンスター役者は、その筋では有名なポール・ブライスデル。でも82分の映画で60分近くほとんど姿を現さないのはちょいと残念だなぁ。あんまり出てこられても困るような、チープでカワイイモンスターではあるのだけれど…。

映画のラストで、「THE END」ではなく「THE BEGINNING」と出るところがイイですな。

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2004.03.06

3/6 K'S CINEMAで『ケイナ』

本日柿落としの新劇場、新宿K'S CINEMAで『ケイナ』を観る。

ある日、ヴェカリアン人の宇宙船が惑星アストリアに墜落した。その事故の影響を受け、惑星に巨大植物が生まれた。「アクシス」と呼ばれるこの樹はアストリア星の命の源である樹液を吸い、信じられない勢いで成長を続けた。
600年の歳月が経ち、いつしか樹木の上には、地上を知らない人々が生活するようになっていた。人々は枯渇しつつある樹液に苦しみながら、司祭(リチャード・ハリス)に指揮され神に慈悲を乞いながら細々と生きていたが、少女ケイナ(キルステン・ダンスト)は、そんな生活に疑問を持ち、旅に出る決意をするが…。

なんだかスッゴク勿体無い映画だなぁ、ってのが一番の感想。
ハリウッドのフルCG大作と違って、専用ソフトを開発したり、豪勢な機材を使った訳ではなく、ごく普通のPCと3DSMAXで、4年だか8年だか掛けて作り込まれた映像は、スタッフの根性と熱意を感じる。独特のヴィジュアル・センスは、いかにも欧州テイストで、これまたハリウッド産CGとは一線を画していて、濃厚で湿度のある世界を見せつける。モーションキャプチャーを使わずに、全て手付けで作られたモーションは、一部荒いところもあるけれど、キャラクターにもあっているし、手間も掛かっている。技術的には、非常に高いレベルで創られた映画なんだと思う。
だけど、物語と世界観があまりにも分かりにくい。
元々アストリアに棲んでいたと思われる生物(セレナイツって言うの?)が、何をしようとしてるのか、人間そっくりのケイナたち種族は何者なのか、ヴェカリアン人オパッツ謎のコア“ヴェカノイ”を何故手に入れようとしてるのか、どれもこれもが、全然スッキリと頭に入って来ない。
別にハリウッド的な単純明快さを求めている訳ではないが、こんなに分かりにくい映画になっている理由がよくわからない。

この監督のクリス・デラポートって何の人だろうと思ったら、PCゲーム『ハート・オブ・ダークネス』(コッポラが狂っちゃう映画とは関係ない)のデザイナーだった人。あのグラフィックは綺麗だけど、やたら一発死にするアクションか…と、思い出す。

さて、この『ケイナ』を上映しているのは、新宿に新しく出来た映画館「K'S CINEMA」。
地図を見て「もしや?」と思ったが、新宿昭和館跡地だったのね。もしやついでだが、“K’S”ってのは「角川大映」の“K”なのか?
劇場内は、渋谷シアター・イメージフォーラムの雰囲気と似ている。整理券・定員・入替と、今時の映画館らしいシステムではあるが、40分前に窓口に行って整理番号2番ってのも悲しい。でも初日だってのに、観客が6人しかいないのはもっと悲しいが…。


劇場そばで、お馴染み「タイガーマスク」とすれ違う。
いや、別に、それだけですが。

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2004.03.04

3/3 『ゴシカ』

新宿東急で『ゴシカ』を観る。【ネタバレあり】

女子刑務所の精神病棟。夫であり上司でもあるダグ(チャールズ・ダットン)の下で働く心理学者のミランダ(ハル・ベリー)は、ある晩帰宅途中に傷だらけの少女をクルマで轢きそうになる。彼女の容態を心配して駆け寄ったミランダは、そのまま意識を失ってしまう。やがて意識を取り戻したミランダは、夫が惨殺され、自分がその容疑者として精神病棟に収容されていることを知った。だが、彼女には自分が愛する夫を殺した記憶はなかった…。

ゼメキスのダーク・キャッスル製作で、マチュー・カソヴィッツ監督作。
カソヴィッツの前作『クリムゾン・リバー』は世界的にヒットし評価されたけれど、オレ的にはいまひとつシックリ来なかった。だからあまり期待していなかったのだが、それが良かったのか、かなりツボに入った。
この映画の魅力は、なんと言っても“負のテンション”の高さにある。
アタマがおかしくなったのか、霊が取り憑いたのか、判断がつかないようなハル・ベリーの鬼気迫る芝居と、それを後押しする、神経を逆撫でするようにフラッシュする断片映像と、勘に障る効果音。そして随所に絶妙なタイミングで散りばめられた、ビックリドッキリ演出の数々(ホラー擦れした心臓に毛が生えてるような観客でも、確実に飛び上がる場面が1つある)。これらがあいまって、上映時間中ずっと神経が休まらない映画になっている。

【ここからネタバレ】
だが惜しむらくは、どうも霊の行動の意味が伝わって来ない描写があるのだ。
もちろん、物語の核となっているのは「なぜ、妻は夫を殺したのか?なぜ、霊は夫を殺させたのか?」と言うことである。そしてその謎に迫る過程で、霊となった少女がミランダに暴力を加える。それこそアタマを叩き割るくらいの勢いで壁にぶつけまくる。ミランダに自動車事故を起こさせようともする。これらの描写は、どう見ても霊がミランダを殺そうとしているようにしか見えない。しかし、映画を最後まで観た時に、霊は彼女を殺そうとしていたのではなかったことが分かる。ならばなぜ?ホラー演出としては怖がらせるシーンとして正しいけれど、ストーリーには即していない。
また、ペネロペ・クルスの存在も曖昧だ。彼女がレイプを受けていた相手は一体誰なのか?もちろん画面どおりに取れば刺青の男であるが、なぜ刺青の男がそこに居る事が出来たのかは、“犯人が○○だったから”では説明がつかない。
折角面白いホラーになっているのに、このあからさまなミス・リーディングがちょっと頂けない。ま、オバケ屋敷映画としては充分以上に成功しているからいいのだけれど。

ハル・ベリーが相当やつれたヨゴレ役を演っているのはいいのだが、シャワーシーンと入浴シーンがあるのにほとんど何にも見せないってのも残念だな。それにしても、なんであんな美人があのオッサンと結婚したんだ?

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2004.03.03

3/3 『ゴジラ』完結?!

遂にと言うか、やっとと言うか、50周年記念作品『ゴジラ FINAL WARS』『ゴジラ』が終ることになった。オレは子供の頃は主にTVで、84年の復活以降は必ず劇場で観ているので、感慨深いものがある。
平成シリーズは(『GODZILLA』と中休みの『モスラ』3本も併せて)どーにもこーにも困った映画が多く、『GMK大怪獣総攻撃』『×メカゴジラ』『東京SOS』と、やっと睡魔に襲われない映画になってきただけに、ここで終るのはちょっと残念。でも、印象が良い時にやめた方がいいんだろうな。前回、US版『GODZILLA』の直前に東宝が「ゴジラ作らない宣言」をした時は、『VSデストロイア』なんてヒドイので終ったからなぁ。
でも、『ゴジラ』シリーズが休止(たぶん、数年後に復活じゃないかとは思っている)しても、『モスラ』の時みたいに、きっとまたなんか作るんでしょ、東宝さん!『ヤマトタケル』とか『ガンヘッド』とか(笑)。それとも『グランセイザー』の劇場版か?

ところで、監督に北村龍平ってのもあまりにも意外な人選で驚いた。『ゴジラ』はここんところの2作が評判悪くなかったから、てっきり手塚昌明続投かと思ったんだが。でも、龍平ちゃん、今年はハリウッドぢゃなかったっけか?画作りはカッコイイのに脚本がタコな場合が多いので、今回は脚本をしっかり作ってね…。

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2004.02.22

2/22 『局部麻酔 ノボケイン』

レンタルDVDで『局部麻酔 ノボケイン』(劇場公開タイトル:『ノボケイン 局部麻酔の罠』)を観る。

歯科医のフランク(スティーブ・マーティン)は病院経営も軌道に乗り、歯科衛生士ジーン(ローラ・ダーン)とも婚約し、順風満帆の人生を送っている。だがある日、スーザン(ヘレナ・ボナム=カーター)と言う患者が、虫歯治療にかこつけて、麻薬を手に入れようとやって来た。誘惑に負けたフランクは、彼女に麻薬を処方してしまう。それをジーンに隠そうとウソをついたことから、やがてフランクはウソにウソを重ねて、抜けられない泥沼にはまって行く……。

サスペンスにしたいのか、コメディにしたいのか、非常にどっちつかずの映画。
普通の俳優が主役を演じていれば、フツーにサスペンスになるのだろうけれど、それを演じるのがスティーブ・マーティンだってところが、どっちつかずになっている原因。小さなウソが、次のウソを呼び、さらに大きなウソをつく羽目になっていくってのは、マーティン&ゴールディ・ホーンの『ハウスシッター 結婚願望』と同じ展開な訳だし、あのテンションで演じて、突然唄ったり踊ったりしてたら、同じ脚本でも確実に爆笑コメディになっていたと思われる。だが、監督の演出が抑える方向に向いたのか、あるいはマーティンが抑えようと思ったのかは定かではないが、何かビミョーな映画になってしまった。逆にマジなサスペンスのつもりなら、マーティンを起用すべきではなかった。それがなんとも勿体無い。

さて、演技力とは関係ないが、オレはなんともローラ・ダーンが苦手だ。どの映画に出てても美人とかチャーミングとか思ったことがなく、むしろ“コワイ”と思ってしまう。『ブルーベルベット』の時の口を大きく歪めて開けた顔は、トラウマになるがごとき怖さだった。そんな彼女が婚約者で、さらに浮気相手となるのがヘレナ・ボナム=カーター。こちらもなにかいつも思いつめているような病んだ感じがして、出来ればお近付きになりたくないタイプ。この2人の間で揺れ動くって感情が、オレにはよく理解できないってのもマイナスポイントだな。
クレジットされていないが、ケヴィン・ベーコンがちょいとした役で出演していて、これはなかなか儲け役だった。

ところでこのDVD、特典映像に入っている未公開&NGシーンや、歯科医インタビュー(本当の歯科医へのインタビューに意味があるのか?)はビスタサイズなのに、本編がトリミングされたスタンダードサイズ。これって納得がいかない仕様だな。

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2004.02.20

2/20 『カンパニーマン』

レンタルDVDで『カンパニーマン』を観る。【ネタバレあり】

うだつの上がらない平凡な男モーガン・サリバン(ジェレミー・ノーサム)は、刺激を求めてデジコープ社の産業スパイとなった。彼はジャック・サースビーという名を与えられ、とある企業のコンベンションに潜入。その講演内容の盗聴に成功した。しかし彼の前に、彼の招待を知っている謎の女リタが現われ、彼に盗聴を止めろと告げる。果たして彼女は何者か…?

『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。
前作ほどのインパクトはないものの、充分面白かった。
近未来SFな世界設定の中で、ちょっとヒッチコック風のサスペンスを展開する。
と言うか、これまでも日記で何度か書いているが、『マトリックス』『シックスセンス』『ファイトクラブ』『ダークシティ』『ヴァニラ・スカイ』(含む『オープン・ユア・アイズ』)と同じ根っこ、もっと言ってしまえばディックを親としたような、「オレは一体誰なんだ?」系のSFサスペンスである。
二転三転していくストーリーは、「こうなるのかなぁ」と予想させるんだが、最後の最後の最後で、「マジ?!」と驚いた。いやぁ、まさかそんな理由とはねぇ…。
これだけクールで無機的で幾何学的な映像美で押しまくっておいて、まさか最後に“愛”だとは!

主演のジェレミー・ノーサムは、正直華のない役者である。だが、いかにもうだつの上がらない登場なのに、後半になると段々シャープになってくるところが地味ながら上手い。
ルーシーリューはなかなか可愛い。この人って、第一印象はキッツイ女優だけど、慣れてくると段々可愛く見えてくるから不思議だ。『チェリ・エン』の1本目の頃は、「なに、この女?」状態だったのに、最近はファンになりかけてるなぁ。

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2004.02.19

2/19 デンパな『ケイブマン』

レンタルDVDで『ケイブマン』を観る。

以下ネタバレしてるけど、そんなどころぢゃない映画(笑)だな

セントラルパーク(?)の洞窟に住むホームレス、ロミュラス(サミュエル・L・ジャクソン)。彼は日々、クライスラービルの上から世界を牛耳る悪人“スタイブサント”に悩まされていた。ある日、彼は洞窟の前の木の上に男の凍死死体があるのを発見する。スタイブサントの仕業と思った彼は、刑事である娘の制止を振り切り、独自の捜査を開始するが…。

なんだコリャ?
久々に、そーとー訳の分からない映画を観たなぁってのが一番の感想。
ロミュラスは、ジュリアーノ音楽院を卒業した天才音楽家で、演説好きで、何故か家を捨て洞窟に住んでて、電波が来てて、頭の中に蝶の羽根の生えたマッチョ男たちが棲んでて、死んでもいない奥さんの幻影を見る。こんな設定の男が主人公のサスペンスだってところで、後はもう「理解不能ゲージ」が一気にレッドゾーンへ。

プロローグからして、サミュエルの演説、説教、絶叫、妄想が炸裂しっぱなし。
「スタイブサーンンントッ!お前がオレを見張っているようにっ、オレもお前を見張っているぞぉーーーーっ!!」
で、このスタイブサントってのは、劇中のサミュエルの考えている一種の“ユ○ヤ陰謀説”みたいなもので、全ての悪はスタイブサントに続く、ってなデンパなんですな。このスタイブサントが、クライスラービルの最上階からサミュエルに向かってまっ黄色のY光線や緑色のZ光線を放射すると、彼の頭の中の羽根付きマッチョ君たちが騒ぎ始める…あぁ、自分で書いてても何がナニやら…。
そんな状態の彼の前に、謎の死体が置かれてしまったから、さぁ大変。デンパと妄想と現実が入り乱れて、話は核心に近付いているのやら、遠退いているのやらわからないまま、観客はスタート地点から一歩も進めないのに、映画だけがズンズン先へと進んでいく。

最終的に殺人事件の犯人は分かるのだが、それも演説デンパオヤジが一気に語っちまうので、え~っと…なんだか物凄く分かりにくい。

結局のところ、話の核かと思ったスタイブサントさんは、ただの既知外の思い込みでしたってことなんだと思うが……ヲイ!そんなんでいいのか?!

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2004.02.12

2/12 『熊本物語』で熊本の歴史を勉強(笑)

レンタルビデオで『熊本物語』を観る。

熊本県の自治体が出資して、何を考えたのか三池崇史に撮らせた、知る人ぞ知る教育(?)オムニバス映画。

基本的には博物館とか公民館で上映するような前提で作ってるマジメ~な映画……のはずなんだが、ちょびっとばっかし妙だし、なんだか異様に豪華キャストである。何しろ三池だからな。ネットで検索したら、「三池崇史監督(熊本県玉名市出身)」なんて書いてあったけど、ホントか?!いつも大阪生まれって書いてなかったっけか?

「隧穴幻想 トンカラリン夢伝説」(33分)
製作:熊本県玉名郡菊水町=財団法人日本宝くじ協会助成事業
出演:平幹二朗、はた三惠、寺田農、新井康弘(ナレーション)

見所は、なんと言っても悪鬼のごとき形相で、安っちいセット(石段なんて灰色の布張りなんだぜ)狭しと大暴れの平幹二朗。
火矢が白い仔犬にプッスリ刺さってるシーンなんてのも、ある意味三池らしいかも。

「鞠智城物語 防人たちの唄」(29分)
製作:熊本県立装飾古墳館
根津甚八、翁華栄、石橋蓮司、江守徹、大杉漣、はた三惠、江守徹、竹中直人(ナレーション)

大杉漣の中大兄皇子と石橋蓮司の中臣鎌足が、あからさまな合成背景の前で語り合う!至って真面目なつもりだろうが、この画は狂ってるよ。
ほぼ全篇を通して、背景がCG(または書割)を合成ってのも凄いが、そのショボイ画作りに反して豪華なキャストがスゲェ。
前半のみ3Dだったんだそうで、劇中3Dメガネを掛けた防人の一人が、「こっから先は、もうメガネはいらない。みんな一緒にメガネを外そう。せーのっ!」…三池、ビデオ化に当たって、ネラって残したらしけど、それはどーよ?
3Dで“飛び出す石橋蓮司”が観たい人は、熊本へGOだ(笑)!

●「おんな国衆一揆」(60分)
製作:熊本県玉名郡三加和町=財団法人日本宝くじ協会助成事業>
出演:原田芳雄、はた三惠、石橋蓮司、布施博、遠藤憲一、北村一輝、あべ静江、青田典子、竹中直人、竹下景子(ナレーション)

前2作とは違って、いきなりの合戦シーン、いきなりのちゃんとしたセット!と思いきや、合戦シーンはNHK大河ドラマのライブラリーで、セットは『千年の恋 ひかる源氏物語』のものを借りたとのウワサ。
この無意味にゴージャスなキャスティングこそが最大の見所…とか言っちゃうと実も蓋もない。遠藤憲一のぞんざいな立ち回りと、クライマックスの原田芳雄の長回しは一見の価値があるが、全体としてはお勉強パートが長いのがツライ。まぁ、歴史勉強映画で、こんだけ大量の“屍累々”描写を見せるってのも、他にはあまり類を見ないとは思うけどな。

よっぽどの三池好きとかじゃなけりゃ、観なくても全く困らない映画ではあるな。
ところで、3本通して出演してる「はた三惠」って人はダレ?

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2/12 そだてよカメ!とカワセミ

昼間、家の近所の公園を散歩したら、なにやらジサマたちがデカイ望遠レンズ付カメラを持って集まっている。何ごとかと思ったら、池の上に伸びた枝にカワセミがいるのだ。ワライカワセミではないので、笑ってはいなかったが、背中に真っ青のラインが入った可愛い鳥であった。
ふぅん、こんな街中の公園にねぇ。
ふと、池を見ると、なにやらぷかりと浮かんで来るものが。近づいてみたら、甲羅だけで20cmくらいあるアカミミガメ(いわゆるミドリガメ)が、首を精一杯伸ばして気持ち良さそうにたゆたっている。
きっと誰かが捨てたペットだろうけれど、こんな汚い池(でも、一時期よりは随分マシになったが)随分立派な大きさに育ったもんだ。

DVD『ゴジラ×メカゴジラ』の特典映像「ゴジラ録音隊モスクワへ」を観る。
録音風景のメイキングなら、まぁ見なくてもいいか…と放っぽっといたのだが、この特典の編集を担当したのが友人の平井君だそうなので、観ることにした。
本篇を観ていて、BGMが厚いとは思ったけれど、100人近い編成のオーケストラとは思わなかった。どうりで重厚だった訳だ。最近は、映画の劇伴も打ち込み系が増えているが、やっぱり大編成のオーケストラにはかないませんな。
ところで、このVなら出来れば編集だけじゃなくて、撮りから参加したかったろーな。平井君残念!

なんだかよく分からんが、相変わらずアクセス数が増えている。
1月中は1日60件前後だったのが、段々と増えてここ数日は1日約200件近いアクセス。
見ている人が増えるのは嬉しいものだが、一体どなたが見に来ているのやら。

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2004.02.11

2/11 『GO!GO!ガジェット』

DVDで『GO!GO!ガジェット』を観る。

警官に憧れる警備員ブラウンは、自分の警備する研究所に入った賊を追って、不慮の死を遂げた。しかし、その研究所で行われていた極秘の改造手術を受け、全身にガジェットだらけのハイテク・ロボ捜査官として蘇った…。

…と、話だけ見れば、『ロボコップ』以外の何者でもない。だがディズニー映画だから、ハードな展開にはならずに、ファミリー向けのコメディに仕上げている。でもさ、ハードぢゃない『ロボコップ』って楽しいか?オレは楽しくない!腕吹っ飛んだり、毒液に突っ込んで解けたりするからこその『ロボコップ』!ルパート・エヴェレットは珍しい役に挑んだとは思うけれど、やっぱ「ニニニニニニニーッ!ドスン!」のクラレンスには敵わない(当たり前だ)。
…ってことで、スタン・ウィンストンのメイクと、ドリーム・クエストのSFXは非常に質が高いが、笑いの質とノリはオレの好みじゃない。と言うか、大人だけで観てると笑えなくて結構引くゾ。
マシュー・ブロデリックだって、主人公のガジェットを演じている時よりも、悪の偽ガジェット(目がつってたり、つま先が尖ってたりしないのが残念)を演じてるときの方が楽しそうだ。

まぁ、ファミリーピクチャーなので、お子様の居るご家庭なら楽しく観れるでしょう。

ところで、DVDなのに特典映像は、「予告編」すら入ってないってのはどーなんだい?

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2004.02.10

2/10 『この世の外へ クラブ進駐軍』

新宿ピカデリー3で『この世の外へ クラブ進駐軍』を観る。

敗戦から数年後の東京。
米軍基地のクラブで演奏するため、サックスの広岡(萩原聖人)、ベースの平山(松岡俊介)、ピアノの大野(村上淳)は、居なくなったドラムの代わりを探していた。そこへドラムのスティックを持った池島(オダギリジョー)が現れ、彼らは米軍の慰安施設“EMクラブ”で演奏するようになる。しかし彼らの演奏はひどいもので、米軍人のメガネには適わない。さらにトランペットの浅川(MITCH)を加え、“ラッキーストライカーズ”というバンドを結成するが…。

123分、飽きずに観たし、それなりに面白かった。
だけど、テーマ的にはどうなんだろう?いや別に、オレは映画は面白ければ良い人なので、テーマが云々でダメとか言う気は毛頭ないのだが、阪本順治監督は、“9.11”への回答としてこの映画を撮ったと、何かで読んだ。
確かに、根底に流れているのは「反戦」なのだろうとは思うけれど、「“9.11”への回答」とはあまり思えない。それを声高に主張しなかったのがいいところなのかも知れないが、あんまり感じさせな過ぎなのはどうだろうか。それでいて、最後にテロップで戦死者数を出したりするところはちょいとあざとい。前面に出さないんなら、最後のテロップだって要らなかったと思う。

役者はオダギリジョーは良かったけれど、後は無難にこなしている感じ。萩原聖人は、キャリアから言ってももう少し頑張っても良いのではなかろうか?
でもそれよりも、外国人俳優たちがパッとしないのが気になる。
軍曹役のピーター・ミュランは、スコットランドの俳優らしいが、なんだか芝居がわざとらしい。『宇宙からのメッセージ』のビック・モローみたいな芝居、と言えば、分かる人は分かるだろう。
もう一人のメインの外人俳優、シェー・ウィガムも華がないだけでなく冴えない。日本人に弟を殺された怒りもあまり伝わって来ないし、萩原聖人との友情も何故育まれたのかが分からない。
戦後のヤミ市を駆け抜ける子供たちは、非常にエネルギッシュで好感が持てるのだが、それでいて街自体に悲惨さが感じられないので、そのエネルギーが際立ってこない。

笠松さんの撮影も、なんだか精彩を欠いている。もっと繊細で微妙な画を撮れる人なのになぁ。

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2004.02.08

2/8 『荒野のマニト(マニトの靴)』

レンタルDVDで『荒野のマニト(マニトの靴)』を観る。

アパッチ族の若き酋長アバハチは西部に民族(インディアン)パブを開こうと、ショショーニ族から金を借りて、不動産屋サンタ・マリアからパブを購入した。だが、サンタ・マリアはならず者で、ショショーニの息子は童貞のまま殺され、金も奪われてしまった。アバハチは“血の兄弟”の契りを交わしたカウボーイのレインジャーと共に、祖父が遺した財宝を探し、借金を返済しようとするが、それを嗅ぎつけたサンタ・マリアが彼らの後を追った…。

昨年単館公開された、独逸製バカ・ウェスタン。
狙いどころははハッキリしてて、ズッカー兄弟みたいなコメディを作ろうとしたのだろうけれど、これがどうにもこうにもスベリっぱなし(この単語を昨日も2度ほど書いたような気がするが…)。兎にも角にも全篇を支配するのは、かなりレベルの低いオカマ、ゲイ、ホモネタばかり。インディアンがオカマだったら?ガンマンがホモだったら?後は放屁ネタに糞尿ネタがかなり入っている。…そんなネタばっかじゃ笑えないって。
突然始まるミュージカルや、ネズミ捕りトラップ、妙なやりとり等に全盛期のズッカー&エイブラハムズ風ネタを見ることが出来るけれど、逆にズッカーたちの偉大さがよく分かる内容になっちまっている。
なんでこんな映画が「ドイツで空前の大ヒット」で「ドイツの映画賞総なめ!」(どんだけ賞を取ってるのかは日本語公式サイト参照)なのかがよく分からない。もしかしたらドイツ人がドイツ語で観たら強烈に面白いってことなんだろうか?

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2004.02.04

2/4 『かげろう侍』

レンタルビデオで『かげろう侍』を観る。

駆け出し同心の弥十郎(雷蔵)は、二枚目の女たらし。お珠(中村玉緒)という許婚がありながら、今日も他の女に現を抜かしている。ある日、沼津藩のお家騒動にからむ奉行所の重要書類が、虎鮫の寅吉という賊に盗まれた。奉行は、箱根を越えるまでに寅吉を捕まえろと弥十郎に命じる。
遊び人の振りをした弥十郎は、大雨による山崩れで通れなくなった街道の宿場にやって来た。人相風体、挙動の怪しい客たち。そこで起こる連続殺人。寅吉は一体どの男で、殺人犯は誰なのか?そこへ、お珠もが弥十郎を追って現れた。2人は協力して下手人を探すが…。

最近になって池広一夫を知るまでは、あまり雷蔵の映画を観ていなかった。オレは邦画に関して、どちらかと言えば東宝と東映、日活の人だったので、大映は『ガメラ』に代表される特撮モノ以外浅くて薄かったのだ。
どれだったのか覚えていないけれど、子供の頃に観た『眠狂四郎』数本と、20代で観た『ある殺し屋』シリーズ、それに本に載ってるスチール写真くらいしか記憶にない。どれも眉間にシワを寄せたような、重々しく苦みばしった雷蔵である。だからオレにはニヒルな俳優の印象しかなかった。だが、実はそれは一面でしかなかったことを今更知らされた。雷蔵は、いい加減な女たらしの役を実に軽やかに楽しそうに演じる。女に囲まれてデレデレの表情を見せる時、猛烈にチャーミングな役者なのだな。
この『かげろう侍』は、そんな雷蔵の魅力が一杯の映画である。

物語は、意外なほど本格推理ものの作りになっている。どの客も全て怪しく、犯人が誰なのかは全く分からない。そこへ起こる連続殺人事件…と書くと、重苦しい内容になりそうなものだが、雷蔵の軽いノリと若かりし中村玉緒のオキャン(死語)な魅力、マヌケな現地の同心・堺駿二などが絡み、展開はいたってコミカルである。必死に推理を巡らすお珠と、女に現を抜かしているだけのようにしか見えない弥十郎の迷探偵コンビが、実にいい雰囲気を醸し出す。

断崖絶壁でのクライマックスは、最近の2時間ドラマ風ではあるが、そこからエピローグにワンカットで繋ぐ手際は、お見事の一言。主人公とヒロインの、こんなに長いキスシーンで幕を閉じる時代劇も珍しい。
池広演出もスタイリッシュさは抑え気味だが、その分軽快で楽しい作品になっている。

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2004.01.23

1/23 雷蔵&池広『影を斬る』

レンタルビデオで『影を斬る』を観る。

青葉城の天守奉行で剣術指南役の井伊直人(雷蔵)は、優男で女遊びばかりしているぐうたら奉行。ひょんなことから、“仙台小町”と呼ばれる城代家老の娘定(瑳峨三智子)と祝言を挙げることになった。だが、定は初夜の晩に直人を巴投げで投げ飛ばす。そして、自分を負かさねば、夫婦の契りは結ばないと言う。直人は使用人の左内(藤原鎌足)と一緒に、イヤイヤ武者修行の旅に出るが…。

ここしばらく続いている池広一夫シリーズ。
硬派な時代劇みたいなタイトルからは想像も付かない時代喜劇。
時代劇の体裁を取っているが、その実これはサラリーマン物だったり、かかぁ天下のウーマンリブ(ダブル死語)ものだったりする。『必殺』の中村主水が、優男のプレイボーイになったようなもんだ。もちろん、63年の映画なので、『必殺』よりもこっちが先だ。
雷蔵をはじめ、脇を固める男優たちが、揃いも揃って情けない役を軽いノリで演じていて小気味良い。東宝から出張してきている藤原鎌足が、ま~たいい味出してんだ。定と芸者の君竜を演じる瑳峨三智子は、登場したときは人工的な顔立ちが怖いのだが、物語が進むうちにどんどんイイ女に見えてくるから不思議。

見せ場は、なんと言っても木場(?)での立ち回りの前後。
ある男が直人を襲わせるために十数人の浪人者たちを雇う。この場面では、モノクロ映画かと思うような色を抑えたライティングがシャープで凄味がある。この浪人者たちが直人を襲う場面では、池広得意の真俯瞰撮影で、直人がひょいひょい逃げながらかわし、また浪人の親玉との掛け合いの間が絶妙で大笑い。そしてその一瞬後、今度は意表を突いた雷蔵の殺陣がやってくる。この緩急は絶妙だよね。
あまり期待していなかったけれど、この映画はなかなか良く出来た艶笑話。拾い物だったな。

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2004.01.15

1/15 『荒野のダッチワイフ』

レンタルDVDで『荒野のダッチワイフ』を観る。

最初にこの映画を「凄いから観ないとダメだ」と、当時明大映研の金ちゃんに言われたのが20年も前。“カルトな名作”、“傑作”などと言われているのも知っていた。それを今更観た。もちろん、大和屋竺の脚本作品は、具流八郎名義のものや『ルパン』や『ガンバ』他のアニメ作品などで観ているが、監督作は観ていなかった。これは失敗。20年前に観とけば良かった…と言っても、当時はなかなか観る機会などなかったのだが。

殺し屋ショウは、不動産関係で財を成したナカから、仕事を頼まれる。奇しくもその殺しの相手とは、以前に自分の女を殺し、ずっと付け狙っていた男コウだった。いよいよ果し合いの時間、女が殺された時間である3時が迫ってくる…。

ともかく台詞に痺れる。
「オレの銃に38口径のダムダム弾をガンガン吼えさせる」とか「オレの身体中のゼンマイが巻き上がってギシギシわめくんだ」とか、普通こんな台詞出てこないよ。
正直なところ中盤過ぎまで、「台詞はメチャクチャかっこいいし、独特のハードな雰囲気は良いけれど、そんなに傑作とか言うほどの映画かなぁ」とか思っていたが、クライマックスを経て最後まで観終えて、賞賛される理由が分かった。これは凄い映画だ。
これ以上は書かない。これは話を人から聞いたり、文章で読む映画ではない。実際に観ないと分からない。
本当に今更観たのが悔やまれる。学生時代に観とけば良かったなぁ…。

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2004.01.12

1/12 ミシェルがイカす『ガールファイト』

レンタルDVDで『ガールファイト』を観る。
ダイアナ(ミシェル・ロドリゲス)は、日々怒りや不満を持て余し、すぐに暴力を振るう18歳のどこにでも居る(居ねぇよ…)女の子。ある日、弟が通わされているボクシングジムに立ち寄った彼女は、自分の捌け口をボクシングに見出す…。

劇場公開時の予告編で、ミシェル・ロドリゲスのド迫力の三白眼に惹かれたのだが、そのまま見過ごしてしまった映画。そのうち、このデビュー作を見逃したまま、いつの間にやら『ワイルド・スピード』『バイオハザード』『ブルー・クラッシュ』と3本も観てしまった。
映画的には、葛藤とか、起伏に欠けるし、カタルシスも物足りない。やっと出来たボクサーの彼氏と、アマチュア・フェザー級決勝戦で戦うことになっても、物語的にはほとんど悩む場面とかが作られていない。凡百の俳優が演じてたら、単に盛り上がりに欠ける退屈な映画になってしまうところを、ミシェルが強引に引っ張り続ける。そう、この映画は予想通り、ミシェル・ロドリゲスこそが最大の魅力。
劇中ほとんどのシーンで、迫力ありまくりのガンを飛ばしまくっている彼女が、クライマックスで笑顔を見せたときの、なんと魅力的なことか。
基本的には、いつものようにガン飛ばす怖いおネェちゃんのまま、オトコをぶん殴ったり、蹴っ飛ばして、たまにこんな笑顔見せれば、ファン層も拡大するのでは?ムリか…。特典映像の来日インタビューでは、一度たりともカメラ見ないしな。本当はシャイなのか?


ダイニチの石油ファンヒーターを買ったら、これがなかなかいい感じ。
「スピード着火40秒」は大げさだが、着火は早いし、匂いも気にならない。


数日前に、三池の『牛頭』『荒ぶる魂たち』のことを書いたら、トラックバックが付いてた。
ココログの「トラックバック」の意味が、どーもよく分かってなかったんだが、自分のところに付いてみて、初めて意味が理解できた。なぁんだ、そーゆーことだったのか。

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2004.01.11

1/11 はじけない『火山高』

レンタルDVDで『火山高』を観る。
言わずと知れた韓国製バカ学園アクション映画。

8つの学校を退学になった男、ギョンスがやってきたのは火山高。この学校では学園ナンバー・ワンの座と秘伝書「師備忘録」をめぐって、教師生徒入り乱れての派遣争いが行われていた。

一言で言えば『クラス・オブ・1999 韓国版マトリックス風味』
ヴィジュアル的にはすんごい頑張ってる。
もちろん、ネタ元が日本マンガで、そのストーリーに『マトリックス』風SFXアクションを持ち込んだってことは誰にでも分かる。しかし、そこに独自のテイストを加えたところがミソ。マトリックス風の白い部屋のシーンで飛び交う漢字の見せ方は面白いし、水を使ったSFXバトルは『レボリューションズ』の先を行っていた訳だし、編集のトランジションにヘンなFXをかましているのは『ハルク』よりも先だったのである。
元はパクリかもしれないが、それを昇華する映像センスは非常に買う。
だが、シナリオが弱過ぎる。
話自体は少年ジャンプのマンガそのままに、荒唐無稽・単純明快なのだが、なにかもうひとつはじけない。こんな荒唐無稽の設定にしたのに、なんでだかストーリーがこじんまりまとまっちゃっている上に、テンポもあまりよくない。多少の破綻を来たしても、パワーとスピード感でグイグイ押してって欲しい。だってこーゆー映画は、そう来なくっては面白くない。いくらでも面白くなりそうなのに、そうならないところが歯がゆくてしょーがねぇ。
また、全体の物語は分かるにも関わらず、どうも会話の内容が分かりにくい。翻訳のせいもあるのかもしれないが、シーン一つ一つで交わされる会話が、一体何を言っているのかさっぱり分からないのだ。逆に言えば、それでもストーリーが分かってしまうくらい、話がないってことでもあるのだが。

特典のCGメイキングの中に、竹林で戦うシーンがあって、監督のコメントでも「キーポイントとなる描写」とか説明しているのだが、本篇にはそんなシーンはない。恐らく日本版でカットされたのだろう。この映画、日本版で新たにスーパーを入れ直したり、編集しなおしたり、音楽差し替えたり色々しているようだが、そんな趣向はあまり頂けない。監督とプロデューサーの意図通りのオリジナルな映画を見せて欲しいものだ。

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2004.01.10

1/10 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』

新宿コマ東宝で、毎年恒例のゴジラ・ツアー(笑)。
今回は、邦画王とXオヤヂ、オレの3人だけという寂しいグループ。昔は10人近かったこともあったのにね。
劇場内も、楽日が近い最終回だけあって例年のようにガラガラ。

まずは『劇場版とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!』(長げぇよ!)。
このシリーズを観るのも3回目。ますます展開の脈絡はなくなり、スピードアップ。安陪なつみ演じるプリンちゃんが、唐突に人間型になるのが一番意味不明だな。
好きな映画の訳ではないが、毎回、前作より面白いと思いながら観ている。今回は、60過ぎの出崎統が前作までとは比べ物にならないほど、出崎演出-----止め画とオレンジ影----を大量に導入して、かつあそこまでハイテンポ&ハイテンションの子供映画を作ってるってことが見ものなのだな。デ・パルマもひっくり返るほどの画面分割の多用も驚き。
これまたトートツなミニハムズの登場シーンは、いつものように3DCGによるトゥーン・シェイダー。何故ゆえにこのシーンだけCGなのか?ま、いいんですけどね。

さて、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』である。
前作が悪くなかったのでそこそこ期待してたら、予想外に面白い。
これがあの悲しいほどイケてない『ゴジラVSメガギラス G消滅作戦』(この映画マニア受けは良いらしいけれど、なんでだろ?)の監督か?と思うほど、前作・本作の手塚昌明は頑張っている。シナリオが結構まともだし、特撮も以前よりも全然練れてきている。また、前作で水野久美と『サンダVSガイラ』を、本作で小泉博と『モスラ』『決戦!南海の大怪獣』を引っ張り出してきた辺りのヲタク性が、上手く作品に活かされている。
前作の家城茜(釈由美子)がただ単に退場したのかと思ったら、きちんと交代シーンが入ってるのも、いつも観ている大きなお友達に対する目配せとして上手い。おまけに、観る前は恐怖していた吉岡美穂も、出番を極力抑えることで恐ろしい芝居を晒すことなく済んでいる。その分、女っ気の薄い映画になってるけど、まぁそれは良いでしょう。
主役をパイロットではなく整備士にしたのも正解。この手の映画はどうしても戦いを展開するキャラが主人公になってしまうものだが、それを整備士にしたことで、物語が上手く回っている気がする。
なんて語ってしまうと、手放しで喜んでるみたいだが、大傑作だとか言ってるのではない。大体さぁ、怪獣同士が戦い始めると眠くなるような怪獣映画ってのが間違ってた訳で、平成『ゴジラ』以降そんなことをズ~っと味わってきた人間にとっては、ここ3本の『ゴジラ』の出来が嬉しくなっちゃうんだよね。
次回はゴジラ誕生50周年だそうで、もっとパワーアップ(断じてゴジラ自身をパワーアップして欲しいのではない)して、凄いのを見せつけて欲しいぞ。


映画の後は、久し振りに「青葉」で台湾料理喰って、それから邦画王行きつけの区役所通りの郷ちゃんの店へ。
そっちの気のマスターと下品な話題で楽しく過ごす。

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2004.01.06

1/6 名古屋ホラー『極道恐怖大劇場 牛頭』

♪牛頭~牛頭~牛頭~~!♪って唄が耳について離れないっ!
…ってことで、三池のイカレポンチ映画(褒め言葉だよ)『極道恐怖大劇場 牛頭』を観る。
凄いです。このイカレっぷり。今、三池は本当にどこまでも暴走が許される監督なんだな。
冒頭の「アレはやくざを殺すように仕込まれた“ヤクザ犬”です」から大爆笑!

名古屋にある“ヤクザの処理場(!)”に、既知外となった兄貴(哀川翔)を連れて行くことになったミナミ(曽根英樹)。ところが、兄貴は途中でよく分からないまま死んでしまい、さらにその死体も消えてしまう。
随所に引き攣るような笑いと大爆笑を散りばめつつ、全く訳が分からないまま、ストーリーはどことも分からぬ着地点に向けて突き進んでいく。この映画のポイントは名古屋と言う土地にあると見た。
名古屋出身のマトモな方には申し訳ないが、名古屋(及び愛知)にオレはあまり良い印象がない。俺が出会った名古屋人の多く(全てとは言わないが)に、何か相容れない微妙な違和感を感じた。東京モンが大阪まで行ってしまえば、そこはもうある種外国みたいなもんで、異文化の土地として理解も出来る。だが、名古屋である。大阪とも東京とも、何かが微妙に違う。
喫茶店でコーヒーを頼んだら、○○○○がサービスとして付いてくる。映画の中では爆笑のシーンである。だが、冷静に考えたら、なぜそんなものをコーヒーに付けるのか?それが名古屋のサービス精神だというが、理解が出来ない。

昔、タモリが名古屋人を笑った頃、オレはまだそれを実感してなかった。やがて大人になり、仕事で何度も名古屋に行く機会があったが、その度になにか理解しがたい、言い知れぬ違和感と、感じの悪さを体感した。
映画の中で何度か繰り返される「アンタ、ナゴヤのヒトじゃないね」という台詞は、可笑しさを誘うと同時に、非常に排他的な居心地の悪さを覚えさせる。
この牛頭の凄さは、そんな“名古屋な感じ”を、笑いと恐怖の中に内包していることだ。
もちろん、それを三池流にカリカチュアし、ハイパー・テンションの三池ワールドに仕立て上げている。喫茶店、米屋、酒屋、旅館…そしてまたもや母乳。非常に日常的な空間が、三池のナゴヤ・テーマパークとして突きつけられる。

ストーリーもネタもこれ以上は書くべきではないだろう。観なければこの凄さは分からない。観たって、やっぱり分からない(笑)。なんだかホントにもー訳分かんないんだけど、ともかく凄いんだよ。


K村さんから北海道土産に頂いたイクラを1瓶、丸ごとご飯に載せてイクラ丼にして喰う。
ウマイッ!

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2004.01.05

1/5 ヨダレだらだら『黒い蠍』

DVDで『黒い蠍』を観る。

なかなか機会がなく観逃していた映画が、まさかこんなに画質の良いDVDになって発売されるなんて、なんとも凄い世の中だね。
現代に蘇った巨大サソリが、サンロレンツォ、そしてメキシコシティで大暴れ!
火山の噴火、田舎の村で相次ぐ怪死、実在生物が大きくなっただけの怪獣、ヒーローと彼が助けた女性との恋、現行兵器での怪獣退治…と、基本に忠実なとっても正しい米国産怪獣映画である。なんと言っても見所は、ウィリス・オブライエンが手がけた巨大サソリ。きっとチョコチョコ出るだけで、見せ場は短いんだろうと思ってたらとんでもない。
巨大ミミズや巨大蜘蛛、サソリも大小合わせて4匹ぐらい(台詞では50匹以上居たとか言ってるが、それはいくらなんでも大嘘だな)出てくるのだ。これらの動きが実にシャープでリアル。
そしてクライマックス、コロシアムでの長老サソリVS軍隊のシーンたるや、驚愕もの。巨大サソリに攻撃を加える戦車、ジープ、ヘリが入り乱れの一大スペクタクル。これが全部ストップモーションで動いていることを考えれば、どれほどの労力が掛かったのか気が遠くなる。
またミニチュアの合成も、モノクロゆえにアラが目立たないことを差っぴいても非常にクオリティが高く、作り物の火山と地続きになった手前の人々の合成に違和感が全くない。
難を言えば、クローズアップ用のサソリの頭が、ストップモーション用のサソリの動きと一切合ってないこと。ストップモーションではスピーディに動いているのに、アップになるとユックリ動くから違和感バリバリ。おまけにヨダレをだらだら垂らしっぱなし。お前は『カオルちゃん最強伝説』の竹内力かっつーの。
ヒロインのマーラ・コーディがただのスクリーミング・ビューティに終わらず、自分から率先して行動するタイプの“戦うヒロイン”なのも当時としては珍しく、好感が持てる。ただその容姿が雄々し過ぎるきらいはあるけれど。
DVD特典は、時間こそ短いけれど、非常に濃密。
ハリーハウゼンの語るオブライエンの思い出だったり、オブライエンのアシスタントの死後、家から見つかったテストショット、「ラスヴェガス・モンスター」と「ビートルマン」(そのフィルムをジム・ダンフォースとデイブ・アレンが保存していたんだそうな。いい話だ)、アーウィン・アレンの「動物の世界」の先史時代シーン抜粋と、ファン魂をそそるものになっている。

昨晩は今年最初の会社徹夜でクッタリ。

NIFTYのココログに登録をして、今年のアタマっから(と言っても数日分だが)の日記を移してみる。
なんか面白いことも出来そうな気がするが、とりあえず移し替えてみただけで、何をしたわけでもネェんですがね、どうなんでしょ?見やすくなったんでしょうかね。

近所の飲み屋でメシがてら軽く一杯。
この町に越して来てから半年も経つのに、飲み屋の開拓(笑)が全然出来てない。実は今日は、メキシコ料理ドミンゴって地元の名店(なのか?)に初めて行ったのだ、定休日で休み。
で、これまたはじめての店「JEANS KITCHEN」なる店に行った。“男の台所”とか書いてあって前から気になっていた店である。確かに店長も店員さんもみな男。店の作りも、長いベンチシートに、デッカイ木のテーブルなど、素朴で男っぽい。だが出てくる料理は、意外と薄味だし繊細な感じ。
なんかもっと濃い目の味付けの豪快な料理が、ガッツンガッツン出てくるのを期待しちゃったよ。
酒の種類も多めで、味もそこそこ旨いし、値段も手頃だが、ちょいとイメージと違うかな。

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