2006.04.19

4/17 『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密』

『始末屋ジャック 幽霊屋敷の秘密』(F・P・ウィルソン著/扶桑社ミステリー刊)読了。

良く当たると評判の霊媒師イファセンから仕事の依頼を受けたジャック。仕事の内容は、自分たちへのいやがらせをしている主を探しあて、報復することだった。だが、イファセンの住む家に超自然的な出来事が次々と起こり始めた…。

【ネタバレアリ】
始末屋ジャック・シリーズも6作目。『ナイトワールド』発刊後に刊行された物が既に5作。最初はあまり『ナイトワールド』…と言うか、“アドヴァーサリー・サイクル”に関係無い話が多かったけれど、物語はいよいよ終末に向けてズンズンと突き進み始めている。

本作では、『ザ・キープ』の「タウ十字」が登場し、他人の未来が見えるようになったイファセンは、誰の未来も2年後に闇に包まれることを予言する。そして、ジャックが異界のターゲットとなり、ガッチリとアドヴァーサリー・サイクルに組み込まれたことを知らされる物語である。
ただそれだけに、シリーズをずっと読んでいる読者には疑問も多い。完結編であるはずの『ナイトワールド』よりも、本作の方が後に書かれているため、ジャックの役割が大幅に変わってきているのだ。解説文にも書かれているが、『ナイトワールド』でのジャックは、魅力的な脇役に過ぎない。だが、本作のような経過を経てしまっては、単なる脇役ではなく主役にならなければ嘘である。既に整合性も取れなくなって来ている。ウイルソンは始末屋ジャック・シリーズが完結したら、『ナイトワールド』を全面改定するんだろうか?あながち無い話でもないのかもしれない。

アドヴァーサリ・サイクルの話はさておき、今回は似非霊媒師と幽霊屋敷の話がメイン。過去に似非霊媒師の助手をしていたことも明かになるジャック。相手の手の内を知り尽くした上で、霊媒師を嵌める作戦が痛快だ。ジャックは霊媒が相手だろうが、超常現象が敵だろうが、常に現実的に戦っていくところが素敵である。
そして屋敷に起こる怪奇現象の原因は一体何か?物語中盤で現れる骨董商エリ・ベリートは、てっきり物語を膨らませる1エピソードに過ぎないのかと思っていたら、それこそが核心だったのには驚いた。巧いね、どうも。

物語とは関係無いが、フリオの店で働く従業員がミートローフの大ファンで、「朝からミートローフを掛けるような趣味がわからん」とか言われる。まるでオレのこと言われてるようだ(笑)。
ついでに、『ロジャー・ラビット』が無生に見たくなった。今度観ようっと。

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2005.08.15

8/15 『サイレント・アイズ』読了

『サイレント・アイズ』(ディーン・クーンツ著/講談社文庫刊)読了。【ネタバレあり】

人もうらやむような幸せな夫婦。その夫ケインが衝動的に愛妻を殺害した。同じ頃、アグネスは、交通事故で夫を失うと同時に、聡明な子バーソロミューを出産した。そしてサンフランシスコでは、レイプされた十代の少女が、1人の女の子エンジェルと引き換えに命を落とした。一見何の繋がりもない3人の運命が、池に投げた小石の波紋のように広がり、互いに影響を与えていく…。

クーンツ版『ペイ・フォワード』とでも言いましょうか。
1人の人間が為したことが、静かに確実に他のものへ影響を与えていく。第六勘小僧が提唱した「毎日誰かに1つ善い事をすれば、やがて僕らはみんな幸せ」の“幸せネジュミ講”の法則を活かした物語である。ただし、これはクーンツ作品なので、悪いことをしたら悪い影響も広がって行く。考えてみれば、『ペイ・フォワード』で第六勘小僧があっけなく死んでしまうのは、この“邪のペイ・フォワード”に呑みこまれたのかもしれない。そう考えたら、最終的に“正”が勝つ『サイレント・アイズ』よりも、はっきりと描いていないだけである意味では“邪”が勝ってしまう『ペイ・フォワード』の方がよりダークなのかもしれない。(あんなツマンナイ映画のことはどうでもいいんだが…)

ひとつの出来事がより大きなものに静かに波紋を広げていく。その考え方自体は分からんではない。だけどこの物語では、それがあまりにもご都合主義的に繋がって行くのが残念だ。クライマックスのあたりなんて、あんまりにもムリヤリ過ぎだよな。ここを巧く処理できれば(そりゃ神業だろうけど…)、すごい傑作だったのかもしれない。

ところで、久々に読んだク-ンツは、以前とは随分と違う印象である。アップテンポにページを繰らせるテクニックこそ変わらないものの、最大の違いはエピローグがあること。これまでは物語が終る=犯人(ないし悪)が倒される------でチャンチャン!と終わるのがク-ンツ流だった。初めてクーンツを読んだ時は、余韻もへったくれもない、あまりにも拍子抜けするアッサリしたラストに戸惑ったものだ。だが本作では、バーソロミューやエンジェルたちの後日談がたっぷり描かれる。一体どんな心境の変化があったのだろう。歳を取って、余韻が欲しくなったのだろうか?

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2005.08.01

8/1 『チューインガム・ウィークエンド』読了

なかなか本屋に置いてないので、とあるバーテンダーさんに借りて『チューインガム・ウィークエンド』(国領雄二郎著/文芸社刊)を読んだ。

人気のインディーズ・バンド「チューインガム」の3人のメンバー、マネージャー、事務所の社長、ヴォーカルの別れた彼女、ベースと同棲をする女。2枚目の外科医と2人の看護婦、代理店クリエイターと外注デザイナー、そして陽の光に当ることが出来ない見習いバーテンダー。みんなそれぞれの思惑があり、それぞれの悩みを抱えていた。青山のとあるバーを起点に「チューインガム」のライブに向かって交差していくそれぞれの人生…。

13人の登場人物たちの気分は、分からないではないんだけどね。でも、オレはこの気分に素直に共感する年代は通り過ぎちゃってるんだなーって、改めて自己認識してしまった。
特にバンドの3人。
みんなでメジャー・デビューしたいって夢も、おまえなんかどんなガンバッタって才能ねぇんだからムリだよって思う傲慢さも、いつまでもバンドなんてやってないで落ち付こうって諦感も、なんかみんな分かるけど、どれもみんな分かりたくない。そんな風に三人三様で思ってるのに、結局のところは脅迫観念みたいに女の幻影ばっかり追っかけてる気分は理解しがたいし。
13人って登場人物の数もちょっと多過ぎだ。きっと13人に意味があるんだろうけれど、4グループ13人が、同じライブで偶然交錯するのはどうなんだろう?さながら阪本順治の映画のごとく、偶然に偶然が重なって行く。2時間の映画でも気になる時があるのに、それよりも付き合う時間が長くなる小説では、もうちょっと偶然を抑えておかないと厳しい。もう少し人数を整理してあれば、カタルシスになったかもしれない。
大人になりきれてない、今の時代の30代の気分はよく出ている小説だとは思うけれど。

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2005.07.27

7/27 『酒場の奇人たち~女性バーテンダー奮闘記』読了

『酒場の奇人たち~女性バーテンダー奮闘記』(タイ・ウェンゼル著/文春文庫刊)読了。

ファッション誌「コスモポリタン」の編集者を経て、N.Y.のバー「マリオンズ」のバーテンダーになったトルコ出身の著者による、酒場にまつわるエッセイ。

イスラムの女性が酒を呑むってだけでも十分に驚きである。それが酒場でバーテンダーなんぞしていて良いのだろうか?きっと家族もお怒りだったでしょう。

さて、そんなことはともかく、バーに現れるヘンな人や困った人、出来事を綴ったエッセイである。ここでいうバーは、日本人の想像するバーとはちょっと違う。日本でバーと言うと、カウンターのほかにテーブル席が数席程度の小さめのオーセンティック・バーや、ホテルのバーなどの静かな空間の印象が強い。だが、著者が働いていたマリオンズは、古い歴史を持つ由緒正しいバーではあるけれど、もっと賑やかな空間のようだ。よく映画に出てくるようなアメリカのバーをイメージすればいいんだろう。
有名人やギョーカイ人は引きも切らずに訪れ、夏になれば“カヒキ・ラウンジ”なるハワイアン・イベントが開催されたりもする。トイレでセックスしちゃう客も来れば、ゲロ吐く客もおしっこ漏らしちゃう客も、もちろん、好色オヤジもアル中もヤク中もやって来る。それらが面白おかしく紹介される。バーテンダーって面白くって、エキサイティングで、その上すっげぇ大変な仕事だなぁと思う。

基本的には最後まで面白く読めるんだけれど、訳者あとがきにもあるように“チップ”の話題が多過ぎるのが玉にキズ。日本とじゃ雇用形態が違うし、チップがなきゃ喰っていけない世界なのは分かるけど、エッセイでそこまで言わなくっていいよねぇ。

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2005.07.25

7/25 『ショップガール』読了

『ショップガール』(スティーブ・マーチン著/小学館刊)読了。

絵で食べていくことを夢見ながら、L.A.のデパートの手袋売り場で働く28歳のミランダ。妻とは別れた50代の大富豪レイ。偶然であった2人が恋に落ち、付き合い始めるが…。

煮え切らない男女----絵描きの才能があると思ってる貧乏女と、自分はソフィスティケートされていると思っている金持ち男、パッとしない貧乏童貞くん、全ての男は自分に惚れると信じている尻軽女----たちの日々の憂鬱と恋の物語。

なんでこんなしょーもないもんを読んだかと言えば、それは著者がスティーブ・マーチンだから。もうこれだけに尽きる。でもこの本、宣伝文句によれば「全米大絶賛」だそうだし、AMAZONの感想でも大絶賛の嵐。面白いですか、コレ?

読んでもいないのに文句言っちゃあいけないけど、『セカチュー』とか『AYU』とかが素晴らしいって論調と同じ文脈なのかもしれんなぁ。スティーブ・マーチンは、こんな本書いてる暇があったら爆笑コメディを作ってて欲しいもんだ。

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2005.06.28

6/28 『ブレンデッドスコッチ大全』読了

『ブレンデッドスコッチ大全』(土屋守著/小学館刊)読了。

ブレンデッドスコッチだけを100銘柄取り上げて解説したガイドブック。著者は言わずと知れたスコ文研の土屋守氏である。

1999年発行の本なので、幾分情報が古くなっている感は否めない。だが、他にブレンデッドスコッチのみに焦点を合わせたガイドはほとんどないのだから仕方が無い。

名前は聞いたことがあっても、実際に飲んだことはもちろん、売っているのを見たことが無い酒ってのも結構ある。余程必死にならない限り、普通に飲んでるだけじゃ網羅して飲むことは出来ないし、第一、酒屋さんに行ってもバーに行っても、基本的にそんなに変わったお酒は置いてないもんだ。そんな変わったのばっかり置いといても、全然売れないだろうから、店だって普通に売れるお酒----すぐに名前を思い出せるものに特化して行くのは仕方がない。特に最近は焼酎とスコッチ・モルトのブームで、ブレンデッド・スコッチやアイリッシュ、カナディアンなんてのは、どんどん店の棚の隅のほうに追いやられてしまっている。そんな最近あんまり見かけないお酒が色々と出ているのが嬉しい。
酒の味なんてのは誰のテイスティング・ノートを見ても、結局のところ個人の好みと舌の問題で、参考になりこそすれ絶対的なものではない。そういう意味では、この本は情報と薀蓄に寄っており、それが面白い。もっと薀蓄に特化してしまった“究極の薀蓄本”をどこかが出せばいいのに。

『モルトウイスキー・コンパニオン』と違って翻訳本ではないので、文章も普通の日本語で読み易い。逆に、あの本はなぜあんなに読みにくいのだろう?

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2005.05.30

5/30 『奇術師』読了

『奇術師』(クリストファー・プリースト著/早川文庫刊)読了。

超常現象の取材ばかりをさせられているジャーナリストのアンドルー・ウェストリーは、彼宛に取材要請の手紙を送ってきた女性ケイト・エンジャから、思いも寄らない話を聞かされる。おたがいの祖先は生涯ライバル関係だった天才奇術師で、彼らの確執は今の自分たちにも影響を与えていると言うのだ…。

久々にグイグイと引き込まれる傑作ファンタジー。いや、SF…かな?まあ、そんなジャンル分けなどどーでも良い。

物語は5部から構成されている。
アンドリューとケイトの現代の出会い、アルフレッド・ボーデン(アンドリューの祖先)が書いた「奇術の秘法」と言う書物、ケイトの回想、ルパート・エンジャ(ケイトの祖先)の日記、そしてエピローグ。

形式的にはアンドリューが主人公になっているが、実質的な主人公はアルフレッドとボーデン、2つの手記の書き手である。一方が遭遇した、あるいは起こした出来事の数々が、他方から見れば全く異なったものとなり、それが確執や憎悪を拡大させていく。どちらもそれぞれの言い分があり、同じ出来事の印象が違うことで、読者はそのときその時でどちらにも感情移入したり、混乱させられたりする。特にルパートの日記を読んでいると、度々アルフレッドの書いた本を読み返すことになる。
「あれぇ?アルフレッドはこの時に何って言ってたっけ?」
作者は意図的に噛み合わない部分を作って、読者を深みに引きずり込んで行く。それは主人公2人のちょっとしたボタンの掛け違えが、確執の深みに引きずり込んでしまったように。

物語の核となるのは2人の奇術師の演目である。一方は「新・瞬間移動人間」。そしてもう一方は「閃光の中で」。どちらも名前は違えこそ、演者が瞬間的に別な場所へ移動するトリックである。互いに相手のトリックのネタが分からないし、読者にも分からない。そしてクライマックスでその謎が分かったときに、あっと驚かされる。それが非常に気持ち良いのだ。

物語を読み始めた時には、“ちょっと変わったミステリ”くらいの印象だったのが、結果的にはちょっと驚くダーク・ファンタジー……ある意味ではトンデモ的な物語になっている。
してやられましたな。

世界幻想文学大賞受賞作品で、「このミス」の2位だそうだ。

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2005.05.10

5/10 『銀座の酒場 銀座の飲り方』読了

『銀座の酒場 銀座の飲り方』(森下賢一著/角川文庫刊)読了。

この本はいわゆるグルメ本の類とは違って、過去を振り返ったエッセイになっている。時代的には1960~1990年代。著者の森下氏とオレは約30歳違うから、90年代には十分呑ん平ではあったけれど、この本に出てくるようなバーの大半は、実際に行ったり、空気を感じたりしたことはほとんどない。行ったことのある店はごくごく数軒でしかないが、それにも関わらずなんとも懐かしい気にさせる。それは、慣れ親しんだ「日活無国籍アクション」に出てくるような、バーやキャバレーを彷彿とさせるからだろう。

酒場の奇人変人だったり、独特な先輩・後輩関係等、煩わしいこともあるだろうが、それを補って余りある、なんとも楽しそうな空気が羨ましい。今、バーに行ってももちろん楽しいのだが、この時代の楽しさとは全く異なるんだろうなぁ。
それとも、銀座の老舗バーに行ってみれば、今でもこんな光景が繰り広げられているんだろうか?

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2005.05.03

5/3 遂に公開『銀河ヒッチハイクガイド』

アメリカで『銀河ヒッチハイクガイド』が遂に公開されて、初登場第1位!やったぜ!でも予告編を観ると、妙にゴージャスでちょっと不安になる。原作を読む限りでは、スケールがデカいのに、貧乏臭い感じがいいんじゃないのかな。
とりあえず、秋に日本公開の予定らしいので、その日を楽しみに待とう。
ついでに新潮社は、絶版になってる原作3部作を復刊しておくように。わかったね!

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2005.04.25

4/25 『笑伝 林家三平』読了

『笑伝 林家三平』(神津友好著/新潮文庫刊)読了。
戦争から復員し、父正蔵の後を歩きながら、全く異なる芸風で“昭和の爆笑王”になって行く林家三平の波乱万丈の人生を、放送作家・神津友好氏が描いた評伝。

ウチの親父は三平師匠をバカにしていた。
“古典をやらない”、“「どぅもスイマセン」だけで芸がない”
古典芸能好きで頑固なウチの親父が、いかにも言いそうなことだ。子供の頃、オレも「そんなもんかな…」と思っていた。

だが、今から十数年前に、たまたま三平師匠のビデオを観る機会があって驚いた。すこぶる(死語)面白いのである。確かに古典は殆どやらない…と言うか、ネタらしきものも多くはない。だが、その絶妙な“客弄り”の凄さに腹を抱えて笑い、かつ敬服した。

そんな三平の人生が、女癖の悪さも含め、面白可笑しく、時に哀しく語られる。病気後の復帰時に、満を持して用意していた「源平盛衰記」を結局やらずに、客弄りに終始してしまうエピソードが、三平師匠の人柄を実によく現している。ああ、そんな人生だったのか、と感慨深い。

ところで、この本はこぶ平の正蔵襲名にタイミングを合わせて復刊された本である。でも、なぜかビデオの類は絶版のままで、多分今見ることの出来る芸は何もない。たまにCD(「よしこさん」とか「バチバチ」などの歌が入っている)は聞くけれど、是非高座も観たいもんだ。根岸企画は何で再販してくれないんだろう?

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2005.04.05

4/5 「The Whisky World」

イギリスの『Whisky Magazine』のキャッチは、“世界で唯一のウイスキー雑誌”ってことだったが、2番目のウイスキー雑誌『The Whisky World』(プラネットジアース刊)が、なんと日本で発刊されてしまった。焼酎ブームの陰で、地道だが着実にシングルモルト・ブームが進行していたおかげだろう。

雑誌の核となるのは、『Whisky Magazine』同様にティスティング・ノートであるが、今号で良かったのは、特集である。ウイスキー好きなら誰でも予想が付くように、言わずと知れた“アイラ”特集であり、創刊号らしく現地取材に力が入っている。一度はあんな風景を見に行ってみたいと思わせる。アイラだけではなく、アイル・オブ・ジュラの荒涼とした風景も素晴らしい。ジョージ・オーウェルが『1984年』を書いた人里離れた場所なんて、行ってみたいではないか。

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2005.04.01

4/1 「東京国際アニメフェア」

東京ビッグサイトで「東京国際アニメフェア」。

仕事がらみのことも色々あったりするんだが、それはさておき。

新進気鋭の若手作家がブースを出している「CREATOR'S WORLD」が面白かった。
昔だったら、8mmか16mmからVHS起こしたようなものでしか見せられなかっただろうけれど、今はデジタルで作ってる作品がほとんど。だからDVD起こして綺麗な状態で見せることが可能だし、これなら直接仕事に繋がっていくことも多いだろう。

ついでにアニドウのブースで『日本漫画映画の全貌』(\2500)を購入。『もりやすじ画集』『わんぱく王子の大蛇退治』のフィギュア(スサノオ、クシナダ、アカハナの三体セット)にもモーレツに惹かれるが、それぞれ¥10000と¥24000はちょと高い。(仕方がないけどさぁ)

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2005.03.02

3/2 『もえるるぶ』

こんな本が出てるとは驚いた!『萌える英単語 もえたん』の時も驚いたが、これは本気でJTBが出してる「るるぶ」の一冊。
てっきり「るるぶ」のパロディかと思った。

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2005.02.22

2/22 『スパイス名人宣言』

『日曜日の遊び方 スパイス名人宣言』(朝岡勇・和子著/雄鶏社刊)読了。

最近、燻製作りに凝っている。
で、燻製の本を読んでいたら、ソーセージの“ソー”が雌豚のことで、“セージ”はスパイスの「セージ」を指していることを知った。それではと、今度はスパイスに関する本を読んでみた。

スパイスの歴史から、主要なスパイスの特徴・特性、使用方法やレシピまで、色々と知らなかったことが多くて面白い。ターメリック(=ウコン)が肝臓に良いのは知っていたが、アジョワンが二日酔いに効くとか、フェンネルが脂肪減少の働きがあるとか、これから色々と使ってみようかと思わせる。

これを書店じゃなくて、高級食料品店「明治屋 六本木店」のスパイス・コーナーで購入。著者は朝岡スパイス(よくスーパーのスパイス・コーナーで見かける、透明瓶に金ブチ白ラベルのスパイスの会社)の社長夫妻で、おまけになぜかサイン本だった。

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2005.02.12

2/12 『Whisky Magazine Live! 2005』

今日は1日中飲んだくれていた。(と言うより、職場の飲み会があった10日から、3日間呑んだくれっぱなしだが)
それは『Whisky Magazine』を発行しているThe Whisky Publishing Companyと、その日本版を発行しているウイスク・イー社の共催による『ウイスキーマガジン・ライブ!2005』に行っていたからだ。

今回で5回目になるこのイベントの存在を知ったのは、多分2回前の時だろう。ウイスキーは好きだったけれど、どちらかと言えばスコッチよりもアイリッシュ派だったので、その時は「ふ~ん、面白いイベントやってんだね」と思ったくらいだった。その直後モルト・スコッチの強烈さを知り、徐々に深みへと入り始め、ついにはこのイベントに行っちゃうような人になってしまった(笑)。

イベントはビッグサイトで開かれ、会議室でのマスタークラス(セミナー)、レセプション・ホールでの各メーカーやインポーター等のブース展示と試飲会、夜のパーティの3要素から構成されている。
イベントで何が行われてたのかってのは以下の通りだけど、テイスティング・ノートを書く気はない。オレのテイスティングなんて、自分以外に役立つとは思えないから、もっと専門の人のノートをネットかなんかで探してください。

さて、まずはマスタークラス。
4つの時間帯にそれぞれ5~6種の講座が開かれ、全部で20種にも及ぶ。オレの購入した1DAYチケットなら、その中から3つのクラスを受けることが出来る。申し込んだのが遅かったので、既に満員になっていたものも多々あったのだが、それでも、どのクラスでも興味のある話を聞けた。

●アイランドモルト
ジョニー・ウォーカーやオールドパーなどで知られる巨大洋酒会社、ディアジオ社のウイスキーブランド・アンバサダー、ゴードン・ベルの講演。
今日はモルトの話なので、スコットランドの各地域におけるモルトの特徴とかをさらりとおさらい。
その後、いよいよ各テーブルの上にズラリと並んだテイスティンググラスに取り掛かる。
中身はタリスカー(New Make/3Y/8Y/10Y)とラガヴーリン(New Make/3Y/8Y/12Y/16Y)。
樽詰め前の無色透明なNew Makeを香り、あまりの強烈さにむせる。当たり前だが、年数を経るごとにコクや深みまろやかさが加わって来るのが分かる。こんな飲み方をしたことがないので、非常に面白い。
ラガヴーリンのNewMakeと3年を、「まるでロケット燃料みたいですね」と言っていたのが可笑しい。確かにそんな味だ。
ラガヴーリン16Yの供給不足について質問が出ていたが、2年後くらいにはもっと安定する予定だそうだ。

●イージードリンキング&アラン
2002年に出来たばかりの若い会社、イージードリンキング社のデヴィッド“ロボ”パターソン社長と、1995年に出来た最も新しい蒸留所、アラン蒸留所のセールスダイレクター、ユアン・ミッチェル(蒸留所長ゴードン・ミッチェルの血縁?)の講演。
会社も若けりゃ人も若く、味のあるジィサマや円熟味がウリになってるような雰囲気のウイスキーの世界では、飛び抜けて異質な感じだ。もっとも、オレは映画でも若くて元気のいい監督とかは嫌いじゃないので、この会社に興味を惹かれたんだな。
予想通りテンションの高い講演。特にロボはタランティーノかと思うくらいのテンションだ。
テイスティングの前に、「Does your nose know?」と書かれたカードが配られ、これが擦ると匂いのするカード。これを嗅いで、何の匂いか当てるのである。まるで“オドラマ・カード”みたいでちょっと笑う。
テイスティングは、もちろん「スモーキー&ピーティーワン」、「リッチ&スパイシーワン」、「スムーズ&スイーターワン」の3種(どれも40)。個人的には、元々アイリッシュが好きだったこともあって、「スムーズ&スイーターワン」が美味いと思う。中身はクーリーズ・アイリッシュが7割だから、その名の通り実に飲みやすい。
アラン蒸留所からは「ポート・フィニッシュ(57.5)」、「ラム・フィニッシュ(58.6)」、そして未発売の「1995カスク・サンプル(シェリー・フィニッシュ)」の3つのテイスティングが用意された。「1995カスク・サンプル」の香りがとても気に入った。

●エドラダワー&シグナトリー蒸留所
有名インディペンデント・ボトラー、シグナトリー社の社長にして、世界最小蒸留所エドラダワーのオーナー、アンドリュー・サイミントンと、エドラダワー蒸留所のオペレーション・ディレクター、イアン・ヘンダーソンの講演。この2人のオヤジとジサマが“明るい頑固者”って感じで、実に楽しい。
サイミントンが、エドラダワーを買った時の感動や、その買った直後に豪雨に襲われて、いきなり蒸留所が潰れかけた話をすれば、ヘンダーソンはたった3人のスタッフで手作業で作ってることを自慢する。息の合ったバトンタッチが小気味良い。
テイスティングは全部で6種。
「エドラダワー10Y(40)」、「エドラダワーSFTCポートウッド・フィニッシュ1993(56.5)」、「エドラダワーSFTCソーテルヌ・フィニッシュ1994(55.8)」、「エドラダワー ポートウッド・フィニッシュ1983/21Yカスクストレングス(52.9)」、「シグナトリー カリラ1979/25Y(58.4)」、「シグナトリー ハイランドパーク1985/19Y(53.3)」
シグナトリー ニュー・カスクストレングスのカリラがベラボーにいい香りでクラクラくる。
新しくどこかの農場蒸留所(名前を忘れた)も買ってあるんだそうで、近いうちにその新しいウイスキーを発表するそうだ。「その時は、必ず日本で発表する!」と言って、場内を沸かせていた。
もしもスコットランドに行くことがあったら、必ずこの蒸留所には行こう、と思わせる講演であった。

●レセプション・ホール
蒸留所やメーカー、インポーターが各社ブース出展し、自社の自慢の商品をズラリと並べている。もちろん、試飲可能になっている。
ジョン ミルロイのブレンデッド「FRISKY WHISKY(60)」からはじめ、色んなものをあっちこっちで飲んでいるうちに、なんだかよく分からなくなってくる。そりゃ、こんだけ色んなものを飲んでりゃあね…。
ブラックアダーの「オーヘントッシャン」と「ドロップ・オブ・アイリッシュ」を買って、おまけとしてリンクウッドの200mlボトルをもらう。3本ともラベルに、社長でウイスキー・ライターのロビン・テューチェックがサインをしてくれた。

●ウイスキー・セレブレーション
ここから、むりやり誘った座長も合流して、パーティに出席。まだ飲むんかい!オレ。
ここでも酒は全て飲み放題。「竹鶴21年」の美味さに震えたり、「ジョニ金」のフローズンのスッキリ感に痺れたりしながらも、やっぱりモルトをクイクイ飲む。
イベントは、バーテンダー協会、ホテルバーメンズ協会それぞれのバーテンダー、ロンドンから来たバーテンダーによるパフォーマンス、DJカオリ(誰?)によるパフォーマンスなど色々。だが、MCの女性2人がともかく最悪で、酒のことも知らなけりゃ、通訳としても全く機能しておらず、おまけに仕切りも悪いので進行もメチャメチャ。DJ機材のセッティングも遅れまくりで、どうにもこうにもグダグダのイベントになってしまった。1人はJ-WAVEでもパーソナリティをやってるアイリーンっての。もう一人のオバサンはよく知らんが、こっちはもっと酷かった。
お酒のイベントのMCで、「私は飲まないんですが、このカクテルなら飲めそうですね」なんて平気で言うヤツ雇うなよ。

最後のパーティは問題大アリ(酒はここでも美味しかったからいいんだが)だったけれど、総じてイベント自体は非常に楽しく、ためにもなった。参加前は、ちょっと料金が高いかなとも思ったけど、こんだけいっぱい美味しい(そして高い)お酒を飲んで、この値段なら文句はない。
多分、次回も参加するだろう。でも、出来れば、当日朝まで飲んでたまんま、3時間睡眠で行くなんてことせず、体調を万全にして行きたいもんだ。じゃないと勿体無いや。(当たり前だ、ばか)

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2005.02.06

2/6 『幸運の25セント硬貨』読了

『幸運の25セント硬貨』(スティーブン・キング著/新潮文庫刊)読了。
「Everything's Eventual: 14 Dark Tales」の二分冊翻訳の下巻。本当は上巻の『第四解剖室』から読み始めるべきだが、たまたま店頭になかったのでこっちから。

●なにもかもが究極的
特殊な超能力を持った少年の話。
『ダーク・タワー』シリーズの世界観に乗っているらしいのだが、『ダーク・タワー』はキングで唯一読んでないシリーズなのでなんとも言えん。ま、本編を知らなくっても全く問題はない(『アトランティスのこころ』と一緒だね)。この話の面白さは、“自分で編み出した独自の記号を人に読ませるだけで、特定の人を殺害する能力”ってところだ。こんな妙な超能力、よく思いつくもんだ。

●L・Tのペットに関する御高説
妻と夫とそれぞれのペットである犬と猫の話。
そう言えばうちの基地外上司が、以前に「うちのペット(アメショーだったかな?)が自分に懐かないから、自分専用にコーギーを買う!」と飼い始めたのはいいけれど、これがやっぱり懐かない。そうしたら、「こんなバカ犬要らない!」といきなり処分しようとしたって話があった。この短編も、ラスト以外は実際にいくらでもありそうな話だ。

●道路ウイルスは北にむかう
絵の中身がドンドン変わっていく奇妙な絵を、ガレージセールで惹かれて買った男の話。
作者本人も解説で書いているが、『ローズマダー』も絵が変わっていく話だったな。いかにも邪悪そうな絵に、主人公が何故惹かれたのかよくわからないが、不気味な雰囲気はいい感じ。ラストにちょっとブラックなユーモア。

●ゴーサム・カフェで昼食を
とある夫婦が、離婚協議のために入ったレストランで、アタマのおかしい給仕に襲われる話。
作者は夫婦こそが狂っていると書いているが、やっぱりそれよりも給仕の狂いっぷりの方がインパクトが強い。『モンティ・パイソン』の「フォークが臭い」スケッチを思い出した。

●例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚
夫婦で旅行中の妻が、度の間中ず~っと既視感を覚える話。
タイトルを見て、何のことだろうと思ったら“デジャ・ヴ”のことだったんだ。英語には、これにあたる言葉ってないのかな?この短編集の中では一番面白くないかも…。

●一四〇八号室
幽霊話のあるホテルの一室に泊まろうとした、心霊ルポライターの恐怖の話。
これはなんだかコワイなぁ。
前に何かの番組で、ホテルの部屋に泊まる時は、必ず壁の絵をひっくり返して見るって人が居た。そーゆーところに御札が貼ってある部屋はヤバイと言うのだ。
この物語みたいに、ホテル側がわざわざ閉鎖までしている部屋になら、何が起きてもおかしくないかも。

●幸運の25セント硬貨
ホテルのメイドが見つけた、たった25¢ぽっちのしみったれたチップにまつわるファンタジー。
ありげなのにちょっと奇妙な話は、まるでロアルド・ダールの『予期せぬ出来事』の1エピソードかと思わせる。日本版では表題作になっているけれど、やっぱり一番日本人向きな物語なのかもしれない。オレも一番気に入ったのはコレ。

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2005.01.26

1/26 『ダーウィンの剃刀』読了

『ダーウィンの剃刀』(ダン・シモンズ著/早川書房刊)読了

ダーウィン・マイナーは事故復元調査員である。彼は突拍子もない事件現場、事故現場を検分し、その原因を科学的に究明するのが仕事である。ある日、事故調査の帰り道で彼は突如銃撃を受け、愛車NSXをボッコボコにされてしまった。彼を襲ったのは一体何者なのか?

『ハイペリオン』シリーズのダン・シモンズの手によるサスペンス・アクション。
この小説のキモは、“事故復元調査員”と言う主人公の設定だ。どんな奇妙奇天烈な事故現場でも、彼の頭脳にかかれば、たちどころに解明してしまう。物語の本筋に関わる事件はもちろん、直接事件に関わらない事件の謎解きがいくつも出てくる。正直なところ、これらのエピソードはなくても物語は成立するのだが、ストーリー巧者のシモンズだけあって、こうした描写を入れ込んでも、話があまり弛まない。中には有名な事故----自動車を運転していて、銃弾に当たって死んだ男の話(フォークロアなのかな?)や、スペースシャトル・チャレンジャーの事故の解明なんてのも混じっている。知っているようなのも、知らないものも、どれも「うっそだ~っ!」ってな感じなんだが、一瞬後に「もしかしたら、ホントに起きるのかも?!」と思わせるところが上手い。
ただ、物語のクライマックスは、この事故復元調査員って現在の仕事よりも、ダーウィンの過去のもうひとつの仕事の方にシフトしてしまうのが残念だ。そんな過去も持ってたら、ある意味スーパーマンだよね、この人

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2004.12.17

12/17 『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』読了

『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』(J・K・ローリング著/静山社刊)読了。

言わずとしれたベストセラー・シリーズ第5弾
今回は、なんだかず~っと暗いトーンであり、イヤな雰囲気の展開。その理由のひとつが、ハリーが年がら年中カンシャクを起こしていること。
自分だけ除け者にされただの、みんながボクを信じないだの、いろんな理由でイライラし、しょっちゅうロンとハーマイオニーに当り散らす。いつまでも無邪気な子供ではなく、成長の過程として描いているのは分かるけれど、こんなにイライラしっぱなしの主人公は、あまり気持ちの良いものではない。
もうひとつの理由は、物語展開自体の暗さである。
前作で“例のあの人”の復活を目撃したハリーと、その言葉を信じたダンブルドアが、魔法大臣コーネリウスに徐々に包囲され、身動きが取れなくなっていく。そしてシリウスがあんなことになったり、クライマックスで遂に例のあの人とハリーの関係性が明らかになったりと、非常に重い展開が待っている。まるで『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』である。個人的にはこんな展開は嫌いじゃないんだが、それをダンブルドアの口から語らせてしまうのは、ちょっと安直だったんじゃないのかとも思う。
逆に、今回で非常に小気味良いのは、フレッドとジョージの双子である。シリーズを通して、割とうっとおしいキャラクターだっただけに、今回の大活躍は非常に楽しいものになっている。
全体としてハリーのイライラに振り回されっぱなしな印象が強いが、まあ相変わらずツルツルっと読めちゃうからまあいいか。

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2004.11.03

11/3 『シークレット・ウィンドウ』

新宿文化シネマ2で『シークレット・ウィンドウ』を観る。

作家モート・レイニー(ジョニー・デップ)はスランプだった。妻エイミー(マリア・ベロ)は間男(ティモシー・ハットン)に寝取られ、お気に入りだった自宅も妻に取られてしまった。彼は行き詰りながらも、湖畔の別荘で新作小説を創作中だったが、そこへジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)と名乗る男が現れた。彼はモートが以前に発表した小説『秘密の窓』は、自分の小説の盗作だと言うが…。

原作の『秘密の窓、秘密の庭』(スティーブン・キング著/文藝春秋刊/『ランゴリアーズ』収蔵)は読んでいるのだが、何故かきれいさっぱり忘れている。作家の盗作話で…なんだったっけ?スズメのヤツ?あれは『ダーク・ハーフ』か。じゃあコレはどんなんだった?うう~ん、思い出せない…。
映画観てやっと思いだしたよ。ああ、こんな話だった。ストーリーが面白いってよりも、キングらしいディテール描写と雰囲気で保たせていた原作だったような気がする。だから、映画もストーリーが面白いって訳でもない。
パンフレットには帯を掛けて封印してあり、“ネタバレ禁止”感を煽っている。その宣伝部の意向に沿って、ここでネタバラシはしないけれど、ちょっと勘の鋭い人なら、オチは予想が付くようなものである。
てなことで、見所は役者に集約される。キング原作の映画なのに、なんだか女性客が多いのは、もちろんジョン・タトゥーロ目当て…んは訳はなく、“パイレーツ効果”で最近は婦女子から大人気のジョニー・デップ。この“曲者演技”巧者な2人が出てることこそが、この映画の面白さ。
特にタトゥーロの不気味な南部オヤヂ演技は秀逸。こんなオヤヂが家に現れて、オマエはオレのものを盗んだ」なんて言ってきたら、本当にイヤだ。
さらに本作には、チャールズ・ダットンにマリア・ベロ、そしてティモシー・ハットン(!)と実に微妙な俳優たちも出演している。主演の2人も含めて、数年前ならどう考えてもミニシアター公開映画の雰囲気を醸し出す、とてもメジャー作品とは思えない顔ぶれだ。

監督・脚本のデヴィッド・コープは、『ミッション:インポッシブル』『スパイダーマン』など、超大作を多く手掛ける脚本家。でも、この人は監督にはあんまり向いてないかもね。

そう言えば、最近キングの新作が出ないな。そろそろなんか出してよ。文春or新潮さん。

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2004.10.21

10/21 『ブレイブ・ストーリー』読了

『ブレイブ・ストーリー』(宮部みゆき著/角川書店刊)を読み終える。

ワタルは、優しい母親、理屈っぽい父親と暮らす、ゲーム好きのどこにでも居るような小学5年生。だがある日、父は外に女を作って家を出ていった。崩壊する家庭を前に呆然となるワタル。「こんな運命は間違っている!」 そして彼の前に幻界(ヴィジョン)と呼ばれる異世界への扉が開かれる。この世界を旅して、運命の塔に辿り付いた現世の人間は、願いを叶えてもらえると言う。そして、ワタルは自分と家族の運命を変えるため、異世界へと旅立った…。

“母を救うために現実世界と幻想世界を行き来しながら、運命の場所を目指す”これって、パクリとは言わないまでも、キング&ストラウブの『タリスマン』と同じじゃん。
『タリスマン』と決定的に違うのは、緊張感である。異世界で冒険せざるを得なくなった主人公が絶対悪に追われるから、『タリスマン』には緊張感が持続していた。だが、この物語にはそれに当たるものがない。魔族の出現と世界を救う人柱って要素が、それに代わるものだとは思うけれど、ワタルの苦悩や努力がそれほど濃く描かれないため、緊張感になっていかない。主人公ワタルの日常描写----両親との関係、伯父さんや友達との交流、幽霊マンション等々----の方が、異世界に行くまでよりよっぽど面白いってのは、ファンタジーとしてはダメなんじゃないの?
おまけに異世界で起こる全てが、どれもこれもどこかのRPGで見たことのあるようなものばかり。ゲーマーとして知られる作者自身が、そのあたりを意識しているのは分かる。だけど、あんまりにも既存のRPG風過ぎやしないか?

とは言え、国産小説としてはかなり分厚い2分冊(と言っても、キングに比べたら大した量ではないが)を淀みなく読ませる筆力は大したものだ。宮部みゆきを読むのは初めてだが、ファンが多いのもうなずける。でも、だからこそ宮部ファンの人には『タリスマン』を是非読んで欲しいとも思う。上巻のツラサを乗り越えることさえ出来れば、『ブレイブ・ストーリー』よりも全然面白いから。

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2004.07.30

7/30 『体内凶器』

『体内凶器』(F・ポール・ウィルソン著/早川書房刊)読了。

幼い頃、血管手術の権威ダンカン・ラズラムに生命を救われたジーナ。彼女は大人になって憧れのダンカンの元で働くことになった。だが、ダンカンは以前の彼とは異なり、その手腕を美容整形にのみ使うようになっていた。
一方、ジーナは医療現場の改善を夢見て、医療倫理ガイド法案の助手を務めるべく、政治の世界に入っていこうとする。だが、委員会メンバーが次々と謎の怪死を遂げていく。委員会に一体何が起こっているのか?

『ナイトワールド』シリーズでお馴染みのモダンホラー作家、ウィルスンが『密閉病室』に続いて発表した医学スリラー。元々作者が医者をやっているだけあって、医学系の描写がリアルっぽい。だからと言って、そこはそれウィルソンのこと、きっちりとエンターテインメントに仕上げているので、そのリアル感がウザったかったり、メンドくならない。

難を言えば、主人公たちが善男善女過ぎることか。政界にうごめくちみもうりょうのような人間との対比を際立たせたかったんだろうが、あまりにも明朗過ぎて、ちょっと薄っぺらい。おまけに高校時代にフットボールのクォーターバックだったモテモテ君が、偶然再会した高校時代のクラスメート(それも昔は摂食障害のデブが、今は目を見張るほどの美人)と出逢って、恋に落ちる…ってアンタ、ハーレクイン・ロマンスじゃないんだからさ。
おまけに男の方は、卒業後にFBI捜査官になり、同じ高校の美人チアガールと結婚したけれど、事故で妻を亡くして、天使のように可愛い娘と2人暮らし。そりゃデキスギ君だよね。ストーリー・テリングがちゃんとしてるだけに、勿体無さもひとしお。(ま、きっとコレも売るための戦術なんだろうとは思うけど)

それにしてもダンカン・“ラズラム”である。
解説にも書かれているが、『ナイトワールド』における「悪」の“ラサロム”(ある時は“モラサール”でもあるが)に、なにか語感が似ている。これには作者の意図があるんだろうか?

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2004.07.22

7/22 『大人の科学マガジン』

ご存知の人も多いだろうが、学研が『大人の科学マガジン』ってのを出している。
学研の「科学」と「学習」には、子供の頃はとても楽しい雑誌だったが、アレの大人版である。

Vol.3の特集は「カメラ」。最近、急にアナログ写真づいているもんで、付録のピンホールカメラを使ってみた。
針穴写真の原理は分かっているし、6~7年前に田所美惠子さんの本を読んだりもした。でも、その時は印画紙の現像とか、物理的な理由で結局始めなかった。今回の『大人の科学マガジン』の付録は、印画紙にダイレクトに写すことも出来るが、35mmを使えるところがミソ。とりあえず、現像&プリントは写真屋に出せばいいからだ。
上手く撮れているかどうかは分からないが、このアナログさ加減はなんか楽しい。

ついでに、HOLGAのポラも1枚だけ「マイフォト」にアップ。

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2004.07.07

7/7 『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』読了

『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』(嶽本野ばら著/小学館文庫刊)読了。

映画が非常にツボに入ったので、勢いで原作を読んでみた。作者の嶽本野ばらの名前は知ってはいたけれど、まさか自分が買って読むことがあるとは思ってもいなかった。なんてったって“乙女のカリスマ”だそうですから、フツーは40オヤヂが電車の中で読んでて許される本じゃないでしょ(笑)。

読んでみたら原作も面白かったが、でも映画を観なかったら読まなかっただろうなぁ。
第一に、この小説は基本的に桃子のモノローグで進んでいくのだが、多分予備知識なしで読み始めていたら、ここでケっツマズいていただろう。「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」のブランド名がしょっちゅう横書きのまま飛び込んでくる、妙に1文の長いモノローグは、普通だったら違和感を覚えてしまう文体だ。
だが映画で、桃子のモノローグ主体で進んでいくのを経験済みだったから、とりあえずそこにはつまづかないで読み進めていけた。するとこれがなかなか面白い。「腐女子の行く道、萌える道」にも通じるような、“ノリツッコミ”みたいな文章が軽快で、アハハと笑って読めてしまった。逆にキビしかったのは、洋服に関する描写だ。桃子が、自分の着ているBABY(以下略)の服を詳細に説明する場面が何箇所かあるのだが、これが何のことを言っているのやらチンプンカンプン。仕方ないけどね。

映画は、原作と大きくストーリーが異なる訳ではないが、クライマックスでの対決シーンの展開が意外と異なっている。だが、映画で小説と同じ展開にすると、意外と説明が面倒くさいので、映画版スタッフの判断は正しい。また、父親と祖母、そして一角獣の描写が原作よりも大幅に膨らませてあるのも、映画の上手いところだ。

同じ作者の別な本を読むことは多分ないだろうけれど、まぁ、こんなのを読む機会が持てたってだけでも良かったな。

それにしても、国産の若い人向けの小説ってのは、どーしてこうあっという間に読めちゃうんだろう?海外のホラーやサスペンス、SFを読むことが多いから、拍子抜けするほどすぐ読み終わってしまう…。
きっと『Deep Love』とか、『セカチュー』も簡単に読めるんだろう(絶対読まないけど)。

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2004.07.05

7/5 『砂の女/他人の顔』読了

『阿部公房全作品6 砂の女/他人の顔』(阿部公房著/新潮社刊)読了。

今更、オレが感想なんて語ってみたところで何の意味もないような作品であるが、まぁ折角読んだんだし、ちょろっとだけ。

「砂の女」
とある海岸に昆虫採集に来た男が、帰りの便を逃してしまったため、小さな村落に厄介になる。泊めてもらったのは、砂の穴の中にある女の家であった。だが、翌朝男が目を覚ますと、昨晩砂の穴に降りてきた縄梯子が外されており、男は穴から出ることが出来ないことを知る。

勅使河原宏監督(脚本は阿部公房自身)の映画は観ているが、原作を読んだのは初めて。
映画は基本的に原作に忠実であるが、ひとつ大きな違いがある。映画では、砂の穴----砂の女に囚われてしまった男が、この後どうなるのか、穴から逃げ出すことが出来るのか、否か。そこに興味を持続させて、不条理なサスペンスとして突き進んでいく。しかし原作では、1人の男が失踪し、7年以上の年月が経ったので死亡認定がされたことを最初に明かしてしまう。そのため、男が脱出できないのか、死んでしまったのかは分からないが、ともかく社会に戻ることがなかったということが分かって読み進むことになる。その分、映画以上に、男がなぜ砂の穴から逃げることをやめたのか、その心理に重点が置かれている。
どちらも傑作不条理劇であるが、オレとしては映画の方がより好きだ。
砂丘の無機質であるにも関わらず有機的な美しさと怖さ、そして岸田今日子の恐ろしさは、トラウマになるほどの恐怖と、観るものを引きずり込む異様な迫力に満ち満ちている。


「他人の顔」
とある科学者が実験中の事故で、顔に酷い火傷を負う。その顔中に蛭がのたくった様な顔のせいで、男は包帯を巻いて生活をすることになるが、顔を失うことがそのまま、社会から抹殺されたものと同じであると男は思い始める。そして、自らの知識と技術を駆使して、他人の顔の仮面を作ることを思い立つが…。

こちらも『砂の女』同様、阿部公房自身の脚本、勅使河原宏監督によって映画化されているが、残念ながら未見である。
原作は徹頭徹尾、男の書いたノート3冊分の手記と言う形で進んでいく。そのため全ては男の主観であり、男がなぜ仮面を作るに思い至り、いかにしてその仮面で社会と妻への復讐を遂行しようとしたか----言わば1人心理劇になっている。だが、正直この小説は厳しかった。物語のクライマックスで、「この尻尾をくわえた蛇のような長ったらしい告白」と描写されているのは、掛け値なしにまさにその通りである。この形式を取ったからこそ、男の心の機微が描けたのは分かるが、グチグチダラダラと続く“恨み節”のような内容は苦痛である。
この映画の紹介をネットや書籍で見ると、かなり映画的な脚色が加えられているようであり、それならば逆に非常に観てみたいと思う。オレにはこの小説の形式が合わなかったけれど、物語自体は非常に面白いと思ったからだ。近いうちに観てみよう。

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2004.06.14

6/14 『テロリストのパラソル』

『テロリストのパラソル』(藤原伊織著/講談社文庫刊)読了。

新宿中央公園で起こった爆弾による無差別殺人。事件の際にその場所に居合わせた、アル中バーテンの島村は、人には言えない過去のせいで、否応なく事件に巻きこまれていく。そして彼の前に、捨てたはずの過去が亡霊のように浮かび上がってくる。犯人は一体何者なのか…?!

乱歩賞受賞、直木賞受賞、「週刊文春 年間ベスト・ミステリ1位」、「週刊現代 年間ベストエンターテインメント1位」ハードカバー35万部以上のベストセラーと、錚錚たる冠を持った作品。
だが、感想を一言で言ってしまえば
「コレ、そんなにスゴイかい?」
国産小説はあまり読まないので、どうも基準がよく分からないんだけれど、そこまで絶賛されるほど面白い気がしない。
主人公のアル中バーテン島村をはじめ、ヤクザの浅井、塔子など、主要登場人物はユニークなのにそれなりにリアリティがあって魅力的である。前半部では物語にグイグイと引き込まれて行く。だが中盤以降になると「アレレレレ?」ってなものである。
これはまるで阪本順治の映画みたいだ。なにがって…そりゃあ全てが偶然の上に成り立っているような印象が、だ。

詳しくは書けないが、誰某と誰某は実は血縁で、誰某は実はあの時の誰某で、誰某のことは実は昔から知っていて……云々と、“実は”話があまりと言えばあんまりにも多過ぎる。
クライマックスに向かって明かされて行く過去と秘密。登場人物----特に犯人が語る内容は、「その偶然こそが、私たちにとって必然だったのだ」とでも言わんばかりだ。だが、所詮偶然は偶然であって、必然ではない。ほとんどのフィクションは、偶然の要素に頼る部分があっても仕方がないとは思うけれど、ここまで偶然に頼ってしまうと興ざめである。

年齢的に全共闘世代の気持ちが分からないからとか、そんな理由ではない。確かにその気持ちに素直に共感できれば、もっと面白く読めたのかもしれないが、そんなことよりも論理でねじ伏せてくれないミステリだから、オレは最後になってガッカリしてしまったのだ。

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2004.06.07

6/7 『フューリー』読了

『フューリー』(ジョン・ファリス著/三笠書房刊)読了。

言わずと知れたデ・パルマ監督作の原作本。とうの昔に絶版になっている筈だが、フラリと入った古本屋に置いてあったので、即ゲット。おまけに「大正海上本店文化部」の蔵書印が押してあったから¥100でイイってことでラッキー!

初めて読んだ原作は、大まかな筋立ては映画とそう離れていないのに、ディテールや細かなエピソードの違いで、印象がかなり異なるものになっている。もちろん超能力話であるのは変わらないけれど、より怪しい雰囲気が強いのだ。ギリアンとロビンが“サイキック・ツイン”であったり、相手の周囲に生霊を飛ばして訪霊(ビジット)を繰り返す。ギリアンは年がら年中(ってほどでもないが)周囲の人間から出血させまくり、ロビンは“力”に物言わてセックスに明け暮れる。ロビンの父、ピーターは、映画以上に優秀な元工作員ぶりを発揮する。登場人物は、誰も彼も感情移入しにくい、感じが悪かったり極端な人ばかり。

アラブ人満載の観覧車(?)破壊シーンや、リバース・シューティングしたギリアンの走る場面も、クライマックスの人体破壊など、映画で印象的だった場面はどれも原作にはない。
この原作も面白いとは思うけれど、映像的な“ケレン”に満ちていた映画の方がオレは好きだな。

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2004.06.05

6/5 「彩の国 古本まつり」

所沢駅前にあるくすのきホールで開かれていた「彩の国 古本まつり」に行ってみる。

以前からこの催しが開かれていたのは知っていたけれど、実際に行くのは初めて。
なんで行ってみようと思ったのかと言えば、それは電車の中吊りに「映画・音楽・アイドル特集 ~古書、雑誌、写真集、CD、ビデオ 50万点」みたいなことが書いてあったから。
古書もまぁ少しは興味があるが、それよりも目当ては中古CDとDVD。

でも、行ってみたらこれが大間違いなんだな。
DVDがあるだろうと思ったのはオレの勝手な思いこみではあるけれど、CDだってビデオだって、ほんのちょっぴりしか置いてない。期待の特集コーナーも、思ったほどのスペースではない。
とかなんとか言いながらも、『やぶにらみの暴君』『前世紀探検』、小林旭『黒い傷あとのブルース』、宍戸錠『早撃ち野郎』『赤い靴とろくでなし』、川地民夫『すべてが狂ってる』、そして『恋のジーンズ大作戦~巨人の女に手を出すな』(笑)のポスターをゲット。海野十三の『火星兵団』『地球要塞』、安部公房全集の『砂の女/他人の顔』なんてのを購入。1000円とか2000円とか、古い割にプレミア感の薄いアイテムばかりだ。
そんだけ買ってりゃ楽しんでんぢゃネェかって話もあるが、でも多分次回は行かないなぁ。

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2004.06.01

6/1 『瓶の中の手記』

『瓶の中の手記』(ジェラルド・カーシュ著/晶文社刊)読了。

先日に続いてのジェラルド・カーシュ短編集。
『廃墟の歌』よりも、こっちの方がより強烈に捻りが効いてて面白い。

表題になっている「瓶の中の手記」の、かのアンブローズ・ピアースの書いた最後の手記って設定をはじめ、どの物語も設定が巧みで、物語展開が抜群に面白い。オレとしては「ブライトンの怪物」が悲しくて好きだな。

ネタバレしちゃうと面白くないので、これ以上はなんとも書けないけれど、ショートショートとか好きな人なら是非!

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2004.05.17

5/17 『廃墟の歌声』

『廃墟の歌声』(ジェラルド・カーシュ著/晶文社刊)読了。

ロアルド・ダールやサキのような、奇妙な味の短編集。
若干古い感じも受けるし、「アッと驚く!」と言うほどの意外なオチではないが、語り口が巧みで、思わずニヤリとさせる面白さがある。
中でも、天才犯罪者カームジン・シリーズが、大ボラの吹きっぷりが小気味良い快作。

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2004.04.19

4/19 『宇宙兵ブルース』読了

『宇宙兵ブルース』(ハリイ・ハリスン著/ハヤカワ文庫刊)読了。

宇宙のド田舎フィゲリナドン第2惑星で、一級肥料機運転士になることを夢見るビル。だがある日、帝国軍の徴募部隊が惑星に現われ、あれよあれよと言う間に、キャンプ・レオン・トロツキーに入れられ、地獄のような訓練を受ける羽目に。そして爬虫種族チンガーとの戦争に参戦することになって行くが…。

貴様、この小説を知らんだと!とんでもない《びびんちょ》だ!便所掃除1ヶ月だ!腹を減らした後のメシは美味いぞ!貴様ら《びびんちょ》にはそれがお似合いだ!
…てな訳で、これはハリイ・ハリスンが65年に書いた宇宙戦争バカSFである。徹頭徹尾ハインラインの『宇宙の戦士』のパロディになっており、ご丁寧に機動歩兵まで登場するのだ。この作品の中では、軍隊も戦争も圧倒的なまでにくだらないものとして描かれる。『宇宙の戦士』も嫌いではないが、ここまで徹底して茶化しまくるハリスンは凄いなぁ。どちらかと言えば映画版の『スターシップ・トゥルーパーズ』の方に近いかもしれない。
あの映画を画面どおりに受け取って、“軍国主義映画”と思っている人がたまに居るけれど、なんでそう思うんだろう?あんなに軍国主義・愛国主義を笑い飛ばしてバカにした映画もないのにね。

ちなみに、フィル・ティペット初監督の『スターシップ・トゥルーパー2』はどうなんだろう?米国はビデオスルーだけど、日本は劇場公開するらしい。楽しみだなあ。

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2004.04.06

4/6 『テクニカラー・タイムマシン』

『テクニカラー・タイムマシン』(ハリー・ハリスン著/ハヤカワ文庫刊)読了。

ヒューイット教授は、遂にタイムマシン「ブレメアトロン」の完成を目前にしながらも、資金不足のため、研究が頓挫していた。しかし、クライマックス映画社のバーニィが、そのマシンに目を着け出資をすることになった。過去の世界で時代劇映画を撮れば、セットも衣裳も要らなければ、エキストラも現地調達が出来る。しかし時悪く、クライマックス社は倒産寸前。来週月曜日までに映画を完成させなければ、会社がなくなってしまう。バーニィは空前絶後のヴァイキング映画製作のため、撮影隊と通訳をを引き連れ、11世紀の北欧に向けてタイム・ジャンプを開始した。残された時間はあと3日…。

67年に書かれたハリスンらしいハチャメチャSF。
タイム・パラドックスもへったくれもない(笑)。でも、ハリスンが書いているんだから、タイムパラドックスが分からない訳では、もちろんない。大体、図解まで交えて“タイム・ジャンプ”の説明してるんだから、確信犯でやっているのだな。歴史に手を加えるのなんて当たり前。北欧言語しか話せない11世紀のヴァイキングに英語を教えたり、過去で自分と会ってみたり、終いには時の輪が閉じちゃってたりと、ぜーんぶ分かっててシタイ放題のヤリタイ放題。映画業界人と言うか、現代人のモラルのなさみたいなもんを痛烈に皮肉りつつ、最後にはキッチリオチまで付ける。
SFの古き良き時代って感じで楽しい。

細かいことだけど、気になったことが1つ。
小説前半ではバーニィの仕事を制作っぽく書いていて、「じゃあ誰が監督なの?」って思うのだが、後半にはバーニィを“監督”と呼ぶ場面がある。最初っから監督って呼べばいいのにねぇ。まぁ、前半はどう考えても制作部の仕事してるけどさ。ま、面白いからいいんだけどね。

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2004.03.30

3/30 『ブラックハウス』下巻

『ブラックハウス』下巻(スティーブン・キング&ピーター・ストラウブ著/新潮文庫刊)読了。

さっくりしたあらすじは「3/19 『ブラックハウス』上巻」参照ってことで(笑)。

えらい面白いけど、すっごく悔しい。
それがこの本の感想である。それは17~8年も昔に読んだ『タリスマン』が、本当にウロ覚えでしかないこと。そして、この物語のバックボーンとして存在している『ダークタワー』シリーズを、多くのキング・ファン同様、第1巻『ガンスリンガー』で挫折していることである。オレの知っている『ダークタワー』の世界観は『スタンド』『アトランティスのこころ』などに描かれた断片でしかない。恐らく、この世界観や登場人物たちをきちんと把握している人ならば、この物語は3倍は面白く読めるんだろう。
今更読み返す気にはならないけれど。

だが、そうは言っても、流石はキング&ストラウブ組。その世界観がよく分からなくったって、上巻の2/3がかったるくたって、水準以上に面白い物語になっている。
少年少女連続殺人&人肉食というサイコキラー事件を軸に、ウィスコンシン州と異世界〈テリトリー〉を股に掛ける“多層世界のオマワリ”ジャック・ソーヤーの冒険は、痛い描写は徹底的に痛く(ジュディの爪がはがれちゃう場面がイタくてイタくて…)、エグい場面は徹底的にエグく(腸が、ねぇ…)描かれる。もちろん、そんなイタかったりエグかったりキツかったりする場面ばかりではない。何よりもキャラクターが抜群にイイ!
いくつもの声を使い分ける盲目のD.J.ヘンリー・ライデン、ヘルズエンジェルス風バイカー「サンダーファイブ」のビーザー、オンドゥル語(だって似てるんだもん)を話す謎のジジィ、チャールズ・バーンサイド等々、正も邪もどちらも一癖も二癖もあって実に魅力的。(主人公の風来ジャックがちょっと優等生過ぎる気もするがね)。

内容を知らないで読んだほうが面白いことだけは確かなので、これ以上ネタバレはしないけれど、もしも時間があるのなら、是非『タリスマン』から始めることをお勧めしたい。こちらも前半で投げ出しそうになると思うが、それを乗り越えれば猛烈に面白い小説だから。

ところで映画化の話は結局どうなったの?
キングの小説は失敗確率が高いから、映画化しなくてもいいんだけど…

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2004.03.19

3/19 『ブラックハウス』上巻

『ブラックハウス』上巻(スティーブン・キング&ピーター・ストラウブ著/新潮文庫刊)読了。

ウィスコンシン州の田舎町、フレンチ・ランディング。ジャック・ソーヤーは、この町の美しさに心惹かれ、LA市警を引退して移り住んできた。しかし、この平和そのもののような田舎町に、児童連続殺害事件が起こる。フィッシャーマンと名付けられた犯人は、子供を殺すだけでなく、その肉を喰うのだ。警察署長のデール、盲目のDJヘンリーらが敏腕刑事だったジャックに協力を要請する。しかし、ジャックはどこか引っかかるものがあり、その要請を断り続けていた。だがある日、ジャックの元にスニーカーを履いたまま腐敗した子供の足が送り付けられ…。

もう20年前も前に書かれた『タリスマン』の続編である。
まだ、上巻のみしか読み終えていないので、ちゃんとした感想は書けないが、ここから面白くなってくる予感がビシビシ。なんせスロー・スターターな2人組み(苦笑)の共著である。前作も、前半は何度読むのをやめようかと思いつつなんとか読み進め、中盤から一気に面白さが加速し、最後は感動した本だった。今回も物語が遅々として進まないけれど、今はまだガマン、ガマン。
ただ、『タリスマン』を読んだのが遠い過去なので、忘れていることが多いのが難点。前作の説明が、一応チョコチョコと入るのだけれど、パっと思い出すエピソードやキャラクター(忘れようにも忘れられない「うぎゃ~っ、ウルフだべぇ~!」)もあれば、「なんだっけか…?」と全く思い出せないものもある。
連続して読んだほうがもっと面白いんだろうなぁ。でも、もう一回『タリスマン』から読み直すのはシンドイ…。

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2004.03.13

3/13 タイメシ・レシピ

今、『アジア バカウマ レシピ』(黒田信一著/情報センター出版局刊)を読んでいる。
これは先日書いた『アジア大バカ珍道中』と同じ筆者の書いた本。

アジア各国を旅した筆者が、それほど特殊な食材を使わずに、また現地の正しいレシピを知らないまま、舌で覚えてきた各国の料理を再現する料理レシピ&エッセイである。で、これを読んでたら、タイ料理屋に行くと必ず頼むタイ風焼き鳥「ガイヤーン」の作り方が出ていて、意外に簡単そうだったんで作ってみることにした。
で、ガイヤーンなんて初めて作る料理だってのに、同じくガイヤーン好きな甘栗男に電話をして「これからガイヤーンを家で作るけど、喰いに来るかい?」と訊くと、ヒマだから行くとの返答。で、突如今日は自宅でタイメシ大会。

本に書かれているガイヤーンのレシピは、思いも寄らぬほどシンプルだが、ちょっとだけアレンジして作ってみた。
アレンジしたレシピは以下の通り。(本当は多少アレンジしてても、本に出てるレシピをネットで書いちゃいけないのかもしれないけど、52個出てるうちの1つだけだから大目に見てください)

1)鶏もも肉に塩コショウをして、10分ほどおく。
2)ナンプラー(大さじ3)、水(大さじ3)、レモン汁(1/2個分)、砂糖(小さじ2)、ニンニク(1片をすった物)、鷹のツメ(輪切り3本分)、しょうが(小さじ1)を入れて漬けダレを作る。
3)漬けダレに鶏肉を漬け込み40分(本では20分なのだが、今日は事情により長くなってしまった)
4)これを七輪&炭で焼く(本ではガスレンジ、オーブン等でも可となっている)

これだけだ。
漬けダレではなく、食べる時に付けるナンプラーベースのタレも本には出ており、これも作っておいたが、漬け込み時間が長くなってしまったために実際は不要だった。
出来上がった代物は、なんともかんともちゃんとしたガイヤーン風に仕上がって、えらく美味い。多少の変更を加えたとは言え、基本的にこの本のレシピは、(本格かどうかは知らないけれど)正しい。

ついでに同じ本のレシピから「トート・マン・プラー」(タイ風さつま揚げ)も作ってみる。
こちらは、味は悪くなかったけれど、なんかさつま揚げってよりも、魚肉ハンバーグみたいな感じになってしまった。
さらに、カミさんが「パッタイ(タイ風焼きそば)の元」でパッタイも作ってみた。これもイケる。

甘栗男もご満悦で、結果としてタイメシ大会は大成功。特にガイヤーンは、ほぼ思ったとおりの味。もー、腹パンパンである。(また太るな…)
それにしても、ご家庭でこんな簡単に、“タイメシ”が作れるとは思ってもみなかった。
この本に出ている別なレシピを、また今度作ってみよう!
タイメシの好きな人は、1度お試しあれ!

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3/13 絶望書店

数日前にサンリオSF文庫のことを書いたが、オーダーしていたハリー・ハリスンの本が4冊届いた。コレコレ、懐かしいよな。

さて、その本をオーダーした「絶望書店」というネット古書店が、ある意味非常に熱く(暑苦しく?)て面白い。もう、まるで『覚悟のススメ』かってくらいの熱さだ(笑)。
おまけに「絶望石」まで売っている!

頑張れ、絶望書店!(とかBLOG日記に書いていると、絶望書店店主様に怒られそうですが…)

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2004.03.12

3/12 やっとコンプリート!

先日、ebayで落札した商品が到着!
やったーっ!これでコンプリートだぁ!!
下の方に貼ってある画像がソイツだ!

…ほとんどの人には、「なんだコレ?」ってなもんだろう。
こいつぁ、『宇宙戦争』『地球最後の日』などの50年代SFで知られる映画監督/プロデューサー、ジョージ・パルが発行していたコミックブック『George Pal's PUPPETOONS』である。
出版社はFawcett Publicationで、1945年の12月から1950年の1月までで全19号。
オレは5年ぐらい前から、ebayとかコミック・ショップでコイツをコツコツコツコツと集めていたのだ。いわゆるヒーローもののコミックと違ってコレクターが少ないらしく、1冊ずつの価格は高くないんだけれど、その分なかなか見つからない。アメリカのコミック・ショップで訊いても、「その手のものは扱ってないねぇ」って場合がほとんど。
そして、最後の最後まで来て、ebayにもなっかなか出てこなかったNo.7がやっと手に入ったのだ。
このコミックスの存在を知った時は、なんたって50年以上も昔の本だし、全部集まるとは思ってなかっただけに、モーレツに嬉しい!

puppetoon07.jpg

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2004.03.11

3/11 『アジア大バカ珍道中』

『アジア大バカ珍道中』(黒田信一著/情報センター出版局刊)読了。

数日前に書いた『BANZAIマガジン』の発行人、黒田信一氏のアジア旅行記である。
出版されたのは8年前で、著者が実際に旅行したのは80年代後半から90年代半ば頃の亜細亜諸国だ。中国、香港、韓国、タイ、ミャンマーと、数度に分けてのバックパック旅行。観光名所の話などはほとんど登場せず、泊まったドミトリーで出会った外国人や、飲み屋や食堂で出会った現地住民の話ばかりなのが面白い。

多分、今同じ場所を旅行しても、こんなに多彩な印象は受けないだろうな。オレもアジアは好きで何度か遊びに行っている。だが、13年ほど前に新婚旅行のトランジットで寄ったクアラルンプールと、昨年仕事で行ったクアラルンプールは、がらりと印象が変わっていた。どの国もなんだかどんどん近代化が進んで、小奇麗になって雰囲気が似てきてるような気がする。アジア各国、総シンガポール化を目指してるみたいな感じだ。
ああ、それでもまたどこかアジアに行きたくなったな。

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3/11 サンリオSF文庫

非常に古い話で恐縮だが、たまたま「ウェブログ@ことのは」で、「ステンレス・スチール・マウス」のことを知った。
事件自体は、「へぇ~」な感じだが、やはりポイントはその名前でしょう。

ハリィ・ハリスンの『ステンレス・スチール・ラット』シリーズが大好きで、中学~高校に貪るように読んだんだよね。でも、今はなきサンリオSF文庫から出てて、今は絶版のまま。P・K・ディックは、ハヤカワとかに権利が移って再翻訳されたけど、ハリスンはどっこも出してくれない。それどころか、ハヤカワで出てたものも絶版中が多数。ど~なってんだいっ!きっと最近の若いSFファン(って居るのかな?)は、ハリスンなんて読む機会がないんだろうな。勿体無い話です。

で、久し振りにハリスンを読みたくなって、ネットで探してたら「サンリオSF文庫相場表」なんてのにぶち当たった。ひえぇぇ~~っ!凄まじい値段が付いてんのがあるんだね!なんなんだ、文庫1冊に61000円ってのは!?
我らがハリスン先生は値段も大してあがってない…。サビシイ…ケド、ウレシイ。
だもんで、複数のネット古書店で、『ホイール・ワールド』、『宇宙兵ブルース』、『テクニカラー・タイムマシン』、『人間がいっぱい』、『囚われの世界』、『大西洋横断トンネル、万歳!』と、既読・未読併せて6冊オーダーしちゃいました。
送料込みで全部合わせて4000円也。当時の定価よりゃあ高いけど、1冊平均667円なら新刊文庫よりも安いくらいだ。しばらくはハリスン三昧って感じか?

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2004.03.08

3/8 ローカル・ミニコミ誌 

先日の沖縄旅行で買ったミニコミ誌、『Wander・Vol.35』ボーダーインク刊)を読んだ。

昔、学校を卒業して最初に就職したのは、TV番組の制作会社だった。
その頃担当していたのは、局内でスタッフが「振り向けばテレビ東京」と囁くほど、視聴率が取れなかった時代の日テレのバラエティ番組である。その番組もゴールデンとは思えないほどの低視聴率だった。
オレはその番組の担当コーナーの関係で、年がら年中地方出張に出ていた。例えば、朝イチで高知に行き技術スタッフと合流、夕方まで収録して、その日のうちに愛媛に移動して1泊、翌朝から収録して最終便で東京に帰ると言うような、1泊2日2県またがりのロケである。このシリーズで、日本中の8割方の県に一度は足を踏み入れている。だが、観光はもちろんのこと、名物を喰う時間もほとんどなかった(バラエティ番組のロケは、弁当かファミレスが多い。駐車場付きの店にしか入れないし、地方の技術クルーは地元の名産品なんて喰いたがらないからだ)ので、あんなに色んなところに行ったのに、各地の雰囲気も何も味わってなかったりする。
そんな時「折角来たんだから…」と、暇つぶしも兼ねて地方のミニコミ誌やタウン誌をよく買っていた。

今回の沖縄旅行は、プライベートなので時間もあったのだが、昔のクセでなんとなく沖縄ミニコミ誌『Wander』を買ってみた。
これはまた、なんとも地域色の強い雑誌である。地元では「ウチナーグチ」と言うらしい、沖縄言葉が随所に顔を出し、記事の内容も沖縄密着型である。CDのレビューは沖縄のミュージシャンのもので、インタビュー記事は大阪で働く沖縄人だし、特集は「なんじゃこりゃ沖縄/漫画の中の味わいのある沖縄」である。
ちなみにこの特集の内容は、『ゴルゴ13』『ドーベルマン刑事』(千葉真一&深作欣二監督の映画版も含む)、『アストロ球団』『YASHA』『BASARA』から、沖縄を舞台にしたエピソードを取り上げた記事である。言ってしまえば、『キル・ビル』『ラストサムライ』で描かれた日本描写を「なんじゃこりゃ?」と指摘するようなノリで、奇妙な沖縄描写を指摘しているものだ。

前述のように、オレはそれなりにタウン誌とかミニコミ誌を読んだことはあるけれど、ここまで地域愛の強いものは珍しいのではなかろうか。これは沖縄の歴史的な背景に、大きく由来しているんだろう。東京都下で生まれ育ったオレは、東京生まれの大多数の人々と同じように、生まれ育った場所に愛着はあれど、あまり故郷愛とか地域愛がない。正直なところ、『Wander』に書かれている記事の多くは、“うちなー”ではないオレには実感としてよく分からない。だが、ここまで熱烈に故郷を語れることは、本当に羨ましいことである。


オレの本棚には、当時買ったミニコミ誌が1冊だけ残っている。
1986年4月発行の『BANZAIマガジン・第3号』((有)ジャブ発行)である。買った時に読んで以来、開いたことはなかったのだが、懐かしくなって開いてみた。これは『Wander』とは正反対のミニコミ誌で、地域色が恐ろしく薄い雑誌である。じゃあ何の本なのかと言えば、札幌ローカル映画雑誌なのである。おすぎの「かあいそうなおちんちん」や手塚真の「ヴィジュアリストのための映画ガク」なんて連載もある。特集は「日本映画界をダメにするヤツらコイツら・モノ・規則 行くぞ待っとれ急所蹴り!」と来たもんだ。大手出版社には出来ないような、この威勢の良さがなかなか小気味良く、捨てられなかったのだな。
今、ネットで検索をしてみたら、『MAGAZINE REVIEW』ってところで引っかかった。そうか95年の新創刊号で終了してしまったのか…。この本の発行人だった黒田信一氏は、現在ビエンチャンでカフェを開こうと奮闘中らしい。

ミニコミ・コムを見ると、現在も各地でミニコミ誌やタウン誌は数多く出版されている。さっくり眺めてみたが、昔買ったことのある雑誌はあまり生き残っていないような気がする。もちろん、大阪の『L MAGAZINE』や札幌の『さっぽろタウン情報』のような、歴史の古いものもあるけれどし、読んだことのないものがほとんどだ。
この中に『BANZAIマガジン』みたいなのがあったら読みたいなぁと思うのだが、誰か教えてくれないだろうか?

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2004.02.18

2/18 「ペパロニ」は『タキモトの世界』だったか

先日、新宿「アカシア」のことを書いた際、
「ペパロニライスが程よい」ってのは誰の言葉だったか?
と書いたところ、平和島ミチロウさんから『タキモトの世界』(久住昌之著/太田出版刊/絶版)であるとメールを頂いた。

あぁ、そうだ!『タキモトの世界』だ。
すっかり忘れてた。
そう思ってググってみると、結構引っかかる。マニアックに好きな人が多いんだね、この本(微笑)。

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2004.02.14

2/14 『誰にも言えない特撮映画の舞台裏』

『誰にも言えない特撮映画の舞台裏』(根岸泉著/玄光社刊)読了。

以前からたま~にHP「CRANK・IN」を見に行っていた、根岸泉さんの映画舞台裏本である。ウルトラ、ガメラ、ゴジラ、戦隊物など、映画、TV、ビデオを問わず幅広く仕事をしているベテラン特撮マンの、面白おかしく悲惨な日々を綴ったもの。『だいじょうぶマイフレンド』のエピソードなんて出てくるとは思わなかった(笑)。
日々の詳細な出来事や、リアルタイム進行の部分は氏のHPの方が面白い(現在は某新作映画操演日記進行中。某新作ってなんだ?『ローレライ』かと思ったが違うか?)が、流石に読み物としては1冊にまとまっているこちらに軍配。

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2004.01.27

1/27 『ウェイティング』読了

『ウェイティング』(フランク・M・ロビンソン著/角川文庫刊)読了。

サンフランシスコで、一人の医師が犬に噛み殺された。医師の友人でニュース・ライターのアーティは、その死を不審に思い調査を開始した。そして、驚くべき事実に突き当たる。地球上には3万5千年前に絶滅したはずのもう一つの種族、“旧人類”の末裔が存在するというのだ…。

『ウルトラセブン』の「ノンマルトの使者」を思い起こさせるようなSF(?)サスペンス。
もしも人類とは見かけ上の差異がほとんどなく、それでいて異質な種族が居たら、彼らはどうするだろうか?その上彼らの種族が、3万5千年の遠い過去に人類に滅ぼされかけたのだとしたら。
人類に見つからないように、そして復讐の機会をうかがって脈々と生き続ける相容れない種族の陰謀と言うスケールの大きな話を、ごくごく日常的なスケールで描いて見せたところが面白い。
また、ラストの決着のつけ方が予想出来ないのが良い。
ただ気になるのは、キーになる人物の描写に関して中盤と終盤で違ってたり、辻褄が合わなかったりと、混乱している部分だ。「音楽が趣味だなんて聞いたこともなかった」と言っていたはずの登場人物が、「当時から音楽が好きで…云々」と描写されている。これが、ちょっとした趣味の話だってだけなら流してしまうのだけれど、主人公の推理のポイントだったりするから始末に悪いのだな。誰が旧人類なのか分からないという物語の構成上の問題もあるが、登場人物描写に関しては、非常に錯綜してしまっているのが残念。

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2004.01.15

1/15 『マルドゥック・スクランブル』読了

『マルドゥック・スクランブル』(冲方丁著/ハヤカワ文庫刊)全3巻読了。

最後まで読めば、なかなか面白い小説である。
小説全体の約1/3を占めるカジノ・シークェンスは、その分量を考えれば異常なものなはずなのだが、飽きさせず想像以上に楽しめた。アクションシーンは迫力もテンポもあり、目の前にその映像が浮かんでくるようである。
バロットとウフコック、ウフコックとボイルド、ボイルドとシェルといった人間(?)関係も、非常によく出ている。
SFガジェットや、ちょっとしたアイデアの散らばせ方も非常にうまいとも思う。
それだけに、先日途中まで読んだ時に書いたように、「のへ」と「良い」のような、奇妙な言い回しが気になる。ただ、「良い」に関しては、3巻目でグっと減るので、もしや作者の意図だったのかもしれないが…。

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2004.01.08

1/8 『マルドゥック・スクランブル』途中

『マルドゥック・スクランブル』(冲方丁著/ハヤカワ文庫刊)を2巻まで読了。
大森望さんの日記を読んでたら、この本の話があり、珍しく国産小説を読んでみることにした。

少女娼婦のバロットは、主人であったカジノオーナー、シェルに爆殺されそうになる。それを助けたのは、事件屋のドクター・イースターと、ネズミ型万能白兵戦兵器のウフコック。バロットは、事件屋2人に助けられながら、なぜ自分が殺されたのかを探し始める…。

アニメ・ゲーム世代のSF小説だと思った。
読みながら、プロダクションI.G.あたりがアニメ化したヴィジュアルが脳裏に浮かぶ。
まだ途中なので、全体の感想は全3巻を読み終わってから書くつもりだが、読みながら文章でどうしても引っかっかるところがある。
「のへ」「良い」である。

トゥイードルディが、インターフォンに干渉して告げるのへ、
「彼女は民間の人間なんだぞ。廊下を歩くだけでも、本来は許可が必要なんだよ」

干渉して告げるところへ”ということなのだろうけれど、あっちこっちにあるこの妙な言い回しが目に付いて、なんだか落ち着かない。

また、目に付くと言えば、会話に“良い”と言う言葉がやたらと出てくる。

「○○しても良い?」
とか
良いじゃない。挨拶がしたいだけだよ」
だとか。

最初はバロットってキャラが、ある種アニメキャラっぽく
「わたし、○○してもよい?」
とか言ってるのかと思ったのだが、バロットだけでなく、ほとんどのキャラが“良い”を使う。
なぜ「いい気持ち」ではなくて「良い気持ち」なのだろう?
それに加え、特にこの小説は、誰かに何かを確認する描写が猛烈に多い。
その度に
質問者「良い?」
回答者「良い」
ってことになる。なんだかコレが引っかかる。

話自体は結構面白いと思っているし、軽快に読み進んでいる。それだけに、こうした言い回しが勿体無いなぁと思うのだが、それとも作者は意図してこの言葉を使っているのだろうか…。


仕事帰りに、ハタ坊と酢藤君と飲む。
ヤキトンが食いたくなって「鳥茂」に行ったのだが、なんと年始で今日まで休み。
仕方なく「わさび屋」で焼き鳥を喰う。ここはここで美味いんだけどね。

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