2006.04.27

4/25 『RED』

『RED』(村枝賢一著/講談社ヤンマガKC)1~19巻読了。

13巻まで読んでたのにそのままになっていた『RED』を、最終巻まで全部購入して、最初っからイッキ読み。

村枝賢一の“男泣きコミック”はどれもこれも熱い。
『仮面ライダーSPIRITS』は震えが来るほどカッチョイイし、『俺たちのフィールド』も無闇矢鱈と----『アストロ球団』チックに熱い。
この『RED』もそうだ。人間的には成長しながら、復讐のための復讐となりつつあってもウィシャ族虐殺の恨みを晴らし続けるレッド。それを助けるアンジー、イエロー、ゴールドスミスたち。本当に熱いし、目頭が熱くなる場面が目白押しである。
でも、扱ってる題材がインディアンの大量虐殺と復讐なので、どう考えても破滅型の展開にしかならないと思ってはいたが、クライマックスに向けて死んで死んで死にまくる。やっぱりこうなるよねぇ。

ところで、エピローグに出て来た、レッドそっくりの子供とオレンジは一体誰の子供なんだろう?

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2006.03.22

3/19 『ハーヴィー・クランペット』

レンタルDVDで『ハーヴィー・クランペット』を観る。

ハーヴィー・クランペットは、きこりの父と炭鉱で働く母の間に生まれた。脳に障害があり、人の鼻を触れずにはおられず、瞼が痙攣してしまうハーヴィーは、学校でもいじめられっ子。家は火事で全焼、両親は凍死し、オーストラリアに逃げ出した。事故で頭に鉄板を入れたハーヴィーは落雷に会い、人間磁石になり、睾丸も一つ取ったが、病院で出会った看護婦さんと結婚することに…。

2003年のアカデミー賞で、ピクサーの『バウンディン』を退けて短編アニメ部門受賞を果たした、オーストラリア製の23分のクレイアニメ。まさかこんなのの日本版DVDが出ているとは思わなんだ。観たかった作品なので、TSUTAYAでDVDを見つけた時は大喜び!

いかにも“クレイメーション”なキャラクターに惑わされて、技術力が評価された作品かと思いきや…凄い物語だ。
ともかく色んな病気や障害、ヤバげな状態のオンパレード。鉱毒でおかしくなってる母親とか、洟垂らしっぱのお脳の弱い友達。素っ裸で凍死してる両親、アタマに入れた鉄板、その手術痕が「まるでロボトミー手術のようだった」(字幕)とか、サリドマイド児の幼女、ポックリ死ぬ奥さん、ヌーディスト、etc、etc…。『生徒諸君!』のナッキーとは別な方向(笑)で、不幸のつるべ打ちだ。
こんだけ悲惨なのに、それをアッケラカンと笑いにして描いているのが驚きだ。日本でこんな作品が作られ、「日本アカデミー賞」を取るなんてこと、絶対にありえないだろう。

特典映像に、アダム・エリオット監督の初期短編、「uncle」、「cousin」、「brother」(3作合わせても18分の短編)が入ってるが、まるっきり同じ作風。どれも悲惨な生涯を生きた親類の話。してみると、『ハーヴィー・クランペット』はこれらの“悲惨親類人生”シリーズの集大成だった訳か。

最近のアカデミー・短編アニメ部門は、ピクサーとかアードマンの牙城だったけれど、それを打ち破ったのは大したものだ。だけどこの作風じゃ、長編アニメの依頼は来ないだろうなぁ。

ちなみにナレーションはジェフリー・ラッシュが担当。なんでだ?

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2005.11.07

8/16 『ロボッツ』

Tジョイ大泉で『ロボッツ』を観る。

田舎町の貧しい家で育った(?)ロボット、ロドニー(ユアン・マクレガー)は、立派な発明家になるために、夢と希望に胸を膨らませてロボット・シティへとやって来た。そして街で知り合ったキャピー(ハル・ベリー)やフェンダー(ロビン・ウィリアムズ)らと共に、夢を叶えようとする。だがロボット・シティは、ビッグウェルド・インダストリーズの強欲な経営者ラチェットによって、中古ロボットを一掃する計画が進められていたのだ。

これは予想もしなかったけれど「買い」の映画だった。
予告編で前面に打ち出されている、“ハートウォーミングな、少年の成長物語”だけだと思ったら大間違い。もちろん子供が楽しめるようなシンプルな物語ではある。実際、ネットに転がってる感想文を読むと、「話が物足りない」と言う意見が多いようだ。(どっかには、「ショーペンハウエルを読んでるような人には物足りない」ってスゴイ感想文があったな。いやぁ、ファミリー・ピクチャーでショーペンハウエルとかって言っても…)
だが、見せ場も多く、皮肉も効いてりゃ、大人じゃなきゃ分かりにくいギャグも色々入っていたりと、上質なエンターテインメントである。
それに子供も楽しめることを大前提にしているので、安易にロドニーとキャピーのラブロマンスとかは入れず、徹底的にスラップスティックに持って行ったのが、功を奏している。

技術的にも、ロボットの動きが素晴らしい。CG映画であっても、いわゆるモーション・キャプチャーそのまんまではなく、非常にメリハリのある、“アニメ”としての動く楽しさを見せてくれる。
制作は『アイスエイジ』のチーム。次回は『アイスエイジ2』らしいけれど、オレはこっちの方がキャラもノリも好きだなぁ。

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8/15 『ラマになった王様』

DVDで『ラマになった王様』を観る。

わがまま放題の若き国王クスコは、魔女によってラマに変えられてしまった。心優しき農夫パチャの助けを借りて、彼は元の姿に戻るため城を目指すが……。

劇場公開時にオリジナル音声で観たかったのに、何故か吹替え版しか上映がなかった悲しい映画。おまけに吹き替えは藤原竜也もイマイチ。
そんな不遇な扱いだったにも関わらず、なんっか好きなんだよね、この映画。
「大作を作ろう!」ってな気負いがなくって、ゆる~い感じのデタラメ&ハチャメチャ加減が楽しいんだよな。
今回はもちろんオリジナル音声のジョン・グッドマンで観たが、やっぱり面白いなぁ。まごうことなきディズニー映画なのに、随所に散らばるワーナー風味にケタケタ笑う。
ついでに西城秀樹版主題歌「ラッキー・ムーチョ」も一回聴いちまったぜ。

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2005.07.24

7/24 『おたくのビデオ』

米版DVDで『おたくのビデオ 1982』『おたくのビデオ 1985』を観る。

1982年、大学1年のシティボーイ(死語)の久保は、テニスとデートに明け暮れる日々を送っていた。彼はある日、高校時代のクラスメートの田中に出会う。田中はコスプレ、自主アニメ制作、ガレージキット制作など、日々おたくな活動に没頭していた。そんなことに縁なく生きてきた久保は、次第にそのディープな世界に取り込まれていく…。

10年以上前に一度観たガイナックス作品。
オタキングこと岡田斗司夫とその周辺に居た大阪芸大、SF大会、ゼネプロ等のオタク仲間をモデルにした、「ああ、あったよね~。そ~ゆ~こと…」って痛懐かしい出来事を描いたアニメである。

今のように細分化されておらず、SF、SF映画、アニメ、マンガ、特撮、自主映画、必殺、プロレス、コスプレ、フィギュア、ミリタリー等々が、全く未分化のまま渾然一体となっていたオタク文化とファンダムの姿は、現在40歳以上の“ある種の人たち”に、共感と懐かしさと笑いと辛さを呼び起こす。この当時のそういった文化に触れていない、現在の若いオタクの人たちがこれを観た時にどう思うのだろう?
DVDはもちろんないし、ビデオソフトだってまだ多くはない。インターネットもなければ、携帯電話もない。通信手段は電話と手紙で、ファンサークルはアニメージュやスターログで仲間を集めている。同人誌はコピー誌がほとんどで、新宿やお茶の水の喫茶店で頭を寄せ合ってホチキス製本。コミケはもうやってたけど、ワンフェスはまだやってない。キャラや俳優のファンでもあるけれど、それ以上に作家やスタッフ、バックボーンにどんどん深く、ジワジワと広くなっていく興味。単純に文化の変化ではなく、気質自体もまったく違う気がする。
この作品の制作年が91年だそうなので、舞台になった時代から10年も経っていない。その時点で検証する意味があったのかどうかは分からないが、ヘンにリアルな描写の数々がもう可笑しくって痛くって…ねぇ。
これは“ある種”ではない人には、訳わかんないし、気持ち悪い青春像でもあるだろう。特に合間にインサートされるわざとらしくも自虐的なインタビュー映像の数々が、気持ちの悪さを倍化させる。

それにしても、こんなのまで米国でDVD化されるようになったんだね。良いんだか悪いんだか…。ちなみに発売は「Animeigo(アニメ英語)社」。米国で『座頭市』シリーズをリリースしているのと同じ会社だ。

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2005.07.17

7/14-7/16 「Comic-Con International 2005」

さて、今回サンディエゴに来ているのは「Comic-Con International 2005」をやっているからだ。もちろん仕事で来てるんだが、いわゆる仕事部分の割合が多くないので、半分は視察である。一度は来てみたかったイベントなので、ちょっと嬉しい。

初日の朝10:00の開場時間にコンベンション・センターに到着すると、そこは人人人、デブデブデブ、タクタクタク…と猛烈に濃ゆい異空間が出来上がっている。流石は全米最大のヲタク・イベント。俺らは一般入場の4日間パスを持っているだけなので、列の長さにグッタリゲンナリしていると、要領よく某フィギュアメーカーから出展社パスをゲットしてくるM尾さん。素晴らしい!
さて、仕事があったり色々しつつのコミコンだったけれど、とりあえず仕事以外の備忘禄&感想。

●コミコンってのは、SF大会とコミケとワンフェスを足したようなイベントだな。でも“Con”って付いてるだけあって、やっぱり元々はファンのお祭り的な色合いが最も強い。それはここ数年の傾向として、エンターテインメント系の企業がドンドン流入してきて、今のカオスが出来あがったんだろう。
●日本でコスプレするのは、ある程度以下の年齢のオタクが殆どだが、アメリカ人のコスプレイヤーには、年齢も体型も関係ない。禁欲も摂生にも全く無縁な巨漢のジェダイがゾロゾロいる。
●ルーカスのブース展開の巧さに驚く。自社ブース自体はさして大きくもないのに、周りに『スター・ウォーズ』関連商品を出しているメーカーのブースをキッチリ並べることで、一大SWゾーンが出来上がっている。流石はあきんど。
●仕事の付きあいのあるM野さんの配慮で、スタン・リーの新会社POW! Entertainmentのカクテル・パーティに入れてもらう。ワオ!生スタンだぁっ!80過ぎなのに、ムチャクチャしゃっきりしてるスタンが目の前に居る。信じられん!握手してサインをしてもらうオレはすっかりただのミーハー。スタンはペンを異様なまでに斜めに傾けて使う人で、オレの渡したペンが書けないと文句を言われる。いやあ、そんなに斜めにしたら、ボールペンは書けないですよ…などと言える訳もない。
●同じM野さんにサイモン・ビズレイを紹介してもらう。と言っても、バーのカウンターですっかり出来あがって上機嫌のサイモンは、その巨体を揺らしながらグワッハッハッ!と笑ってオレのアタマをグチャグチャに撫でまわしただけだが(苦笑)。
●ピージャク版『キングコング』とタイアップの「コング本」のプロモーションでハリーハウゼンが出席したトークショーを見る。
質疑応答で、「CGが全盛の中で、アードマンやティム・バートンがストップモーションをやっている。これについて何か思うところはあるか?」との質問に対する返答の最後に「Stop motion is forever!」と応えて拍手喝采。
●その後、ダークホースのブースでハリーハウゼンのサインをもらう。至福。
●ホールを歩いていたら、ニール・アダムズ・ドットコムのブースがある。よく見たらなんと本人が!すぐさま「SAVAGE Sketch Book」を購入してサインしてもらう。ああニール、なんで貴方ほどの人のブースがガラ空きなの?!
●ニール・アダムズと違って、えらく人だかりしているブースがある。覗いてみると、マイク・ミニョーラが!時代は移り変わっているんだねぇ。
●ブライアン・フロウドとティム・バートンの中間点みたいな作風が割と好きなグリス・グリムリーのブースで限定150部の「JORDAN RAY'S MUDDY SPUD SKETCH BOOK」を購入。本人が居て、画付きのサインをしてくれる。え?こんな人なの?!
●そのブライアン・フロウドの「Goblins!: A Survival Guide and Fiasco in Four Parts」を購入。こんな本出てたんだ。知らなかった。
●額装されたアレックス・ロスのリトグラフに惹かれる。ああ、欲しい…だけど高い…から諦める。
●コミコン名物の“セレブ・サイン会コーナー”。皆、1人$20でサインを書いてくれる。もう終っちゃった有名人ばっかりなんで、高いんだか安いんだかビミョ~だが、琴線に触れる人ばっかり(笑)。
思わずサインしてもらっちゃったのは…
・マイケル・ベック&デボラ・ファン・フォルケンバーグの『ウォリアーズ』コンビ。
・『ゾンビ』のSWAT隊員ケン・フォリー。
結局サインもらわずにウロウロと前を行ったり来たりしてしまったのは…
・『マッド・マックス2』の女戦士ことヴァージニア・ヘイ。
・「ゴー!フラッシュ!ゴー!!」のサム・ジョーンズ
・唯一無二のレジー役者、『ファンタズム』のレジー・バニスター
・みんなお馴染みエルヴァイラ(でも2代目の方)。
・『ギャラクチカ』からアポロ(リチャード・ハッチ)とブーマー(ハーブ・ジェファーソンJr.)。
・『バック・ロジャース』のウィルマ中尉(中尉だっったっけ?)ことエリン・グレイ
・マーゴット・キダー、サラ・ダグラス、ジャック・オハローランの『スーパーマンII』3人組み(ロイスよりもゾッド将軍が居るべきな組合せだよな)。
・世界のSFジイサン、フォリー・アッカーマン。
・コミコンには欠かせないケヴィン・スミス。
・$20じゃなくて、本を買ったらサインするブルース・キャンベル。
サイン会をやってるのを気付かなくて、シマッタ!と悔やんだ人たち
・デヴィッド・クローネンバーグ
・『エンダーのゲーム』でお馴染みのオースン・スコット・カード
・そしてなんと!御大レイ・ブラッドベリ!

…とまぁ、仕事じゃない話を書いてたら、なんかすげぇミーハー。まぁしょうがないや。ヲタクだもん(苦笑)。
またいつか、このイベントには参加したいね。今度は完全にプライベートで。

※コミコン関係の写真を一部アップしてみた。

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2005.06.24

6/24 『スター・ウォーズ/クローン大戦 Vol.1』

DVDで『スター・ウォーズ/クローン大戦 Vol.1』を観る。

EPIIとEPIIIの間の物語だってんで慌てて観たんだが、そんなに慌てるほどのこともなかった。

確かに時間軸的にはその間のことだし、IIIに繋がる部分ではあるけれど、これを観てなきゃ分からないってほどのこともない。なんつっても物語が皆無に等しいからね。
20話分で合計70分----1話3分半で一体どれだけ物語を語れるかって、そりゃあ語れないわな。畢竟、アクションとバトルばっかりの展開になってしまうのもやむなし。ひたすらクローン・トルーパーVSドロイド兵、ジェダイVSシスの戦いが繰り広げられる。

それにしても強いよな、ジェダイ。メイス・ウィンドゥが1人居れば、帝国なんか倒せるんじゃねぇのか?ドロイド軍の巨大スタンパー・マシンの登場にも驚いたけれど、アレをピョンピョン飛び跳ねながら倒せるウィンドゥの強さはハンパじゃねぇ。
で、さらにそんなに強いジェダイ4人(パダワン含む)を向こうに回して、鬼のような強さを見せるグリーバス将軍。まるで『ドラゴンボール』状態の“戦いのインフレーション”だよ。
平然と3POを囮に使うパドメの性格の悪さは、別な意味で最強だが。

クセの強いキャラクターは、好き嫌いが分かれるところだけれど、監督が『サムライジャック』のゲンディ・タルタコフスキーだからね。あんなテイストになるのはしょうがないでしょう。
ちなみにメカ描写は3DCGなので、クセがありません(笑)。

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2005.04.01

4/1 「東京国際アニメフェア」

東京ビッグサイトで「東京国際アニメフェア」。

仕事がらみのことも色々あったりするんだが、それはさておき。

新進気鋭の若手作家がブースを出している「CREATOR'S WORLD」が面白かった。
昔だったら、8mmか16mmからVHS起こしたようなものでしか見せられなかっただろうけれど、今はデジタルで作ってる作品がほとんど。だからDVD起こして綺麗な状態で見せることが可能だし、これなら直接仕事に繋がっていくことも多いだろう。

ついでにアニドウのブースで『日本漫画映画の全貌』(\2500)を購入。『もりやすじ画集』『わんぱく王子の大蛇退治』のフィギュア(スサノオ、クシナダ、アカハナの三体セット)にもモーレツに惹かれるが、それぞれ¥10000と¥24000はちょと高い。(仕方がないけどさぁ)

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2004.12.24

12/24 『モンスターズ・インク』

DVDで『モンスターズ・インク』を観る。

モンスターの世界のエネルギー源は、実は子供の悲鳴だった。モンスター・インクのサリーは、子供から悲鳴を搾り取るプロ。作業員のマイクとのコンビで、今日も子供たちの寝込みを襲っていた。だがある日のこと、モンスター・インクに人間の女の子が迷い込んでしまった…。

クリスマスだしハートウォーミングな映画でも…と思ったら、SFとかホラーとかアクションばっかりで、なかなかそんな映画を持っていない俺(笑)。じゃあってんで、久々にこの映画を観る。
これで3回目だが、何度観てもやっぱりピクサーの映画はよく出来ている。特に本作では、脇に居るどーでもいいようなキャラクターのデザインが素晴らしい。CDAのエージェントが一人ずつデザインが違ったり、社内見学をしている子供モンスターがやたらと可愛かったり、神経が行き届いている。日本だと(予算が少ないせいもあるんだが)同じデザインで誤魔化してしまうだろうな。
廉価版を買ってしまったので、短編『Mike’s New Car』を見ることができないのが悔やまれる。これ売り飛ばして、旧盤をオクで落とそうかな…。

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2004.12.19

12/19 『ポーラー・エクスプレス』

新宿東急で『ポーラー・エクスプレス』を観る。

サンタの存在を疑い始めた少年が、クリスマスイブの夜にまんじりともせずベッドに入る。そして真夜中の11時55分。家の外から地鳴りのような振動と轟音が轟いて来る。驚いた少年が家を飛び出すと、そこには巨大な蒸気機関車が止まっていた。降り立った車掌は、この列車が北極行き急行“ポーラー・エクスプレス”であると告げる。驚き、戸惑いながらも、少年は機関車に飛び乗った…。

トム・ハンクス主演・製作総指揮、ロバート・ゼメキス製作・監督によるフルCG映画。
アメリカじゃ大ヒットらしいけど、こりゃ日本じゃあムリだって。こんな気持ちの悪いキャラクターは、日本人にゃ受け入れられないもの。『グリンチ』よりも、(観てないからよく知らないけど)『ハッとしてキャット』よりも気持ち悪いんじゃないの?
おまけにCGキャラクターの作り込みが明らかに違う。主人公と車掌はトム・ハンクスからキャプチャーしたフェイシャル・アニメーション(パフォーマンス・キャプチャーとか言うらしい)をしているから、不気味によく動くんだけれど、友達の知ったかぶり小僧(声はなんとエディー・ディーゼン!)あたりから怪しい感じになり、車内で給仕をしているボーイや、肝心のサンタクロースなんて、全く無表情。まばたきの回数も異様に少ない。何なんでしょうね。
物語はほとんどないし、テーマは説教臭いし、日本人の大人が観るのはツライねぇ。

見所は、数箇所あるゼメキスらしい演出。
主人公が辞書を開いた時、カメラがそのまんま下に下がって、紙越しに少年を撮るカットや、足元の床の下から床を通して見上げているカット、そして最大の見せ場でもある風に舞うチケットのカット。このチケットの描写は、『フォレスト・ガンプ』の羽が舞うシーンを、より複雑なカメラワークで再現したもので、とてつもない長さの1カットになっている。CGだから出来ることとは言え、CGでだって作るのが大変な作業だ。

でも、なんでこんなゼメキスは作ったんだい?
ちなみに日本では12/31で終了。久々の年を越せない正月映画になってしまった。

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2004.11.27

11/27 『Mr.インクレディブル』

新宿ピカデリー1で『Mr.インクレディブル』先行オールナイトを観る。【ちょっとだけネタバレ】

人々の幸せと世界平和のために戦うスーパーヒーローたち。だが、彼らの行動が裏目に出て、その活動を禁止されてしまう。そして15年が経った。昔は大活躍していたMr.インクレディブル(クレイグ・T・ネルソン)と、その妻イラスティガール(ホリー・ハンター)も、今では素顔のボブとヘレンとして、保険会社のサラリーマンと普通の主婦になって、3人の子供と地味な生活を送っていた。だが、ボブは友人のフロゾン(サミュエル・ジャクソン)と一緒に、かつての栄光を懐かしみながら、いつかスーパーヒーローに戻れる日を夢見て、悶々とストレスを溜めていた。そんなボブの元に、ある日ヒーローとしての仕事が舞い込むが…。

えええええぇぇぇぇっ……。
も~やんなっちゃうよなぁ、こんなの作られちゃうと。土俵が違うとは言え、デジタル系でなんか作ってる人間としては、ホントーにウンザリですよ。なんでこんなに素晴らし過ぎるもの作っちゃうのかね、まったく!ピクサー×ブラッド・バードで面白くならん筈がないとは思っていたが、期待を全く裏切らない驚くべき完成度。

『アイアン・ジャイアント』みたいな“男泣き映画”なのかと思ってたら、大活劇もあり、ヒーローの悲哀、そしてサラリーマン父ちゃんの悲哀もあれば、家族の絆もあり、もちろんお笑いもテンコ盛りで、予想外にストレートな映画なのだ。
(ついでに、最初にストーリーを知った時にフィリップ・モラの『キャプテン・ザ・ヒーロー/悪人は許さない』みたいな映画かとも思ったが、似てるところはあるけれど、これも違った。唄って踊るクリストファー・リーのシーンは好きなんだけどね)
キャラクターはドイツもコイツも魅力的で、中でも予告の時からグッっとキてたMrs.インクレディブルことイラスティ・ガールが大活躍。お母ちゃんサイコーだよ。“母は強し”みたいなことじゃなくって、女性キャラとしてもサイコーに魅力的で、もう惚れちゃうね。勢いで、帰りにぬいぐるみ買おうかと思ったら、何故か女性キャラはなし。残念…。娘のヴァイオレットも、観る前は「なんかイマイチ…」とか思っていたが、あのネクラと言うか引っ込み思案なのが実にイイ感じ。そして弟のダッシュ。別に感動させるような場面でもないのに、水の上を走るシーンに何故か目頭が熱くなる。各キャラが、全て能力と性格付けがリンクしているのも巧い。

そんでもってこの映画、色んな映画へのオマージュになってたりするのだが、中でも最大級のオマージュが捧げられているのが『007』シリーズ。ジョン・バリーのメイン・テーマそっくりの音楽がかかるのも笑ったけれど、それ以上にのけぞったのが、悪の秘密基地。これのデザインやディテールが、『ムーンレイカー』『私を愛したスパイ』を足したような秘密基地-----もっと言ってしまえばデレク・メディングスのSFXに出てきそうなデザインとかギミックばかりなのだ。いやあ、まいったよ、ホント。

映画として面白いのはもちろん、毎度のことながら技術的にも唸らされる。
街並みの作り、空気や水の存在感など、リアルとアンリアルのビミョウな境界線で作られていて、この見事なセンスには脱帽するほかない。そして今回のポイントは髪の毛の表現。フワフワだったり艶々だったりするのも凄いが、水に濡れた髪の毛の表現は、『モンスターズ・インク』からさらに一歩進んで、これまで見たことのない新たな領域まで行ってしまっている。この髪の毛表現のために、またもや新しいソフト「FIZT(フィズティー)」ってのも作っってるらしい。恐ろしい会社だ…。

スペシャルサンクスに『ドラゴンスレイヤー』のマシュー・ロビンスの名前が!何でだろうと思ったら、ブラッド・バードって同監督の『ニューヨーク東八番街の奇跡』の脚本書いてたのか。

映画自体じゃなく劇場で驚いたのが、この先行がガラスキだったってこと。『トイ・ストーリー2』以降のピクサー作品は、どれも日本でも当たってたのに、今回はヤバイのか?オヤジが主人公のヒーローものってことで、若い娘さんが敬遠してるのかもしれないが、これは劇場に行かなきゃダメでしょ!…っつーか、行け!

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2004.11.06

11/6 『デビルマン』

丸の内TOEI1で『デビルマン』(もしかしたら横文字表記で『Devilman』なの?)を観る。

幼馴染みの不動明と飛鳥了。不動明はやがて両親を亡くし、牧村美樹の家族に引き取られていた。ある日、明は了の家に遊びに行き、了の父・飛鳥教授の最後を記録したビデオを見せられる。だが、ビデオだけでなく、実は飛鳥博士はデーモンに乗っ取られ、了の家で生きていたのだ。何故か驚きもしない明に、デーモンの勇者アモンが乗り移り、明はデーモンでも人間でもないデビルマンになってしまう。時を同じくして、デーモンたちが次々と人間に取り憑き始めた。人々は“悪魔狩り”と称し、次々と疑わしい人間の殺害を始める…。

♪だぁれも知らない 知られちゃいけ~ない~!デビルマン~が ダァメェなのを~っ!♪

…ってことで、ええ、ウワサ通りのダメ映画でした…っつーか、コレ、映画?
FLAMEってぇの?主演の井崎兄弟(双子?)。イヤハヤ南友、なんでこんなの主役にしたの?演技出来ないにも程があるって。演技できないって言えば、阿木燿子も?いやいや旦那の竜童だって演技してないし、富永愛だって…ねぇ。カメオでボブ・サップにKONISHIKIに船木誠勝だってさ。なんで格等家集めたのかね?で小林幸子?すいませんが、誰か一人でもいいから普通の役者をキャスティングしてくれぇ~!多分一番演技力があったのは“きたろう”だったんじゃないのか(ヲイヲイ)。

飛鳥了のアタマはなぜ白く染めてあるのか。子供時代の飛鳥了の髪の毛はなぜ白い粉がまぶしてあるのか。この世界でのニュース・ソースは、ボブ・サップ演じるアナウンサーだけなのか?人を探している明が、なぜ海の中に顔を突っ込むのか。本多博太郎はどうやってあの部屋に入ったのか。シレーヌの最期はなぜウヤムヤなのか。デビルマンが、いつも忍者みたいに右腕を前に構えるポーズをしているのはカッコイイのか。デビルマンもその他のデーモンも、二言めには「滅びろっ!」と叫ぶけど、それはデーモンの流行言葉なのか、それとも脚本が間違ってるのか。デーモンに合体された女の子が、原作のように乳から毒液を出すんじゃなくって、腕からビームを出すのがいやだ。シレーヌのアタマから黒髪がチョロチョロ出てるのがイヤだ。CGの質感がテカテカしててイヤだ。クライマックスで飛鳥了がジャケットを着ているのがイヤだし、そもそもサタンじゃなくって飛鳥了の姿なのがイヤだ。そしてなによりも…

世界の崩壊が

「亀戸」だけで展開するのがイヤだあぁぁぁっ!


細かいこと(だが決定的なこと)を色々あげつらったが、こんなもんだけでない。物語的には、原作の表面をサラっと撫でただけなので、難しかったり分からなかったりすることはない。だが、もちろん話が分かればいいってもんではない。根本的に何かがおかしい。致命的なまでに、ディテール描写や状況描写が欠けている。だから物語が分かったって、そこにリアリティもなければ、理解できる登場人物の心理も、映画的興奮もなにもかもがない。
こんな映画を夫婦二人で作ったら、家庭が崩壊してしまうのでは?と観客に余計な心配までさせてしまうような映画はヤバ過ぎるよ、那須監督。

『CASSHERN』『CUTIE HONEY』『NIN×NIN忍者ハットリくん』と、今年もダメ映画を観てきたが、コイツぁアタマふたつばっかり突き抜けてますゼ!
『8マン~すべての寂しい夜のために』と戦えるだけのイヤな戦闘力を持った、唯一の映画が誕生したとも言えるかもしれない。

…とか言いながらも、『鉄人28号』にもワクワクですよ、オレ。さぁ、次はどんなダメなのを観せてくれるのか。

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2004.11.03

11/3 『キャットウーマン』

新宿ミラノで『キャット・ウーマン』を観る。

画期的な老化防止化粧品「ビューリン」の発売を目前に控えたヘデア社で、広告デザイナーをしているペイシェンス・フィリップス(ハル・ベリー)。引込み思案な彼女は、その「ビューリン」の広告でも失敗して社長(ランベール・ウィルソン)を怒らせてしまうが、社長夫人で同社のモデルでもあるローレル(シャロン・ストーン)の口添えで、彼女はもう一度チャンスを与えられる。再プレゼンの日、彼女は「ビューリン」には恐ろしい副作用があることを知ったために、警備員によってよって殺されてしまった。だが、奇妙なことに彼女の遺体に無数の猫が寄って来た。そして彼女は、猫の能力を持った“キャットウーマン”として蘇った…。

ピトフは、ジュネ&キャロ組出身で『ヴィドック』の監督だけあって、ヴィジュアル的にはとても面白いことをしている。
ひとつは、多用される空撮映像。通常のヘリ撮影ではどう考えても不可能な軌道と画角で、都市を映し出す。ビルを真下に見る真俯瞰での移動から、パンナップしつつカメラが降り、ビルを回り込んで、アオリでぴたりと止まる。きっとCGなんだろうが、もしもこれがスカイカムか何かを使った実写だったら凄いことだ。
そしてもうひとつは、キャットウーマンの主観映像。彼女の驚異的な視力の表現として、急Z.Iしてヴィジョンが形作られるような、奇妙な映像が挿入される。これもデジタルならではのものだけれど、非常に不思議な画で面白い。
その他にも、ドゥカティに乗るハル・ベリーの、一瞬足りともマトモに映さないブラしまくった映像(もしかしたらヘルメットを被ってる姿を見せない為だったのか?)や、全てのオフィスの人が微速度撮影された中で、1人だけ通常速度で働くハル・ベリーなど、凝った映像が色々とある。
だが、『ヴィドック』と同じで、映像的には面白いのに、どうも話が盛り上がらない。ピトフは構成力が弱いんじゃなかろうか?

『フリントストーン モダン石器時代』以来、ハル・ベリーはオレの好みの女優さんだが、この映画はどうなんでしょう?
発表されるやいなや非難轟々だった、『ゴールドパピヨン』みたいなボンデージ衣裳でムチを振り回す猫女。カッコ良いですよ、そりゃハル・ベリーだもの。だけど、『バットマン・リターンズ』のミシェル・ファイファーと比べちゃうと、ちょっと分が悪い。哀しさとか狂気が伝わってこない。自信がなく、引っ込み思案で、臆病で、イケてない女が、キャットウーマンに変身した途端に、自信満々で、攻撃的かつ色気たっぷり子さんになる。そのギャップ、振れ幅が、ハル・ベリーでは小さすぎる。ミシャル・ファイファーが「ミャアオウゥ…」と言った時の物憂げな猫っぽさと比べてしまうと、ハル・ベリーの「ミャアオウゥ!」は、あまりにも攻撃的だ。それは猫ではなく、同じネコ科でも“豹”のそれなのである。
女優ではなく、ティム・バートンとピトフの資質の違いなのかもしれないが、期待してたものとは違うよな。
今回は、悪女を演じるシャロン・ストーンの方が魅力的。「どうせアタシはビッチですから」と言ったかどうかは知らないが、いかにもワルそうな美女を好演している。でも、特に超能力があるようなスーパー・ヴィランじゃないので、役者としては良かったが、キャットウーマンの相手としては役不足。
見終わってツマラナカッタんではないけれど、猛烈に物足りなさの残る映画であった。

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2004.11.02

11/2 『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』

家に帰ると、カミさんが『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』を観てたので、一緒に観る。

何度も観ているが、映画の出来としてはもちろんのこと、モデル・アニメ、ディスプレイスメント・アニメとしても、ほぼ文句のない素晴らしい出来。なので、今さら内容がどうのこうの言っても仕様がないので、物語とかは割愛する。
今回プロジェクターで観るまで気にもしてなかったのだが、このDVD版って、スクイーズとかじゃなかったんだ。きっとデジタル・リマスター版のDVDを再発売して、また買うことになるんだろうなぁ。

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2004.10.11

10/11 『ヘルボーイ』

日比谷映画で『ヘルボーイ』を観る。

第二次大戦時、ナチスは怪僧ラスプーチン(カレル・ローデン)の力を借り、冥界から邪神を召喚しようとしていた。これを知ったアメリカ軍は、超自然現象の専門家ブルーム博士(ジョン・ハート)と共にこの計画を阻止し、ラスプーチンは冥界に吸い込まれた。だがその時、冥界から異様に巨大な右手を持った真っ赤な生き物の子供がやって来た。彼は“ヘルボーイ”と名付けられ、超常現象学者ブルーム教授が育てることになった。
月日は流れ、学校を出たばかりの捜査官ジョン・マイヤーズ(ルパート・エヴァンス)は、ブルーム博士が魔物たちを退治するため組織した超常現象調査防衛局へ赴任した。そして、そこにはヘルボーイ(ロン・パールマン)やエイブ・サピエンの姿があった。
一方その頃、ラスプーチンは再び世界を支配しようと冥界より蘇っていた…。

ここ数年、多くのアメコミ映画が作られているが、その大半はスタン・リー御大率いるマーベル・グループのキャラクターたちである。そんな中にあって、本作はアダルト志向の強いダークホース・コミックスを出自とする映画である。おまけに監督がギレルモ・デル・トロで、製作は原作者のマイク・ミニョーラ自身。『ヘルボーイ』ファンではないけれど、それなりの期待値で観たのだが、…結果的にはなんか突き抜けない映画になっちまった。

ヘルボーイをはじめとするキャラクター造形は決して悪くない。
セルマ・ブレア演じる“ファイア・スターター”は、美人じゃないし陰気なのに何故か魅力的だし、どこかC-3POを連想させる半魚人エイブ・サピエンもいい。そして我等がロン・パールマン演じるヘルボーイ自身は素晴らしい。ガッシリした図体でブツブツぼやく様は、これまでのヒーロー像とは一味違う。デル・トロがロン・パーにこだわっただけあって、顔が似てるってだけではなく、彼しか出来ない存在感がある。それにリック・ベイカーがスーパーバイザーをしているから、メイクのクオリティもおっそろしく高い。
敵役のアナクロさ満点なデザインのクロエネンもオレは好きだし、謎の冥界クリーチャー、サマエルもティペット・スタジオが動かしてるだけあって、実に躍動感がある。
(ちなみに、SFXにはジーン・ウォーレンJr.&ジーン・ウォーレン三世のFANTASY IIも参加している!)

個々のシーンでは抜群にいいところもある。
ネコを助けながらのバトルとか、ヘルボーイと伝書鳩小僧が、屋上の上からリズとマイヤーズのデートを盗み見るシーンなんて、本当に可笑しくってチャーミング。
…と、褒めてきたようでありながら、なんかイマひとつ面白さに欠けるんだわさ。

それはカタルシスの薄さだ。
物語の進行と共に、バトルがハデになり、主人公が苦戦するようになっていくと、カタルシスが大きくなっていく。狙いとして、最後の最後に肩透かしを食らわせるってやり方もあるだろうけれど、この映画では徐々にパワーダウンしてしまう。最初のサマエルとのバトルでは、戦い自体に迫力があるばかりでなく、地下鉄などの道具の使い方もいいし、テンポも気持ちがいい。だが、次の戦い、その次の戦いと、幾つかの戦いを繰り返すうちに、どんどん凡庸なものになってしまう。トンファー風の刀を使うクロエネンとの戦いなんて、いっくらでも面白くなりそうなのに、やけにアッサリ終わってしまう。そしてクライマックスは、ただ単にでかいだけのテンタクル戦だ。
アクションやバトルが、物語の進行と共にドンドンつまらなくなる、“三段逆スライド方式”みたいな構成だから、盛り上がらないこと夥しい。なんでこんな風な作りにしちゃったんだろう?
続編も決まっているようだから、是非この辺りを反省して欲しいなぁ。

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2004.10.08

10/8 『海のトリトン』読了

『海のトリトン』(手塚治虫著/秋田書店刊)全3巻読了。

トリトン族の生き残りトリトンと、海の支配者ポセイドンの戦いを描く大河ドラマ。
アニメ版は、主題歌はカッコイイので好きだけれど、中身はあまり真剣に観てなかった。だからこんな話だったかどうか、記憶が定かではない。

それにしても悲惨な物語である。
ポセイドンから迫害を受け続けたトリトン一族の味方はイルカだけ。トリトンは恨みを晴らすために、ポセイドンの34人の子供たちを、次々に殺して回る。そしてやっと和解が出来たと思ったら、今度はポセイドンの姦計に嵌って、人間たちに追われるようになってしまう。ラストシーンで残されたピピ子たちは、果たして幸せなんだろうか?

横山光輝とかもそうだし、まんがだけでなくTVの特撮番組とかも、昭和40年代の少年向けSFは、なにか厭世観とでも言うような、異様に重いテーマがある。それ故に、長く生き残っているのも事実だし、面白かったりもするのだが、時にやりきれない気持ちにもなる。今更ながらに、こんなのばっかり読んだり観たりして、俺らは大人になってきたのだなぁと思わされる作品だ。

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2004.09.17

9/17 『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』

新宿コマ東宝で、『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』を観る。【ネタバレ】
面子は、いつも『ゴジラ』だの『キューティハニー」だのを一緒に観に行く座長、Xオヤヂ、クール。

伊賀の里で修行中の忍者・服部カンゾウ(香取慎吾)は、ある日、父ジンゾウ(伊東四郎)から、“主(あるじ)以外には決して姿を見られることなく、その主を守って江戸で暮らせ”と命令される。これが最後の修行だと言うのだ。東京にやって来たカンゾウは、偶然出会った小学三年生の三葉ケンイチ(知念侑李)を主にすることを決め、三葉家にこっそり居候することになるが…。

コメディと言うには笑えないし、ドラマと言うには物語もキャラクター描写も薄っぺらだし、アクションは…ほとんどない。今、なぜこの映画を作ったのかがよく分からない。たとえアイドル主演のファミリー・ムービーであっても、どこか一箇所ポイントを絞って、その部分だけでも少し丁寧に作れば、もうちょっとどうにかなったんじゃないのか?

例えばハットリくんとケンイチの出会い。東京タワーからムササビの術で飛んだ先が、たまたまケンイチの家。何の理由もない。原作漫画がどうやって始まったか記憶にないが、確かモノクロ実写版では、腹を空かせたハットリくんが、サンマ(だったかな?)の焼ける匂いに釣られて、フラフラとケンイチの家に行くんじゃなかったか?大した理由ではない----むしろいい加減な理由であるが、いかにも藤子不二雄らしいエピソードだ。
例えば、ケムマキたち甲賀忍者は、何故忍者であることを辞めたのか?一般論と言うか、子供の頃から刷り込みで、“抜け忍には死の制裁を加える”ってのは当たり前のことと認識している。だから黒影が甲賀抜忍を執拗に追い続けるのは分かるが、なぜそれでもケムマキたちが抜けたのかは分からない。
ハットリとケムマキの関係も、昔のエピソードがひとつ描かれるだけなので、さして意味を持っては来ない。
目の見えない少女(?)ミドリに、なぜケンイチは憧れたのか?それ以前に、ミドリとは一体どういう少女なのか?

本作では、ほぼ全てのエピソードが、その程度の意味のない描写で進んでいくため、感情移入もできないままクライマックスに向って進んでいく。そしてそれらの間を埋めるのは、クスリともさせてくれない笑えない“笑い場”の数々。だから、黒影にさらわれたケンイチを救出に向うハットリくんが、どんな思い出を回想してみても、そこに“忍者の掟”を破るほどの説得力はない。そして対決は、なぜか黒影に食ってかかるケンイチで終了。最後くらいはちょっとがんばったアクションで締めてくれるかと思ったのだが、それすらもない。ケンイチの助けでハットリくんが勝つのはいいが、ケンイチが対決を邪魔してはどうにもならない。
大体、役者的にも演出的にも、一番カッコイイのが主役のハットリくんじゃなく、ケムマキくん(ガレッジセールのゴリ)って段階で、この映画はアウトだろう。

敢えて言うなら、『CASSHERN』よりも『キューティー・ハニー』よりも、お客さんを向いて作っているとは思う。だけど、それは、ブラウン管の向こうに居る“金払ってないお客さん”レベルであって、“1300~1800円払って劇場に来たお客さん”のレベルには全くなっていない。

突然のマンガ/アニメの実写リメイク・ブームも、残すところ『デビルマン』『鉄人28号』の2本。どれか1本くらいマトモな映画であれば良いのだが…。

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2004.08.15

8/15 『スチームボーイ STEAM BOY』

日比谷映画で『スチームボーイ STEAM BOY』を観る。【ネタバレあり】

ロンドン万国博覧会を目前に控えた19世紀のイギリス。アメリカのオハラ財団で研究を続けている父エディと祖父ロイドの帰りを待つレイに、ある日荷物が届いた。その中身は金属製のボール状の物体であった。時を同じくして、レイの前に現れるオハラ財団の使者と祖父ロイド。財団はボールを渡せと迫り、祖父はボールを渡すなと言う。そしてレイは、ボールを奪われ、自身も捕らわれてしまうのだが…。

スゴイ!スゴイよ、作画は…。
なんてぇんでしょうねぇ、なんとも言えない脱力感と言うか、無念と言うか。制作期間9年、製作費25億ですか…。お金はともかくとして、この期間こそが最大の敗因なんぢゃないのかな。

思い返せば9年前、パイロット版を観させて貰う機会があった。
「うぉっ!スゲッッ!コレ、マジで作るんスかっ!!」
あの時の興奮は忘れない。それが9年も掛かってこんなのになった。

この映画、対象とするターゲットは不明瞭で、大人の観客に向けたものなのか、ファミリーに向けたものなのかよく分からない。演出にもメリハリがなく、なんだか淡々と進んでいく物語は、正直退屈だ。別に明快に善悪に分かれる必要はないけれど、結局のところ考え方の違う2人の親子の喧嘩でしかない物語なんて、カタルシスを生まない。
これを観に行った親子連れの親はきっと困るんだろうな。子供に「なんでお祖父ちゃんとお父さんが戦ったの?悪いのは誰なの?」とか訊かれても、説明が出来ないだろうし。

大友克洋はこの映画で何をやりたかったんだろう。
声高に何度も叫ばれる「科学は誰のために、何のためにあるのか?」ってことなの?
まさか、そんな手垢にまみれたようなテーマがやりたかったんじゃないよねぇ?

作画の緻密さ、丁寧さは素晴らしいけど、それはこんだけの時間とお金掛けてるんだもの、当たり前なんじゃないの。『MEMORIES』が面白い映画だとは思わないけれど、「大砲の町」の映像表現には本気で驚いた。それに引き換え、本作には驚きがない。もっと言ってしまえば、何かどこかで観たような場面が多い。もうすぐ公開の『某動く城』を思わせるスチーム城をはじめ、宮崎駿的な描写は多いし、クライマックスの展開は『APPLESEED』にも近い。そして、ラストは『ゴジラ×メカゴジラ』の“アブソリュート・ゼロ”にも良く似ている。別にこれらが真似であるなんて言う気はない。
技術も表現も、恐ろしい勢いで陳腐化が進んでいくこの時代にあって、もしも本作が5年前に完成していたら、もっと驚けただろうし、楽しめたんじゃないだろうか?

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2004.08.11

8/11 『X-MEN2』

なんだか急にSFX大作映画が観たくなって、DVDで『X-MEN2』を観直す。

人類抹殺計画を企てたマグニートー(イアン・マッケラン)を倒し、プラスティック牢獄に幽閉したチャールズ・エグザビア(パトリック・スチュワート)。だが、今度はチャールズへの復讐に燃え、全ミュータント抹殺を企てるストライカー(ブライアン・コックス)が現れ、ミュータントたちを危機に陥れる…。

好き/嫌いと言うことでは、劇場で観た時とあまり印象は変わらず、やっぱり1作目よりも面白いと思う。ケリー・フーのデスストライクの出番が少ないのが勿体無いけれど、レベッカ・ローミン・ステイモス演じるミスティークは素晴らしく魅力的なキャラ(見た目だけじゃなくて、中身もね)になってるし、ガンダルフ・ザ・“ゲイ”でお馴染みのマグニートーもジジイながら、今回の方がイイし、アラン・カミングのナイトクロウラーも大活躍…ってちょっとマテ!この映画、メインのX-MENたちに、今ひとつ魅力がないのはなんでかな?ウルヴァリンはまだ出番があるけれど、ジーン・グレイもストームもローグも、見せ場はあるけど大して意味はない。サイクロップス(おまえはリーダーなんじゃないのか?)なんて足引っ張るだけ。
X-MEN予備軍の、パイロやアイスマンの方が目立ってるけど、それでいいのか?
まぁ、3での活躍を期待しましょ。

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2004.08.01

8/1 『ミトン』

DVDで『ミトン』を観る。
このDVDには、ロマン・カチャーノフ監督の短編(約10分)が3話収録されている。

『ミトン』
仔犬を飼いたい女の子が、ある日犬をもらってくる。だが母親は、犬は飼えないと女の子を叱る。女の子が寂しく雪の中で遊んでいると、彼女の持っていたミトンが仔犬に変身する…。

動きも実に仔犬らしく活き活きとしていて、ロマン・カチャーノフの技術とセンスの高さが伺える佳作。ともかく仔犬が可愛い。女の子も可愛い。なんだかとても可愛い1本。


『ママ』
子供を家に残して、買い物に行くママ。でもソ連の街でのお買い物は、客は長蛇の列だし、店員はノロクサしてて、そんな簡単に終わらない。その間、家では息子が大変なことに巻き込まれていた…。

ママの顔色がとっても青くて、おまけに立ちポーズのバランスが微妙で、ちょとコワイ。
ソ連ってのは、恐ろしい町だねぇ。


『レター』
海軍で働くお父さんからの手紙を待つ母と息子。でも手紙はなかなか来ない。そのうち家庭はとっても暗くなってしまったが…。

ああ、なんだかどんどん暗い話になっていく。
お母さんが、旦那さんが恋しいあまりに、息子のことを忘れてアッチの世界に行っちゃいそうで怖い。


3作に共通するのは、なぜか父親が不在であること。

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2004.07.26

7/26 『シュレック2』

ヤボ用で今日は仕事を休む。
で、そのヤボ用帰りに、気が遠くなりそうなほどガラ空きの日比谷スカラ座1で『シュレック2』を観る。

めでたく結ばれたシュレック(マイク・マイヤーズ)とフィオナ姫(キャメロン・ディアス)に、“遠い遠い国”に住むフィオナ両親ハロルド国王とリリアン王妃から招待状が届けられた。
行きたがらないシュレックを口説き、ドンキー(エディ・マーフィー)と3人で国に帰るフィオナ。だが両親は2人の姿を見てビックリ仰天。祝福をするどころではなくなり…。

シュレック続編は、前作同様非常に完成度の高いエンターテインメント。
今回はちょっと年齢層が高くなっているのだが、それはストーリーのせいである。アクションやアドベンチャーの割合が減って、今回は『花嫁のパパ』だったり、『ミート・ザ・ペアレンツ』だったりする部分がメインだからだ。でも、それで面白くなくなったと言う事ではない。アントニオ・バンデラスが声を演じる長靴をはいた猫は、アクション、唄、踊りと三拍子揃って実に美味しいし、前回から続投のクッキーマンやピノキオが、こんなに活躍するとは!と、嬉しい驚き。ジョン・クリース演じるハロルド王は…顔も声も単体で見れば悪くないのに、どうも合っていない気がするのが残念。もうちょっとキャラデザインをどうにかすれば、もっと良いキャラになっただろうに。
音楽担当は前作同様ハリー・グレッグソン・ウィリアムスだけれど、挿入歌とエンディングにジム・スタインマンの大ヒット曲がアレンジされてしつこく掛かる。スタインマンの楽曲って、なんかチョコチョコとこんな使われ方されるよな。パロディとして使いやすいってだけでなく、なんだかんだ好きな人が多いんだろう。

と、オレは非常に面白かったんだけど、きっと日本じゃ当たらないだろう。
前作以上に緑色度が高い----フィオナ姫がほとんど“オーガー”のまんまだからね-----だし、キャラ的にやっぱり受け入れられないだろう。米国では『ファインディング・ニモ』を抜いて大ヒットらしいし、それだけの実力もあるのに、勿体無いねぇ。
次回作、『シャーク・テール』は、もう少しだけ日本人にも受け入れられそうなキャラだから、アスミック・エースも胸を撫で下ろしていることだろう。

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2004.07.17

7/17 『クール・ワールド』

DVDで『クール・ワールド』を観る。

第二次大戦直後のアメリカ。交通事故に遭ったフランク(ブラッド・ピット)は、その事故とは全く関係なく、カートゥーン世界“クール・ワールド”に迷い込んでしまった。そして時は流れて1992年、この世界唯一の生身の人間として、ハンスは刑事としてこの世界の秩序を守っていた。だがある日、この世界を作った----元のコミックスを書いたジャック(ガブリエル。バーン)が迷い込んだ。それを知ったホリー(キム・ベイシンガー)は、彼を誘惑し、生身の身体を持とうと画策するが…。

尻切れトンボな『指輪物語』『フリッツ・ザ・キャット』など、一貫して大人向けのアニメを作り続けるラルフ・バクシの92年の作品。
バクシには珍しく、『ロジャー・ラビット』風の実写俳優とアニメの合成もの。とは言え、相変わらず人間頭身のキャラは、ロト・スコーピングでヌルヌルと滑らかに描き、気持ちワル・イイのは、いかにもバクシ。もちろん、中身の悪趣味なセンスもバクシらしいので、好き嫌いがハッキリ分かれるだろう。
淫乱パツキンねぇちゃん、ホリー・ウッドのエロい感じのダンスが魅力的。声のキム・ベイシンガーに似せてるんだろうと思ってはいたけれど、まさか実写になって本人に変身するとは思いも寄らなかった。
アニメ・キャラではノータリン美女な感じが魅力だったが、実写になるとこのノータリンな雰囲気はちとキビシイ。バクシの野心的なトコは嫌いじゃないんで評価したいのだが…。

クレジットはベイシンガー、バーン、ピットの順番だけれど、実質の主役はブラピ。まだ今ほどの人気を確立していない頃だから、扱いが低いんだろう。

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2004.07.03

7/3 『スパイダーマン2』

新宿プラザで『スパイダーマン2』先行を観る。【ネタバレあり】

グリーン・ゴブリンを倒してから2年、ピーターはスパイダーマンと勤労学生の二足のわらじ生活に、段々支障を来たし始めていた。人助けをしていてピザ屋をクビになり、授業には遅れ、MJの芝居は観に行けず、ジェムスンは写真を高く買ってくれず、おまけにメイ伯母さんの家は抵当として差し押さえられる。そして彼は、スパイダーマンとしての“大いなる責任”に疲れ、コスチュームを脱ぎ、平凡な幸せに生きようと決意する。だが、そんな彼の前にドク・オックが姿を現し、否応なく彼を戦いへと追い立てていく…。

バッチリだすっ!
前作を観てないと(あるいは原作を知らないと)分かりにくい部分もあるし、映画全体としては1作目の方がまとまりがあったとは思う。だが、そんなこと以上に、全方位に観客を楽しませようとするサービス精神に満ちた映画である。夏の“超大作イベント・ムービー”として、ファミリーもカップルも子供もジジババも、アクションに酔い、笑って、ついでに涙腺のゆるい人なら泣ける---そんな心おきなく楽しめる映画になっている。そして、それと同じくらい、サム・ライミ・ファンとコミックス・ファンに向けてのめくばせが利いているのが嬉しい限り。

『シンプル・プラン』以降、本人が“封印した”と語った自由自在に動き回るダイナミックなカメラ・ワークに始まり、『XYZマーダーズ』を髣髴とさせるようなブルース・キャンベルの下衆野郎っぷり、独特の間で繰り出される笑いなど、ライミの余裕すら感じさせる演出が心地よい。
Dr.リザルドことコナーズ教授や、マン・ウルフことジョン・ジェイムスンらの顔見世。そしてのもちろん、アルフレッド・モリーナ演じるドク・オックもバッチリだ。

【ネタバレ注意】

なんと言っても燃えるのは、暴走地下鉄のシーン。戦いがスピーディで面白いのももちろんだが、その後に続く市民たちがの場面が良過ぎる。オレ、ダメなんだよな、こーゆー浪花節って。『ロボコップ3』の自警団&警察署員を思わせるような熱い場面にシビレちゃうんだよ。”あなたの隣人”って言い続けた甲斐があったよな、ピーター。
そして、クライマックス。MJに崩れかかる壁を支えているピーターが、なんとか言葉を搾り出す。
「ハ、ハーイ…」
普通だったら、「ボクが支えている間に逃げてくれ!」とか言いそうなもんなのに、ピーターは絶対に「逃げろ!」とか言わない。それは、何が何でも自力でMJを助けるつもりでいるから。もう、目頭が熱くなっちゃうよ。

“笑い”に関しては、事前に知ってしまうと面白くないので書かないが、いくつか猛烈に可笑しいシーンがあるので、観てない人は乞うご期待。

CGキャラの質感がイマイチなところがあっちこっちにあったり、キルステン・ダンスト前作にも増してコワい顔になってたり(でも、ウェディングドレス姿のときだけは流石に可愛い)、色々と不満もあるんだが、そんなこと全部乗り越えて、オレはこの映画が好きだ。《『スパイダーマン1』のサントラを聴きながら》

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2004.05.29

5/29 『CUTIE HONEY キューティーハニー』

新宿東急で『キューティーハニー』を観る。

ある日、科学者の宇津木博士が何者かに誘拐されてしまう。犯人は、博士の研究する“Iシステム”を狙う秘密結社パンサークローであった。海ほたるに籠城した犯人に、秋夏子警部(市川実日子)たち警察は、逆に手玉に取られてしまう。しかし、そこに謎の女戦士が現われた。キューティーハニー(佐藤江梨子)と名乗った彼女は、「ハニー・フラッシュ!」の掛け声とともに、次々と姿を変え、宇津木博士奪還するのだった。だが…。

観始めて、最初にアタマに浮かんだのは、手塚真の『星くず兄弟の伝説』だった。なんだかモーレツに自主映画臭いのだよ。それも、自主映画で評判の良かった監督が、初めて撮った商業映画っぽい匂い。色々凝ってやってみたことが、ほとんど裏目に出ちゃったみたいな、素人っぽい映画。
しばらく観ていると、今度は別なものがアタマに浮かんでくる。桂木文の『翔んだカップル』に代表される、大昔の『月曜ドラマランド』だ。演技の出来ない可愛いアイドルを主演に据え、演技が出来ない分をオチャラケたギャグで誤魔化した子供だましドラマ。当時、あのノリは嫌いじゃなかったけれど、今回の『キューティーハニー』が、あのドラマと同じでもいいのか?!そりゃダメだろう。あっちはTVでこっちは入場料を取る映画なんだぜ。

サトエリは元々顔がでかくて、アニメキャラ向きではないし、演技力だって全然ない。『修羅雪姫』の釈由美子ばりに頑張ってくれたらもっと良かったとは思うけれど、それでも一生懸命頑張った方だとは思う。篠井英介と片桐はいりは…はっきりとミスキャストだったけれど、及川ミッチーと手塚とおるは、いつものようにヘンに良い味を見せてくれた。
でも、それが映画としてまとまった時、猛烈に恥ずかしいものになってしまった。これがアニメだったら、こんなに恥ずかしくなかったんだと思う。生身の人間が演じる、アニメ的なストーリーとアニメ的な演出は、もう信じられないくらいこっ恥ずかしい。

ちなみに今回の“ハニメーション”って手法は、80年代の自主映画----特に河崎実の8mm映画等でよく使っていた手法で、全く目新しいものではない。(もちろんデジタルではないけれど)

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2004.05.03

5/3 『ゴッド・ディーバ』

新宿ピカデリー3で『ゴッド・ディーバ』を観る。

2095年のニューヨーク。この人間とミュータント、エイリアンが暮らす街には、謎の空間“侵入口”があった。そして今、ハドソン川上空に突如出現した巨大ピラミッド。そのピラミッドの中には古代エジプトの神ホルス、アヌビス、バステトが居た。ホルスは死刑宣告を受け、白い肌と青い髪を持った謎の女ジルを探し始めるが…。

仏BD界の巨匠、エンキ・ビラル監督第3弾。
数日前に見たばかりの『CASSHERN』と、非常に似た映画である。もちろん、物語や作風が似ていると言うことではない。こちらも全篇に渡ってデジタル加工がなされた映画であり、また物語が非常に分かりにくい映画なのだ。だが、ベクトルはかなり違う。
最大の見所は、なんと言ってもビジュアルである。この映画、なんと生身の俳優が3人(ってパンフに書いて有るけどホントかな?もうちょっとくらいは居たような気もするんだが…)しか出ていない。そして、その3人以外はほぼ全てCG(シュモクザメ人間のダヤクは着ぐるみだと思うんだけど、アレもCGなの?)で作られている。ここで驚くべきなのは、CGキャラと生身の人間が同一画面内に共存していても、違和感がないってことなのだ。CGキャラクターはリアルではあるけれど、人間と見紛う程リアルな訳ではない。それにも関わらず、なぜか人間と馴染んでいる。逆に、人間の出演者----特にシャーロット・ランプリングとリンダ・アルディは、髪型などに特殊な幾何学感を出すことで、CGキャラに馴染むような工夫がなされている。そして全体を、ブルー/グリーン系のいかにもビラルっぽいくすんだ色調に統一したことで、CGと実写が見事に馴染んでいるのだ。
また、レトロ感溢れるエアカー(パンタグラフ付きがサイコーにイカス!)やゴシック的な重々しい建物と、いかにも近未来的なフォルムのヘリ(?)やシャープな建物が、全く問題なく同居させることに成功している。流石はビラル。お見事!

で、これで物語が面白ければ、さらに文句なしなのだけれど、どうにも分かりにくい。と言うか、分からせる気はあまりない。侵入口とは一体何なのか、なぜピラミッドが現われ、そこに古代エジプト神がいるのか。
だがある意味、そんなことはどうでもいいのだろう。この世界観に身を委ねて、それが心地よければそれだけで良いんだろうし、楽しくない人は全く相性が悪いので、とっとと寝た方がいい映画なんだろうから。

『ティコ・ムーン』は観てないのでなんとも言えないが、『バンカー・パレス・ホテル』よりは全然退屈しない(とまで言うと言い過ぎだが)映画になっているとは思う。近未来美術とかSFXに興味がある人なら必見。でもつまらなくても文句は言わないように(笑)。

ちなみにCGソフトはMAYAとLightwaveを使っているようだ。

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2004.04.30

4/30 『CASSHERN』

クール泉と一緒に、丸の内ピカデリー2で最終回の『CASSHERN』を観る。

大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合による50年続いた世界大戦。この戦いで世界は荒廃し、人々は疲弊しきっていた。東博士(寺尾聰)は病気の妻(樋口可南子)を助けるため、必要に応じて人体のパーツを自在に造り出す“新造細胞”理論を発表する。その研究を援助したのは、延命を望む軍幹部たちであった。そんなある日、研究所で事故が起こり、偶然にも“新造人間”が生み出された。折りしもその時、東博士の一人息子、鉄也(伊勢谷友介)が戦死し、遺体が戦場から帰ってきていた…。

兎にも角にも過剰な映画。
ほぼ全編に渡って、デジタル加工処理がされた画面。鳴りっぱなしのBGM。役者たちの大仰な芝居。声高に連呼されるテーマ。おまけに上映時間もたっぷり2時間22分(!)。何もかもが“too much”だ。なんでこんなにまでしなきゃならんかね?

例えば画面。手間も掛かってるし、スタッフの苦労は並大抵じゃないだろうけど、何の因果で、“モアレ”が出るほど加工せにゃあかんの?
輝度の高い部分が上下に縦伸びする、ハレーションみたいなフォギー・フィルターみたいな効果も、画面が見辛いだけで意味ないし、粒子を荒らしたモノクロ画面も統一感がなくって効果を上げていない。と言うか、ほぼ全てのカットに施された加工の嵐は、見てくれをいじっただけであって、物語を語る上での効果がないばかりか、機能すら持たされていない。

重要そうな場面で♪あーあーあーあーっ♪言ってる音楽も、うるさ過ぎでアタマ痛くなってくる。音楽もまた、大ボリューム一辺倒で垂れ流されるばかりで、徐々に場面を盛り上げるような効果をさせてもらえない。

唐沢寿明と及川ミッチーに代表される大層大仰な芝居は、新劇か?とか思うほどだ。

でも一番の問題は、テーマをなんであんなに連呼しなきゃならんのかだな。
「どうして私たちは戦わなきゃいけないの!」とかさぁ、そんな“マンマ”の台詞をキャラに喋らせるなよ。役者じゃなくって映画自体で語れよ。

一言で言えば
やり過ぎ

それでいて、重要な説明が抜け落ちているので、「?????」となる場面もまた大量にある。
オレのアタマが悪くて理解できないのかもしれんが、あの稲妻型のオブジェはなんだったの?
鉄也の遺体は、なんで研究所に運ばれて来たの?新造人間誕生の場面に居た鉄也は、多分霊魂だか魂で他の人からは見えてないんだろうに、なんかビミョウに他の役者の芝居と絡んぢゃってるけどOKなの?

キャシャーンの最初の戦闘、アンドロ軍団(って言うのか?)とのバトルシーンは、アニメ版の戦闘シーンを今の技術で作り直した感があって悪くない。(樋口真嗣コンテの場面だからなんだろうな)
CGで作られた街も、『修羅雪姫』の世界観の延長にしか見えないが、ビジュアル的には悪くない。(ただし、街には漢字とロシア語が溢れているのに、台詞にはそういった要素が殆どなく、カタカナ英語が混じるので世界観としては統一感がないこと夥しい)

映像的には見所もチビットはあるけれど、でもやっぱりコレは、ダメ映画だぜ!

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2004.04.19

4/19 階段でスッ転ぶ

昨晩、自宅の階段で蹴っつまずいて、左足のヒザと右の脛を強打する。
右脛はその時痛かっただけなのだが、左ヒザはボッコリとコブのように腫れ上がり、曲げるとビキビキと痛い。階段の昇り降りも1段ずつじゃないとツライくらいだ。
もしやヒビでも入ってるんじゃないかと、朝イチで地元の整形外科専門病院に行く。
レントゲンの結果、骨は問題なく、ただの打撲だが、とりあえず今日は安静にしてろってことだ。
ともかく歩くと痛いので、今日は仕事を休むことにした。ぐえぇ~。

待合室で待っている間、NHKの『みんなのうた』をぼんやりと観ていた。トゥーンシェーディングの3DCGがあったり、しりあがり寿のイラストがアニメーションする「とのさまがえる」なんてのをやってて、非常に楽しい。『みんなのうた』って、昔っから意外と野心的だったり斬新だったりするアニメを作っていたから、今の時代ならこの程度のことはするんだろうな。
ところで『サラマンドラ』の月岡貞夫さんは元気なのかな?…と思ったら、『月岡先生の楽しいアニメ教室』なんて本を出してたんだ。買ってみようかな。

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2004.04.16

4/16 横山先生さようなら

横山光輝先生が亡くなった。
オレらの世代にとっては、『鉄人28号』ってよりも、『バビル2世』『その名は101』『マーズ』(六神合体じゃなくって)の人で、とても大好きな漫画家だった。あのまるまっちいキャラも、ちょっと古臭いけど重厚感のあるメカも、新作としてはもう見れない。せめて実写版『鉄人28号』の完成を観て欲しかった。でも、出来がいまひとつ不安なので、観なくて良かったのかもしれない。
ある意味では、手塚治虫がなくなった時よりもオレは悲しい。
心よりご冥福をお祈りいたします。

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2004.04.11

4/11 『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』(日本語吹替版)

シネマミラノで『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』(日本語吹替版)を観る。

バックス・バニーに人気を奪われ、ワーナーの女副社長ケイト(ジョナ・エルフマン)からクビにされたダフィ・ダック。彼はひょんなことから、スタジオで警備員をやっているスタントマン志望のDJ(ブレンダン・フレイザー)の自宅に行くことに。DJの父は、有名なスパイ役の俳優ダミアン・ドレイク(ティモシー・ダルトン)だったが、実は本当に諜報部員で、絶体絶命の危機に遭っていた。父を救出するため、DJはダフィと共にラスベガスへ向かうが…。

しまった!朝イチの回は吹替え版だったのか!おまけに3時過ぎの回から『ラスト・サムライ』になってるし、なんて不遇な扱いなんだろう。
でも、この内容じゃ仕方がねぇか。
オレは相当ツボに入って面白かったよ。だけどコレ、普通の親子連れが観に来ても、何がナニやらサッパリだろうからなあ。なんてったって監督がジョー・ダンテだからねぇ。自分のヲタク趣味全開で、ヤリタイ放題の映画だもん。
カートゥーンネタの数々ももちろんだけど、“エリア52”って研究所のシーンなんて、アレな人ぢゃなければ全く面白くない。『禁断の惑星』のロビーや、『宇宙水爆戦』のメタルーナ・ミュータントが一番分かり易いネタだが、『惑星Xから来た男』だの、『顔のない悪魔』、果ては『ロボット・モンスター』に至っては、一体誰に向けて作っているのか?もちろん同好の士に向けてなんだろうが、それをファミリー・ピクチャーで堂々とやってのける根性が凄い。こんなんやってると、また干されちゃうのにね(笑)。

それにしても、カートゥーン・キャラと共演して、こんだけ違和感のない俳優ってのもなかなか居ないね。もちろんブレンダン・フレーザーのことさ。『モンキー・ボーン』の時もそう思ったけれど、今回もダフィ・ダック&バッグス・バニーと同フレームで絡んでも、全く不思議な感じがしない。実に稀有な俳優だ。
その他脇役も、ティモシー・ダルトンのセルフパロディとか、いつものごとくテンションの高いスティーブ・マーティン、ワーナー兄弟を演じるいつもの双子スタントン兄弟、毎度お馴染みディック・ミラー、これまたセルフ・パロディのケヴィン・マッカーシー(1人だけモノクロ出演!)にピーター・グレイブス、なぜか『バットマン』を監督しているロジャー・コーマンと、無意味に楽しい賑やかさ。昔、ツルモトルームの『スターログ』を買ってたような人にしか嬉しくない豪華キャストだぜ。
ああ、なんか『グレムリン2』が観たくなってきた(笑)。

DVDが出たら原語版で見直そう!(買うのかよ!?)

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2004.04.01

4/1 うしおそうじ死す!

ここんとこ、なんか訃報が多くてヤんなっちゃうが、あの「うしおそうじ」氏が昨日82歳で亡くなったそうだ。

「うしおそうじ」ってダレ?って人も多いだろうけれど、今40歳前後の特撮クンたちには忘れることの出来ない、あのピープロ-----『マグマ大使』に始まり『宇宙猿人ゴリ』『怪傑&風雲ライオン丸』『電人ザボーガー』『鉄人タイガーセブン』と、クラクラ…っとクルようなマイナーテイスト溢れる特撮番組を作り続けた会社-----の社長であり、漫画家でもあった人だ。
子供心にも、“ウルトラの円谷”、“ライダーの東映”、“熱いけどちょっとカッコワルいピープロ”と把握していた。だって、ねぇ?大きなオトモダチになってから観た『豹マン』とか『ピューママン』のパイロットも凄かったし。なんでみんなネコ科なの…。
なぜ、この人をそんなに覚えているかと言えば、それは取りも直さずスタッフロールにたった一人、「うしおそうじ」とオール平仮名で書かれていたためである。何する人かまったくわからない幼稚園児や小学生でも、否応なしに読んで覚えてしまう名前なのだな。今回お亡くなりになって、その名前を漢字で書くと「牛尾走児」(本名ではない)であったことを始めて知った。

それにしても、もう一本くらい「ネコ科ヒーロー」番組(『直立!ミーアキャットマン』とかどうでしょうか?)を観たかったような、観たくなかったような、そんな気になった。(『電脳なをさん』あたりのネタみたいだな…)
ご冥福をお祈りします。

ところで、うしおそうじ氏と『宇宙猿人ゴリ』に関しては、『ピープロ(ジェクト)X / 巨人の星よりも輝け! ネビュラの星 ~「宇宙猿人ゴリ」~』が、かなりの力作で面白い。
興味のある方は是非観に行って下さい。

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2004.03.24

3/24 『APPLESEED アップルシード』

東宝試写室で『APPLESEED アップルシード』を観させて頂く。

西暦2131年、大戦終結後の未来。破壊しつくされた世界に、唯一の文明都市として残されたのは“オリュンポス”のみであった。だが、この理想郷の人口の半分は“バイオロイド”と呼ばれるクローンであった。大戦終結も知らぬまま、荒廃した都市で戦いを続けていたデュナン・ナッツ(小林愛)は、ある日捕獲され、“オリュンポス”に連行される。そこで彼女が目にしたのは、昔の恋人ブリアレオス(小杉十郎太)の姿であった。彼は大戦で身体を失い、機械化され治安警察E.S.W.A.T.の隊員となっていた。一方その頃、オリュンポス軍のクーデター計画が着々と進んでいた…。

正直、観始めた時には猛烈な違和感を感じた。もちろん、トゥーン・シェーダーがどんなものかなんて分かっているし、仕事でも趣味でも山ほど見ている。なのに、なぜか感じる違和感。しばらく観ていて、その原因の1つに気がついた。眼球である。ポスターや予告などでも、よくデュナンのアップが使われているから、見た事のある人も多いだろう。全体のヴィジュアルは一見2Dのセルアニメ調にも関わらず、眼だけが少女マンガチックな描き方を少しリアルにしたような、独特の描写がされている。多分、それだけならさして違和感を感じなかったのだろうが、その眼が実に良く動く。もちろん、2Dアニメであんなに眼が動くことはありえない。逆に、俳優を撮った実写であれば動くのは当然だが、その分もっと眼が小さいから目立たない。そのアンリアルとリアルの微妙な境界線に、ヘンな違和感を感じていたのだ。

だが、そんな違和感を乗り越えて、この映画は素直に面白い映画になっている。
ある意味うざったいほどにネームとト書きの多い原作を、非常に分かりやすく整理し、ストレートなアクション・ラブストーリーに仕上げた構成が巧い。観客を楽しませようとしている作り手側のセンスと努力が、きちんと作品に現れている。また、フルCGでありながら、技術的には驚くほど既存の技術のみで作られている映画である。使っている3DCGソフトもXSI、MAX、Lightwaveと、ごく普通に市販されているものばかりで、特殊なソフトを開発した訳でもない。製作期間もたかだか10ヶ月、スタッフ数もハリウッドCG映画の1/3とか1/4くらいしか居ない(スタッフロールの短いこと短いこと!)らしい。それでもこれだけのものが作れるのである。同じフルCG映画でも、ブランドとしてのタイトルと技術力に自沈していった『ファイナルなんとやら』などとは比べるべくもなく、正しく映画プロフェッショナルの技を見せつけてくれる作品である。
デュナンとブリアレオスの物語が、ラブストーリーと呼ぶには若干弱いが、アクションは小気味良く、浪花節はちゃんと浪花節になってて、クライマックスは怪獣映画ばりのスペクタクルを見せてくれる。
これがすばる座だけでの公開なんて勿体無い。せめてニュー東宝シネマ系列あたりで公開してあげればいいのに。

同じ士郎正宗原作で、同時期公開の『イノセンス』と比較されることも多いだろう。恐らく、熱狂的に支持され、10年後でも名前が残っているのは『イノセンス』だろう。確かに、物語も世界観も、映像の深さでも『イノセンス』の方が上だと評価されるだろう。だが、作家性ではなく、素直にエンターテインメントに徹し、かつきちんとカタルシスを感じさせる盛り上がりを作った『アップルシード』を、オレは評価したい。

あえて難を言えば、デュナン役の小林愛の声が少年ぽく、幼過ぎる気がする。もう少し年齢が上の方が良かったんぢゃないの?また、これは素朴な疑問だが、なんでデュナンのモーションを三輪明日美がやってるの?

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2004.03.20

3/20 『イノセンス』

日比谷映画で『イノセンス』を観る。

2032年の日本。各地で愛玩用少女型アンドロイドが突如暴走し、所有者を殺害して自壊する事件が頻発していた。その捜査を担当することになった公安九課の刑事バトーとトグサ。その頃、アンドロイドを製造したロクス・ソルス社の出荷検査官が、紅塵会なる暴力団によって殺害された。この事件の裏には何があるのか…。

圧倒的な映像力で迫ってくる押井ワールド。こりゃ、好きな人には堪えられん映画だろうね。
3DCGIを駆使した美術は、まさに驚嘆に値する。「世界観が『ブレードランナー』っぽ過ぎて観る気がしない!」と、ある人が語っていた。確かに『ブレードランナー』の呪縛から逃れることは出来ていないけれど、これだけ徹底的にやればOKでしょ。ある種、日本人的ではない、欧州系濃厚映画(グリーナウェイとかピトフとか)に近いような肉食っぽい濃さが世界を支配する。これは美術だけではなく、独特の空気感------空気の密度の濃さによっても醸し出されている。だがその世界観に対して、バトーをはじめとしたキャラクターは濃厚ではない。それらが遊離せずに、絶妙なバランスで溶け合っているところが、この映画の面白いところである。

…と、まるで大絶賛しているようだが、実はそうでもなかったりするのだ。映像や音響等の質の高さには、素直にアタマが下がるのだが、どうも物語が…ね。多分監督自身も、本作で物語を語ることにあまり興味がないんじゃないだろうか。膨大に詰め込まれた映像と台詞の情報量をスッキリサッパリ整理して考えたら、物語自体は実にシンプルなのである。逆に言ってしまえば、膨大な情報量ゆえに、本筋の物語が見えにくい映画なのだ。
後ろの席の客が、映画を観終わった瞬間に「なんだこりゃっ!さっぱりわかんねぇ~!!」と言っていたが、まるで“めくらまし”のごとく散りばめられた台詞に気を取られてしまうと、さっぱり分からないのである。だが、そのめくらましのような台詞と、映像の中に語りたいことが秘められているように思う。
アイデンティティとは一体何か?
そのテーマを語るために用意された世界と台詞。監督はそこを見て欲しいのであって、物語は二の次なのである。しかし、その膨大な台詞には、やたらと引用、ことわざ、格言の類が散りばめられている。これに辟易する人も多いだろう。

映画の面白さは物語に拠るところが大きい。だから、「面白いか」と問われればハッキリと「NO」である。
しかし「凄いか」と問われれば「YES」である。これはそんな映画なのだ。

別な見方をすれば、物語にもテーマにも手法にもノレなくても、この映像力の凄さを観るべき価値はあるとも言える。
少なくとも、同監督が手掛けた数本の実写映画よりは100倍も1000倍も。

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2004.03.12

3/12 やっとコンプリート!

先日、ebayで落札した商品が到着!
やったーっ!これでコンプリートだぁ!!
下の方に貼ってある画像がソイツだ!

…ほとんどの人には、「なんだコレ?」ってなもんだろう。
こいつぁ、『宇宙戦争』『地球最後の日』などの50年代SFで知られる映画監督/プロデューサー、ジョージ・パルが発行していたコミックブック『George Pal's PUPPETOONS』である。
出版社はFawcett Publicationで、1945年の12月から1950年の1月までで全19号。
オレは5年ぐらい前から、ebayとかコミック・ショップでコイツをコツコツコツコツと集めていたのだ。いわゆるヒーローもののコミックと違ってコレクターが少ないらしく、1冊ずつの価格は高くないんだけれど、その分なかなか見つからない。アメリカのコミック・ショップで訊いても、「その手のものは扱ってないねぇ」って場合がほとんど。
そして、最後の最後まで来て、ebayにもなっかなか出てこなかったNo.7がやっと手に入ったのだ。
このコミックスの存在を知った時は、なんたって50年以上も昔の本だし、全部集まるとは思ってなかっただけに、モーレツに嬉しい!

puppetoon07.jpg

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2004.03.06

3/6 K'S CINEMAで『ケイナ』

本日柿落としの新劇場、新宿K'S CINEMAで『ケイナ』を観る。

ある日、ヴェカリアン人の宇宙船が惑星アストリアに墜落した。その事故の影響を受け、惑星に巨大植物が生まれた。「アクシス」と呼ばれるこの樹はアストリア星の命の源である樹液を吸い、信じられない勢いで成長を続けた。
600年の歳月が経ち、いつしか樹木の上には、地上を知らない人々が生活するようになっていた。人々は枯渇しつつある樹液に苦しみながら、司祭(リチャード・ハリス)に指揮され神に慈悲を乞いながら細々と生きていたが、少女ケイナ(キルステン・ダンスト)は、そんな生活に疑問を持ち、旅に出る決意をするが…。

なんだかスッゴク勿体無い映画だなぁ、ってのが一番の感想。
ハリウッドのフルCG大作と違って、専用ソフトを開発したり、豪勢な機材を使った訳ではなく、ごく普通のPCと3DSMAXで、4年だか8年だか掛けて作り込まれた映像は、スタッフの根性と熱意を感じる。独特のヴィジュアル・センスは、いかにも欧州テイストで、これまたハリウッド産CGとは一線を画していて、濃厚で湿度のある世界を見せつける。モーションキャプチャーを使わずに、全て手付けで作られたモーションは、一部荒いところもあるけれど、キャラクターにもあっているし、手間も掛かっている。技術的には、非常に高いレベルで創られた映画なんだと思う。
だけど、物語と世界観があまりにも分かりにくい。
元々アストリアに棲んでいたと思われる生物(セレナイツって言うの?)が、何をしようとしてるのか、人間そっくりのケイナたち種族は何者なのか、ヴェカリアン人オパッツ謎のコア“ヴェカノイ”を何故手に入れようとしてるのか、どれもこれもが、全然スッキリと頭に入って来ない。
別にハリウッド的な単純明快さを求めている訳ではないが、こんなに分かりにくい映画になっている理由がよくわからない。

この監督のクリス・デラポートって何の人だろうと思ったら、PCゲーム『ハート・オブ・ダークネス』(コッポラが狂っちゃう映画とは関係ない)のデザイナーだった人。あのグラフィックは綺麗だけど、やたら一発死にするアクションか…と、思い出す。

さて、この『ケイナ』を上映しているのは、新宿に新しく出来た映画館「K'S CINEMA」。
地図を見て「もしや?」と思ったが、新宿昭和館跡地だったのね。もしやついでだが、“K’S”ってのは「角川大映」の“K”なのか?
劇場内は、渋谷シアター・イメージフォーラムの雰囲気と似ている。整理券・定員・入替と、今時の映画館らしいシステムではあるが、40分前に窓口に行って整理番号2番ってのも悲しい。でも初日だってのに、観客が6人しかいないのはもっと悲しいが…。


劇場そばで、お馴染み「タイガーマスク」とすれ違う。
いや、別に、それだけですが。

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2004.03.02

3/2 『新装版 土曜ワイド殺人事件』

『新装版 土曜ワイド殺人事件』(とり・みき×ゆうきまさみ合作/角川書店刊)を読む。

タイトル通り『土曜ワイド劇場』に代表される2時間ドラマのパロディ・マンガである。まぁ、ご想像通り『三毛猫OL探偵事件簿・湯けむり女子大生ムレムレ殺人事件/特急あずさ車内で起こった謎の密室殺人。その時猫は見ていた!』みたいなヤツだ。

合作の流れは、①合宿でアイデア出し②ソレを元にゆうきまさみが予告編を描く③ソレを元にとり・みきがネームを切る④ゆうきまさみがアレンジを加えつつ下絵を描く⑤とり・みきがアレンジを加えながらペン入れをする……となるんだそうだ。
売れっ子漫画家2人でこんな手間の掛かった段取りをするのも凄いが、似て非なる2人が全く融合している(大昔、『クルクルくりん』の頃にゆうきまさみはとり・みきのアシをしてたんだそうで、画風はどことなく似ているのだが)のも凄いし、衝突することもなく作品が完成しているのも凄い。
でまた、中身は題材が題材だけあってとことんクダラナイってのがいい。オレはゆうきまさみよりもとり・みきのファンなので、このズッカー兄弟にも通じるクダラナサはとっても面白かった。

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2004.01.27

1/27 『トレジャー・プラネット』

DVDで『トレジャー・プラネット』を観る。

惑星モントレッサで母と暮らすジム。彼は日々トラブルを起こし、警察の厄介になっていた。
ある日、家の前に宇宙船が不時着し、ジムは船内にいた瀕死の男を救出する。男は彼に何かを渡し、サイボーグに気をつけろと言い残して息絶えてしまった。男を追ってきた海賊の追跡を逃れたジムは、渡された謎の球体が、伝説のトレジャー・プラネットを記した地図であることに気がついた…。

スティーブンソンの『宝島』の舞台を、宇宙に置き換えたファンタジー。
手描き、CG、エフェクトと、ビジュアルのクオリティは相当高いレベルでまとまっている。だが、映画としては正直キビシイ。
『宝島』を宇宙に置き換えた割には、それを活かすような部分は細かいネタやガジェット類だけで、物語展開にはあまり反映されていない。それならば、わざわざ宇宙に話を移す必要はなかったのではなかろうか?それでいて海賊シルバーとジムの擬似的な父子関係は描きながら、ジムが子供の頃に家庭を捨てた本当の父親が、なぜ家を捨てたのか、あるいはその後どうなったのかなどは一切描かれない。この物語であれば、いくらでも使えそうな複線なのに、そのまま放置しっぱなしなのは何でだろう?
また、もう一つキビシイのがキャラクターデザインだ。
主人公のジムは、なんだかヒネた若造で共感できないし、それ以外のキャラも日本人的には許容範囲を大きく逸脱して可愛くない…と言うか怖かったり醜かったりの強烈なキャラになっている。エマ・トンプソンが声を演じているアメリア船長など、動きも非常に個性が出ていてイイ雰囲気なのに、顔のアップになるとウワァ…ってなキャラになっている。同じディズニーの『アトランティス』やFOXの『タイタンA.E.』に比べれば、映像的にも映画的にも上ではあるが、もっと面白いものを期待していたので、肩透かしであった。

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2004.01.19

1/19 『アニメタルマラソンV』

『アニメタルマラソン V』を購入。

もうそろそろ、オレの年代の元ネタぢゃあないだろうと思ってたのだが、これが燃える。
オレは宙明&菊池(伊福部、宮内、冬木ってのもあるが)な人間だと思ってたのに、色んな物がDNAに刷り込まれてるね(苦笑)。
最初の15曲はどうでもいいが、16曲目の「ザ・チャンバラ」(『まんが水戸黄門』のテーマ。これも年齢とズレてるって?いいの。これは好きな曲だから)以降、『バトルフィーバーJ』に始まる戦隊メドレー、待ってましたの『バロン』シリーズ3作、『BD7』『戦え!ドラゴン』『円盤戦争バンキッド』とマイナー3本、本山本正之のタイムボカンシリーズと来ちゃあ、どうあっても燃えちゃうよね。でも『マッハバロン』は原曲のまんまのほうがロックぽかったような…。
次の『VI』があるのかどうかは知らないけれど、もしもあったとしたらいよいよオレの知らない世界へ突入なんだろうなぁ。

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2004.01.13

1/13 流石だね、ピクサー 『ファインディング・ニモ』

会社帰りに新宿東急で『ファインディング・ニモ』を観る。
いつもながら、ピクサーの丁寧な仕事振りには舌を巻く。
オープニングからスタッフロール(今回はNG集ではない)まで、実に神経の行き届いたファミリー映画になっている。
物語は毎度のごとく幼稚園児でも分かるくらい単純明快だが、それを大人には楽しめないものにはしないところが素晴らしい。観ているうちに、これがCGかどうかなんてことはどうでも良くなってしまう、物語運びとキャラクター造形の上手さがある。
不覚にもオレが目頭を熱くしたのは、クライマックスではない。
マーリンがニモを探していることを、海の生物たちが口伝えで次々と伝えていくシーンである。ことさら感動を強調するような場面ではない。しかし、その恐ろしいほどハイクオリティな映像と、巧みな演出が相まって、極上の映像を作り出している。

映画自体には文句はないのだが、パンフレットが頂けない。
なんで“さかなクン”なんて薄気味悪いオトコの写真が4枚も出てるんだよ!魚のことは詳しいかもしれないけれど、このオトコのことを好きじゃないヤツって多いんじゃないの?少なくともオレは嫌いだ。

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