« February 2006 | トップページ | April 2006 »

2006.03.27

3/26 『サウンド・オブ・サンダー』

新宿ピカデリー2で『サウンド・オブ・サンダー』を観る。

2055年、タイム・サファリ社は、時間旅行技術を使い、客に6500万年の過去で恐竜ハントをさせていた。同社に雇われている生物学者のライヤー博士(エドワード・バーンズ)は、その行為の危険性は認識していたが、5分後に火山噴火によって死ぬ運命にある恐竜に限定して狩りをすることで、そのリスクを最小限に抑えていた。だが、ある日のハントでトラブルが起こった。彼らの銃が故障してしまったのだ。命からがら過去から戻って来た一行。だが、その翌日から街に異変が起こり始めた。彼らは過去の“何か”を変えてしまったのだ…。

レイ・ブラッドベリ原作、ピーター・ハイアムズ監督作品。
ハイアムズが終わっちゃってることなんて百も承知なんだけど、それでも観てしまうんだよね。もう二度と、『カプリコン1』『シカゴ・コネクション/夢みて走れ』みたいな映画なんて作れないことを知ってるのにね。

で、予想通りガッカリでした。実に凡庸。
ストーリーが破綻してるとか、ツッコミドコロ満載とか、そんなことでツマンナイっつってる訳ではない。昔のハイアムズ映画は、ストーリーが破綻していても、アクションシーンが冴えまくる監督本人による撮影が見せ場だったのに、最近の作品同様に本作でも撮影にキレがない。『密殺集団』の納屋での格闘、『プレシディオの男たち』のチャイナタウンを駆け抜けるシーン、『シカゴ・コネクション』の高架上でのチェイス等々、あんなに魅力的な撮影が出来たのはなんだったんだろう?年取ったから、もうムリなのかな?
今回だって、“ヒヒザウルス(勝手に命名。スタン・ウィンストンっぽいデザインがイケてない)”とのおっかけっこやバトルなんて、昔ならもっとカッコよく処理しただろうにねぇ。

それとこの映画で頂けないのはCG処理の拙さだ。エドワード・バーンズが歩くシーンで、背景に映っている未来都市のあからさまな合成なんて、最近のレベルではない。製作中に制作会社が倒産したり、色々とあったらしいけれど、これはちょっと…ねぇ?

未来世界のデザイン自体も、「なんだ、この『ブレードランナー』もどきの自動車の群れは?!」…とか思ってたら、シド・ミードの会社がデザインしてやんの。本人が噛んでんのに、すげぇパチモン臭ぇ…。

それにしてもベン・キングスレーだよ。ホント、作品選択眼がないんだか、運がないんだか、年々フィルモグラフィがシンドイ状態になっていくね。この次が『ブラッドレイン』だって?ダメだろうな、きっと。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

3/21 『TOMMY/トミー』

レンタルDVDで『TOMMY/トミー』を観る。

父親が殺されるのを目撃したことをきつく口止めされた少年トミー(ロジャー・ダルトリー)は、それがトラウマとなり三重苦=視覚・聴覚・会話を閉ざしてしまう。母親(アン・マーグレット)は息子を必死に直そうとするが、何をしても彼の感覚は戻らない。そしてある日、彼はピンボール台に触れたことで、天才的ピンボーラーになるが…。

ミュージカル版を観たせいで、すっかり忘れていた映画版が観たくなってレンタルして来た。
思った以上に忘れてるなぁ。

ミュージカル版との最大の違いは、映画版=殺されるのが父親、ミュージカル版=殺されるのが浮気相手(いや、旦那が戦死したと思ってたんだから、浮気ではないんだが…)ってこと。これって小さい変更のようで、実は意外と大きな変更かもしれない。トミーの回復に対する献身度が、実の親と他人では全く違う。義父役のオリヴァー・リードが腹黒そうな顔してるから、特にそれが際立ってしまい、看病する姿も何かウラがあるように見えてしまう。
それ以外では、ミュージカル版は台詞が有るけど、映画版は全て唄だけってことかな。
まぁ、基本的に一緒だ。どっちを観ても、なんでトミーが回復するのかはなんとなくウヤムヤのまんまだ。

フーが好きだったり、エルトン・ジョンやエリック・クラプトン、ティナ・ターナー、そしてジャック・ニコルソンが好きならOKだろうし、そうじゃない人は苦痛なだけかもしれないなぁ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.22

3/19 『ハーヴィー・クランペット』

レンタルDVDで『ハーヴィー・クランペット』を観る。

ハーヴィー・クランペットは、きこりの父と炭鉱で働く母の間に生まれた。脳に障害があり、人の鼻を触れずにはおられず、瞼が痙攣してしまうハーヴィーは、学校でもいじめられっ子。家は火事で全焼、両親は凍死し、オーストラリアに逃げ出した。事故で頭に鉄板を入れたハーヴィーは落雷に会い、人間磁石になり、睾丸も一つ取ったが、病院で出会った看護婦さんと結婚することに…。

2003年のアカデミー賞で、ピクサーの『バウンディン』を退けて短編アニメ部門受賞を果たした、オーストラリア製の23分のクレイアニメ。まさかこんなのの日本版DVDが出ているとは思わなんだ。観たかった作品なので、TSUTAYAでDVDを見つけた時は大喜び!

いかにも“クレイメーション”なキャラクターに惑わされて、技術力が評価された作品かと思いきや…凄い物語だ。
ともかく色んな病気や障害、ヤバげな状態のオンパレード。鉱毒でおかしくなってる母親とか、洟垂らしっぱのお脳の弱い友達。素っ裸で凍死してる両親、アタマに入れた鉄板、その手術痕が「まるでロボトミー手術のようだった」(字幕)とか、サリドマイド児の幼女、ポックリ死ぬ奥さん、ヌーディスト、etc、etc…。『生徒諸君!』のナッキーとは別な方向(笑)で、不幸のつるべ打ちだ。
こんだけ悲惨なのに、それをアッケラカンと笑いにして描いているのが驚きだ。日本でこんな作品が作られ、「日本アカデミー賞」を取るなんてこと、絶対にありえないだろう。

特典映像に、アダム・エリオット監督の初期短編、「uncle」、「cousin」、「brother」(3作合わせても18分の短編)が入ってるが、まるっきり同じ作風。どれも悲惨な生涯を生きた親類の話。してみると、『ハーヴィー・クランペット』はこれらの“悲惨親類人生”シリーズの集大成だった訳か。

最近のアカデミー・短編アニメ部門は、ピクサーとかアードマンの牙城だったけれど、それを打ち破ったのは大したものだ。だけどこの作風じゃ、長編アニメの依頼は来ないだろうなぁ。

ちなみにナレーションはジェフリー・ラッシュが担当。なんでだ?

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.03.20

3/19 『イーオン・フラックス』

新宿スカラ1で『イーオン・フラックス』を観る。

新種のウイルスにより人類の99%が死滅した近未来。科学者トレバー・グッドチャイルドが開発したワクチンでなんとか生き残った500万人は、隔離都市ブレーニャで平和な生活を送るようになり400年が経っていた。グッドチャイルドの子孫たちによる政府に疑念を抱いたレジスタンス組織「モニカン」は、グッドチャイルド暗殺のため、イーオン・フラックス(シャーリーズ・セロン)を送り込んだが…。

ピーター・チョンによる原作アニメは何話か観ており、それなりに面白いと思っている。シャーリーズ・セロンのファンで、『ガール・ファイト』もそこそこ面白かった。おまけに製作がゲイル・アン・ハード…。これはどんなに評判が悪くったって、オレとしては観に行かない訳には行かない映画だ。

期待しないようにしながら、期待して観る。イマイチ…。

大したことない話を、もって回ってひねくり回した印象が強い。
イーオンの“バカバカしくもスカっとカッチョイイアクションを観たかったのに、アクションは予想よりも少なく、編集とカメラのキレがイマひとつだ。バストアップとかなり引き気味の画が多くて、どうも画作りのテンポが乗ってない。シャーリーズ自体がアクション向きの女優でないから、きちんと顔の見えるバストアップと、全部CGで作れるロングに偏り、本人だと認識出来つつ、かつアクションをカッコよく見せるカットが上手く作れていないためだろう。監督が女性なので、オトコがカッチョイイと思う強い女を描けないのかもしれない。カリン・クサマは、『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』でも観て研究して欲しいもんだ。
それでもシャーリーズ・セロンが美しかったら良かったんだけど、お色気衣装は多いものの、あんまり綺麗に撮れていない。彼女はもっと魅力的に撮れる女優だと思うんだけどな。

ギミック類は、原作アニメでも使ってたものが多く、なかなか楽しかったんだけどねぇ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

3/19 『The Who's TOMMY』

新宿厚生年金会館で『TOMMY』を観る。

父親の殺人を目撃したことをきつく口止めされた少年トミーは、それがトラウマとなり三重苦=視覚・聴覚・会話を閉ざしてしまう。両親は息子を必死に直そうとするが、何をしても彼の感覚は戻らない。そしてある日、彼はピンボール台に触れたことで、天才的ピンボーラーになるが…。

言わずと知れたThe Whoのロックオペラ『TOMMY』の舞台版である。
The Whoのファンではないし、熱狂的ロック・ファンだったりもしないのだが、ロック・オペラとか、ロック・ミュージカルってのにはなんだか惹かれるのだ。変態屋ケンちゃんの撮った映画版も嫌いじゃないしね。

昨夏に観たQueenの『We Will Rock You !』もなかなか楽しかったけれど、やはり元がシッカリしている(?)のと、キャストの演技力&歌唱力が上なので、どうしたって『TOMMY』に軍配が上がる。音楽的にはQueenの方が好きなんだけどね。
物語の基本線は、映画と同じ(だと思うけれど、映画版がウロ覚えなんだよな)で、陰惨と言うか暗い話である。映画版のドラッグ映像みたいなものもないし、舞台ではピンボールの上手さもなかなか表現しにくい。だけど生でコーラスする『Pinball Wizard』はメチャメチャカッコ良く、オリジナル版も映画のエルトン・ジョン版も好きだが、それとはまた違うミュージカル・ソングとしてのカッコ良さを見せつける。

2階席には空席も結構あったり、公演として成功だったのかどうかは微妙だけれど、今日は楽日だったこともあり、リピーターのお客さん(かなり年齢層高めだ)も多くて劇場は大盛り上がり。いやぁ、観に行って良かったっス。

ところで、もらったチラシの中に気になるものを発見。
ひとつは『エドワード・シザーハンズ』のダンス・ミュージカル版。もうひとつは『TANZ DER Vampire』である。
前者は説明の必要もないだろうが、問題は後者。ポランスキーの『吸血鬼』をドイツで舞台ミュージカル化した物なのだが、オレはこのドイツ・キャストのアルバムを既に何度も聞いている。実はこれ、大好きなジム・スタインマンがやっているのだ。ただ、省エネ作曲家のスタインマンらしく、アリモノをちょっとアレンジした楽曲ばっかりではあるのだが…。これがドイツ・キャストの来日公演なら、ためらわずに行くんだけど、日本版なんだよな~。どうしよう?

| | コメント (0) | トラックバック (1)