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2006.02.06

2/3 『アンチェイン UNCHAIN』

レンタルDVDで『アンチェイン UNCHAIN』を観る。

1度も勝ことなく引退した4回戦ボクサー、アンチェイン梶と彼の周囲に居た4人の男、ガルーダ・テツ、西林誠一郎、永石磨を追ったドキュメンタリー。

劇場公開時に、何故かテアトル新宿に行くことが多くて何度も予告を観ていた。その予告が頭にこびりついてて、観たいと思っていたんだがなかなか機会がなく、やっと今日観た。

なんとも言い難い映画である。
タイトルにもなっているアンチェイン梶は、7戦6敗1分けで引退したボクサーである。映画の中での彼の試合シーンは、全て過去に撮られたホームビデオ。そして映画の中の大半の時間、彼は精神病院の中で過ごすので、周囲の人間による証言構成になっている。つまり、アンチェイン梶は、主役であって主役ではない。実質的な主役は、彼の後輩であるガルーダ・テツであると言っても過言ではない。

格闘技は嫌いではないが詳しくはないので、ガルーダも、西林も永石も知らなかった。
彼らがことさら弱い選手だった訳ではない。西日本の1位だったりする選手もいる。だが、カメラが回っている間、彼らは皆負け続ける。全編を通して、彼ら4人の勝利する場面は驚くほど少ない。ドキュメンタリーだから、ドラマチックに盛り上がるようには展開しない。リングの上にうずくまって涙するガルーダ。それでも彼はリングを降りない。逆にタイトルマッチで負けてしまってから、二度とリングに上がらない西林。そして引退しているのに、何か去りがたくリングの上でシャドーするアンチェイン。
「リングの上では、合法的に人が殺せる。ルールはあっても、思う様人を殴れる」と言うアンチェイン。だが、合法的に殺すどころか、彼は一度も勝てずに引退してしまった。だから、その不完全燃焼ゆえに、彼は日常で壊れていったのだろうか?

単純に面白いとか面白くないとか言える映画ではない。格闘技のドキュメンタリーと言うと『ビヨンド・ザ・マット』を思い出すが、アレとは対極にある世界だ。

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