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2005.02.06

2/6 『幸運の25セント硬貨』読了

『幸運の25セント硬貨』(スティーブン・キング著/新潮文庫刊)読了。
「Everything's Eventual: 14 Dark Tales」の二分冊翻訳の下巻。本当は上巻の『第四解剖室』から読み始めるべきだが、たまたま店頭になかったのでこっちから。

●なにもかもが究極的
特殊な超能力を持った少年の話。
『ダーク・タワー』シリーズの世界観に乗っているらしいのだが、『ダーク・タワー』はキングで唯一読んでないシリーズなのでなんとも言えん。ま、本編を知らなくっても全く問題はない(『アトランティスのこころ』と一緒だね)。この話の面白さは、“自分で編み出した独自の記号を人に読ませるだけで、特定の人を殺害する能力”ってところだ。こんな妙な超能力、よく思いつくもんだ。

●L・Tのペットに関する御高説
妻と夫とそれぞれのペットである犬と猫の話。
そう言えばうちの基地外上司が、以前に「うちのペット(アメショーだったかな?)が自分に懐かないから、自分専用にコーギーを買う!」と飼い始めたのはいいけれど、これがやっぱり懐かない。そうしたら、「こんなバカ犬要らない!」といきなり処分しようとしたって話があった。この短編も、ラスト以外は実際にいくらでもありそうな話だ。

●道路ウイルスは北にむかう
絵の中身がドンドン変わっていく奇妙な絵を、ガレージセールで惹かれて買った男の話。
作者本人も解説で書いているが、『ローズマダー』も絵が変わっていく話だったな。いかにも邪悪そうな絵に、主人公が何故惹かれたのかよくわからないが、不気味な雰囲気はいい感じ。ラストにちょっとブラックなユーモア。

●ゴーサム・カフェで昼食を
とある夫婦が、離婚協議のために入ったレストランで、アタマのおかしい給仕に襲われる話。
作者は夫婦こそが狂っていると書いているが、やっぱりそれよりも給仕の狂いっぷりの方がインパクトが強い。『モンティ・パイソン』の「フォークが臭い」スケッチを思い出した。

●例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚
夫婦で旅行中の妻が、度の間中ず~っと既視感を覚える話。
タイトルを見て、何のことだろうと思ったら“デジャ・ヴ”のことだったんだ。英語には、これにあたる言葉ってないのかな?この短編集の中では一番面白くないかも…。

●一四〇八号室
幽霊話のあるホテルの一室に泊まろうとした、心霊ルポライターの恐怖の話。
これはなんだかコワイなぁ。
前に何かの番組で、ホテルの部屋に泊まる時は、必ず壁の絵をひっくり返して見るって人が居た。そーゆーところに御札が貼ってある部屋はヤバイと言うのだ。
この物語みたいに、ホテル側がわざわざ閉鎖までしている部屋になら、何が起きてもおかしくないかも。

●幸運の25セント硬貨
ホテルのメイドが見つけた、たった25¢ぽっちのしみったれたチップにまつわるファンタジー。
ありげなのにちょっと奇妙な話は、まるでロアルド・ダールの『予期せぬ出来事』の1エピソードかと思わせる。日本版では表題作になっているけれど、やっぱり一番日本人向きな物語なのかもしれない。オレも一番気に入ったのはコレ。

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