« 1/30 牛タン・スモーク その2 | トップページ | 2/2 冷蔵庫 »

2005.02.01

2/1 『座頭市と用心棒』

DVDで『座頭市と用心棒』を観る。

三年前ぶりに訪れた蓮華沢の里。だが、かつて市が来た頃とはすっかり様変わりし、小仏の政五郎(米倉斉加年)に牛耳られていた。政五郎は、用心棒の佐々大作(三船敏郎)に市殺しを依頼するが、大作は飲んで寝ているばかりでなかなか仕事をせず、美人女将梅乃(若尾文子)が営む居酒屋に入り浸るばかり。そんなある日、凶状持ちの市は牢に入れられてしまった。市を牢から救ったのは、生糸問屋の烏帽子屋弥助(滝沢修)だった。政五郎の実の父である屋弥助には、実は思惑があったのだ…。

この映画の三船敏郎は、果たして三十郎なのかと言うと相当に微妙である。風体はそっくりだし、演技も同じ(それは三船敏郎の演技の幅が…とか突っ込まないように)だけれど、どうもキャラクターが違いすぎる。なんか悪人っぽ過ぎるんだよな。これはこれでいいんだけど、『用心棒』『椿三十郎』の続きかと言うと、やっぱりそうは見えない。勝プロ制作ってこともあって、座頭市寄りの展開だしね。
でも、そんなキャラクターの違いよりも、全体の作りとして『座頭市』でも『用心棒』でもないものになっている気がする。監督が岡本喜八だってこともあって、この強烈なはずの2人の主人公は控えめで、映画自体は群像劇のような雰囲気さえ醸し出す。弥助と政五郎親子、弥助と三右エ門(細川俊之)親子の愛憎。政五郎と三右衛門兄弟の確執。左々と梅乃と市の三角関係。左々と九頭竜(岸田森)のライバル関係。これらを核にしつつ描かれる、市に絡むその他の登場人物(神山繁、嵐寛寿郎、寺田農、草野大悟、常田富士男、砂塚秀夫と、地味めにいい役者を揃えている)たちの生き様に焦点があてられている。
中でも岸田森演じる九頭竜が、震えるほどカッコイイ。左々も市もかすむほどシャープな九頭竜は、マンネリ気味なこのシリーズに渇を入れる存在感だ。日本映画界は惜しい役者を亡くしたものだ。
おっと、忘れるところだった。米倉斉加年のヌメっとしたいやらしさも、この映画の魅力のひとつ。その米倉が「せんせいっ!」と呼びかけると、必ず三船が「しぇんしぇ~い」と真似してバカにする場面の繰り返しが妙に可笑しい。
あんまり評判は良くないみたいだが、オレは結構好きだよ。この映画。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11883/2856546

この記事へのトラックバック一覧です: 2/1 『座頭市と用心棒』:

コメント

コメントを書く