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2005.02.18

2/18 『モルトウィスキー・コンパニオン 改訂版』

『モルトウィスキー・コンパニオン 改訂版』(マイケル・ジャクソン著/土屋守監修/土屋希和子・山岡秀雄訳/小学館刊)を読んでいる。

2000年に発行された改訂版じゃない方も持っていたが、先日の『ウイスキーマガジン・ライブ2005』の際に、マイケル・ジャクソンのサイン会でサインしてもらって購入した物だ。
この本は、前版の時からモルト好きの間では、まるでバイブルのような扱いを受けている本だ。
なにせ、著者は世界一のビール評論家にしてウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン(ちなみに幼児性的虐待のマイコーとは同姓同名の別人)で、日本版監修はスコッチ文化研究所の土屋守である。

だが、みんなが崇めているこの本は、本当に素晴らしい本なのだろうか?きっと、ウイスキー業界では、この話題はタブーなのではないかと思うけれど、敢えて言おう。
この本は最悪である。
いや、この言い方は語弊があるだろう。
モルトスコッチは網羅され、テイスティング・ノートも実に詳細である。きっと英語の理解力の高い人が原書を読めば、きっと素晴らしい本なのではないかと思う。だが、その翻訳版はどうなのであろうか?

この日本語版は最悪である。

例えば、P17に「グレンモーレンジ」のラベルの写真があり、その横にこんなキャプションが付けられている。

それはまるで盗みだ
グレンモーレンジが初めて
1990年にカスクストレング
スのウィスキーを瓶詰めした
とき、遊び心にひなびた風を
装ったラベルのデザインを使
った。まるで消費者がウィスキ
ーを盗んだとでも言うのだろ
うか?

改行位置も含めて原文のママである。
この文章の意味が誰か分かるんだろうか?少なくともオレには分からない。掲出されている写真に何かヒントがあるのかもしれないし、恐らく原文では何かのジョークを交えたキャプションなのではないかと思うのだが、全く文章の意味が分からない。
例えばP80にこんな文章もある。

ブラックアダー 名前どおりにおどけた会社。きわめて質の高いものから全くエキセ
ントリックなものまで幅広く瓶詰めする。ロウカスクはサブ・シリーズである。「おりか
す入り」で瓶詰めされたウィスキー。1995年にロビン・トゥチェックが創業した。

これは先の文章より随分マシ。でも、ブラックアダーがどう“おどけて”いるのか、訳注を付けるべきだと思うし、「おりかす入り」なのがロウカスクシリーズなのか、ブラックアダーの全商品なのかは、モルト初心者には分からないだろう。

このほかにも、あまりにも直訳、あまりにも機械翻訳的な文章ばかりが並んでいる。よくよく読めば意味が分かるが、さらりと読むと、まるでアタマに入ってこない。
土屋守氏の自著で、こんなにもメチャクチャな日本語はそんなに出て来ないように思う。翻訳があまりにもずさんで、なんだか読んでいてアタマが痛くなってくるし、こんな翻訳をバイブル扱いしなければならない状況が悲しくなってくる。著者のマイケル・ジャクソンは、自著の翻訳がどの程度のものなのか知っているのだろうか?

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