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2004.12.25

12/25 『完全な遊戯』

DVDで『完全な遊戯』を観る。

壮二(小林旭)は、仲間の戸田(梅野泰靖)、秋谷(柳瀬志郎)、沖津(武藤章生)と暇を持て余して麻雀をしながら、どうにかして遊ぶ金が手に入らないかと相談をしていた。そんなある日、戸田が競輪のノミ屋から金をふんだくる計画を思い立つ。川崎の競輪場から吉祥寺のノミ屋に結果が伝わるまでの数分間に、先に情報を入手して儲けようって魂胆である。色男の富田(岡田真澄)も仲間に引き入れて、周到な準備をして計画は成功したかに見えた。だが、ノミ屋の鉄太郎(葉山良二)に、その掛金を支払う金がなかったことから、計画は意外な方向に進み始める…。

石原慎太郎原作、舛田利雄監督による58年のモノクロ映画。
公衆電話の台数も限られていた時代だからこそ成立する犯罪計画で、今ではどうやったって出来ない犯罪。数少ない電話をいかに上手く活用して、相手より先に情報を入手できるか。最近だと、時間内ハッキングとかになるんだろうけれど、電子犯罪よりも物理的な犯罪の方が全然スリリングだよな。もちろん、それを描く演出力があってこそなんだけど、舛田利雄はその辺りをシャープに演出している。冒頭、皆が麻雀をしながらムダ話をしている場面で、カメラが彼らの周りをゆっくりと回り込む。その描写が、あまりにもタランティーノっぽくて驚いちゃったよ。
で、犯罪計画を描いた前半部分が非常に面白かったのが、後半クズ人間たちのクズっぷりに変わってきて、かなり暗い気持ちになる。とは言え、これでも相当ヌルいらしく、原作の嫌っぽさはこの映画の比ではないと言う。
原作は、たまたま知的障害のある女を拾った学生たちが、みんなで彼女を輪姦しまくり、最後は殺してしまうだけなのだそうで、ノミ屋詐欺とかはないんだそうな。全く違う話じゃねぇか!青少年非行防止のためにエロ本を規制しようなんて言い出す都知事が、昔はそんな鬼畜小説を書いてたんだね。…って言うか、そんなの書いてた人間が、エラそうに規制なんかすんなよ。

特典映像の舛田利雄インタビューも面白かった。
元々はみんなで輪姦謀議をする場面があり、賛成するもの、反対するもの、それぞれの思惑や苦悩があり、そここそがこの映画のテーマだったのだが、映倫が丸ごとカットしてしまったんだそうだ。輪姦場面がカットになったんなら話も分かるが、その謀議の場面がだ。それはあった方が良かったんじゃないのかな。どっちにしろ直接的な描写はないけど、完成した映画の内容だと、単に岡田真澄が劣情を催して、芦川いずみを犯しただけにしか見えないもんな。

昭和30年代半ばの吉祥寺の風景が、今とあまりにも違うのも興味深い。親戚が住んでいたので、40年代半ばには幼いオレも吉祥寺に行くこともあったけど、その時とも既に風景が違うような気がする。なんだか凄く田舎で、今の吉祥寺からは想像もできないような場所である。

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