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2004.08.15

8/15 『スチームボーイ STEAM BOY』

日比谷映画で『スチームボーイ STEAM BOY』を観る。【ネタバレあり】

ロンドン万国博覧会を目前に控えた19世紀のイギリス。アメリカのオハラ財団で研究を続けている父エディと祖父ロイドの帰りを待つレイに、ある日荷物が届いた。その中身は金属製のボール状の物体であった。時を同じくして、レイの前に現れるオハラ財団の使者と祖父ロイド。財団はボールを渡せと迫り、祖父はボールを渡すなと言う。そしてレイは、ボールを奪われ、自身も捕らわれてしまうのだが…。

スゴイ!スゴイよ、作画は…。
なんてぇんでしょうねぇ、なんとも言えない脱力感と言うか、無念と言うか。制作期間9年、製作費25億ですか…。お金はともかくとして、この期間こそが最大の敗因なんぢゃないのかな。

思い返せば9年前、パイロット版を観させて貰う機会があった。
「うぉっ!スゲッッ!コレ、マジで作るんスかっ!!」
あの時の興奮は忘れない。それが9年も掛かってこんなのになった。

この映画、対象とするターゲットは不明瞭で、大人の観客に向けたものなのか、ファミリーに向けたものなのかよく分からない。演出にもメリハリがなく、なんだか淡々と進んでいく物語は、正直退屈だ。別に明快に善悪に分かれる必要はないけれど、結局のところ考え方の違う2人の親子の喧嘩でしかない物語なんて、カタルシスを生まない。
これを観に行った親子連れの親はきっと困るんだろうな。子供に「なんでお祖父ちゃんとお父さんが戦ったの?悪いのは誰なの?」とか訊かれても、説明が出来ないだろうし。

大友克洋はこの映画で何をやりたかったんだろう。
声高に何度も叫ばれる「科学は誰のために、何のためにあるのか?」ってことなの?
まさか、そんな手垢にまみれたようなテーマがやりたかったんじゃないよねぇ?

作画の緻密さ、丁寧さは素晴らしいけど、それはこんだけの時間とお金掛けてるんだもの、当たり前なんじゃないの。『MEMORIES』が面白い映画だとは思わないけれど、「大砲の町」の映像表現には本気で驚いた。それに引き換え、本作には驚きがない。もっと言ってしまえば、何かどこかで観たような場面が多い。もうすぐ公開の『某動く城』を思わせるスチーム城をはじめ、宮崎駿的な描写は多いし、クライマックスの展開は『APPLESEED』にも近い。そして、ラストは『ゴジラ×メカゴジラ』の“アブソリュート・ゼロ”にも良く似ている。別にこれらが真似であるなんて言う気はない。
技術も表現も、恐ろしい勢いで陳腐化が進んでいくこの時代にあって、もしも本作が5年前に完成していたら、もっと驚けただろうし、楽しめたんじゃないだろうか?

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