« 6/18 朝まで送別会 | トップページ | 6/20 『デイ・アフター・トゥモロー』 »

2004.06.19

6/19 『中山七里』

ビデオで『中山七里』を観る。

木場の政吉(市川雷蔵)は、飲む打つ買うに目がないけれど、材木の目利きにかけては並ぶ者がない男だ。ある日、賭場で手入れに遭い、困ったところを女中のおしま(中村玉緒)に救われた。おしまに一目惚れした政吉は、やくざな生活から足を洗うことを条件に彼女と結婚の約束をした。だが、おしまに気のある木場の親方・安五郎が彼女を手込にしたため、政吉は彼を刺し殺し、一方、おしまもその事件を苦にして自害した。一年後、追っ手を逃れ旅鴉となった政吉は、道中でおなか(中村玉緒)という女を助けた。おしまと瓜二つの彼女に心ときめく政吉だったが、彼女には徳之助(大瀬康一)という許婚が居たのだった…。

雷蔵&玉緒&池広一夫の『かげろう侍』トリオによる62年製作の股旅物。
前半20分過ぎくらいで、ヒロインのおしまが死んで驚かされるが、なぁんだ、瓜二つの女が登場するんだね。物語的には、ヒロインがいきなり自害するのがサプライズなだけで、後は非常にステレオ・タイプに進んでいくのであまり見所はない。
演出的にも特に変わったことはしていない。だが、この映画では靄やスモークの使い方が非常に印象的だ。例えば、山を歩く政吉たちのロングショットがある。実際の靄なのか、それとも石灰か何かを使っているのかは分からないが、二重三重に霞がかかり、モノクロ画面と相まって水墨画を思わせるような非常に美しい映像になっている。また、山奥の廃村に政吉たちが隠れており、そこにやってくる捕り方たちの場面。靄の中に響く、徳之助の父、吉五郎の絶叫。そしてその靄の中から、男たちの姿ががすぅっと現われる場面なども非常に巧い。
そして、廃村での大立ち回りとなるクライマックスは、そこらに転がっていた道具類や、壊れかけた納屋自体を駆使してのゲリラ戦となる。これは後年の雷蔵&池広による『若親分』シリーズのクライマックスに、そのまま受け継がれていくシチュエーション。いわゆる時代劇の殺陣ではなく、周りにあるあらゆるものを使って戦うのは、多勢に無勢の状況と、殺陣が意外と上手くない(とオレは思うんだが…)雷蔵のアクションを、ダイナミックに見せる演出として正しいやり方だ。もちろん、この場面でも靄が有効に使われ、視界の利かない中、雷蔵がいきなり敵に襲い掛かる。

主題歌は橋幸夫。
おしまによく似たおなかを助けた際、「♪助けた女が、おしまに似ていて驚いた~♪」みたいな、状況を説明する唄がかかるのが可笑しい。

傑作とは言わないが、そこそこ面白い映画であった。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11883/803173

この記事へのトラックバック一覧です: 6/19 『中山七里』:

コメント

コメントを書く