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2004.06.14

6/14 『テロリストのパラソル』

『テロリストのパラソル』(藤原伊織著/講談社文庫刊)読了。

新宿中央公園で起こった爆弾による無差別殺人。事件の際にその場所に居合わせた、アル中バーテンの島村は、人には言えない過去のせいで、否応なく事件に巻きこまれていく。そして彼の前に、捨てたはずの過去が亡霊のように浮かび上がってくる。犯人は一体何者なのか…?!

乱歩賞受賞、直木賞受賞、「週刊文春 年間ベスト・ミステリ1位」、「週刊現代 年間ベストエンターテインメント1位」ハードカバー35万部以上のベストセラーと、錚錚たる冠を持った作品。
だが、感想を一言で言ってしまえば
「コレ、そんなにスゴイかい?」
国産小説はあまり読まないので、どうも基準がよく分からないんだけれど、そこまで絶賛されるほど面白い気がしない。
主人公のアル中バーテン島村をはじめ、ヤクザの浅井、塔子など、主要登場人物はユニークなのにそれなりにリアリティがあって魅力的である。前半部では物語にグイグイと引き込まれて行く。だが中盤以降になると「アレレレレ?」ってなものである。
これはまるで阪本順治の映画みたいだ。なにがって…そりゃあ全てが偶然の上に成り立っているような印象が、だ。

詳しくは書けないが、誰某と誰某は実は血縁で、誰某は実はあの時の誰某で、誰某のことは実は昔から知っていて……云々と、“実は”話があまりと言えばあんまりにも多過ぎる。
クライマックスに向かって明かされて行く過去と秘密。登場人物----特に犯人が語る内容は、「その偶然こそが、私たちにとって必然だったのだ」とでも言わんばかりだ。だが、所詮偶然は偶然であって、必然ではない。ほとんどのフィクションは、偶然の要素に頼る部分があっても仕方がないとは思うけれど、ここまで偶然に頼ってしまうと興ざめである。

年齢的に全共闘世代の気持ちが分からないからとか、そんな理由ではない。確かにその気持ちに素直に共感できれば、もっと面白く読めたのかもしれないが、そんなことよりも論理でねじ伏せてくれないミステリだから、オレは最後になってガッカリしてしまったのだ。

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