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2004.05.06

5/6 『眠狂四郎 悪女狩り』

レンタルビデオで『眠狂四郎 悪女狩り』を観る。

江戸市中で連続して起こる辻斬り、そして強姦事件。その現場には「断 狂四郎」、「狂四郎 此れを犯す」などと書き残されていた。一方その頃、江戸城大奥では、将軍の子を身篭った側室の環(行友圭子)とお千加(松尾嘉代)の方をめぐって、激しい権力争いが繰り広げられていた。そして、大奥総取締の錦小路(久保菜穂子)と彼女と陰謀を企てる板倉将監(小池朝雄)の元には、なにやら怪しい隠れキリシタン川口周馬(江原真二郎)が出入りしていた。そんな怪しい雲行きの中、狂四郎(市川雷蔵)は、いつもと変わらず茶屋の女将お菊(朝丘雪路)と情事を楽しんでいたが…。

市川雷蔵の「眠狂四郎シリーズ」第十二作目にして最終作。ついでに多分遺作(調べると『博徒一代 血祭り不動』が遺作って書いてあったりするのでどっちがホントかよくわからん)。
恐らく本作は、病に罹った雷蔵の身体を労わる意味もあって、“ニセ狂四郎”のエピソードにしたんだろう。本人ではなく、ニセ狂四郎の悪行三昧が、本狂四郎並のスタイリッシュな映像で描かれる。それで狂四郎本人の見せ場が沢山あったように見せかけるって手法…と言うか、本人じゃない負い目と言うか、ムキになって雷蔵をフォローしてるのか、いつも以上に狂四郎(とニセ狂四郎)をカッコ良く撮る池広一夫演出。

最初の決闘では、横位置のロングショット、黒バックのままのスローモーションで、狂四郎が斬る瞬間だけ常速に戻して、抜き身の速さを強調。様々な得物を手に持つ伊賀忍者軍団に包囲された狂四郎の殺陣。流れ弾ならぬ流れ分銅で打ち抜かれて、鮮血を飛び散らす女。籠を襲う場面では、雨の中を走りながら一気に2人斬捨て、ワイヤーでジャンプして飛び蹴りを喰らわして、標的を斬る。このアクションに続いての、本物とニセの狂四郎が真俯瞰ですれ違う傘の場面が、動と静のコントラストになっていて巧い。この他にもスタイリッシュな見せ場が目白押し。なんてったって、円月殺法が3回ですよ!3回!円月殺法はオプチカル処理が必要だから、予算もかかる(普通は1回しかない)だろうに、凄い大盤振る舞いだ。

当時としてはバイオレンス&エロも濃厚だ。鮮血がドヴァッと散るのは当たり前で、手首が斬りおとされたり、眉間にブッスリとクナイが刺さったりするし、エロ方面も、半裸に剥いた側室を逆さ吊りにしての拷問、ニセ狂四郎の強姦、大奥内での“百合”描写に、久保奈保子による狂四郎逆強姦未遂、能面をつけて迫る女(能面で迫られてもグッとクル男は少なかろう…)などなど、実に見せ場が多い。
重く暗い物語を、スタイリッシュとエロとバイオレンスで押し切った佳作だ。

37歳の若さで、直腸癌で逝ってしまった雷蔵の、これが最後かと思うと感慨深い。35年も前のことを悼んでも仕方がないが、惜しい役者を亡くしてしまったもんだ。

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