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2004.04.13

4/13 『若親分』

レンタルビデオで『若親分』を観る。

明治末期。日露戦争後の戦勝気分に人々が酔っているある日、南条組の親分辰五郎が何者かに殺された。その様子を目撃した車曳きの三吉は、犯人は滝沢組の者だったと証言をした。全国の名だたる親分が集った葬儀に、1人の男がやって来た。それは辰五郎の一人息子で、海軍少尉となった武であった。武は現在の地位を捨て、南条組二代目を襲名した。
武は、滝沢組に対してたった一人で果たし合いに望み、滝沢巳之助の右手を斬りおとして父の恨みを晴らす。気風のよさと漢気で名を上げた武だが、彼を取り巻く陰謀が渦巻いていた…。

池広一夫監督、市川雷蔵主演による『若親分』シリーズ第一弾。
ひどく真面目で正攻法の任侠物である。曲がったことを一切しない、真面目で漢気の塊みたいな若親分を、雷蔵は非常に好演しているが、真面目すぎてちょっとつまらない。もうちょっと軽妙さがあってもいいのにね。
その真面目な物語を後押しするかのように、本作の池広監督はスクエアなカメラワークで押して行く。やたらにシンメトリーにこだわったアングルが多いのだ。トンネルを中心に据えて、その靄に包まれた奥から現われる人力車、葬式での雷蔵の登場シーン、襲名披露の雷蔵を中心とした大広間など、ポイントポイントでガチガチのシンメトリー構図を使っている。だが、そんな堅い構図であっても、非常に奥行きを強調した画作りになっているところがいかにも池広流。最大の見所はクライマックスの大田黒組との出入りシーン。昨晩観た『沓掛時次郎』同様、圧倒的に不利な1対多人数での戦いを強いられる雷蔵。だが、この戦いの場所が駅の裏手になっているところがミソなのだ。手前に列車の車輪や車両連結部などを引っ掛けたアングル(後年の実相寺昭雄的な画作り)や、蒸気機関車の煙に乗じて襲い掛かるやくざたちを、バッタバッタと斬り倒す雷蔵など、すこぶるカッコイイ。特に後者は、画面が時に煙で見えなくなり、その煙が晴れた一瞬に雷蔵たちの姿が見えるなど、実にダイナミックである。

雷蔵のことを慕う朝丘雪路、三波春夫の浪曲師、三条組の若頭に成田三樹夫、敵対する大田黒組組長に佐藤慶 、車曳きに山田吾一、滝沢組組長に石黒達也と、出演俳優もなかなか豪華。佐藤慶はその爬虫類っぽい芝居で実に適役だ。

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