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2004.03.08

3/8 ローカル・ミニコミ誌 

先日の沖縄旅行で買ったミニコミ誌、『Wander・Vol.35』ボーダーインク刊)を読んだ。

昔、学校を卒業して最初に就職したのは、TV番組の制作会社だった。
その頃担当していたのは、局内でスタッフが「振り向けばテレビ東京」と囁くほど、視聴率が取れなかった時代の日テレのバラエティ番組である。その番組もゴールデンとは思えないほどの低視聴率だった。
オレはその番組の担当コーナーの関係で、年がら年中地方出張に出ていた。例えば、朝イチで高知に行き技術スタッフと合流、夕方まで収録して、その日のうちに愛媛に移動して1泊、翌朝から収録して最終便で東京に帰ると言うような、1泊2日2県またがりのロケである。このシリーズで、日本中の8割方の県に一度は足を踏み入れている。だが、観光はもちろんのこと、名物を喰う時間もほとんどなかった(バラエティ番組のロケは、弁当かファミレスが多い。駐車場付きの店にしか入れないし、地方の技術クルーは地元の名産品なんて喰いたがらないからだ)ので、あんなに色んなところに行ったのに、各地の雰囲気も何も味わってなかったりする。
そんな時「折角来たんだから…」と、暇つぶしも兼ねて地方のミニコミ誌やタウン誌をよく買っていた。

今回の沖縄旅行は、プライベートなので時間もあったのだが、昔のクセでなんとなく沖縄ミニコミ誌『Wander』を買ってみた。
これはまた、なんとも地域色の強い雑誌である。地元では「ウチナーグチ」と言うらしい、沖縄言葉が随所に顔を出し、記事の内容も沖縄密着型である。CDのレビューは沖縄のミュージシャンのもので、インタビュー記事は大阪で働く沖縄人だし、特集は「なんじゃこりゃ沖縄/漫画の中の味わいのある沖縄」である。
ちなみにこの特集の内容は、『ゴルゴ13』『ドーベルマン刑事』(千葉真一&深作欣二監督の映画版も含む)、『アストロ球団』『YASHA』『BASARA』から、沖縄を舞台にしたエピソードを取り上げた記事である。言ってしまえば、『キル・ビル』『ラストサムライ』で描かれた日本描写を「なんじゃこりゃ?」と指摘するようなノリで、奇妙な沖縄描写を指摘しているものだ。

前述のように、オレはそれなりにタウン誌とかミニコミ誌を読んだことはあるけれど、ここまで地域愛の強いものは珍しいのではなかろうか。これは沖縄の歴史的な背景に、大きく由来しているんだろう。東京都下で生まれ育ったオレは、東京生まれの大多数の人々と同じように、生まれ育った場所に愛着はあれど、あまり故郷愛とか地域愛がない。正直なところ、『Wander』に書かれている記事の多くは、“うちなー”ではないオレには実感としてよく分からない。だが、ここまで熱烈に故郷を語れることは、本当に羨ましいことである。


オレの本棚には、当時買ったミニコミ誌が1冊だけ残っている。
1986年4月発行の『BANZAIマガジン・第3号』((有)ジャブ発行)である。買った時に読んで以来、開いたことはなかったのだが、懐かしくなって開いてみた。これは『Wander』とは正反対のミニコミ誌で、地域色が恐ろしく薄い雑誌である。じゃあ何の本なのかと言えば、札幌ローカル映画雑誌なのである。おすぎの「かあいそうなおちんちん」や手塚真の「ヴィジュアリストのための映画ガク」なんて連載もある。特集は「日本映画界をダメにするヤツらコイツら・モノ・規則 行くぞ待っとれ急所蹴り!」と来たもんだ。大手出版社には出来ないような、この威勢の良さがなかなか小気味良く、捨てられなかったのだな。
今、ネットで検索をしてみたら、『MAGAZINE REVIEW』ってところで引っかかった。そうか95年の新創刊号で終了してしまったのか…。この本の発行人だった黒田信一氏は、現在ビエンチャンでカフェを開こうと奮闘中らしい。

ミニコミ・コムを見ると、現在も各地でミニコミ誌やタウン誌は数多く出版されている。さっくり眺めてみたが、昔買ったことのある雑誌はあまり生き残っていないような気がする。もちろん、大阪の『L MAGAZINE』や札幌の『さっぽろタウン情報』のような、歴史の古いものもあるけれどし、読んだことのないものがほとんどだ。
この中に『BANZAIマガジン』みたいなのがあったら読みたいなぁと思うのだが、誰か教えてくれないだろうか?

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