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2004.02.14

2/14 『壬生義士伝』

レンタルDVDで『壬生義士伝』を観る。

幕末の京都。ある日、新撰組に南部出身の一人の下級武士、吉村貫一郎(中井貴一)が入隊した。彼はみすぼらしい身なりにも関わらず、凄腕の剣士であった。また、何かにつけてお金に執着する男でもあった。斎藤一(佐藤浩市)は、この田舎侍の生き方に嫌悪を催すが…。

冒頭、屋根上から中庭、そして佐藤浩一のアップへと繋がるクレーンショットは、けれん味たっぷりでこれから始まる物語の期待感を煽る。だが見終えてみると、正直かなり物足りない。役者、撮影、編集(これは名編集マン冨田功氏の遺作である)、美術等、特に粗い部分はなく、きちんと丁寧な仕事なのだが、物語の構成がちと辛い。
物語は、斉藤一と大野千秋(村田雄浩)の両方の視点から、交互に語られるのだが、まとまりを欠いている。これは同時代の吉村貫一郎を異なる角度から重層的に見ているのではなく、別な時代の吉村貫一郎を見ているからかも知れない。一人の人物を、様々な人間の視点から描く手法は、成功したときには非常に厚みが出るが、失敗すると散漫な印象になってしまう。残念だが、この作品は後者である。
また、クライマックスの吉村の独白がちょっと長過ぎで、感動的になるはずのシーンが冗漫になってしまっている。その後のエピローグ前半(普通はエピローグに前半も後半もないが)は、流石は泣かせの滝田洋二郎、畳み掛けるような泣かせ演出が続くのだが、これまた必要以上に畳み掛けすぎで、熱くなりかけた目頭が冷めてしまう。

主演の中井貴一は熱演しているのだが、熱演が過ぎて、役を作り過ぎに見えてしまっている。むしろ脇役の三宅裕司や、普段は絶叫調の芝居が多い山田辰夫の渋く抑えた演技が素晴らしい。

佐藤浩一ほか数名のの老けメイクは、ハッキリと失敗。
バラエティの志村けんの老けメイクを、ちょっと作り込んだくらいにしか見えないのでは、役者が熱演しても空しくなってしまう。ディック・スミスやリック・ベイカーの手になる超絶老けメイクを散々見た後で、これでは悲しい。照明&撮影のサポートが足りない気もするが、メイキャッパー原口智生自体の腕がキビシイのではなかろうか?

水準作ではあるがいまひとつ突き抜けないのが、冨田さんの遺作なだけに残念。

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